近未来のサンフランシスコ。市民はカルマと呼ばれる点数減点法で管理され、感情や記憶に干渉する合法的麻薬が蔓延し、進化療法によって知能が増大した動物が人間と対等の顔をして街を歩きまわっている。メトカーフは街の片隅に事務所をかまえる、しがない民間検問士。ある朝ラジオの音楽版ニュースで報道された殺人事件の被害者は、ほんの二週間まえまで依頼人だった男だった。驚く彼のまえに他ならぬその事件の容疑者という男が現われ、自分は無実だ、真犯人を捜してくれという。気乗りしないまま捜査をはじめたメトカーフは、さっそくカンガルーの殺し屋につけ狙われるハメに…。管理社会の暗黒街をクールに歩く私立探偵ならぬ民間検問士の活躍を描いた話題作。1994年度ローカス賞処女長篇部門、ウィリアム・L・クロフォード賞受賞。
シューベルトの「ロザムンデ」と言えば序曲や間奏曲は有名だが、劇音楽としての全曲盤は数少なく、これが初のCD。第5曲のロマンツェにアメリングを起用してのマズア/ライプツィヒG.O.の演奏はロマンの香りが漂い、しかも堂々とした仕上がりである。
美奈子は、温泉でのんびりお肌ツヤツヤにしようと、知人の不動産会社の保養所へ。ところが、社長の遺体が露天風呂で発見された。足を滑らせて頭を打った事故だと思われたけど、なんと凍傷が。真冬でも、めったに雪の降らない南紀白浜なのに、まさか、雪おんなの仕業…。遺産を狙った犯行、仕事上のトラブル…。そして、ほぼ同時刻、遠く離れた雪の別荘地で、もう一つの事件が起きていたの。
本書は、「気象」という現象と、その発生や、変化を予想するのに必要な「天気図」について、できるだけ分り易く説明したものである。近年「異常気象」と呼ばれる現象が世界各地でしばしば起っている。異常というのはどんな状態であるか、またその原因と考えられる現象を知っておくべきである。さらに、最近大気汚染というべき「オゾン層の破壊」、「温室効果」、「酸性雨」など、人類によるいろいろな「地球環境の破壊」が問題になっており、21世紀の「地球の温暖化」が心配されている。これらについても簡単に説明した。
没後300年を迎えたイギリス最大の作曲家パーセルの作品が次々と録音されている。「妖精の女王」もコープマン盤に続いて今年すでに2枚目。アーノンクールの演奏は弾むような独特のリズム感と早めのテンポ設定、充実し歌手陣でひときわ光彩を放っている。
いま地球環境に大きな変化が生じている。その最たる現象である地球温暖化を、著者は二十世紀文明の生み出した病理的症候ととらえ、その原因と致命的とも言える影響を見究める。そしてどうすればきれいな地球を残すことが可能か、現代人の生き方そのものを問い直しつつ、炭素税の構想などの具体的堤言を含めて対応策をさぐる。