身近な環境問題に向き合うには、まず何よりも、私たちが地域に存在する問題・課題を知る必要がある。本書では、映像やワークショップ、ボードゲームなどのツールを用いて、地域の諸問題を〈見える化〉し、その過程で、人と自然のつながりが再構築されていく様子を描き出す。
はじめに(近藤康久)
第1部 異なるまなざしから対話を生む
第1章 記憶を可視化し、可能性を顕在化する
--「100才ごはん」と「三才ごはん」をめぐる映像とインスタレーション(寺田匡宏)
第2章 環境教育としての映像
--土と暮らす陶芸家の自然観から学ぶこと(三村豊・竹田優哉)
第3章 地域に根ざした自然の恵みと災いを再考する
--滋賀県比良山麓の地域文化をとらえた映像が生みだす対話
(吉田丈人・長岡野亜・深町加津枝)
第4章 空から流域を俯瞰する
--琵琶湖とラグナ湖における水を通した人と自然のつながり(上原佳敏)
第5章 変えるもの、変えてはならないもの
--宮崎と東ティモールで「日常」を撮る(阿部健一)
第6章 まなざしを共有する
--ブータン王国の食農システムの近代化に関する映像上映の事例から(金セッピョル)
第2部 対話から協創を仕掛ける
第7章 「私」の問題から「私たち」の問題解決へ
--ザンビアの子どもクラブのデジタル・ストーリーテリング(片岡良美・山内太郎)
第8章 分散した研究のプラットフォームを作る
--ニホンミツバチ・養蜂文化ライブラリーと、伝統養蜂の映像化(真貝理香)
第9章 専門化と非専門家の「わからなさ」の可視化
--「同位体座談会」を通して(中原聖乃)
第10章 社会課題をボードゲームにする
--コモンズの悲喜劇、マナーな食卓、サンタチャレンジ
(太田和彦・井上明人・藤枝侑夏・大谷通高・小田龍聖)
第11章 超学際研究でルーブリックを使う
--コミュニケーションと自己評価(太田和彦・金セッピョル)
第12章 アイディアを可視化し、発想を育む
--オンラインワークショップの基本プロセスと実践例(大西有子)
おわりに(ハイン・マレー)
8割が女性という日本語教師だが、その実像について語られることは少ない。彼女たちはどのように海外での日本語教育を支え、その後どのような人生を送っているのか。日本語教師を取り巻く環境と課題を、青年海外協力隊・日本語教育隊員経験者へのアンケート調査、および4人の女性のライフヒストリーをもとに明らかにする。
第1部 国策としての日本語教育の周辺
第1章 外国人大量受入れ時代の到来
第2章 日本語教育と日本語教師養成の現状
第3章 顕在化する日本語教師不足
第2部 日本から切り離される日本語教師ー青年海外協力隊日本語教育隊員の視点
第1章 青年海外協力隊について
第2章 青年海外協力隊日本語教育隊員の意識と職業観
第3章 開発協力の中の日本語教育の矛盾ー青年海外協力隊日本語教育隊員たちの語りから
第4章 揺れ動く「国際協力の意義」の中で
第3部 日本語で移動する女性たちーその人生とキャリアの語り
第1章 「海外渡航する日本女性」をめぐって
第2章 太平洋島嶼国の日本語教師から技術系企業社員へ
第3章 日本語教育の職人として
第4章 「言語の格差」と「二重の不在」の中で
第5章 世界を渡り歩く日本語専門家として
第4部 海外を目指す若い日本語教師のキャリア形成支援のために
第1章 移動する日本語教師の語りに見る「キャリア形成」支援の手がかり
第2章 日本語教師の「専門性」をめぐる小論ー英語偏重教育の影の中で
発信する英語教育に直結するプロジェクト型言語活動の集大成!児童が創る、伝えたい、理解したいという思い、伝わった、わかったという体験、創造的な言語使用が可能となる課題解決型言語活動の理論と実践集。
SDGsをふまえた国際貢献・国際開発を,実際のフィールドでの取り組みから解説する.〔内容〕SDGs実現への課題と枠組/脱貧困/高等教育/ICT/人材育成/社会保障/障害者支援/コミュニティ/水道/クリーンエネルギー/都市化
ポケットエコーの具体的な使い方やエコー画像の見方を学ぶための“ポケットエコー・ライフ・サポート教育シリーズ”の第2弾がついに登場しました。今回は、在宅医療・訪問看護ケアの現場でよく出会う「経鼻胃管」と「誤嚥性肺炎」をテーマとし、それらをポケットエコーを活用してどのように管理・ケアすればよいかを具体的に学んでいきます。
グローバル化の進展の今日、すでに1970年代初頭、従来の「白豪主義」を一擲し、国是として「多文化主義」を推進してきたオーストラリアの歩みは、今や全世界にとって貴重な経験である。同国の言語教育政策の詳細な分析・考察を通じて、多文化主義が内包する「多様性」と「統一性」との矛盾・葛藤、さらにその持続的努力が拓きつつある「共存」の可能性を具体的に描き出した労作。
本書は、外航海運企業の船舶乗組員を対象とする国際人的資源管理に焦点を当て、企業内教育・訓練とキャリア・マネジメントの観点から、組織社会化戦術としての概念的枠組と、成果の導出プロセスを提示する。本書は、筆者による長年のインタビュー調査に基づいた事例研究から、同業種および職種の特性を踏まえた議論がなされる点に特徴がある。
序 章 本書の概要
第1章 外航海運企業における船舶乗組員の人的資源管理ー組織社会化の重要性ー
第2章 外国人船員の海事教育と予期的社会化ー商船大学による教育・訓練の内部化ー
第3章 外国人船員の予期的社会化と組織適応ー入社前教育・訓練における社会化教育ー
第4章 外国人船員の予期的社会化と規範的統合ーCADET SHIPによる乗船研修ー
第5章 クルーズ客船のサービス・マネジメントとグローバル統合
第6章 学習環境デザインと組織社会化ー外国人クルーズ客船サービス・スタッフの入社前教育・訓練ー
第7章 OFF-JTにおける協同学習と組織社会化
第8章 本国人船員の経験学習とキャリア・マネジメントー陸上部門への配置と組織内キャリア発達ー
第9章 外国人船員の組織内キャリア発達とキャリア・マネジメントー船員から船舶管理者へのトランジションー
第10章 外航海運企業における船舶乗組員の人的資源管理ー組織社会化戦術としての概念的フレームワークー
学校における方言教育や方言の教材作成といった教育と方言との関わり、また昔話の語り活動などの地域社会と方言との関わりについてその実践を紹介し、今後の展望を示す。
■「地域文化の多様性を守るためにー第2巻への招待ー」より
日本の近代史の中で、地域を越えて広域にわたるコミュニケーションに使用されるいわゆる「標準語・共通語」と、地域社会の中で使用される「方言」とは、標準語・共通語の方に教育的・社会的評価面での圧倒的な比重が置かれつつも、事実上は社会生活の中で共生関係に置かれてきた。その間、方言は豊かな地域文化の多様性を創成し、地域社会のアイデンティティーを表出するための重要な手段として、標準語・共通語ではなしえない役割を日本各地で果たしてきたといえる。しかしながら、戦後の高度経済成長にともなう都市部への若年労働人口の集中などにより地方社会は疲弊し、豊かな地域文化を支えてきた方言も、若い話し手たちを奪われ、各地の方言は衰退の窮地に追い込まれている。今日のようなグローバル化の進展する状況下にあって、日本各地で多様な地域文化を醸成してきた方言が失われてしまうことも、ある程度は仕方がないという意見もあるかもしれない。しかし、たとえば関西人から関西弁を取り上げるといったら、関西のみなさんはどう感じるだろうか。決して愉快なことではあるまい。関西弁ほど優勢ではない方言を話す日本各地においては、自分たちの言葉を奪われる危機の度合いははるかに高く、それ故に方言に対する愛惜の念は一通りのものではないだろう。あるいは、自方言が失われることをすでに諦めている地域もあるかもしれない。かつての言語研究者のように自然の成り行きに任せるのではなく、その方言の話し手の立場に立って、方言を残したいという地域社会の思いを受け止めて、方言が次世代に継承されるためのポジティブ・アクションを、多様な社会的立場から模索する時が来たのではないか。
移民研究の分野を代表する編著者のもと、「日本在住の移民2世による移民研究」が多数収載された成果。移民コミュニティ、第2世代の学校後の軌跡、ジェンダー化された役割期待、出身国との往来、日本社会からの排除等のテーマを追った意欲的な論集である。
創立125周年を迎えた早稲田。知の蓄積が先端研究を切り拓く、独創的な領域への挑戦。24人が語る学問の魅力。
アート×テクノロジーが未来の都市を創り出す
「20年後の私たちはどのように生きるのか?」
竹中平蔵氏、南條史生氏、市川宏雄氏、伊藤穰一氏が
国内外の有識者と語り合った、10年間の貴重な講演がまとまった一冊
クリエイティブとはすべてゼロから作ることではありません。
物の見方を変えたり、目標を変えたりする、
それだけで十分クリエイティブなのですーー。
「常識を疑う」ことから始めればいいのです。(南條史生氏 「はじめに」より抜粋)
今私たちは、「新しいカンブリア爆発」にいます。
30年後の私たちの仕事や生活のもととなる
新しいものが爆発的に出現している。
その根底にはAIやビッグデータがあり、
しかも、まだ“初期”なのです。(竹中平蔵氏 本文より抜粋)
【目次抜粋】
PART1 基調講演
・2050年に向けて、限りある地球におけるグローバルな発展
--ヨルゲン・ランダース
PART2 スピーチ
・ニューヨークにおける都市戦略と新たな価値
--ヴィシャーン・チャクラバーティー
・今アジアで起こっていること
--ユージン・タン
PART3 対談
・我々はどこから来て、今どこにいるのか?
--南條史生×エマニュエル・トッド
PART4 ディスカッション
・人は明日どう生きるのか
[森美術館「未来と芸術展」関連プログラム]
分科会1:都市と建築の新陳代謝
「教え中心」から「学び中心」へ。自律的に学ぶ学習者をどう育てるか。また、教師が果たすべき役割とは。
「英語学習は早く始めれば始めるほどよい」。いや、「英語は中学生になってからでも十分間に合う」。
英語教育界の第一線で活躍する論客たちが教科化の流れが加速しつつある<小学校英語>をさまざまな角度から議論し、提言する。
はじめに
1 公立小学校での英語教育の意義
小学校英語活動の現在から考える 松川禮子
公立小学校での英語教育
ー必要性なし、益なし、害あり、よって廃すべし 大津由紀雄
Who's afraid of teaching English to kids? 唐須教光
小学校英語教育、言語政策、大衆 和田 稔
早期英語教育をどうする 安井 稔
2 国際理解教育と英語教育
国際理解教育の一環としての外国語会話肯定論
ー競争原理から共生原理へ 冨田祐一
小学校英語教育
ー異文化コミュニケーションの視点から 鳥飼玖美子
3 言語教育の現場から
小学校への英語導入について 直山木綿子
母語での言語技術教育が英語の基礎となる 三森ゆりか
公立小学校に英語教育を導入する前に
ー思考の論理表現教育のすすめ 福澤一吉
4 語学教育を考える
只管朗読と「必要悪」としての英語 國弘正雄
語力教育とは何か 安西祐一郎