著名な銀行家ベルターの依頼は切実だった。最近、出生証明書が偽造されていたことが判明した、妻のポーラの過去を探ってくれというのだ。わたしは記録を調べ、ポーラが養子だったという衝撃の事実を突きとめた。が、彼女の育ての母親はまったく事情を語ろうとしない。やがてわたしの前に、埋もれていた過去の悲劇が浮かぶが…知性派探偵サムスンが、人々の記憶のなかから五十年前の殺人事件の真実をたぐりよせる第六作。
戦後日本の生物学界に「ルィセンコ論争」と呼ばれる事件があった。1928年に始まるソ連農業の社会主義化・集団化以後、スターリンのお墨付きのもとにメンデルの近代遺伝学を否定し、獲得形質の遺伝を唱えたルィセンコの学説が、民主化を求める戦後日本の一部に熱狂的な支持を集めるところとなり、激しい論争を引き起こしたのである。本書は、ソ連における遺伝学論争が戦後日本の生物学・思想界にもたらした影響と、それにともなう深いイデオロギー対立の全貌を明らかにし、それを分析・批判した一種の「白書」であり、政治と学問の関係を問うた労作である。
アイドルへの道を着々と進む安土ゆかりと、地味ながら真の役者を目指して努力を続ける原口邦子。タイプは違うが高校時代から良きライバルだった二人を見守り続けてきた石巻浩志は、社会人となった今も、何かと彼女たちから頼られる「お守り役」になっていた。ある日、暴力団絡みのパーティーに出る羽目になったゆかりの頼みで、浩志はマスコミの目をそらすため、ゆかりの『仮の恋人』として会場へ乗り込む。それが全ての始まりだった…。スターを夢見る二人の女性と、彼女たちを支える一人の男。芸能界を舞台にミステリアスな「三角関係」を描く傑作青春小説。
本書は、電気工事に関係する技術者、ビル管理技術者、電気設備の設計者および学生諸君が、電気設備の設計・施工実務を学習する際のテキスト、入門書です。電気設備の設計図の書き方をやさしく手ほどきします。電気設備設計の実務計算をやさしく手ほどきします。電気設備の設計・施工に必要な詳細図を設備ごとに集録しました。
楽しい、うれしい、こまった、怒ったー。あなたの生活の表情が、おしゃれに変わる。今日からできることがいっぱいの、オールカラー・イラスト・エッセイ!おしゃれな暮らしのエッセンス。
天気がよいので、ある日、花さんと猫のくもは旅に出た。カメラをもって…。フォト・エッセイ最新刊。
「えいえんは、あるよ」あの言葉は、誰が言ったものなのだろう。空を見ながらふと思い出した言葉は、何かの始まりのような気がしていた。そう、それは始まり。美少女恋愛ゲームを問う名作、待望の小説化。
代表的な花木、庭木など約100種をとりあげ、栽培と剪定のコツを、一目でわかるようイラストで解説しました。『図解・花木、庭木100の剪定のコツ』を改訂したもの。
あなたに気持ちをとどけたい。大事にしたいのは、わたしの「すき」。いつか出会うあなたのために、いま、わたしにできること。
季節の移ろいと共に大地の色やにおいが変化するように、いつの日も心のままに生きてきた-瀬戸内海の光を抱いて過ごした幼い日から今日まで、さまざまな出会いと別れを繰り返した自らの生を四季の情景に重ねてたどる自伝的エッセイ集。性愛文学の極限を求めつづける著者の愛と生の原点が、ここにある。
花の原生地を世界各地に訪ねる。カザフスタンのチューリップ、中国の青いケシ、ピレネー山脈のエーデルワイス、南アフリカのエリカ、オーストラリアのカンガルーポー、南米パタゴニアのランなど各地で取材。
近くて遠い国、韓国。この国に深くかかわりたいと思えば思うほど、“ねじれ”を意識する。ハングルの文字のかたちも、言葉のしくみも、詩人たちの響きも、すべてそこから理解の第一歩がはじまる。あなたは本書を読み終えると、この国と一対一で向きあわざるを得なくなるだろう。その他大勢の一人として無関心を装うことはできなくなるだろう。なぜなら、言葉とのつきあいは、ごく個人的なものなのだから。気鋭の韓国哲学者が、韓国に魅了されるすべての人々に贈る、ドラマティックな韓国語・韓国学入門。
ローバはいいね。年をとらないし,死なないし。みさきのいとこの輝が十九歳で亡くなった。そのときから、みさきは生のはかなさと死の不安を抱くようになった。心をゆるせる相手は、ぬいぐるみの人形のローバだけだった。生きていくのに大事なことは、みんな心に関係がある。みさきに希望のひかりをしめしたのは、つれあいを亡くした七十六歳の祖父だった。
本書では、鳥たちが自然の条件を実にたくみに利用している、あるいは避けて渡ること、渡る鳥にとっての環境、とくに渡りの途中で立ち寄る中継地がいかに大切であるかをよく理解できる。
誤解と混乱を正す待望の解説書。