「1億の盆栽を創る男」「盆栽界の鬼才」と異名を持つ盆栽作家小林國雄は、文化庁長官賞受賞、内閣総理大臣賞4回受賞ほか盆栽関連の賞は総なめしており、世界30ヵ国150人以上の弟子入り、海外講演はひっぱりだこで大忙しの作家である。「盆栽」は今、生きた芸術として欧米、アジアでも大人気だ。よって今回の美術書は、英語・中国語の訳付きで海外ファンにも手に取っていただける仕様である。また、今回の『盆栽芸術〜人〜』は、『天』『地』に続く、3部作目。第1章では作家自らが名品盆栽の創作プロセスを解説し、2章〜4章では盆栽と調和が必要な水石・水盤・卓などの逸品コレクションや床飾りも数多く掲載。最終章では作家の仕事ぶりや、弟子たち・人々との邂逅も初公開した。作家の芸術作品のみならず、精神性や人柄までもが浮かび上がってくる集大成の1冊である。
2024年、20年ぶりに日本のお札のデザインが刷新されることが発表されました。渋沢栄一・津田梅子・北里柴三郎の3人が新しいお札の顔として注目を集めています。本書は日本だけでなく、世界の国々でお札になった偉人たちの、それぞれの人生や功績を紹介する学校図書です。偉人伝としても楽しく読むことができますし、お札に関するコラムやトリビアも満載。知識の本として、子どもたちのお札に関する調べ学習としても役立ちます。
ゴッホ、モネ、ラファエロ、レンブラント…人生と、名作の読み解き方は、すべて「家」にあった。生涯と絵画の見かたがすぐわかる。
芸術生成の新たなトポスミュージアムを全開する。「作品」は観客の眼を通じて初めて「芸術」として開花する。作品と観客出会いの場・ミュージアム等に見る、芸術と社会の新たな関係性。日本学術振興会人社プロジェクトの成果。
哲学者ガダマーの芸術論。思索の根拠を自己の「芸術体験」に求めていたガダマーの初期の芸術論集。ゲーテとモーツァルトの『魔笛』、バッハとワイマル文化、クライストの真実の愛、詩人リルケの神話的内面世界などテクストに秘匿された「芸術の心理」を哲学的解釈学の立場から開示する。
20世紀の大指揮者クレンペラーの最晩年の姿を通して人間における音楽のもつ意味を浮かびあがらせる好著である。
哲学者キェルケゴールのいう美的・倫理的・宗教的領域への深まりをクレンペラーの具体的な演奏を通して明らかにする著者渾身の作。
はじめに
序 章
第1節 本書執筆の背景と目的
第2節 オットー・クレンペラーと晩年
第3節 先行研究と本書の意義
第1章 オットー・クレンペラー 人と生涯
第1節 生涯略歴
第2節 人物像概要
第2章 晩年の創造とその分析
第1節 創造の構成 ─再現と表出の芸術─
第2節 1967~69年の創造内容
第3節 創造にみられる3つの特徴
第3章 マーラーへのオマージュと創造
第1節 マーラーへのオマージュ
第2節 マーラー交響曲第2番演奏の意義
第4章 民族性と宗教性の問題と創造
第1節 クレンペラーの民族性と宗教性の問題─内在する神をめぐって─
第2節 思想的傾向と創造
第5章 生と死の意識と創造
第1節 晩年の活動と遺された言葉
第2節 作曲活動にみる晩年の死生観─声楽曲創作の源泉となった詩からの考察─
第3節 マーラー第9交響曲とクレンペラー
第4節 晩年における生と死の意識と創造
終 章
参考文献・参考資料
あとがき
人名索引
巻頭特集
木口木版(こぐちもくはん)とは黄楊や椿など、目の詰まった堅い木を輪切りにした面を、「ビュラン」という彫刻刀で彫っていく木版画の一種です。
18世紀末のイギリスで発明され、当時は書籍の挿絵として用いられていました。
日本へは明治20年に伝わり、やはり書籍や新聞の挿絵のために使われます。
やがて印刷の技術が発展するにつれて木口木版は廃れていきますが、1960年代に日和崎尊夫(ひわさきたかお)という一人の版画家が、独学でこの技法をよみがえらせました。そして、日和崎も一員であった木口木版画のグループ「鑿の会」(のみのかい)の活躍に影響を受けて、木口木版は日本で流行します。
本特集では「鑿の会」以後、現在活躍する作家18名の紹介と、木口木版発祥の19世紀の作家・作品をそれぞれご紹介します。
緻密で美しい小品世界のもつ魅力を、隅から隅までご紹介する決定版です。
巻頭特集/木口木版 日本の現在と西洋の起源
現代木口木版の作家たち
宮崎敬介・二階武宏・林 千絵・齋藤僚太
柄澤 齊「年輪と星星 木口木版見聞記1974〜1979」
西洋木口木版の起源と発展
佐川美智子「西洋の木口木版ーその魅力」
今すぐ買える版画の逸品「版画マーケットプライス」
注目の作家/星野美智子
版画芸術オリジナル版画・アートコレクション制作/銅版画家・古本有理恵
期待の新人作家/村上 早
写真芸術の世界/杉本博司
話題の展覧会より/埼玉県立近代美術館開催 辰野登恵子展
福岡アジア美術館開催 闇に刻む光 アジアの木版画運動1930s-2010s
展覧会スポットライト「九州・沖縄版画プロジェクト2018」
「没後30年 城所 祥展」
「版画のコア core 2」
全国版画展スケジュール紹介(12月〜2019年2月)
公募展結果発表・公募展募集要項
版画インフォメーション
木版画技法実践講座/木口木版(講師 多摩美術大学版画科教授・古谷博子)
はじめてでも版画がわかる! 版画用語辞典ハンドブック
20 世紀を代表する美術史家ニコラウス・ペヴスナーと、ゴシック・リヴァイヴァルを主導した19 世紀の建築家A. W. N. ピュージン。中世ゴシック芸術の名もなき職人たちの謙遜を称揚する2 人の言葉から、神律的社会から乖離した現代における生のあるべき姿を考える。現世的欲求にとらわれない、真に価値ある生きかたとは?
大酒を飲んでは、個性を爆発させた米山!その書は、飲むほどに、酔うほどに、魅力を増した。
芸術活動と労働について現況をさまざまな視点から捉え、芸術と労働、芸術と社会との関わりを考察し、その行方を探る試み。
志望校攻略に欠かせない大学入試過去問題集「赤本」
ミューズ=画家と恋愛関係にあった美女、ではない。ポーズをとるだけの従属的な存在でもない。作品の製作にたずさわり、作家の方向性を決定づけ、美術史に残る名作を生み出す力となったミューズの真相と功績を解き明かす。
幼少期から新作まで。世界的芸術家・草間彌生の全て
本書は現時点における、もっとも包括的な草間彌生作品集である。
絵画からパフォーマンスやインスタレーションまで、草間の芸術についての探求、そして草間と批評家やアーティスト仲間との対話、さらには近年の活動についても豊富な図版とともに検証。
インタビュー/サーベイ/フォーカス/アーティスト・チョイス/アーティスト・ライティング/アップデート
沸騰する大衆のエネルギー
〈プロレタリア文化運動〉は、1920年代初めから30年代前半にかけておこなわれた芸術運動・大衆啓蒙運動・地方文化運動である。
本書は、近年発掘されたガリ版刷りのビラ、チラシ、チケットなど運動の最前線で使われた多様な資料を駆使しながら、文学・運動理論・演劇・美術・宗教・メディア・ジェンダーの側面から検討し、近代資本主義の矛盾と対峙した人々の足跡を明らかにする。モダニズム研究の新局面。
【序論】プロレタリア文化運動研究のために=中川成美
【1 資料をたずねて】
「小樽資料」「浦西資料」との出会い=伊藤純
小樽文学館と小林多喜二と池田壽夫旧蔵書=玉川薫
大原資料の特徴=立本紘之
【2 文化運動の諸相】
[総論]日本プロレタリア文芸聯盟の設立と〈プロレタリア文化運動〉=村田裕和
[文学1]プロレタリア文化運動における組織の問題=内藤由直
[文学2]地方のプロレタリア文化運動──関西を中心に=和田崇
[文学3]文戦派の文化運動=鳥木圭太
[運動理論]「プロレタリア文化運動」の理論化の意義と諸問題=立本紘之
[演劇1]小山内薫と「築地小劇場」=伊藤純
[演劇2]プロットと移動劇場=正木喜勝
[演劇3]新協劇団と『月刊 新協劇団』──左翼と国策のあいだ=鴨川都美
[美術]地方のプロレタリア美術──移動展と地方支部=足立元
[宗教]プロレタリア文化運動における宗教の位置づけ=池田啓悟
[メディア]戦旗社支局における謄写版刷りニュースの発行──指導方針と読者の間で=武田悠希
[ジェンダー]プロレタリア文化運動における「婦人」の位置付け──コップの婦人政策を中心として=泉谷瞬
【3 附録】
参考文献目録=池田敬悟(編)
団体名および略称一覧
左翼演劇公演一覧表=村田裕和(編)
日本プロレタリア文化運動組織変遷図[1921─1934]=村田裕和(編)
あとがき=村田裕和
原著者ナウムブルグ女史は、それまでの精神分裂病の表現病理に焦点づけられた理論や創造性を軽視した作業療法的な方法ではなく、精神分析的理解に基づく今日的芸術療法の創始者として、あるいは「なぐりがき法(scribble technique)」の提唱者としてしられる。本書には芸術療法の啓発的な総論に続いて、「なぐりがき法」をも含め、長期にわたって芸術療法によって治療された3例の詳細な事例報告が、多数のカラーを含む描画とともに提示されている。
古くより芸術家は活躍の場を求め、また研鑽を目的に、他国へと旅立った。美術の発展にとって彼らの移動はまちがいなく重要な役割を果したが、それが形象や図版の伝播の根拠として安易に語られてきた面も否めない。その反省の上に立つ時、美術の発展を描く歴史地図に「芸術家の旅」をいかに具体的に書き入れることができるだろうか?芸術家の移動をめぐる、かつてない論集。