友だち関係にのめり込む思春期の子育てにこそ、親への「愛着」が重要であることをやさしく解説。溢れる情報に惑わされない「愛着」の原理を活かした子育てを提唱する。
第1章 思春期を知る
1 「思春期」ということば
2 思春期の意味
3 思春期の始まりと終わり
4 子育ての要としての思春期
第2章 思春期の親子関係
1 対人関係の構造変化
2 子どもと親の葛藤状態
3 思春期に何が変わるのか
第3章 子育ての条件としての愛着
1 子育ての前提条件
2 愛着の理論
3 愛着の本質
第4章 思春期の愛着の危機
1 思春期の愛着
2 子どもを蝕む「仲間指向性」
3 仲間指向性がもたらす災厄
第5章 子どもを手放すな
1 仲間指向性を後押しする現代社会
2 子どもに友だちは必要か
3 子どもを引き寄せる
第6章 愛着にもとづく子育て
1 愛着だけが子育ての「場」を作る
2 愛着を損なわないしつけ
3 親にしかできないこと
第7章 愛着の村を作ろう
1 一人では育てられない
2 大人の役割
3 愛着の村の構造
第8章 子育ては「技術」ではなく「関係」
1 「正しい子育て」のプレッシャー
2 子育ての「技術」への依存
3 子育ては「関係」
第9章 思春期のメンタルヘルス
1 メンタルヘルスの時代
2 思春期の病理化
3 本当のメンタルヘルス
4 メンタルヘルスも愛着次第
第10章 子育てのゴール
1 子育ての終わり
2 子育ての目標
(本書「推薦の言葉」抜粋)
混迷する日本の子どもの臨床現場に,待望の書が邦訳されました。原著は米国のM. E. ブラウシュタインとK. M. キニバーグ共著の「実践子どもと思春期のトラウマ治療 Treating Traumatic Stress in Children and Adolescence」です。著者らは,親の薬物やアルコール依存,精神疾患,虐待やDV,殺傷事件や暴力沙汰,家庭崩壊,貧困や難民などの想像を絶する問題に取り組むなか,子どもの周りのコミュニティーの力に早くから気づいていました。また,早期のトラウマケアのため,子どもと養育者にトラウマ反応をよく説明し,主体的に克服する力を促す,トラウマ・インフォームド・ケアのリーダーです。
訳者は,長年東京都児童相談センターで虐待の臨床に取り組んできた伊東ゆたか先生とその仲間です。伊東先生らは,米国で著者の指導を受け,レジリエンスを育てるアタッチメントattachment(A),調整regulation(R),能力competency(C)つまりARC の枠組みを日本に広めるために,渾身の熱意で本書の翻訳に取り組まれました。このARC の枠組みは,多様な場で実践できる有効な方法であることが学問的に実証されています。
安全安心の土台としての愛着,現実に適応するための感情調整,ストレスに耐えて生き抜く能力の3軸を基本とするARCは,人が生きぬく普遍的なサバイバルの原理として,脳科学的にも検証されたものです。
今,日本全国には,虐待,DV,いじめにあう子や,被災,家庭崩壊,貧困を体験する子どもが増えています。発達期に耐えがたいストレスを受けると,やがてトラウマ反応が生じます。恐怖の記憶がわきあがるため,じっとできず,集団に溶け込めず,ささいなことで癇癪や暴力や引きこもりがおきます。誰よりもその子自身が一番苦しみ,生きていること自体が辛くなります。子どもと家族,身近な幼稚園,保育園や学校の先生に,トラウマ反応について理解してもらうことで,子どもを取り巻く関係性は改善します。
子どもの複雑性トラウマに適切に取り組む専門家は,日本はむろん世界にもそう多くはいません。親(養育者)子を尊重し,その主体性を育み,地域集団の人的資源を掘り起こし,一歩ずつ着実にできるところから手をつけていくほかありません。悪循環が生じる前に少しでも穏やかな関係性が生まれることが大切です。
本書が全国の児童相談所や養護施設や里親の方々に日常的に読みこなしていただけることを願います。それだけではなく,家庭,保育園,幼稚園,子ども家庭支援センター,学校や地域の医療機関で,広く読まれることを願います。トラウマ反応への理解が増し,トラウマを抱えて生きる子どもへの思いやりが社会に広がることにより,深刻なトラウマ反応が予防され,すでにトラウマで苦しむ子どもと養育者の心にも暖かい光が灯されていくことを希望します。
渡辺 久子
世界乳幼児精神保健学会理事
未定
近年の医療の進展に伴い,小児期発症の慢性疾患患者の入院期間は短縮傾向にあり,多くの子どもたちが外来通院を継続しながら地域社会で生活するようになった.本書は,小児期発症の慢性疾患に関する理解を深め,小児期から成人期への移行支援を実践できる能力を身につける,「プライマリ・ケア看護師」向けテキストである.
目次
1 移行支援におけるプライマリ・ケアの役割
1 移行支援とは
2 移行支援を支える診療体制
3 移行支援にかかわる制度・政策と課題
4 病院の果たす役割
5 プライマリ・ケア看護師の役割
2 移行支援の対象の理解と看護
1 思春期・青年期の成長発達課題
2 小児期発症慢性疾患患者の発達課題
3 疾病に関する教育と症状マネジメント─遺伝医療と成育医療の視点から─
4 小児期発症慢性疾患を有する子どもと家族への看護
3 小児期発症慢性疾患患者と家族の特徴
1 小児期発症慢性疾患患者と家族のファミリーライフサイクルとその課題
2 家族志向の移行支援の重要性
3 家族を1 つのケアユニットとして捉えたアプローチ
4 家族の構造に対するアセスメントツール
5 活用できる社会資源
6 成人移行期のピアサポートプログラム
4 プライマリ・ケアにおける移行支援が必要な疾患とその影響と看護の展開
1a 染色体異常
1b 染色体異常(事例)
2a 膠原病リウマチ
2b 膠原病リウマチ(事例)
3a 1型糖尿病
3b 1型糖尿病(事例)
4a アトピー性皮膚炎
4b アトピー性皮膚炎(事例)
5a 先天性心疾患
5b 先天性心疾患(事例)
6a 発達障害
6b 発達障害(事例)
7a 小児がん
7b 小児がん(事例)
8a 腎疾患
8b 腎疾患(事例)
9a 神経性無食欲症
9b 神経性無食欲症(事例)
10a 小児外科系疾患
10b 小児外科系疾患(事例)
5 これからの移行支援の課題
1 在宅で暮らす重症心身障がい児の課題
2 難病・デュシェンヌ型筋ジストロフィー
索引
思春期には「身体の変化」、「心の変化」、そして「役割、立場、人間関係の変化」と3つの大きな変化が訪れます。心の辛さを解決しながら、生き易く暮らすヒントがギッシリと詰まった一冊。
思春期の子どもと親の持てる力を共に活かし,問題に責任を負わせて問題を維持させる「悪循環」ではなく,解決・未来志向の「良循環」を生みだすための臨床レッスン。思春期臨床にかかわるあらゆる立場の人たちのためのヒントを余すところなく紹介する。 思春期の人々と彼/彼女たちに向き合う親への理解を深める第1部「思春期の『秘密』」に続き,第2部「思春期臨床の『実戦=実践』」では,ときには戦い(実戦)にもなる思春期臨床の八つの実践事例を紹介する。
反社会的仲間集団の問題行動,思春期の仲間関係と同調圧力,ネットいじめと「ひきこもり」,DV家庭の家出事例,親子の来談ニーズが異なる不登校事例,親と担任教師の合同作戦会議を用いた不登校事例,自傷行為で入退院を繰り返した事例,思春期にはじめて顕在化する発達障害など,いずれも思春期特有の課題をテーマに展開。最後に第3部「思春期臨床の『種明かし』」では,思春期臨床のポイントとスタンスをまとめる。 心理臨床家,相談援助職,教育・医療・福祉・育児・司法・矯正領域のスタッフ,思春期の子どもをもつ親/保護者のために書かれた,思春期の子どもたちへのケアと親への支援を「やさしく」伝える思春期臨床実践。
第1部 思春期の「秘密」
01 リビングアウトをつかまえてー思春期の「秘密」
02 こじれて もつれて つながってー思春期の親子関係
第2部 思春期臨床の「実戦=実践」
03 同質と異質の境界でー思春期の仲間関係と親子支援
04 中二の夏のLong Winding Road-反社会的仲間集団からの「離脱」
05 二つの裏切りー家族システムと家族再生プロセス
06 誰もいないところへーアクティングアウトからの家族再生
07 “母親失格”なのか?-交錯する親子のニーズ
08 大人たちの共同戦線ー保護者コンサルテーションのすすめ
09 元優等生の自責と充電ー解決志向アプローチ
10 二人のエリー問題外在化アプローチ
11 自分を知ることー思春期発達障害(神経発達症)のアセスメントと対応
第3部 思春期臨床の「種明かし」
12 思春期に吹く風ー思春期臨床の「種明かし」
恋するいもうとちゃれんじ ♥
耕介をめぐって恋敵の心乃香先輩と
なぜか3人で付き合うことになったかのん。
流されるがまま健全な3人交際を続けるも
親友が描く不吉なシナリオに窒息寸前!?
恋の未来予想図は思ってたほど甘くない?
思春期全開兄妹ラブコメディー第9巻!
異世界メイドが
ツンデレ猫に大変身 ♥
「おとなの薄い本」
付き特装版も同時刊行!!
心理臨床の世界が広がりを見せる中,他職と協働する機会は以前に比べて格段に増えています。
本書は,子どもに関連する心理臨床の領域を中心に,協働を進める上で出合う困難をどのように乗り越えていけばよいかを7つの事例を通して明らかにしたものです。
スクールカウンセリングで教員と関わる,病院で作業療法士や看護師や音楽療法士と関わる,療育教室で保育士と関わるなど,協働すること自体が仕事となって いる現場は多い。いかに協働の難しさを乗り越えていくか,その配慮や工夫の仕方が現場で働く者にとって最も知りたいことであるでしょう。
本書は,こうしたニーズをすくいあげるべく企画された実践の一冊です。事例と,それへのコメントからなり,協働のコツがつかみとれるでしょう。すべての臨床家に必読の書です。
"春はすぐそこ!中学生大家さん、
もうすぐ高校生になります。
高校入試も無事終わり、中学生最後の日々を
名残りおしみつつ日々を楽しむチエちゃん。
アパートの住人たちも少しずつ環境に変化が!?
そんな彼らを見て少し焦りをおぼえる前田さんですが……?
春めく毎日がわくわくする第18巻!"
子どもが思春期に入ると、親子関係は大きく変化し、わが子との接し方に親の戸惑いは膨らむばかり。本書では思春期の心理から、発達障害、精神疾患、自殺関連行動、ゲーム依存、不登校に至るまで幅広くカバーし分かりやすく解説。思春期の子を持つ親御さん、教師の皆さんに向けての至高の一冊。現状に即し内容を増補改訂。
2018年6月に第31回日本思春期青年期精神医学会ならびに第2回国際思春期青年期精神医学・心理学会アジア地区大会が大阪で開催された。「変わり続ける世界で、思春期と出会う」をメインテーマに,社会全体の変貌に従って青年期の在り方が変化していることを背景に,正常な,あるいは病的な青年期のパーソナリティの発達について,各国の臨床家達による活発な議論が繰り広げられた。大会特集第2弾となる本号は,メンタライジング理論の創始者ベイトマンらによる3本の講演のほか,4つのシンポジウムを紹介する。
●巻頭言
会長就任の挨拶(生田憲正)
●第31回日本思春期青年期精神医学会大会ならびに第2回国際思春期青年期精神医学・心理学会アジア地区大会記録
【講 演】
変化し続ける世界と思春期青年期(小倉清)
思春期患者との転移ー逆転移の問題:個人的考察(リチャード・M・サールズ)
メンタライジング序説(アンソニー・W・ベイトマン)
【シンポジウム「何故思春期青年期精神医学なのか? 何故思春期青年期メンタルヘルスなのか? 何故ISAPPなのか?」】
討論の記録(館直彦)
思春期の精神衛生と精神医学──なぜ単独に検討する必要があるのか──(ヒュサン・テュハダロル)
日本思春期青年期精神医学会の回顧と展望(生田憲正)
思春期における精神医学的障害の診断において進化しつつある概念(マリオ・スペランツァ)
【シンポジウム「ひきこもり:文化横断的討論」】
討論の記録(中村伸一)
深刻な社会不安を抱える思春期患者を理解し,治療すること(アネット・ストリークーフィッシャー)
韓国における引きこもりと家族介入(テ・ヨン・チョイ)
引きこもりへの多元的アプローチ(加藤隆弘)
【シンポジウム「青年期の心理的発達についての現代的視点」】
討論の記録(生田憲正)
日本人の中の「甘え」とアタッチメント(近藤清美)
思春期青年の心理発達的課題に異文化教育環境が与える影響について──日本の英語環境インターナショナルスクールで教育を受ける韓国人青年の事例を通じて──(姜英愛)
若者が暴力的過激派や標的型暴力にかかわることを,いかにして防ぐか(スティーヴァン・ウェイン)
【シンポジウム「パーソナリティの発達と思春期におけるその病理」】
討論の記録(池田暁史)
メンタライジング,アタッチメント,そしてパーソナリティ障害(アンソニー・W・ベイトマン)
日本における境界パーソナリティ障害の現状(池田暁史)
境界性パーソナリティ障害の思春期における対人関係と自己の確立(マリオ・スペランツァ)
●合同委員会・編集委員会・子どものこころ専門医関連委員会報告
●会計報告
●日本思春期青年期精神医学会規約
●編集方針・投稿規定
●英文目次
学者でも専門家でもない、どこにでもいるお母さんたち。一つだけ違うのは多言語習得の活動に参加しているということ。そんなママたちも、子育ての日常では、戸惑ったり、驚いたり、喜んだり、時には泣きたくなったり・・・。ドタバタな毎日の中、赤ちゃんや子どもたちがことばが話せるようになっていく姿を、みんなでおしゃべりしながら見てみると、いろいろなことが見えてきました。
当たり前だと思っていた日々の生活や成長の中から見えてきた、赤ちゃんからのメッセージは、「もっと驚き、感動してよ!」「人間っておもしろいよ!」ということ。
家族で多言語活動に参加しているママたちなので、こどもたちのことばの成長のことだけではなく、ママ自身が新しいことばと出会ったときの体験の中に、大人の中にもある、ことばの赤ちゃん体験を見つけることもできました。
子育てのあるあると愛がいっぱい詰まった話に共感できるところもいっぱい。
読んだみんなが「子育てが100倍楽しくなる!」そんなきっかけになれる本です。
【目次】
第1章 赤ちゃんは生まれた時から話してる
第2章 子育てはゆっくりと
第3章 赤ちゃんのプロセスに、“まちがい”はない
第4章 そのプロセスから見えること
第5章 人との関わりの中で生まれてくることば
第6章 お母さんの目
第7章 お絵描きはことばと一緒
第8章 文字も昔から
第9章 家族みんなでホームステイに挑戦
第10章 多言語で子育て
全国のお兄ちゃんを応援します♥♥
異世界メイドに
巨乳オプション実装♥
「おとなの薄い本」
付き特装版!!
白鳥兄妹×心乃香先輩の健全な3人交際は
2学期後半を迎えてさらに自然体に! ?
一歩ずつ恋を育んでいく親友たち、
そして白鳥兄妹にも変化がー!
思春期もりもり兄妹ラブコメ第10巻!
お風呂回もあるよ♥
アドラー心理学は人生の岐路に立つ若者をどう支援することができるのか?アドラー心理学による「勇気づけ」により、思春期・青年期が抱える諸問題の解決策を提示する。
思春期は、おとなに頼る存在から責任あるおとなへと大きく変わる時期。その変化に驚いたり悩んだりするけど、正確な情報を知ることで不安を減らせます。月経や射精、体毛や体臭、性的いじめなど、よくある疑問・質問に答えます。
1 思春期はどういう時期で、どれくらいつづく?
2 からだとこころの変化はいつ始まるの?
3 最近イライラするのはどうしてなの?
4 脳やこころはどんなふうに変わるの?
5 からだにはどんな変化があるの?
6 いろんなところに毛が生えて、毛深くなるのはヘン?
7 体臭が強くなってきたのはヘン?
8 女性のからだはどう変わるの?
9 月経って出血? だいじょうぶなの?
10 男性のからだはどう変わるの?
11 自分のペニスはヘンなの?
12 恋愛ってどういうこと?
13 「性」とセックスは同じこと?
14 性欲ってなに?
15 自慰ってしちゃダメなの?
16 エッチな話や「下ネタ」をどう思う?
17 ズボンおろし、スカートめくり、どう思う?
18 性の情報のウソとホントを見分けるには?
19 思春期にだいじにしたいことって?
【ひと目でわかるイラスト図解】
【太る恐怖、飢餓がまねく食への執着、過食の衝動】
摂食障害は、心にかかえている問題が「食べ方の問題」として現れる病気です。
現れ方の違いでいくつかのタイプに分けられますが、ストレスが大きくかかわっている点はみな共通しています。
近年、小中高校生の摂食障害、なかでも食べられずにやせていく「神経性やせ症(いわゆる拒食症)」が増えています。
本人は、やせたままでいることに大きなメリットを感じています。
どんなにやせていても太ることを恐れ、極端なカロリー制限を続けたり、食べても吐いたりして体重増加を抑えようとします。
家族が「なにかおかしい」と思い始める前に、学校生活のなかで、子どもの変化があらわになることも多いものです。
学校として対応を考えていかなければならないことも少なくありません。
食べる量が増えて体重が戻ったあとも食べ吐きが止まらず、「過食症」に転じていくこともあります。
高校生、大学生では、極端な低体重の時期はないまま「過食症」が始まる例も少なくありません。
摂食障害の患者さんを支える家族の負担はとても大きいですが、家族の支えは、摂食障害から回復する大きな力になります。
本書では、摂食障害の原因、経過、治療法などをわかりやすく解説。
周囲ができる回復に結びつく働きかけ、そこから抜け出すヒントを紹介します。
【本書の内容構成】
第1章 神経性やせ症の始まり方
第2章 やせてもやせても、まだ足りない
第3章 やせすぎからの回復をはかる
第4章 過食がみられる摂食障害
第5章 家族の悩みが深いとき
【主なポイント】
*摂食障害は、心にかかえている問題が「食べ方の問題」として現れる病気
*子どもの摂食障害は神経性やせ症(拒食症)がほとんど
*家族が「異変」に気づくのは遅れがち、学校は早期発見の場となりうる
*やせるほど強まる太る恐怖。過剰なまでに活動的になる
*家族が説得しようとするほど本人との対立は激しくなる
*医療機関への受診を考える状態の目安と、受診の促し方
*神経性やせ症の回復過程でみられる過食は正常な反応
*神経性過食症(過食症)、よくある「食べすぎ」とどう違う?
本書は,著者が臨床経験の多くを費やしてきた思春期から青年期にかけての若者と,その保護者などを交えた心理療法の実際をまとめた論集です。
著者 乾先生の技法的な中核は,精神分析的心理療法ですが,それだけではなく,短期療法や家族療法,親子並行面接法などもケースによっては用いており,クライエントの状況やニーズに合わせた幅広い心理療法が行っています。
本書には,それらを用いて治療された,強迫性障害,自閉症,境界性パーソナリティ障害といった疾患ベースのケーススタディ論文,あるいは学生相談や病院臨床,個人開業といった多彩な臨床現場ベースの論文が所収され,事例と技法について具体的な解説がなされています。
長年の経験と研究によって書かれたこの本には,この世代特有の精神分析的な発達理論,精神病理論も詳解されていて,とてもわかりやすく,初学者から中堅の心理療法家にとっては得るところの多いものでしょう。
心理臨床への凄みと醍醐味が詰まった一冊といえそうです。
第1部 精神分析的アプローチという方法
第1章 力動的心理療法とは何か
第2章 心理臨床の現場をささえる精神分析
第3章 精神分析的立場からみた評価と見立て
第4章 心理療法における深さ浅さとは?
第5章 来談動機は心理療法の生命線
第6章 分析状況でクライエントはどんな体験をするかーー治療的退行(K. Menninger)に学ぶ
第7章 家族とのかかわりーー精神分析的並行父母面接の面接過程とその機序
第2部 思春期・青年期臨床への考え方と援助
第1章 中学生から大学生までの精神発達とその病理
第2章 五月危機型学生と無気力型学生
第3章 思春期の危機と強迫
第4章 青年期の心理療法ーー青春期後期を中心に
第5章 青年の攻撃性へのアプローチ
第6章 青年期治療における“new object”論と転移の分析
第7章 パーソナリティ障害としての境界例ーー僕は一体何者?─青年の新たな自己選択
第8章 パーソナリティ障害を持った家族の並行治療
第9章 40年間の自閉症を生きる
自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)などソーシャルスキルに課題を抱えている子どもや、診断は受けていないけれど友だち関係に困っている子どもが、友だちと上手につきあっていくためのプログラム「PEERS(Program for the Education and Enrichment of Relational Skills)」。アメリカUCLAの研究機関で開発されたPEERSを使って、親子で協力しながら友だち作りを実践するためのセルフヘルプ・ガイド。