性科学、精神分析、小説にセクシュアリティが表象として構築されたプロセスを探り、性的啓蒙を経た現代を問う。
女と男の新しい関係とは何か?変わりゆく性と変わらぬ人間の生の関係を総合的に考察。売買春、心中事件などから老年期の性の問題などに至るまで、多様な性の現実を様々な角度から捉えなおす新しい家族論。
近世の公娼制度、戦時下の従軍慰安婦、現代アジア諸国への性侵略を生み出してきたものはなにか。家庭内離婚、セクシュアル・ハラスメント、若者の恋愛恐怖症から母子相姦、連続幼女殺人まで、愛と性を欠落させた日本の性風土の歴史的構造を究明する。
「ヒトはなぜ水に魅かれるのだろう」生殖のプロセスのなかに、からだの特徴のなかに、免疫系、神経系、ホルモン系のしくみのなかに、痕跡を残す「かつて水中生活に適応していた」ことの証し。水中出産のパイオニア、M・オダンが、忘れられたヒトと水との結びつきに科学の眼をむけ、環境と調和した未来の人間像を描きだす。
「近代」は日本人の性をいかに変えたか?性の王国=江戸の豊かさを、開化・西洋性科学が引き裂いていく。『青鞜』の激しい処女論争、奇怪な似非性科学の氾濫、「強い男・弱い女」神話の呪縛など、外部からの力に揺れつづけた近代日本の性を鋭く解析する。
帝国の維持には、性的機会の供給システムが不可欠であった。イギリス帝国におけるセックス、人種主義イデオロギーを分析、「従軍慰安婦問題」論争にも新鮮な一石を投じる。
本書は、セクシュアリティという領域をゲイの視点-ゲイ・スタディーズという方法-を通して解明しようと試みている。そして、そのことによって明らかになる同性愛と異性愛の関係性を、いまの社会の中で同性愛者がどこに位置し、異性愛者がどこに位置しているのかという切り口から語ることを目指している。
明治期に形成された日本人の思考の枠組み、それはセクシュアリティ観、都市下層社会観、家庭観の三つの観念と、その相互連関性を浮き上がらせることで見えてくる。そして、その枠組みは、形を変えて今も日本人の意識下にあるがゆえに、極めて今日的な問題を提起することになるのである。
姦淫と不倫は人間の本質か?「セクシュアリティ」、「やましさ意識」、「魔女とジェンダー構造」などアメリカ文学にみられる根源的テーマを鋭く抉る。
ジェンダー/セクシュアリティとは、私たちの生の、いかなる局面への名付けなのだろうか。それはどのような装置のもとで稼働し、なにを私たちにもたらしたのだろうか。剥き出しになった私たちの生を、「生の政治化」という視角から捉え直し、それが可能にする新しい自己と共同性の在り方を考える。
本書ではジェンダーとセクシュアリティの混乱を整理した上で、現在のセクシュアリティ研究の最先端まで読者を導いていく。
どこの学校にもいるセクシュアルマイノリティの子どもたち。当事者の視点から「人権と共生の教育」に新たな一歩を刻む。
本書は、お茶の水女子大学・ジェンダー研究センターの研究活動の一環として、平成12年度に立ち上げられた「健康とジェンダー」研究プロジェクトにおいて得られた成果をまとめたものである。