「頼りになる友達が狼に変身してしまった。そう思っているんだね、ステファニー」ステファニーは2年前、一群の若者に襲われ、際どいところを社長のジェイクに助けられた。以来、男性恐怖症になってしまった彼女にとって、事情を知るジェイクだけが頼りだった。そのジェイクの様子が、近頃おかしい。わざと強烈なラブシーンのある映画に連れていったり、彼を男として見るように仕向けたり。そしてある日、ステファニーは突然キスされてしまって…。
老女のひき逃げ事件に不審な出来事が次々と重なり…(高嶋哲夫「連鎖」)。暴力団元構成員が殺害された。この任地では嫌なことばかりだ…刑事の瓜生は苛立つ(西村健「出戻り」)。-こんなはずじゃなかった。思いもよらぬ事態が積み重なり、事件は意外な方向に。望まざる状況に立たされたとき、彼らは何を見るのか。当代きっての書き手が贈る、疾走感溢れるミステリーアンソロジー。
毎号特集主義のミステリーコミック誌特集
悪夢への招待状
あるパーティの夜、パーシファの後見人が心臓発作で急死する。類稀なる美貌を悄然とさせるパーシファのもとに、メキシコの大領主ドン・ディアブロが現れ、自分はパーシファの夫になる男だと言うのだった。それが後見人の遺志だと知った以上、逆らうこともできず、パーシファはともにメキシコに渡るが、残酷な方法で、貞操を奪った夫への憎しみがつのるばかりの日々がつづく。だが、常に非情さを漂わせ、使用人たちにさえ悪魔と囁かれるディアブロに危険と知りつつも、抗えない魅力も感じ始め…。
毎号特集主義のミステリーコミック誌悪夢への誘い
内気なケイトは、旅先のミラノで出会った男性、ジャンルカ・デ・ロッシと激しく惹かれ合い、一夜をともにした。だがいたたまれなくなり、翌朝何も言わずに逃げ出してしまう。どんな代償を支払うことになるのか、知りもせずにーそれは、予期せぬ妊娠と、ジャンルカとの思いがけない再会だった。数カ月後、悪阻に苦しみながら新しい派遣先に向かったケイトは、ジャンルカが世界的に有名な実業家だったことを知る。「なぜ黙って僕のベッドから出ていった?」彼は激怒している。彼のもとで働くなんて…ケイトは何も言えず、ただ震えていた。いまも消えない彼への想いと、込み上げる吐き気と闘いながら。
サラは、親友夫婦の船舶旅行に同行していた。ある島に寄港した一行の船の隣に、豪華なクルーザーが停泊する。クルーザーの所有者は、ナポリ名門一族の完璧な貴公子らしい。興奮ぎみな親友の言葉を、サラは聞くともなく聞いていたが、夜のパーティに現れた男性を見て、言葉を失うしかなかった。グイード・バルベリー二度と会いたくなかった、かつての夫。身ごもっていた子を流産すると、彼の父から手切れ金を渡され、ぼろ屑同然に追い払われたのだから。泥棒猫とまで蔑まれて。身動きできないサラに、彼の怜悧な美貌が平然と微笑んでいた。
「頼りになる友達が狼に変身してしまった。そう思っているね」ステファニーは2年前、帰宅途中に一群の若者に襲われ、際どいところを社長のジェイクに助けられた。それ以来、手も触れられないほど男性不信の彼女は、事情を知るジェイクだけを支えとして生きてきた。それなのにジェイクの様子が、近頃おかしい。ジェイクを男として見るように仕向けられたあげく、ある日、無理やり唇を奪われてしまい、ステファニーは彼を拒絶する。なのに彼がほかの女性といるだけで息もできなくなるー
団地に暮らす専業主婦の浩枝は、現実と見まがうような「人が死ぬ悪夢」にうなされていた。ある晩、夢で見た殺害現場が現実のものと分かり、自分に不思議な力があることに気づく。浩枝だけが知っている事件の真相を伝えるべく同窓生の刑事と連絡をとるが…。長編ノンストップサスペンス。
カプグラとは、家族や知人に対して、自分は外見はそっくりでも内部は別の人間に入れ替わっていると主張する症候群。失踪の後、別人となって現れた娘婿。果して彼の正体は?封印されていた過去の悪夢が蘇る。現代調査研究所の岡坂神策が「心の闇」を探索する表題作はじめ、極上のサスペンス5編を収録。
この度、亜玖夢博士が衆生救済に用いるのは最先端のマインドサイエンス。人間行動を司る脳を理解すればひきこもりもパワハラも、依頼人の悩みはすべて解決!?が、突拍子もない処方と助手の暴走で毎度、事態は悪化…どころかついには世界滅亡の危機に!脳の不思議を笑って学べるブラック・コメディ。
幼いころに天涯孤独の身となったサラは施設や里親のもとを転々とし、出生のことでいじめられて育った。大学時代には、社会人留学生だったグイードと結婚したが、せっかく身ごもった子を流産してしまうと、義父から手切れ金を渡され、ナポリを追い出されたのだった。10年後、ようやくサラは順調な人生を手にしたかに見えたー親友がもよおす地中海での船上パーティに、いまや大富豪となった元夫グイードが姿を現すまでは。忘れかけていた悪夢に再び打ちのめされたサラに向かって、まるで獲物を見つけた獣のように、彼は不敵な笑みを浮かべた。
イレーナはデザイナーとして華やかなファッション業界に身をおくが、挙式前夜にフィアンセに暴行され、婚約を破棄した過去がある。もう男性を愛させないと決めていた彼女の前に、積極的に誘いをかける男が現れた。金融王の異名をとる、ギリシア人のサンドロだ。「きみとディナーを楽しめるなら、なんだって犠牲にできる」そこまで言う彼に惹かれ始めた矢先、イレーナは嫉妬に狂った元婚約者に脅され、襲われてしまう。これらの事件がサンドロの知るところとなったとき、イレーナの人生は一変した。
K医科大学病院の十三階特別病棟十三号室。完成まもないその病室で、夜な夜な女の声がするー。担当患者の訴えから幽霊の正体を探ることになった京橋と茨木と楢崎。一方、まんぷく亭の隣のとことこ商店街では大掛かりな振興計画のもと、働く男の半裸カレンダーを作成することに。モデルの一人に抜擢されたまんじだが、これが楢崎の血相を変えさせる事件に発展…!?『楢崎先生んちと京橋君ち』第二弾、真夏の事件同時勃発?
リンの顔にはまだ、元夫の暴力による醜い傷跡や痣が残っていた。最後に受けた暴力はとくにひどく、病院で目覚めたときには、記憶まで失っていた。男性への恐怖心はいまだに消えなかったが、リンは立ち直ろうと、友人の兄キャルの牧場で家政婦として働きはじめた。キャルは元夫とは違い、ことあるごとに彼女をいたわってくれる。いつしかリンは、たくましいキャルに恐怖を感じなくなり、抱いていた感謝の気持ちも、愛に変わっていった。だがそんなとき、元夫の死体が発見され、リンは殺害容疑をかけられてしまった。記憶も戻らず、自分が殺人者かもしれないという思いに彼女は悩む。キャルへの愛も空回りするばかりで…。