地球の面積の7割以上を占める海。大航海時代以来、その覇権をめぐって、多くの国々が鎬を削ってきた。スペイン、オランダ、イギリス、二度の大戦を経て頂点に君臨するアメリカ。そして国際ルールへ挑戦する中国…。本書は、航路や資源、国際的な法制度など多様な論点から、400年に及ぶ海をめぐる激動の歴史を描き出す。各国の思惑が交錯し、形作られてきた海洋秩序を前にして、海に囲まれた日本はどう向き合うべきか。
新たな分断の先で、自らのアイデンティティを再構築し真の自由を獲得するためにー米国保守派のキーパーソンと太いパイプを持ち、現地事情に精通した実務家による大変革の現代社会を生き抜くための処方箋。知識人やマスメディアの“手口”を知れば、これから世界で起きることが予測できる。
「どうしても後世に伝えて欲しいことがあります」福島県浪江町の「闘う町長」は、死の直前、ある「秘密」を新聞記者に託したー。原発被災地の最前線で生き抜く人々と、住民が帰れない「白い土地」に通い続けたルポライターの物語。
あとどれだけ近づけば、あとどれだけ離れれば、あたしはシアワセにさわれるんだろう。家族?友達?恋人?…どんな名もつかない間柄がつむぐ糸の行方は。野間児童文芸賞受賞後YA作品第一作!
児童養護施設「星の子の家」で暮らす花は、18歳の夏を迎えたが、将来への夢や希望を何ひとつ持てていない。ある日、「星の子の家」にまた一人、事情を抱えた女の子・晴海がやってくる。ボロボロになったぬいぐるみを必死に抱きかかえている晴海の姿に、花はかつての自分を重ねていた…。みずみずしい連作短編集。
だいじな、だいじな卵をまもる海のおとうさん、おかあさん。卵のそばでおせわしたり、見つからないようにかくしたり、あかちゃんが生まれてくるまでがんばります。卵をまもる海の生きものたちのいっしょうけんめいなすがたを知ってほしいな。
ChatGPT、Midjourney、Bing…「生成AI」を乗りこなせ。すべきことで1/1000になる異次元のスキル。
小畑洋助、12歳。海洋生物学者の父・徹郎とふたり、フィジー諸島はパゴパゴ島に移り住んですでに3年になる。洋助はある朝、ジェットスキーを駆っての通学の途中、珊瑚礁の潮だまりにひとつの生命を発見した。それは、今から6500万年前にこの世に生を食んでいたプレシオザウルス、その末裔だった。そしてその奇跡の生命は洋助の侘む前で両眼を瞠き、やがて歓声の産声をあげた。洋助はこの瞬間からクーの母親となった。しかし平和な日々は長くはなかった。クーの存在そのものが、フランスの核実験実施の鍵となるとは誰が想像しただろう。洋助と徹郎は、フランス諜報機関SDECEの襲撃を前に、銃をとった。クーのために。友情のために。愛のために。文壇を猛攻する気鋭が贈る、渾身の海洋冒険ファンタジー。
おれのなまえはサンゴロウ、うみねこ族だけの住む島〈うみねこ島〉の船乗りだ。うみねこ島に、おそろしい病がはやり、おれは、命より大切な船〈マリン号〉に乗り、薬の原料のガラス貝をキララの海へとりにいくことになった。
称の孫重耳は、翼攻めに大功をたてた。雄偉な体躯の心穏やかな公子で、狐氏から妻を娶り、その一族の厚い庇護を受けていた。称の死後晋の君主となった詭諸は、絶世の美女驪姫に溺れ、奸計に嵌まって重耳たち公子を殺そうと謀る。逃れ出た重耳と家臣たちの、辛酸の日々。晋の国内は大きく乱れて…。
子供には読ませたくない、残酷な「秘密」の物語。復讐の道具として育てられたラプンツェル、人殺し領主の罠にかかったヘンゼルとグレーテルなど、グリム、アンデルセンなどの童話集から7編を収録。
初ブラジャーや初ディスコ、おもしろ家族のエピソードから、恋愛、夫・浅野忠信との出会い、結婚、出産、子育て、そして音楽についてー。ミュージシャン・CHARAとして、そしてひとりの女性としてのドラマチック人生が、ライトな文体で綴られました。恋に、仕事に、人生に悩むすべての女性たちへ、CHARAからの応援メッセージです。
群雄割拠、他国の侵略も絶えないイタリアにあって、一千年もの長きにわたり交易で欧州を席巻、自由と独立を守りつづけた海洋国家ヴェネツィア。異教徒との取引にも積極的であった一方、聖地奪還を旗印にする十字軍に荷担しつつ、これを巧みに利用して勢力範囲を着々と拡大するーそんな現実主義者たちが地中海を舞台に壮大なドラマを繰り広げる。政治経済はもちろんのこと、そこに生きた人々の暮しぶりや息づかいまで詳述した、塩野ルネサンス作品中一番の大作。
望んでも産めない女。子供を奪われた女。母親になれないのに執着する女。三人の女たちの情念が交錯する傑作サスペンス。第19回サントリーミステリー大賞受賞作。読者賞ダブル受賞。