「所有」「先入見」「国家」「方位」「歴史」といった、近代美学を「外部」から支える五つの概念を吟味し、美学理論の境界や条件そのものを精緻に問い直す。そして美学を起動するメカニズムに着目の上、その歴史を描出し、制度としての美学を内から外へと開き、その変容を目論む美学芸術学必読書、新装版。
プロローグ 中心の喪失:「新しい神話」あるいは「ゴシック幻想」
第一章 所有:近代的「所有権」思想と「芸術」概念
1 伝統的詩学からの訣別
2 精神の個体性のアポリア
第二章 先入見:習慣の詩学あるいは趣味の政治学
1 自然主義的趣味論とそのアポリア
2 先入見の復権とその行方
第三章 国家:美学と政治学をめぐる近代性の行方
1 近代国家論とそのアポリア
2 「永久平和」の理念と反省的判断力
3 「美的国家」あるいは社会の美的統合
インテルメッツォ 中心の遍在:ノヴァーリスあるいは政治的汎神論の美学
第四章 方位:表象としての「東西」「南北」から見た近代的芸術精神の成立
1 北方的近代への批判:コンディヤックからルソーへ
2 北方的芸術の発見:ハードとヘルダー
3 憂鬱なる北方とロマン主義の精神、あるいは方位の表象の解体
第五章 歴史:普遍と特殊の交叉
1 歴史的思考の成立
2 歴史的思考の行方
エピローグ 中心の批判:ヴォリンガーによる「ヨーロッパ中心主義的」芸術史の批判とその行方
戦前期日本プロレタリア文化運動の生成・発展過程と、その中で生まれた運動のあり方を「模範的共産主義者」蔵原惟人とその後継者らを軸に考察。 戦後日本共産党運動の源流としての文化運動という新たな視座も提示。
序章 本書の課題と方法
第一章 プロレタリア文化運動の芽生えと同時期の思想状況
第二章 運動理論の大転換と文化運動組織の再編
第三章 文化運動組織の「分離・結合」とその背景
第四章 文化運動組織の発展と権威構造の形成
第五章 一九三〇年前後の党運動と文化運動
第六章 コップ結成後の文化運動の進展と衰退
終章
20世紀前半に中国で活躍した画家、豊子凱(ほう・しがい)が、大正期の日本で交わされた東西の芸術比較論を介して、カンディンスキーの抽象芸術論を受容し、それを中国画論と融合させて「気韻生動」という中国古来の重要概念を解釈したことを明らかにする。
序論
豊子凱について
研究背景
本書の構成
第一章 「自然美」から「感興」への転向
第一節 「普通の芸術」と「専門の芸術」
第二節 「自然美」による「生動」
第三節 「自然に対する感情」としての「感興〔遺貌取神〕」
第二章 「感覚美」によって喚起される「高遠な思想感情」
第一節 「感覚美」によって喚起される「高遠な思想感情」
第二節 カンディンスキーの「震動(Vibration)」
第三章 「精神的なもの」と「気韻生動」との共鳴
第一節 エディによるアメリカ側のカンディンスキー受容
第一項 ブイによる「気韻」と「生動(living movement)」
第二項 カンディンスキーの純粋芸術と「東洋の抽象芸術」
第二節 園頼三による日本側のカンディンスキー受容
第一項 ショーペンハウアーの「崇高」と「生動」
第二項 リップスの「感情移入」と「気韻生動」
第三項 カンディンスキーの「純粋精神」と「気韻生動」
第三節 豊子凱による中国側のカンディンスキー受容
第一項 「同情」と「生動」
第二項 書道における「純粋な形状」によって示される「神気」
第四章 文人画と純粋絵画との両立
第一節 「文学的絵画」と「純粋的絵画」
第二節 「画中有詩」における「詩趣」
第五章 「写生」と「写意」との融合
結論
註
あとがき
参考文献
まさに現在、NHKの大河ドラマに始まり、美術館での特別展など江戸文化の大ブームが起きております。その時代の中心人物、葛飾北斎を江戸中世期の美術史家である著者がその生涯と偉業を著しております。
ー北斎の芸術意欲ー
北斎は名前を変えること30回あまり、転居すること93回。常に弊衣を着用し、部屋は掃除せずに散らかしたままであったとされる。
これらすべての行為は、生活の中心に絵画制作を置いていたからであった。
北斎は生涯にわたり、内的な動因である「芸術意欲」により、たえず新しい作品を生みだし続けた。
第1章 北斎の修業時代
1. 勝川春章と勝川春朗
2. 宗理時代の北斎
第2章 北斎と狂歌
1. 北斎と狂歌師浅草庵市人
2. 北斎の代表的狂歌絵本
第3章 北斎の『東海道五十三次』
第4章 北斎と蘭画
1. 北斎の蘭画への傾注
2. 北斎の遠近画法
3. 将来された第一級の透視画法書
第5章 北斎の浮絵ー浮絵の流行と『新板浮絵忠臣蔵』
第6章 「規矩」と構図
1. 森島中良の規矩
2. 文字絵と『略画早指南』
第7章 読本の北斎と曲亭馬琴
1. 草双紙と挿絵画家
2. 読本の北斎と馬琴
3. 挿絵に関する北斎と馬琴の確執
4.『椿説弓張月』の梗概と挿絵
第8章 名古屋での北斎と牧墨僊
1. 名古屋での北斎
2. 狂歌師牧墨僊
3. 銅版画家としての牧墨僊
第9章 『北斎漫画』の刊行と波及
1. 『北斎漫画』の刊行
2. 『北斎漫画』の広がり
第10章 北斎と出島の阿蘭陀人
第11章 北斎と「百物語」
第12章 北斎と富士山
1. 美しきベロ藍の錦絵『富嶽三十六景』
2. 百変の妙『富嶽百景』の上梓と図像解釈
第13章 北斎晩年の二点の大作
1. 《須佐之男命厄神退治之図》
2. 《弘法大師修法図》
第14章 北斎の信仰と《七面大明神応現図》
1. 北斎と日蓮宗
2. 北斎、一乗妙法として《七面大明神応現図》描く
第15章 晩年の北斎
1. 長寿を願う北斎
2. 北斎と信州小布施
3. 「水滸伝」の道士公孫勝
4. 祭り屋台の天井画と道教の世界
5. 北斎最晩年の絵手本『絵本彩色通』
欧米では定番となっているマザスのヴァイオリン・エチュード最終巻(全3巻)。第1巻「30の特別なエチュード」、第2巻「27の華麗な練習曲」に続いて、第3巻は「18の芸術家のための練習曲」となっており、プロやハイ・アマチュアのヴァイオリン奏者向けでかなりレヴェルは高いが、楽曲としての華やかさが増し、単なるエチュードにとどまらない魅力もさらに増している。
日本弦楽器指導者協会会長・武蔵野音楽大学教授の深山尚久氏による解説、運指・ボウイングも必見で、各曲の目的や学習効果を踏まえながらより高みへと進歩することができる。
[曲目]
エチュード18曲
ロシア・ウラル地方の鉱山で発見されて皇帝の名を与えられた宝石「アレクサンドライト」、妖しい光を放つチェコの紅柘榴石。神秘的な石に魅せられた人間が誘い込まれる物語とは…。冷酷な地主にさからえないおかかえ劇団の女優と腕のいい美容師「髪結いの芸術家」が命がけの駆け落ちをはかったその先に待ち受けていた運命とは…。物語作家として名高いレスコフの持ち味が存分に発揮された新訳作品集。
何がかれらを芸術の道へと導くのか
日本の美術教育は、芸術家としての生き方・あり方にどのような影響を与えているのか。美大生の子ども時代から大学卒業までの人生を手がかりに、「芸術家になる」過程を社会学的な視点から描き出す。
序 章 美大生の社会学に向けて
1.問題の所在ーー芸術家養成と専門教育
2.先行研究の検討ーー高等教育と芸術・文化生産の研究を架橋する
3.研究課題の設定ーー本書の3つの問い
4.分析の視座ーーディスポジション/ハビトゥス
5.研究対象と方法
6.本書の構成
第1章 美術系大学の学生の子ども時代
は じ め に
1.出身家庭の文化的・経済的状況
2.美術に親和的なディスポジションの形成背景
お わ り に
第2章 美術系高校・大学への進路選択
は じ め に
1.美術系高校への進路選択
2.非美術系高校から美術系大学への進路選択
お わ り に
第3章 美術系予備校・画塾を通じた文化獲得
は じ め に
1.美術系大学進学者の予備校・画塾経験
2.予備校・画塾の有用性と機能
お わ り に
第4章 美術系予備校・画塾が学生の大学生活に与える影響
は じ め に
1.通学者による予備校・画塾経験への評価
2.予備校・画塾の経験度合いによる大学生活の違い
お わ り に
第5章 大学生活を通じた表現行為の追求と「大学」の意味
は じ め に
1.大学生活を通じた表現行為の追求
2.「大学」への意味づけ
お わ り に
第6章 美術系大学の学生の大学生活満足度
は じ め に
1. 先行研究の検討と仮説の設定
2.大学生活満足度を多角的に捉える
お わ り に
第7章 美術系大学からの卒業後進路選択
は じ め に
1.作家志望者の学卒後メインルート
2.作家志望と就職の結びつきにくさの背景
3.作家志望者の卒業後進路選択をめぐる不安と葛藤
お わ り に
終 章 美大生の社会学から日本の芸術家養成を考える
1.本書で明らかになったこと
2.見出された重要な3つの論点
3.これからの研究のための課題
レオナルド・ダ・ヴィンチは、歴史上最大の天才の1人と見なされています。画家でありながら学者でもあった彼は、ごくわずかしか絵を描きませんでしたが、それらはすべて美術史上の傑作です! イタリア・ルネサンスの大天才の芸術世界へようこそ。
《モナ・リザ》や《最後の晩餐》など作品説明も充実しています。小学生低学年から。
太平洋戦争の開戦によって強制収容所へ送られた12万人あまりの日系アメリカ人。過酷な境遇に置かれた彼らは、日本の心と人としての尊厳を失うことはなかったー。スミソニアン・アメリカ美術館をはじめ、全米で25万人あまりが訪れ、感動した「我慢の芸術」作品集。
北イタリアの小都市レッジョ・エミリアで培われた幼児保育法「レッジョ・アプローチ」に触発されて、2009年から香川県高松市で始まった「芸術士派遣事業」。子どもたちの持つ潜在的な能力と可能性を信じ、絵画・造形・染織・彫刻・劇・音楽など様々な専門性を持つアーティストを保育現場に派遣しています。芸術士と子どもたちの15年の歩み、そのたくさんの奇跡の時間を、豊富な写真とともにご紹介します。
巻頭言 芸術士が拓く保育・教育の意義と可能性
(学習院大学教授・東京大学名誉教授 秋田喜代美)
第1章 芸術士とは?
第2章 レッジョ・エミリアの幼児教育
1 レッジョ・エミリア市の文化と歴史
2 レッジョ・エミリア・アプローチ
3 レッジョ・エミリア・インスパイアード
第3章 芸術士という仕事
1 仕事・作家活動との両立
2 子どもたちから学ぶこと
3 業務の一日の流れ
4 芸術士が作る活動記録
5 保育者との連携〜ふりかえりを活用して〜
第4章 子どもたちとの化学反応
01 へんなせかいずかん
02 椅子のキャサリン
03 おっぱい紙芝居
04 なんにもないけどなにかある
05 ガチャプール
06 世界には音がいっぱい溢れてる
07 比喩(メタファー)表現を楽しもう
08 雨と仲良くなろう
第5章 初期導入時の様子
1 芸術士の声:前堀浩二さん
2 行政の声:高松市役所 保育課課長(当時)田中克幸さん
3 保育現場の声:中野保育所 荒井京子所長
第6章 地域づくりへの投資
1 「アート県香川」のアートと文化の背景
2 創造都市政策での位置付け
3 こども未来部の想い
4 NPO法人の役割
おわりに
協力園一覧
学習雑誌「ちゃぐりん」(家の光協会)に2005年から15年間にわたって170話超の連載が続く伝記まんが「いのちの歴史」を、テーマ別の1巻10話、10巻シリーズで書籍化したシリーズ。各まんがは監修者がついた、しっかりした内容。2020年春に第1期として全5巻刊行済み、2021年春に第2期として全5巻刊行予定。巻頭には人物の写真などの口絵や年表を掲載、各まんがの後ろの学習ページ「もっと知ろう」では、人物の時代背景や関連あることがらなどを解説。この第10巻『文化や芸術をつくった人たち』には、レオナルド・ダ・ビンチ、葛飾北斎、ベートーベン、ガウディ、ゴッホ、ココ・シャネル、チャップリン、円谷英二、マリア・カラス、手塚治虫の10人を掲載。
芸術療法は、施行するほうも、施行されるほうも、誰にでも容易にできるように見えるので、それだけによりきめ細かな注意と配慮、その基礎にある理論や心理的問題への知識が不可欠である。本書は、日本芸術療法学会によるスタンダードなテキストである。第2巻では具体的な“作法”を論じた。
「劇場」が建築であり空間であるとする考えが一般的な中、本書ではそれを総合芸術の一つとして様々な創造作品の前提環境となる「劇場」と定義し、舞台芸術の歴史について考察。現代において「劇場」が「ハコモノ」と揶揄される事に強い違和感を覚えていた。日本の公立文化施設が本書で定義した「劇場」である必要があると語る時、それは運営上必要なソフトウェアがハードウェアとセットで議論・計画・実施される事を意味しなければならない。このような問題意識を踏まえ、副題を“劇場芸術の境界線から読み解く”とした。演劇や舞踊、劇場研究の先達たちから作品創造に対する知恵に感銘を受けてきた事はもとより、劇場の現場で活躍する演劇人や舞踊家、劇場人との対話により理解を深めたこと等を講義内で学生に伝えた内容や自作のクリエイションについてもまとめている。「劇場」が研究領域において見過ごされてきた境界を結ぶ重要な場となる事を考察した一冊。
序 章 第一章 舞台芸術研究の理論と実践の方法論 第二章 帝国劇場の「前舞台領域」から捉えた舞台芸術 第三章 劇場改革ー新たな風景の発見 第四章 劇場芸術の境界線ー自作の舞台作品を事例として 第五章 創る観客論に立脚した現代の劇場モデル 終 章 「劇場」の拠点性が紡ぐ劇場文化
コミュニケーションは言語の枝葉にすぎない。晩年に展開した「芸術言語論」を中心とした講演集。全巻完結!
1:ワルツ「芸術家の生活」(「芸術家の生涯」) Op.316