2015年、シリアの首都ダマスカス近郊の町ダラヤでは、市民がアサド政権軍に抵抗して籠城していた。彼らは政府寄りのメディアで狂信者、テロリストと報道されていたが、実際は自由を求める人々であった。政府軍の空爆により建物が破壊され、隣人が犠牲となる中、ダラヤの若者たちは瓦礫から本を取り出し、地下に「秘密の図書館」を作った。知の力を暴力への盾として闘おうとしたのだ。そんな若者たちにインタビューする機会を得た著者は、クッツェー、シェークスピア、サン=テグジュペリといった作家の本について彼らと語り、戦争に奪われた日常、図書館によって生み出された希望を記録していく。図書館に安らぎを、本に希望を見出した人々を描く感動のノンフィクション!
ヴァチカン聖庁の枢機卿を大叔父にもつ玄須聖人は、ローマ大学留学中。ダビデ像に似た美丈夫のマリク神父と友達になり、オペラ公演に出掛けることに。会場では、奇しくもヴァチカン図書館の蔵書の刻印がある本を拾い、なぜか惨殺死体まで発見してしまう。本の持ち主を突き止め、イギリスの屋敷を訪ねるのだがー聖人とマリクが、暗号化された「聖杯」の秘密を読み解き、真相に迫る!ビブリオミステリー!
2000年にデンマークのNGO(Stop the Violence)が、北欧最大級の音楽祭であるロスキレ・フェスティバルで始めた「人を貸し出す図書館」ヒューマンライブラリー。障害者、ホームレス、性的少数者、薬物依存症の人、外国人就労者など、社会のなかで偏見やスティグマを経験したことのある人々が「本」になり、一般「読者」と対話をするこの「図書館」は、世界中に広がり、現在では90カ国以上で開催されている。本書では、大学や団体をはじめとする国内外の多様な実践を紹介すると同時に、偏見の低減効果やヒューマンライブラリーの運営がもたらす学習効果を分析し、自己と他者の関係性の再構築、また、日常の生活空間と差異を再構築する場としてのヒューマンライブラリーの意義を論考する。
学校図書館の歴史や役割の変化などのほか、現在、学校図書館がどのようにつかわれ、学校教育のなかでどれだけ重要な役割をになっているか、そしてこれからの在り方を見ていきます。
おそろしい怪物グラファロに出会ったら、どうする!?知恵と勇気のあるネズミくんに学ぶ、サバイバル術!第83回アカデミー賞短編アニメーション賞ノミネート作品原作。
おそろしい怪物グラファロに出会ったら、どうする!?知恵と勇気のあるネズミくんに学ぶ、サバイバル術!第83回アカデミー賞短編アニメーション賞ノミネート作品原作。
熊本県の最南端に位置する水俣市では、市民が読書に親しみ、人生をよりよく深くみつめ、命やすらぐまちを実現したいとの思いを込めて、2007年に「日本一の読書のまちづくり」を宣言しました。その挑戦の中で生まれた事業が、2009年に創設された「みなまた環境絵本大賞」です。これまで隔年で計4回、環境をテーマにした絵本の原文を全国から公募し、大賞作を刊行してきました。本書は同事業への全応募作678編の中から、歴代の優秀賞受賞作と、第2回から新設された市民賞子ども部門、一般部門それぞれの大賞受賞作を集めたものです。
「図書館は好きじゃないんだ」竜司は図書館にいやな思い出がある。卒業前の自由研究で、美紀、悠人といっしょに班になった竜司。土器のかけらをきっかけに、三人は近所の遺跡を調べることに。“どうしたって、あそこへは行かなければならない”図書館へ通いながら、調べ学習を進めるうちに、いつしか、竜司の中で何かが変わっていく…。「坂の上の図書館」に続く、もうひとつの物語。
フェルマーの最終定理という難攻不落な難問。それに取り組む学徒たちの姿を通して人間が生きる意味を探るテキスト。
簡単に言うと、ぼっちゃん、おじょうちゃんが「こんな力があればなぁ」とか「あんなことができたらなぁ」とか思うような力を、あたしは持っているの。それを貸してあげるってわけ。ちょっとだけ条件つきだけどね。あら、簡単な条件よ。どう?いいでしょ?いいわよね?じゃっ、契約の握手しましょ…。
もののけって、妖怪とかお化けのことなんだけど、そういうのって、もう絶滅したって思ってる?そりゃそうよねぇ、夜だってこんなに明るくちゃ、“闇の力”も隠れる場所がないわよねぇ?…でもね、ちゃあんといるのよ。今も。あら、信じないの?だったら貸してあげるわよ、あなたにぴったりのもののけちゃんがいるの…。
あたしはもののけ屋。いろいろと問題のある子たちの悩みを解決させるために、この学校に来たの。もののけという、いわゆる妖怪とかお化けとかって呼ばれる者たちの不思議な力を、みんなに貸し出すのがあたしの役目。え?そんなのにたよってたら幸せになれない?まぁ失礼しちゃう。それはあなたしだいじゃない?