何かとあれば正気を失ってしまう身心惰弱な少年カンナは、片思い中の女性の顔面に突如として開いた穴に吸い込まれ、異世界スウシャイへと迷い込む。そこで出会ったラヴと名乗る少女に救われたカンナは、少女が呪いによって「愛」に関する言葉を奪われていることを知る。取り戻すにはカンナの世界へと赴き、“もう一人の自分”の創作活動を止め、スウシャイを歪みから解放しなくてはならない。そんな目的を持つラヴとともにカンナは旅立つが、二人を待っていたのは人面鼠、蟹、しゃべる脳、毒の言葉を持つ魔女などとの禍々しき出会いだった。クトゥルフ神話の祖・怪奇小説作家ラヴクラフトを美少女化!名状しがたき暗黒冒険ファンタジー。
「私の記憶の中にあるホテルを探してくださらない」ある老婦人から依頼された私は、かつて横浜の高台にあり、多くの外国人客を迎えた小さなホテルについて調べはじめる。海が見えるオープン・テラス、年末にバンケットルームで開催される豪華絢爛なダンス・パーティ、評判のシェフが作り出す珍しい料理の数々、世間の目をはばかる客も多かった長期滞在者用のアパートメント。不思議なことに、もと従業員や宿泊客たちが語るホテルにまつわる思い出話には、死と影と奇妙な謎がからみついていたー憂いと頽廃の気配漂う、美しくも恐ろしい連作短編集。
「合掌」には仏教的な意味があります。「合掌」する時の、合わせた手の左手は自分自身、右手は自分以外の相手とされています。自分以外の誰か。それは、仏様であったり、両親、友人であったりします。そんな自分以外の相手と、自分の心をひとつにすること。それが「合掌」の意味するところなのです。手を合わせることで、自然と感謝の気持ちが湧いてきます。怒りの感情やイライラした心もすっと消えていきます。つながる温もりが、生きる力になっていくのです。
素粒子の世界へようこそ。▼重さの素となる「ヒッグス粒子」、宇宙創生の秘密につながる「超ひも理論」、莫大なエネルギーを生む反物質、あまりにもふしぎな仮説の数々…など、奇妙で奥深い素粒子の世界がわかる一冊。▼○本書の目次より/ヒッグス粒子は“粒”じゃない/「素粒子研究」ってどのようなもの?/山手線サイズの巨大実験装置/物質が存在できるのはなぜ?/二人の天才物理学者ゲルマンとファインマン/素粒子はブラックホールと同じ?/アインシュタインとピカソの共通項/ヒッグス粒子はどうやってつかまえる?/「超ひも理論」の主役はDブレーン/素粒子と宇宙誕生のはなし…
大手電機メーカーを「ある事情」で退職したエンジニア・野口陽子は、存続が危ぶまれる東北の大学に非常勤講師として招かれた。彼女に課せられた使命は、「ソーラーカー」を作り、レースに出て大学の知名度を上げること。そして陽子のもとに集まった落ちこぼれの六人の学生たち。一見、能天気に見える彼らも心の奥には様々な悩みを抱えている。鈴鹿で行なわれる全日本ソーラーカーレース優勝を目指して、熱く激しい挑戦が始まった。
「今まで着ていた服が似合わない」-そんな悩みから始まった、私らしいおしゃれ探し。手間もお金もかけずに着こなしが見違える50のヒント。
「グローバル化」「イノベーション」という最大の経営課題をまえに、日本企業がとるべき「経営戦略」とは、どのようなものか。本書では、戦略系コンサルティングの第一人者が経営戦略を体系的に解説。前半では、ポーター、コッターなど経営戦略の原論を取り上げ、後半では、前半をふまえて、「グローバル化」「イノベーション」で成功するために、日本企業が目指すべき新しい経営戦略を考察する。経営戦略の理論と実践が体得できる一冊。
自分の仕事を「見える化」し、結果を出して、自分で評価し、かつ自分で説明できること。日々の業務に仮説検証プロセスを取り入れ、現場やチームメンバーと共有するかたちで仕事を進める。できあがった資料は組織の改善活動にそのまま活かされる。人、組織を巻き込み、成果を上げる戦略を紹介。
スマホやSNSなしで何日過ごせますか?ネット依存に陥っていた著者がたどり着いた、かしこいネットとの付き合い方。
戦後、日本企業は「一体感」を武器に成長してきた。しかし、それこそがバブル崩壊ののち、人と組織を停滞させた元凶だったのだ。30社以上に助言してきた組織コンサルタントが、社会経済の変化とキャリアパスに潜む問題から、この重篤な病気を喝破する。大人の仕事場であるはずの会社が、なぜ子どもの仲良しグループのように馴れ合い、一流の人材を排除しはじめるのか。あるいは個人の成長を妨げるのか。幼稚な組織と心中しないためにも要一読。
教科書では教えてくれない生物のはなし。▼進化生物学者であり、ベストセラー『働かないアリに意義がある』の著者が、生命の不思議を鮮やかに解き明かす。▼○本書の目次より▼生命の誕生はただ一度の奇跡/伝わらないものは残らない/生物は合理的にできている/DNAはなぜ二重らせんなのか/細胞の誕生/ゲノムの戦い/植物はなぜ緑色?/細胞は協力しあう/ハチはなぜ協力するのか?/あなたはどの臓器になりたい?/超個体の誕生/アリはバカなのになぜ一番良いものを選べる?/脳とアリは似ている/ヒトもミツバチも鬱になる/メスとオスがあるのはなぜ?/できるだけ得をするための雌雄の戦い/雌雄で別種/生き延びるために闘う? 逃げる?・・・
タブーを破った感動の対話!▼神道に精通した旧皇族。仏教の奥義を知る大阿闍梨。竹田恒泰氏と塩沼亮潤氏が、立場の垣根を越えて、「日本の伝統精神」について語り合った。▼○戦いによらず統一王権を築いた天皇の独特さ▼○フランス料理のソースに勝る日本のダシ▼○日本人の生活のほうが欧米人より宗教的▼○自分は「中継ぎ」であるという自覚▼○北野武監督に「救われた」人たち▼○日本が幸せになることが、世界の幸せにつながる▼光り輝く61のエピソードで、この国に生まれた幸せを実感し、伝統精神にも触れることができる。日本人必読の一冊!
養老孟司氏も納得! 「昔も今も、再生可能エネルギーが環境破壊を進めることがよくわかる」▼幕末の時代、日本の国土のなんと4分の1近くが、完全な裸地か荒れ地であったと推測される。薪(たきぎ)や炭焼きなどのために木を伐り尽くしてしまったためだ。西欧では木材の利用により原生林がすべて消滅した。森林という再生可能エネルギーの過度の利用が、大規模な環境破壊をもたらしたのである。▼現在のCO2負荷が少ない太陽光発電なども、フローの太陽光エネルギーを利用するという点では薪炭の利用と共通しており、化石燃料に比べエネルギー効率が非常に低い。ゆえに生態系に大きな影響を及ぼす大規模な開発が必要条件となる。そもそも、地球温暖化の原因がCO2ではないという信憑性が高い学説もあるーー。▼歴史と原理に基づきエネルギーの現実を語り、シェールガスや新技術が変える未来を見通す。▼<本書の内容>◆崩壊したヨーロッパの「木の文明」/◆水車が産業革命の先駆/◆知られざる風力発電史/◆ヒート・アイランド現象を促進させる太陽光発電/◆シェールガスが国際政治に与える影響/◆再生可能エネルギーよりも二酸化炭素削減効果が高い、化石燃料利用技術の革新/◆なぜ「石油の世紀」は終わったのか/◆電気自動車が主流になる可能性は非常に低い/◆全球観測では温暖化現象は止まっている/◆本当のグリーン・エネルギーーー間伐材と廃棄物利用の効用◆日本のベストミックス・シミュレーション
レッドソックスの不動のクローザーとして活躍する著者。2013年シーズンは、見事ワールドチャンピオンとなり、胴上げ投手にもなった。39歳となった今シーズンも、活躍を続けている。本書では、著者が年齢を重ねながら進化し続ける理由を明らかにする。▼著者は「不安やプレッシャーは悪いものではない」という。「不安があるからこそ、準備を怠りなくと思うことができる。不安に押し潰されるのではなく、不安こそが自分を動かすエネルギーとなりえるのだ」と断言する。▼著者の毎日は、マッサージなどの身体のケアを他のどの選手よりも入念に行い、ストイックな生活をおくる日々だ。それは「ケアを怠ることで怪我をするなどして、後悔したくない」という一心だ。そしてその先にあるのは、マウンドに上るまでの覚悟だ。▼著者は、毎日小さな目標を立てて球場に向かう。▼雑草魂を糧にいかに壁に挑み克服してきたかを明らかにする。運命を切り拓きたい人は必読の一冊。
ムダなく、ムリなく。人気料理家が日々大切にしている、衣食住のこと。
阿川佐和子さん推薦! 「名誉欲はないけれど好奇心が人一倍。善人にみえるが案外のB面好き。そんな野口健だから、その言葉には真実がある」▼▼美しい「日本の象徴」でいま起こっていることは、日本社会が抱える問題そのものだ!▼2013年6月、富士山は世界文化遺産に登録され、日本中が沸き立った。しかしその清掃登山に尽力し、「富士山が世界遺産になったらいいね」といいつづけてきた野口氏は第一報を聞いたとき、悔みに悔みきれなかったという。▼「清掃登山に全力を注ぐなかで、環境問題を超える富士山のほんとうの問題に気づいてしまった」。そう野口氏は語る。そこで彼がみたのは「日本の象徴」の背後で既得権にしがみつき、縄張り争いに奔走する「人間」の姿だった。▼そうしたなかでひたすら「世界遺産登録」だけを目的に準備が進められてきたことを、綿密な取材を重ねながら本書は描き出していく。そして、じつは今回の世界遺産登録にはユネスコからの「条件」がついていることを、どれだけの日本人が知っているだろうか。▼その「条件」をクリアできなかった場合、富士山は「危機遺産」入りもしくは世界遺産登録取り消しすらあり得るのだ! ならば、もつれた人間関係の糸をどう解きほぐし、日本の宝を「守る」ためにいま何をすべきなのか。▼そこで野口氏は「富士登山鉄道」など目から鱗のビジョンを次々に打ち出していく。そもそも江戸時代の富士山登山は「弾丸登山」どころか「スローな旅」だった。そうした「ほんとうの観光」のあり方をも描きながら、日本を代表するアルピニストが著した衝撃の一作。▼▼内容例:「それは義務か?」と開き直って怒る中国人/登山客の激増で環境汚染はさらに進む/山梨と静岡で山開きの日が違う!/八合目から上は浅間大社の私有地/山小屋にも渦巻く巨大な利権/「自然遺産」がダメなら「文化遺産」だ!/鎌倉は富士山の「ダミー」になったのか?/めざすべきゴールの違いーー毎日新聞との訣別/小笠原諸島の主役は「カタツムリ」/あと10万人の登山者を減らすために/なぜ登山鉄道がとっておきの秘策なのか/スイスのツェルマットに学ぶべきこと/高まりつづける「日本を知ろう」という気運/外国人の評価にあまり追随しないこと/いま僕たちがもつべきは大きな歴史観
人間関係について、悲しみについて、成功について、人生についてー。生き方のヒントとなる59のエッセイ。
大好評『おはなし だいどころ』に続く、第2弾! ふでばこ、ランドセル、ぞうきん、こくばん……。教室にある身近な物たちが、愉快な会話を繰り広げます。ほっこりあたたかく、くすっとおもしろい30話がつまった一口童話集。▼「おりがみ」--青いおりがみが、変身ごっこをしようといいました。緑色や金色のおりがみは、風船やお財布に変身します。次々と、おりがみが変身していくなか、白色のおりがみだけは「めんどくさいなあ……」と言いながら……!?▼「セロハンテープ」--セロハンテープは、やぶれた紙をペタンときれいになおしてくれます。そこへ、「たいへんです! なにものかにバラバラにされていました!」と、したじきが紙を運んできました。つなぎあわせてみると……!?▼テンポの良いお話とユーモラスなイラストは、学齢前の読み聞かせや、小学校低学年の自分読みにオススメ! あなたの教室でも道具たちの会話が聞こえてくるかも……!?
やさしそうに見えるが、じつはやさしくないということがあまりにもたくさんある。▼表面的にはやさしい。でも実は残虐性をもっている。▼日頃はやさしい。しかし、問題が起きると逃げてしまう。▼「愛している」と強調する。しかし、その言葉の奥にあるのは、自己中心的な要求であるーー。▼本当のやさしさとは何か? 人がやさしくなれないのはどうしてなのか? やさしい人をどうやって見つければいいのか?▼・必要でない物と人を捨てる。▼・無理をしている自分に気づく。▼・仮面をつけて生きてきた過去を消化する。▼・見失った自分の本性を探す。▼本当のやさしさと出会い、幸せに生きるための道しるべとなる一冊。
わかる、役立つ、できる! 世界的大ベストセラーを日本人の働き方、生き方に即して解説。人生が劇的に変わる一冊!