本書は基本的に小児科の研修医から内分泌・代謝専門医、ならびに子どもの糖尿病を診療している内科医までを対象として作成した。小児の糖尿病に対処する手段について、診断と治療にとどまらず臨床家として遭遇する諸問題について詳細に述べている。
平成7年に本書を出版してから5年が過ぎた。その間、栄養学各分野の著しい進歩、また、このたびの栄養所要量第6次改定等で、本書の全面的な見直しを図り、改訂版を刊行するに至った。
近代社会は、食生活的にも予測がつかない状況になっている。今日、ヒトは胎児の時代より死にいたるまで、「ヒト」の作った食環境で生きていかざるを得ない。本書では、種々の時間・環境における生体の反応と、“適正に生きる”ために必要な栄養に関する基本的な生理・生化学について述べている。
本巻では女性のライフサイクルにおける思春期の位置づけに重点をおき、生理的変化、思春期特有の疾患、さらに社会との接点とライフスタイルに至る各項目をあげ編纂した。思春期の生理では、性分化、思春期の内分泌変化からみた思春期発来、身体発育、内分泌系の発育、精神心理学的発達を項目としてあげ、up-to-dateな知識をも含めた記載を各執筆者にお願いした。思春期の異常では、上記の生理的変化に対応する異常と同時に思春期特有の疾患を具体的にあげ、その分類、診断、治療法に重点をおいた。思春期保健では、栄養、スポーツを含めた生活指導の面から、健全な母性の確立のための性教育、若年妊娠など社会とのかかわりに触れ、本巻の目的とする思春期女性のヘルスケアを解説してある。
本書は故国分義行教授と佐伯節子教授の『保育者のための小児栄養学』を全面的に改編した新版である。最近の小児栄養学が乳幼児の栄養学から、さらに上述の社会的変動に伴う学童・思春期の栄養学にいたるまで、その重要性が大きくなってきたので、従来の記載に最近の問題点を含めて広く詳細に記述することにしている。またわが国の最近の保育環境も「健康児の保育」から「病児を含めた保育」に拡大する状況を配慮して、「病児の栄養」についての基礎的な知見も加えている。
近年、健康指向が強まるとともに、ますます栄養学の重要性が認識され、またその発展も著しい。しかし人の一生には、さまざまな段階があるうえに種々の環境下にもおかれるので、健康を目指すためには、それぞれことなった段階・環境での正確な栄養学的対応が必要とされる。
1997年、「精神保健福祉法」が制定され、精神障害者への福祉の適用がなされるに伴い、精神保健福祉士や臨床心理士、社会福祉士、介護福祉士の諸資格制度、行政機関等におけるメンタルヘルス活動などが重視されている。本書は、将来これらの活動に携わるべく医療・看護・介護・福祉について学ぶ人々のための、臨床心理学、精神保健学の入門的解説書。発達の各時期の特徴とその時期に起こりやすい不適応症状、性と心の関わり、メンタルヘルス活動(治療・援助)の実際とその問題、の3つを柱とし、臨床事例を挙げながら、わかりやすく解説する。
糖尿病の患者さんや家族へ療養指導していると、いろいろな質問や疑問にうまく答えられず悩んだり迷ったりしたことは、医師に限らずあらゆる医療スタッフが経験されていることと思います。本書は、普段の診療時に医師、看護婦、薬剤師、栄養士、臨床検査技師、運動トレーナーが患者さんや家族からいろいろ質問された中から116問の質問とそれに対する答えと解説、ポイントをまとめたものです。
小児の食生活についての知識と技術を習得するための一冊。単に、食生活の知識と技術だけが述べられるのではない。食生活の基盤となっている子育てとの関係、とくに生活全般のなかで、子どもにいかに適切に食べさせることができるかを習得できるように解説されている。
本書では、生理的特性を中心に展開されてきた栄養管理にとどまらず、食糧難の時代から飽食の時代を迎え、生活習慣病が危惧される今日、生活習慣の現状と問題点についてどう対応していったらよいのか、あわせて栄養管理の観点から考えてみた。
存在の意味は時間であり、時間とは私自身である。自己と他者の共通の場所としてのあいだ=いまが未来と過去を創り出し、時間の流れの源泉となる。分裂病の本質をアンテ・フェストゥム的意識における絶対の他の不成立にみる木村精神病理学の真骨頂。
本を読むことや文章を書くことが、子どもの成長とどのような関わりを持つかを考察した書。
気管支喘息そのものの多くは死に至る病ではない。本人が自覚し、また治療が正しくおこなわれれば健常人とほとんどかわらない人生を送ることが可能になってきた。この点では喘息のQOLは一般的には高いといえる。しかし、QOLをさらに高めることは大切であり、今後の課題である。環境整備や空気清浄器や特殊寝具の解説もQOLの向上をめざしたものである。一方、QOLと不離不分の関係にあるのが、IC(Infomed Consent)である。患者や家族に病状を説明し、患者・家族の了解のもとに医療をおこなうことが今後は必須となるであろう。本書は、これらの事柄や方法について、いかに配慮し、いかに向上されるかなどを解説したものである。
本書は、生物体に起こる、時間の経過に伴う変化、ここでは、現段階では不可避的なものと考えられる「加齢に伴う生物体の老化」に主眼をおいて編集を試みたものである。
葉子が泣いた。理由は聞かない。17歳には17歳の秘密がある。すべてはこの一冊に。
本書には、精神保健相談に携わるスタッフと事例検討を積み重ねた経験のエッセンスがつめ込まれている。コンサルテーションでしばしば問題となる点をたんねんに取り上げ、クライエント、家族をどう支えるべきか、初期介入やカウンセリングはどうあればよいかなどを、Q&A形式で具体的な例を挙げながらわかりやすく説明している。