読む者を捕えてはなさぬ荷風日記の魅力を「あとを引く」面白さとでもいおうか。そういう日記の、ではどのあたりが最も精彩に富むかといえば、その一つとして戦中の記事をあげねばなるまい。なかでも昭和20年3月10日の東京大空襲にはじまる5ヵ月間の罹災記事は圧巻である。昭和12〜34年を収録。
遊びや職業活動に必要な知識・技能を身につけていくとき、人が必要を超えて上達を望み、理解を深めようとするのはなぜか。日常生活での能動性と有能さを支えるものはなにか。本書は伝統的学習観による「人間怠け者」説をくつがえし、「みずから学ぶ存在」としての人を実証的に描き出して、学び手の心的装置と文化の役割を探求すると同時に、「学習」のもつ暗いイメージを再考し、新しい学習観にもとづく教育のあり方を提言する。
日常生活の変化で、いま子どもは心もからだもこわばっています。健全な生活への数々の提言。
本書は、建築と安全の観点から、とりわけ火災に対する基礎理論と防災計画の有り様を学生向きに簡潔に解説するとともに、建築・設備の実務に携わる各方面の初学者向けとしても、その防災計画・防災設計各論を例示するものである。老齢者・身障者といった弱者に対するおもいやりのある安全の水準についても触れており、全体としてこれからの充実した計画内容の必要性を折り込んだテキストとなるものである。
「さまよえる良心」と「終わりなき日常」をキーワードに、今最も活発な発言を続ける著者が、オウムと現代社会を分析する。社会が成熟し、幻想が共有されなくなった時代、人はそれぞれの物語を生きるようになっている。その後の事件、状況分析を加えたあとがきを新たに付す。
本書は、実際に研究を行なう際の実用書としてよりも、心理学、社会学、教育学といった社会科学と呼ばれる学問を学ぶ人たちや、統計を利用する必要性の高い職業に従事している人たちなどを対象とした、(統計学ではなく)統計法のテキストとして書いたものです。ただし、大学の講義などで補足説明をしてもらわなければ理解できないものではなく、1人で読んでも十分理解できる本になるように心がけました。
今までのテクニカルライティングは、教育者や企業内文書専門家の指導で成長してきました。これらに学びつつ本書は、企業内で報告書作成を実践してきた技術者の立場から、あくまで現場に即してまとめたものです。この中には、読み手の気持ちになって書くというテクニカルライティングの思想と、業務の一環として実務との相互作用のなかでテクニカルライティング技術を活かす方法を述べています。また、わかりやすく・まぎれなく書く技術を、豊富な解説と例題によって説明します。
上司の指示への応じ方として、I’ll do it.とI’m going to do it.とでは、相手の心証はどう違ってくるのか。人間関係の基本ツールとしての英語にスポットをあて、映画や戯曲の場面も引きながら、さりげない気遣いや拒絶など、微妙なニュアンスを豊かに伝える英語表現の世界を案内する。『日本人の英語』(正・続)につづく話題作。
くしゃみをすると目をつぶってしまうのはなぜ?魚っておならをするの?瞬間接着剤はチューブの内側にくっつかないのかな?ふと疑問に思っても、なかなか人には聞けずにいる“つかぬこと”をみなさんお持ちのはず。そんな疑問が本書を読めば解消します!各分野の専門科学者からSF作家、在野の一言居士まで、あらゆる識者が身近な科学上の疑問にこぞって回答を寄せた、いつでもどこでも楽しめる究極の雑学Q&A本。
ここがわかれば悩ます管理も安心、安心、全国の栽匠から学んだ101カ条の知恵袋、人気50樹種の年間作業カレンダー、ズバリとわかる盆栽の勘どころ。
黒穂菌がつくる不思議な野菜の話。古くて新しい野菜「マコモ」の可能性を探る。
本書は、一人一人の子どもの得意な認知処理様式を活用して、その子どもの学習の改善や促進を図るもので、認知発達レベルがおよそ小学校1年生から3年生くらいまでの子どもを対象としている。取り扱う内容は、国語、算数、遊び、日常生活の指導であり、通常学級で学習につまずきを示したり、通級による指導を受けている子どもを念頭に置いている。
検査や医療などで放射線を浴びる機会はますます多くなっている。また原発事故や医療事故のニュースは跡を絶たない。被曝による傷害やがんのリスクはどのくらいあるのだろうか。遺伝への影響も気にかかる。安心して医療を受け、日常生活を送れるように、目に見えない放射線の実体や身体・環境への影響、さまざまな単位をやさしく解説する。
本書は、自律神経失調症の基礎的な知識やさまざまな治療法などを、わかりやすく解説。また、日常のセルフケアとして、ストレスのじょうずな対処法や、よりよい人間関係を築くためのポイント、そしてストレスに強い心身をつくるための生活上の心得などを紹介したものである。