地味で取り柄もない菫。派手好きで浪費家の母と姉に、稼ぎから家の仕事まですべて押し付けられ、身も心もボロボロだった。ある日、姉の借金の取り立てにヤクザが乗り込んできて…返済の代わりに、菫はヤクザに売られてしまった。家族に捨てられ沈む菫に、何故か若頭の桐也は親切に接してくれる。やがて店に出るため着飾った菫を見て、桐也は意を決したように言うのだった。「…店に出なくていい。俺の専属家政婦になれ」-やがて結婚し幸せになる二人が、お互いの居場所を見つけていく、不器用な溺愛生活がはじまる!
きみの推理で、学校の珍事件を解決せよ!読解力・論理的思考力が身につく、大人気の“新感覚ミステリーブック”最新作!
認知症と診断された高齢者は、徐々に起こる認知機能の低下とそれにより生じる生活の困難を、どのように感じ、それにどう対応するのか。母が死の二年前まで綴っていた日記から、外界をどのように眺め感じていたかを、専門医である息子が探る。精神医学の常識を覆そうと始めた試みだったが、果たして、その先にみえたものとは?
「お酒を飲んでいないお母さんは優しい。だけど、お酒を飲んでいるお母さんと一緒にいると、いつも苦しくなる」アルコール、覚醒剤、ギャンブル、ゲーム…、本人の意思だけでは回復できない依存症という困難、家族や子どもたちの葛藤と絶望、そして、回復への道のり。依存症の家族に振り回され疲弊している子どもや、自身が依存症に陥ってしまう子どもの姿を描く、渾身の一作!
「2020年春。新型コロナウイルスのまん延により、私たちの生活は大きく変わった。それは生活だけでなく、強固だった人間関係にも影響を及ぼした」東京で妻と暮らす息子・ナオキ、地方で父と暮らす母親・ケイコ。どこにでもいる仲の良い親子だったふたり。コロナ禍の度重なる社会不安により、会えない日々が続くがお互いを想い合って過ごしていた。しかし、ある時期から母親が怪しい動画を送りつけてくるようになりー。「母親が信じる陰謀論の正体とはなんなのか?」「陰謀論を信じている人はどんな人なのか?」、そして「なぜ母親は陰謀論を信じてしまったのか?」。その真相に迫る過程を息子視点で描いた濃密なセミフィクション。
たぶんレシピの役には立たないけれど、きっと台所には立ちたくなる食エッセイの名品を召し上がれ!
再び恋人同士になった結女と水斗はー浮かれていた。一つ屋根の下に恋人がいる新しい日常に!両親に隠れてイチャつき、「もう少しだけ…独り占めにしたくて。ダメ?」友達にもしばらくは内緒。秘密の関係を噛みしめる一方、“家族”としてのボーダーを超えられない環境に焦れてもいた。バレンタイン・ホワイトデーは恋人らしく楽しんで、期末試験を支え合って乗り越えても、お互いにあと数センチ手が伸ばせず…。「結婚記念日だからね。遅めの新婚旅行に行こうと思うんだ」ついに訪れる、両親不在の三日間。でもー自分から誘ったら負けなのでは!?恥じらいと意地、根比べの行く末は!
警察庁の公安秘密組織『十三階』はテロリストを排除する超法規的スパイ集団。規格外の女スパイ・黒江律子と上司の古池慎一は夫婦となったが、天方首相の娘・美月の恋人を謀殺してしまいアメリカに逃亡。産まれたばかりの息子と束の間の平和を味わっていたが、十三階指揮官の藤本のもとに律子の名前を騙るテロリストから爆弾が届き、事態は一変。即時帰国となる。テロリストの狙いは十三階かと思いきや、新幹線爆破計画が新たに浮上。見えない敵に翻弄されるなか、天方美月が古池ににじり寄り、十三階はピンチを迎える。大人気シリーズ第四弾!
勇太くんは、会話によって他人と信頼関係を築くことができない。それは母親に対しても同じだ。でも母にとっては、明るく跳びはねている勇太くんこそが生きる希望だ。幼児教育のプロとして活躍する母が世間一般の「理想の子育て」から自由になっていく軌跡を描いた渾身のルポルタージュ。子育てにおける「普通」という呪縛を問う。
クローン病は根本的な治療法がない難病であり、治療薬がなかった時代には食事の成分を制限する栄養療法が治療の主体であった。時は流れ、医者も患者も有効な薬物療法に頼りがちな近年、忘れかけていた栄養療法の重要性を再確認させられる症例報告である。
親、友だち、同僚、パートナー、SNSの言葉に戸惑う女性たちのインタビューから「産まない」を紐解く。
あの介護の日々は、母から私への教育だったー。『絶対音感』『星新一』など傑作ノンフィクションの書き手であり新聞の人生案内も人気な著者の半生にじみ溢れる名エッセイ集。
1枚の紙からさまざまに形を変え、つくりだされる折り紙の数々。なかでも、母から子へ、そして、またその子へと、手から手へ、何代にもわたって折りつがれてきたのが伝承(でんしょう)の折り紙。この本では、昔から伝わるそんな伝承折り紙を、数多く集めてみました。
きらびやかな宝石の匣。だが開けてみると、肝心の宝石は消えうせ、赤い絹布の窪みだけが残っている。この匣は虚とか不在と名づけられるべき、天与の贈りものであろうか。戦争の傷をその後の人生に刻した三姉妹を美しい宝石匣の虚になぞらえ、妖美壮麗の小説世界を築く幻想文学の傑作。会心の連作集「とらんぷ譚」の完結編。