・わが国でアルツハイマー病(Alzheimer’s disease:AD )に代表される認知症を患われる方の数は数百万名にのぼり、社会損失は年間十数兆円に達し、われわれ国民の社会生活、経済活動にも重大な影響を及ぼしはじめている。
・2023年に日米で薬事承認されたレカネマブはADの進行を抑える効果がある。投与適否の診断には、 PETスキャン、副作用管理と安全使用にはMRIが重要であり。これらと血液バイオマーカー診断の組み合わせにより、認知症の超早期段階での治療が期待される。
・ADの治療薬が国民に行き渡るには、認知症疾患医療センターの充実をはじめとする医療の均てん化に加えて、 “認知症専門医”の充実は焦眉の急である。本特集では、 ADをはじめとする認知症に関する最先端の知見を、各分野のエキスパートの先生方に解説いただく。
■第1土曜特集 自然リンパ球の生理と病理
・はじめに
・ILCの分化ーーその起源と運命決定制御
〔key word〕自然リンパ球(ILCs)前駆細胞、運命決定、転写因子、IL-7、Notchシグナル、ILC-poiesis
・組織特異的なILCの多様性
〔key word〕組織特異性、自然リンパ球(ILC)、多様性、ILC局在
・1型自然リンパ球の多様性と生体内微小環境
〔key word〕ナチュラルキラー(NK)細胞、1型自然リンパ球(ILC1)、分化、多様性、微小環境
・ILC2と循環器疾患
〔key word〕インターロイキンー33(IL-33)、好酸球、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、肺動脈性肺高血圧症(PAH)
・微小環境変化を敏感に感知するILC2--脂質メディエーター、ホルモン、神経伝達物質によるILC2の機能制御
〔key word〕2型自然リンパ球(ILC2)、脂質メディエーター、ホルモン、神経伝達物質
・ILC2の抑制機構
〔key word〕2型自然リンパ球(ILC2)、可塑性、抑制機構
・ILC2と疲弊
〔key word〕疲弊様ILC2、活性化による細胞死、慢性アレルギー炎症
・ILC2によるアレルギー性疾患の発症機構
〔key word〕2型自然リンパ球(ILC2)、上皮バリア、インターロイキンー33(IL-33)
・ILC2と寄生虫感染
〔key word〕2型自然リンパ球(ILC2)、寄生虫、原虫、蠕虫、免疫、サイトカイン、2型ヘルパーT細胞(Th2細胞)
・ILC2と肥満
〔key word〕自然リンパ球(ILC)、2型自然リンパ球(ILC2)、肥満、脂肪組織、腸管
・気管支喘息におけるILC2の役割
〔key word〕気管支喘息、2型炎症、フェノタイプ、エンドタイプ、ステロイド抵抗性
・治療標的としてのILC2の可能性
〔key word〕2型自然リンパ球(ILC2)、ILC2標的治療、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー
・感染防御に働き恒常性維持に重要な自然リンパ球
〔key word〕3型自然リンパ球(ILC3)、粘膜バリア、細菌叢、自然リンパ球(ILC)、感染防御
・ILC3による腸管上皮細胞のフコシル化誘導
〔key word〕3型自然リンパ球(ILC3)、フコシル化、腸管神経系(ENS)
・ILC3と代謝性疾患
〔key word〕腸管免疫、慢性炎症、インスリン抵抗性
・消化管ILCと消化器疾患
〔key word〕炎症性腸疾患(IBD)、自然リンパ球(ILC)、寄生虫、IL-22、神経免疫連関
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
2019年12月に中国武漢で出現した新型コロナウイルスは、瞬く間に世界中に広がり、日常を大きく変えた。今まさに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)をはじめとした新興・再興感染症流行に備えるためにも、現実的な問題に対応できる数理科学的なフレームワークが希求されている。そこで、本書では著者ら独自の研究に基づき、どのような数学的ツールやコードを用いればウイルス感染の数理モデルやシミュレーションが開発できるのかを説明する。特に、ウイルス学や感染症疫学、免疫学を含む生命医科学分野への参入を目指す数理科学を背景にする学部生・大学院生や研究者を対象に、個体群動態(集団の数や量の時間変化)の定式化とデータ解析のノウハウを説明する。
また、実際にCOVID-19の臨床データを用いた研究成果についても詳細に解説する。なお、数理科学を背景にしない実験・臨床科学者に対しては、取得するデータがどのように分析されて、何がわかるようになるかを知る機会を提供している。さらに、本書に登場するシミュレーションやパラメータ推定を実施するためのコードはサポートページで公開している。なお、言語はPythonおよびRを用意した。
第1部 基礎知識
第1章 新しいウイルス学をめざして
1.1 異分野融合研究としてのウイルス学
1.2 数理科学と先端計測技術を自由自在に使いこなす
1.3 ウイルス感染動態を定量的に理解する
1.4 新しい感染症時代の研究に向けて
第2章 ウイルス感染動態の数理モデル
2.1 指数方程式によるモデリング
2.2 ロジスティック方程式によるモデリング
2.3 線形微分方程式によるモデリング
2.4 非線形微分方程式によるモデリング
2.5 モデル駆動型の定量的データ解析の例
第2部 実験データへの適用
第3章 ウイルス感染における侵入
3.1 負の二項分布によるモデリングーHIV-1の重感染ー
3.2 反応速度論によるモデリングーHBVの侵入過程ー
第4章 ウイルス感染における暗黒期
4.1 指数分布によるモデリングーエンテロウイルスの株間比較ー
4.2 非指数分布によるモデリングーサル/ヒト免疫不全ウイルスの暗黒期分布ー
第5章 ウイルス感染における伝播様式
5.1 時間的なcell-to-cell感染のモデリング
5.2 時空間的なcell-to-cell感染のモデリング
5.3 cell-free感染とcell-to-cell感染のモデリング
第6章 ウイルス感染における阻害効果
6.1 薬剤による抗ウイルス効果のモデリング
6.2 変異株出現確率のモデリング
6.3 宿主因子による抗ウイルス効果のモデリング
第7章 ウイルス感染における多階層性
7.1 年齢構造偏微分方程式によるモデリング
7.2 個体ベースシミュレーションによるモデリング
第3部 臨床データへの適用
第8章 ウイルス感染動態に基づく治療提案
8.1 生体内ウイルス感染動態のモデリング
8.2 抗ウイルス薬剤治療のモデリング
8.3 臨床試験デザインのモデリング
第9章 ウイルス感染動態に基づく感染症対策
9.1 潜伏期間のモデリング
9.2 ウイルス検査のモデリング
9.3 隔離終了のモデリング
参考文献
あとがき
索引
今や治療可能な感染症となったAIDSの診療、
HIV感染予防の新たな展開と、社会のあり方を解説!
●HIV発見から40年が経過し、急速な発展を遂げた多剤併用療法はHIV/AIDSの臨床病態を大きく正の方向に変え、HIV/AIDSに対する人類の戦いは少なくとも初期的な勝利を収めたといってよい。
●予防内服による新規感染者の減少もみられるが、薬剤耐性HIVの出現、“薬害AIDS”患者の高齢化、 COVID-19による経済の混乱と停滞からHIV/AIDS対策資金は世界中で縮小するなどの新たな課題も出現している。
●巻頭にはHIV/AIDSの研究と診療の歴史、女性や感染児についての課題、NGO/NPOのあり方について討議した座談会や、HIV/AIDSに関する画像資料を収載した。
【目次】
巻頭カラー
座談会『HIV/AIDS診療の過去・現在・未来─医学はどう戦ったか、教訓と残された課題』
データで見るHIV感染症とAIDS
HIV/AIDSとその治療の新展開
1.HIV感染症の治療の原則とその進展
2.薬剤耐性HIVの現状と課題
3.HIV/AIDSの日和見感染症・AIDS非指標悪性腫瘍
4.HIV/AIDSと性感染症─代表的な性感染症に対する治療を中心に
5.HIVとウイルス性肝炎─A型肝炎・B型肝炎
6.HIV/HCV重複感染と肝移植
7.HIV母子感染対策
8.女性・妊婦・小児・高齢者のHIV/AIDS診療
9.HIV感染者におけるCOVID-19─予後と診断・治療時の注意点
10.2剤レジメンと長時間作用型治療薬
11.HIV感染症とsexual health─細菌性性感染症からヒトパピローマウイルスワクチンまで
12.臨床開発のパイプラインにある新規化合物
13.HIV/AIDSの“治癒”を求めて
HIV感染予防の新展開
14.HIV曝露前予防内服(PrEP)の新たな展開
15.HIV/AIDSに対する中和抗体とワクチン開発の今
16.HIV検査システムの構築と拡充・郵送検査
HIV/AIDSと市民社会
17.HIV/AIDSへの対応─世界の現況
18.エイズと報道─危機の時代の伴走者として
19.HIV/AIDSの予防とケアに係るNGOのあり方
特別寄稿
20.Cold Spring Harbor Laboratory Symposium Fifty Years of Reverse Transcriptase:逆転写酵素50年の歴史
医療現場で進むデジタルトランスフォーメーション(DX)の具体例と、サイバーセキュリティや法律・制度上の課題など今後の道筋を一挙解説!
●産業界において進みつつあるデジタルトランスフォーメーション(DX)は、医療現場においてもすでに揺籃期を過ぎようとしている。さまざまな視点から、現状の技術動向を俯瞰し、それらが今後実現するであろう医療の未来像を共有する。
●同時にその背景にある限界点や留意点についても理解を深めることで、浮足立った期待感だけではなく冷静な視点で医療DXを理解する。
●(1)医師の働き方改革・労働負荷軽減、病院の経営改革に資するICT技術、(2)医療の提供の場の拡大、(3)高度な均てん化をもたらす医療支援AI、(4)新たなデジタルバイオマーカー・デジタルセラピューティクスの創出、(5)今後の発展のための土台の議論、の5章に分け、深掘りしていく。
【目次】
医師の働き方改革・労働負荷軽減,病院の経営改革に資するICT技術
ICTとAIを活用して、救急隊と医療機関をシームレスにつなぐ─“情報共有”は医療技術
救急医療の情報分断を解決する医療DX
病院運営をデータ利活用で最適化する
医療の提供の場の拡大
外来受診間の“治療空白”を埋める治療アプリ
スマートフォン医療機器“Smart Eye Camera”を使用した眼科遠隔診療
病院から見守られながらの在宅での心臓リハビリテーション
スマホアプリを活用した糖尿病重症化予防の取り組み
ビフォーコロナからウィズコロナへ、オンライン診療のこれまでと課題
高度な均てん化をもたらす医療支援AI
SaMD(国内/米国)動向調査
AIを用いた内視鏡画像診断支援
眼底写真からAIが読み取る全身疾患の可能性
新たなデジタルバイオマーカー・デジタルセラピューティクスの創出
行動変容を伴う医療機器プログラム評価の考え方
不眠医療のデジタルトランスフォーメーション
AIを用いた感染症診断の可能性
AIの目で心電図を読み直す
今後の発展のための土台の議論
AIの医療応用に関する法的留意点
医療機関のサイバーセキュリティ・マネジメント
診療情報の利活用と個人情報保護法
・日本では手術支援ロボットが、2012年に前立腺全摘が保険収載されると泌尿器科を中心に普及し、2018年以降、食道、胃、直腸の消化器外科領域でも広がり、現在では肝臓や膵臓、結腸でも保険適用となっている。
・ロボット手術の急速な普及を受け、2023年度から日本内視鏡外科学会技術認定制度において、食道、胃、大腸のロボット手術が審査対象となったことから、安全性を担保した術者教育は極めて重要な課題である。
・今回は、消化器外科領域のロボット手術の支援技術に焦点を絞って特集を企画させていただいた。各領域のエキスパートの先生方に解説をお願いしており、本特集号がロボット手術に携わる皆様の一助になれば幸いである。
■消化器外科領域におけるロボット手術の最前線
・はじめに
・国内で使用可能な各ロボットの特徴
〔key word〕da VinciTM Surgical System、hinotoriTM Surgical Robot System、HugoTM RAS System、SenhanceTM Digital Laparoscopy System、SaroaTM、手術支援ロボット
・ロボット支援食道癌手術
〔key word〕ロボット支援食道癌手術(RAMIE)、食道癌、半腹臥位
・ロボット支援胃切除術の最前線ーー高難度症例への発展
〔key word〕ロボット手術、胃癌、conversion手術、大動脈周囲リンパ節郭清、残胃癌
・脾彎曲部癌に対するロボット支援手術
〔key word〕ロボット支援手術、脾彎曲部癌、左側結腸癌、体腔内吻合、オーバーラップ吻合
・ロボット支援肝切除の現状と今後の展望
〔key word〕ロボット支援肝切除、腹腔鏡肝切除、double bipolar technique
・ロボット支援膵臓手術
〔key word〕ロボット支援膵頭十二指腸切除術(RPD)、低侵襲膵切除術、膵臓
・ロボット支援手術の術者教育
〔key word〕ロボット支援手術、術者教育、日本内視鏡外科学会
・ロボット手術の今後の展開
〔key word〕ロボット手術、digital surgery、大腸癌手術
●TOPICS 疫学
・なぜ性感染症はなくならないのかーー性接触ネットワークの探求
●連載 医療システムの質・効率・公正ーー医療経済学の新たな展開(22)
・費用対効果の政策適用:日本と海外
〔key word〕費用対効果、増分費用効果比、薬価、QALY
●連載 遺伝カウンセリングーーその価値と今後(12)
・地域医療連携と遺伝カウンセリング
〔key word〕地域医療構想、医療圏、地域医療支援病院、遺伝カウンセリング
●連載 臨床医のための微生物学講座(2)
・赤痢菌・サルモネラ・ビブリオ/コレラ
〔key word〕細菌性赤痢、腸チフス、パラチフス、サルモネラ症、コレラ、腸炎ビブリオ
●FORUM 世界の食生活(11)
・生を支えるハル イッケウ(食の背骨)--日本の先住民族アイヌの食生活
●FORUM 戦後の国際保健を彩った人々(6)
・ポール・ファーマー
●FORUM 死を看取るーー死因究明の場にて(3)
・生と死の境界線3
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・多くの臨床医は血小板数が低下すると出血傾向を心配し、血小板製剤を輸注したくなる。しかしなかには、重大な血栓傾向をきたす疾患が隠れており、血小板輸注により病態が増悪し致死的となる場合もある。
・したがって、血小板減少に遭遇したら、まずは血栓症をきたす疾患を頭の隅におきながら、病態把握と治療の選択を迅速に行わなければならない。
・本特集では、出血をきたす血小板減少性疾患と血栓傾向をきたす血小板減少性疾患の両者を紹介し、その血小板減少をきたす病態や診断法を学び、適切な治療を選択できるようになることを目的とする。
■出血傾向あるいは血栓傾向をきたす血小板減少症と血小板機能異常症
・はじめに
●【出血傾向をきたす血小板減少症・機能異常症】
・免疫性血小板減少症/特発性血小板減少性紫斑病(ITP)--診断、検査、治療の最新の知見
〔key word〕網状血小板比率(RP%)、幼若血小板比率(IPF%)、ホスタマチニブ、エフガルチギモド
・先天性血小板減少症ーー病態、診断、検査、治療
〔key word〕遺伝子パネル解析、フローサイトメトリー、免疫蛍光染色、免疫性血小板減少症(ITP)
・先天性血小板機能異常症
〔key word〕血小板活性化、血小板凝集、出血傾向、GP2b-3a
・後天性血小板機能異常症
〔key word〕後天性血小板機能異常症、アスピリン、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)
・後天性フォン・ヴィレブランド症候群
〔key word〕フォン・ヴィレブランド因子(VWF)、ずり応力、血管異形成、ADAMTS13
●【血栓傾向をきたす血小板減少症】
・血栓性血小板減少性紫斑病ーー病態、診断、治療の最新知見
〔key word〕血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、ADAMTS13、フォン・ヴィレブランド因子(VWF)、リツキシマブ、カプラシズマブ
・非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)--疾患概要と抗補体治療時代の治療戦略
〔key word〕血栓性微小血管症(TMA)、補体介在性TMA、血漿交換、エクリズマブ
・ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)とヘパリン以外が原因となるHIT
〔key word〕anti-PF4 disorder、ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)、ワクチン起因性免疫性血栓性血小板減少症(VITT)、免疫学的測定法、機能的測定法
●【再生医療】
・間葉系幹細胞由来血小板様細胞の医療応用ーー再生医療等製品の開発への取り組み
〔key word〕血小板、間葉系幹細胞(MSC)、脂肪組織、難治性皮膚潰瘍、再生医療等製品
●TOPICS 社会医学
・COVID-19ワクチン接種状況と接種証明書の活用
●TOPICS 神経精神医学
・精神・神経疾患のニューロモデュレーション治療
●連載 医療システムの質・効率・公正ーー医療経済学の新たな展開(24)(最終回)
・健康・ウェルビーイング志向の社会システムづくり
〔key word〕健康志向の社会システム、地域共生社会、経済競争力、産官学民協働、データ駆動の健康まちづくり
●連載 遺伝カウンセリングーーその価値と今後(14)
・がん診療における遺伝カウンセリング
〔key word〕遺伝性腫瘍、遺伝学的検査、遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)
●連載 臨床医のための微生物学講座(4)
・肺炎球菌ーーワクチン導入により変化する肺炎球菌感染症
〔key word〕肺炎球菌感染症、血清型、肺炎球菌結合型ワクチン(PCV)、薬剤耐性
●FORUM 世界の食生活(13)
・世界の病院食ーー世界の病人は何を食べているのか
●FORUM 死を看取るーー死因究明の場にて(5)
・生と死の境界線5
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・診療現場で遭遇する頻度の比較的高い疾患を取り上げ,common disease,緊急を要する疾患,見落としや誤診をしてはいけない疾患の3つに分類しました。
・各疾患につき「病態」「皮疹の見方」「診断に必要な検査と所見」「初期対応」「皮膚科/皮膚科以外へのコンサルト」についてコンパクトに解説しています。
・レジデントや専攻医, 若手皮膚科医のみならず,皮膚疾患をみる医師,看護師,薬剤師の方々もそのまま活用できる1冊です。
1章 湿疹・痒疹
1 接触皮膚炎
2 脂漏性皮膚炎
3 皮脂欠乏性湿疹・貨幣状湿疹
4 アトピー性皮膚炎
5 結節性痒疹
2章 蕁麻疹
蕁麻疹
3章 中毒疹・紅斑症・薬疹
1 中毒疹
2 多形紅斑
3 スティーヴンス・ジョンソン症候群
4 中毒性表皮壊死症
5 薬剤性過敏症症候群
4章 血管炎
IgA血管炎
5章 物理化学的皮膚障害
1 熱傷
2 日光皮膚炎
3 凍瘡
4 褥瘡
6章 炎症性角化症
乾癬
7章 角化症
胼胝・鶏眼
8章 色素異常症
1 肝斑
2 老人性色素斑
9章 汗腺系疾患
1 汗疹
2 汗疱
10章 毛包脂腺系疾患
1 痤瘡
2 酒皶・口囲皮膚炎
11章 毛髪疾患
1 円形脱毛症
2 男性型脱毛症・女性型脱毛症
12章 爪甲疾患
1 厚硬爪甲・爪甲鉤彎症
2 巻き爪・陥入爪
13章 腫瘍
1 日光角化症・ボーエン病
2 乳房外パジェット病
3 菌状息肉症
14章 ウイルス感染症
1 単純ヘルペス
2 帯状疱疹
3 手足口病
4 尋常性疣贅
5 伝染性軟属腫
15章 細菌感染症
1 伝染性膿痂疹
2 丹毒・蜂窩織炎
3 壊死性筋膜炎
4 毛包炎・せつ・よう
16章 真菌症
1 足白癬
2 爪白癬
3 体部白癬・股部白癬
4 頭部白癬
5 皮膚カンジダ症
6 口腔カンジダ症
7 癜風・マラセチア毛包炎
17章 性感染症
梅毒
18章 昆虫などによる皮膚疾患
1 虫刺症
2 疥癬
・行動変容を含む習慣変容には、1何をどうするのが必要か、またその理由は何かという知識、2自分の習慣を変えようとする意欲、3必要な行動変化を起こし、それを続けるための技術、という3つの要素が不可欠である。
・本特集では、生活習慣病における高リスク者や低リテラシー層、若年層の健康維持・向上、SNS活用による包括的なフレイル予防戦略、メタボ予防からフレイル予防へのギアチェンジ等について。各先生方にご執筆いただく。
・高齢者での生活習慣病の重症化予防とフレイル予防の両立、フレイル予防をまちづくりとして実現するためのマルチステークホルダーへのアプローチ、ゼロ次予防も含めた社会システムのパラダイム転換等も取り上げる。
■行動変容による疾病の予防
・はじめに
・生活習慣病における高リスク者や低ヘルスリテラシー層へのアプローチ
〔key word〕健康行動、健康信念、行動意図、ヘルスリテラシー、受診勧奨
・若年女性の痩せに向けたアプローチ
〔key word〕痩せ、耐糖能異常(IGT)、サルコペニア、身体活動
・オンラインツールを活用したフレイル対策ーーweb版集いのひろば
〔key word〕オンラインツール、フレイル対策、介護予防、web版集いのひろば
・SNSを活用した包括的なフレイル予防ーーオンラインでのフレイルチェック
〔key word〕ハイブリッド型フレイルチェック、オンライン
・メタボリックシンドローム予防からフレイル予防へのギアチェンジ
〔key word〕フレイル、サルコペニア、メタボリックシンドローム
・後期高齢者における生活習慣病の重症化予防とフレイル予防を統合した対策
〔key word〕重症化予防、フレイル、高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施事業、国保データベース(KDB)
・マルチステークホルダーとの協働によるフレイル予防のまちづくり
〔key word〕フレイル予防、まちづくり、マルチステークホルダー
・社会システムの観点からのアプローチーー健康長寿社会の実現に向けたゼロ次予防の狙いと戦略
〔key word〕ゼロ次予防、行動変容、建造環境、コミュニティ
●TOPICS 免疫学
・腹膜脂肪リンパ組織に存在する細網線維芽細胞の機能
●TOPICS 神経精神医学
・統合失調症患者におけるドパミン過感受性精神病
●連載 遺伝カウンセリングーーその価値と今後(15)(最終回)
・遺伝カウンセリングの将来像
〔key word〕遺伝カウンセリング、認定遺伝カウンセラー、専門職連携実践
●連載 臨床医のための微生物学講座(5)
・基礎研究からみた化膿レンサ球菌による病態形成機構と宿主の防御機構
〔key word〕化膿レンサ球菌、劇症型溶血性レンサ球菌感染症、システインプロテアーゼSpeB、溶血毒素ストレプトリジンS
●FORUM 世界の食生活(14)
・国民文化としてのジョージア(グルジア)のクヴェヴリ・ワイン
●FORUM 死を看取るーー死因究明の場にて(6)
・脳死1
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・一細胞解析に象徴される新しいオミクス技術が、大規模ヒトゲノム配列との統合を経て生命現象の解釈を可能にしつつある。ゲノム個別化医療・創薬の重要性は広く一般認識されるに至った。
・遺伝統計学も古典的な遺伝ー形質関連解析から脱皮し、分子細胞生物学、情報学、数理科学、疫学、臨床医学と自在に組み手を行う、さながら総合格闘技のような学問へと進化した。
・情報伝達技術の世界規模の普及は、サイエンスの変革も急速に加速した。ヒトゲノム研究をめぐる状況は特に著しい。本特集が新時代に立ち向かう若い研究者の一助になれば幸いである。
■第5土曜特集 遺伝統計学の新潮流ーー新規創薬・個別化医療への挑戦
・はじめに
●遺伝統計学の理論と実践
・遺伝統計学の基礎理論
〔key word〕遺伝統計学、集団遺伝学、ゲノムワイド関連解析(GWAS)、メンデルランダム化解析(MR)
・Polygenic risk scoreとゲノム個別化医療
〔key word〕個別化医療、ゲノム、ゲノムワイド関連解析(GWAS)、一塩基多型(SNP)
・ヒトオミクスデータと深層学習
〔key word〕深層学習モデル、Transformer、Attention機構、Enformer
・シングルセル時代のシステム生物学ーーシングルセルマルチオミクスによる遺伝子制御ネットワークの推定
〔key word〕システム生物学、遺伝子制御ネットワーク、シングルセルマルチオミクス
・ロングリードシークエンス技術と難病ゲノム解析
〔key word〕ロングリードシークエンス(LRS)、構造多型(SV)、リピート伸長変異、Pacific Biosciences(PacBio【○R】)、Oxford Nanopore Technologies(ONT)
・ロングリードシークエンス技術と集団ゲノム解析
〔key word〕ロングリードシークエンス、構造多型(SV)、基準ゲノム配列、Telomere-to-Telomere(T2T)アセンブリ、パンゲノム
・アジアにおけるゲノム医学研究ーーGenomeAsia 100K Project
〔key word〕アジア人、ゲノム医学、遺伝的多様性、集団遺伝学
・琉球諸島の人々における集団ゲノム解析
〔key word〕琉球諸島、集団遺伝学、ゲノム、遺伝的多様性、集団形成過程
・縄文人由来変異が解き明かす縄文人と渡来人の混血過程
〔key word〕縄文人由来変異、ancestry marker index(AMI)、Jomon allele score(JAS)、集団平均ポリジェニックスコア(PA_PS)
・便中ヒトゲノム情報からの個人情報の再構築
〔key word〕腸内微生物叢、メタゲノムショットガンシークエンシング、ヒトゲノム由来配列、個人情報
●遺伝統計学と疾患オミクス研究
・眼科疾患における大規模ゲノム解析
〔key word〕眼科形質、多因子疾患、多遺伝子リスクスコア(PRS)、遺伝性網膜ジストロフィ(IRD)、遺伝子治療
・アルツハイマー病ゲノム解析の現状
〔key word〕アルツハイマー病(AD)、APOE遺伝子、ゲノムワイド関連解析(GWAS)、レアバリアント、ポリジェニックリスクスコア(PRS)
・整形外科疾患で最も注目される変形性関節症の大規模ゲノム解析
〔key word〕変形性関節症(OA)、大規模ゲノム解析、ゲノムワイド関連研究(GWAS)、シングルセルRNA解析(scRNA-seq)
・痛風・高尿酸血症の大規模ゲノム解析
〔key word〕尿酸値、尿酸輸送体、ゲノムワイド関連解析(GWAS)メタアナリシス、遺伝率、機能解析
・原発性アルドステロン症の遺伝的背景と高血圧への寄与
〔key word〕原発性アルドステロン症、ゲノムワイド関連解析(GWAS)、高血圧、Wnt/β-カテニン経路
・希少難治性疾患・間質性膀胱炎の遺伝的背景
〔key word〕間質性膀胱炎(IC)、ハンナ型IC(HIC)、ゲノムワイド関連解析(GWAS)、HLA遺伝子
・中枢神経胚細胞腫の多層的オミクス解析
〔key word〕胚細胞腫、ゲノム解析、メチル化解析、ジャーミノーマ、ノンジャーミノーマ
・炎症性皮膚疾患における単層および多層的オミクス解析
〔key word〕アトピー性皮膚炎(AD)、乾癬、ゲノム解析、マイクロバイオーム解析、多層的オミクス解析
・自己免疫疾患の多層的オミクス解析
〔key word〕ゲノム、エピゲノム、RNA-seq、eQTL解析、B細胞受容体
・ゲノム解析による発がんメカニズムの探索
〔key word〕クローン進化、系統樹解析、発がん
・がん種・人種横断的なゲノムワイド関連解析
〔key word〕ゲノムワイド関連解析(GWAS)、遺伝的相関、乳がん、前立腺がん
●遺伝統計学とシングルセル解析
・シングルセルRNAシーケンスーー宿主と病原体の複雑な相互作用を明らかにする
〔key word〕感染症、細菌、シングルセルRNAシーケンス(scRNA-seq)、サルモネラ菌
・シングルセルレベルの空間トランスクリプトーム解析の新潮流
〔key word〕空間トランスクリプトーム解析、シングルセル解像度、シーケンス、イメージング
・1細胞解像度の細胞アイデンティティの定量とシミュレーション
〔key word〕モデリング、シミュレーション、遺伝子制御ネットワーク
・循環器疾患におけるシングルセル解析研究の実際
〔key word〕循環器疾患、シングルセル解析、分子病態
・がん領域におけるシングルセル解析
〔key word〕腫瘍微小環境、がん免疫療法、がん細胞、T細胞、シングルセルシークエンス
・リウマチ・膠原病疾患におけるシングルセル解析
〔key word〕シングルセル解析、関節リウマチ(RA)、全身性エリテマトーデス(SLE)、抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎(AAV)
・新型コロナウイルス感染症におけるシングルセル解析
〔key word〕新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、シングルセル解析、ゲノムワイド関連解析(GWAS)、expression quantitative trait locus(eQTL)、
・自然免疫応答の遺伝的多様性を単一細胞分解能で理解する
〔key word〕シングルセル、ガウス過程、発現量・量的形質座位(eQTL)、自然免疫、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
・脂肪組織のシングルセル解析はインスリン抵抗性の概念をどうアップデートするか
〔key word〕snRNA-seq(single nucleus RNA-seq)、脂肪細胞・脂肪前駆細胞の多様性、核ライブラリの特性、統合シークエンス解析
・Human Cell Atlasプロジェクトの軌跡と今後の展望
〔key word〕Human Cell Atlas(HCA)、バイオロジカルネットワーク、データエコシステム
●遺伝統計学とゲノム創薬
・大規模オミクス解析時代のゲノム創薬
〔key word〕ゲノム創薬、ゲノムワイド関連解析(GWAS)、オミクス解析、薬剤転用
・人工知能を活用した創薬研究
〔key word〕創薬、人工知能(AI)、低分子医薬品、中分子医薬品
・製薬業界におけるゲノム創薬の活用
〔key word〕ゲノム創薬、臨床試験の成功確率向上、バイオバンク、eQTL(expression quantitative trait locus)、pQTL(protein quantitative trait locus)
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・神経経済学は“ヒトの脳が価値を評価する仕組み”を問う学問である。日本ではまだまだなじみの低いニューロエコノミクス(神経経済学)であるが、2000年初頭のアメリカで産声を上げた。
・われわれヒトの脳は意識的に、または無意識的に物事の良しあしを判断して行動を決めることを繰り返すので、ほぼすべての日常行動が神経経済学の研究対象である。
・現在、価値観を生み出す脳の仕組みの理解が徐々に進みつつある。その知見を心の病の理解へ適用する臨床的な試みや、福祉政策の立案にいかそうとする公共的な試みもあり、研究が今後も発展していくものと考えられる。
■ニューロエコノミクス(神経経済学)とは何か?--ヒトの価値観が生まれる脳の仕組みの理解とその先の未来
・はじめに
・神経科学的手法を用いた幸福度測定への批判的検討
〔key word〕幸福度測定、スティグリッツレポート、幸福の経済学
・社会科学における実証研究の展開ーー行動経済学を例として
〔key word〕行動経済学、実験社会科学、ニューロエコノミクス
・計算論的アプローチによる強迫症のメカニズム解明
〔key word〕強迫症、計算論モデル、計算論的精神医学、強化学習、セロトニン
・精神医学と神経経済学ーー計算論的精神医学
〔key word〕精神医学、神経経済学、意思決定
・意思決定の神経基盤解明のための行動課題の開発
〔key word〕強化学習、行動課題、パラメータ推定、精神疾患
・ヒト神経経済学ーー他者との駆け引きを支える脳の仕組み
〔key word〕ゲーム理論、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)、経頭蓋磁気刺激法(TMS)、数理モデル、社会神経科学
・単一行動の神経経済学ーーサルの神経・分子基盤
〔key word〕意欲、報酬価値、サル、ドーパミン、セロトニン
・霊長類の行動進化と神経経済学ーー線条体とドパミンの多元的価値表現
〔key word〕線条体、ドパミン、報酬予測誤差、蛍光ドパミンバイオセンサー、マカクザル
・科学の方法的哲学と潜在能力アプローチ
〔key word〕潜在能力アプローチ、外出機能、利用能力、グループ
・脳機能イメージングによる効用の個人間比較と再分配政策への応用
〔key word〕効用、制度設計、再分配、政策評価、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)
●TOPICS 病理学
・中皮腫瘍病理診断のパラダイムシフト
●連載 臨床医のための微生物学講座(8)
・腸球菌
〔key word〕腸球菌、院内感染症、バンコマイシン耐性、VRE、伝達性プラスミド
●連載 緩和医療のアップデート(3)
・がん疼痛治療ーーこの30年余で何が変わったか?
〔key word〕オピオイド鎮痛薬、非オピオイド鎮痛薬、鎮痛補助薬、放射線治療、骨転移
●FORUM 死を看取るーー死因究明の場にて(9)
・死亡診断1
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
目で見る病原性真菌は、この一冊で。巻頭39頁のカラー図譜で、真菌各種の顕微鏡写真や臨床写真を一括掲載!好評の月刊誌「化学療法の領域」連載企画に、新たに多数の真菌写真を加えて単行本化。その菌学の基礎から各領域真菌症の臨床まで、克明に解説!医真菌研究者はもちろん、臨床医家にも必読の一冊。
本書は、現時点において既存のニューキノロンの臨床的位置付けを明確にし、より適切な使用法を目的として編集されたものである。
皮膚科学について、平易簡明を旨とした解説書。