レーベルの創立50周年を記念して、当時のジャケット&内容を復刻した《ATLANTIC JAZZ COLLECTION》中の1枚。映画音楽(『大運河』)としてのモダン・ジャズ第1号。
5枚目の待望のフル・アルバム。10分以上もある大作(15)のような曲をはじめとして、随所に新しい試みがなされた意欲作だ。ビーチ・ボーイスやビートルズの内面にある病んだ部分と共通するものまで感じさせてしまう。これまでのファンがどう受けとめるか興味深い。
口うるさい女房の尻に敷かれ、うだつの上がらぬ貧乏御家人、蓮田右京。憂さ晴らしに今宵も仲間らと下手な句を唸りあう。もっとも年かさで、料亭花月亭の楽隠居たる卯吉がしのび笑った。川柳もいいが、何か胸のすくようなことはないか、と。右京の朋友で南町の同心村井勘兵衛、大店の道楽息子の弥市。四人は暇に任せて表沙汰にはできない仕事を引き受けていた。たそがれ右京にゃ、内儀も知らぬ顔がある。