明治になり松江藩でも、武士たちはその身分、家禄を失った。幼いころは武家の娘として大切に育てられてきたセツは、住まいを追い出され、働く意欲を失った父に代わって、縫物仕事や機織りで糊口をしのいでいた。折しも日本に憧れ、来日したものの、原稿が採用されず、英語教師となったラフカディオ・ハーンが松江の尋常中学校に“ヘルン先生”として赴任する。縁あってセツはハーンの身の回りの世話をすることに。セツが語る怪談に興味を示したハーンは、何度も繰り返し話すように頼む。こうして二人の共同作業が始まった…。
名君と名高いローマ皇帝が、自己の内面と徹底的に向き合って思索を掘り下げ、野営のテントで蝋燭の灯を頼りに書き留めたという異色の書。迷いや弱さを包み隠さず披歴する一方で、それを強い言葉で戒めて人としてあるべき指針や理想を示す。対人関係に悩んだり生きづらさを覚えたりする人へのヒントにも満ちた不朽の名著を、様々な補助線を示しながら読み解く。
でたらめ!奇怪!イマジネーション!昭和の児童書の世界が令和の世に帰ってきた!『入門百科シリーズ』や『なぜなに学習図鑑』のテイストで送るタローマンの世界。
「おかあさんといっしょ」1年分の月のうたと人気曲を集めた年に1度のベストCD!
新しいたいそうのお兄さん、和夢お兄さんを迎えて走り出した「おかあさんといっしょ」の最新CD!
4月のうた「はっぱっぱのハーッ!」、毎日の支度の時間がもっと楽しくなる5月のうた「じゅんびばんたんたん!」、
キラキラ前向きな気持ちにさせてくれる7月のうた「きみのえがお」、「にんじんエンジンロケット」や「はたらきものブギ」を含む、
2022年11月から2023年10月までの1年分の月のうた9曲を収録。
さらにはおかあさん・おとうさんも懐かしい「にじのむこうに」「イカイカ イルカ」をはじめ「ぼよよん行進曲」「ようかいしりとり」など番組人気曲と、
ボーナストラックの「ファンターネ!」劇中歌をあわせた全19曲のベストアルバム。
直木賞作家が英雄8人をプロファイリング!彼らは何を賭け、何に突き動かされたのか。
すべての子どもは、文法の基本原理を生まれつき持ちあわせて誕生するが、3歳までにどのように天才的に言葉を習得するのか。脳内のどこかに文法の遺伝子を見出せるのか。人類史上、言語はなぜ、いかに発生、進化したのか。スラングや方言などは、言語の堕落を招くのか。世界をリードする少壮の心理言語学者が、言語本能論に基づき、言葉についてのさまざまな疑問に明快に答える。
「ソフィーはだれ」物語に隠された数々のしかけを明かす世界で2番目にやさしい哲学の本。
社会を支えていたはずの政治・経済・教育・家庭といった基盤が、崩壊の危機に瀕している現代日本。アメリカが強く掲げ、戦後日本が導入した「デモクラシー」とは、壮大なるフィクションだったのであろうか。敗戦から半世紀、わたしたちは「戦後民主主義」の名のもとに、「自由」「平等」という言葉の内に潜む危うさを意識的に回避してきたのではなかったのか。社会に「共有の価値」が失われたとき、「自由なる個人」は、一体どこへ行くのか。経済思想、社会思想の研究から現代文明批判、社会批判へと展開を広げる著者が、現代日本の病理を描き、戦後民主主義五十年の大いなる錯誤を突く。
人は古来、さまざまな形にどのような意味をこめ、美を創造したきたのか。紋様や美術、工業デザイン、建築に表現された多様な形。山や雲、川など自然界の形とマルや三角、四角、放物線など幾何学的な人工の形。形の体系を見直し、自然の造形に西洋の美の原理、黄金比と近似の関係を見出して、新しい構成学の地平を切り拓く。また、自然主義的な日本の造形美の秘密を解き明かし、近代的造形の世界で軽視されてきた自然界の奥深い形の復権をはかる意欲作。