実の妹と夫が浮気。その非道さに娘も置いて、身ひとつで大阪に流れついた志麻は、ひと旗あげようともくろむ。美容師時代のその腕と、ひょんなことから習い覚えた無免許マッサージの腕を元資に、法すれすれの男性専科の風俗店を開業する。世界の裏街道を巧みに生き抜き、ついに念願の自分のビルをもつまでに成りあがるのだが、そこに落とし穴が。
仕事も、恋も、結婚も、ライフスタイルも、何にも決まらないあなたへ。
ワケありな春休みのある日、冬樅が出掛けようとしたとたん、雨が降り出した。「雨なのよね…」と思わず“詠嘆”しちゃうのは、男女交際らしきことをしていた梶谷くんと会って、こっちから「もうやめましょう、さよなら」って言う日だったから。思えばすっごい舞台設定だ、なんてね。けれど、会ってみれば梶谷くん最後のセリフは、「言いたいことはよくわかったよ。じゃーな」。“わかったような口をきく”の決定版だ。カッコワリィ。「あたしにさえよくわかんないことが、なんでわかんのよー」と怒る冬樅、17歳の春は、雨音とともに始まった…。川崎ぶらVS吉田戦車が放つ、“キテる少女小説”。
澄んだ青空に、教会の鐘の音が鳴り響く。きょうから、あたしは広岡みか子。「浩介サンの奥さんです!」って胸を張って言える…はずはない。だって、あたしは男女交際厳禁の高校に通う3年生。バレたら、もちろん退学。大好きな浩介サンと一緒に暮らせるのなら、卒業まで秘密を守るくらい、へっちゃら。ところが、だれかが学校に密告してしまったからタイヘン。あたしに気がある海原くんが?それとも?結婚生活、早くもピンチ。
少年モデルとカメラマン、作家夫人とファンの少年、欲求不満の裕福な人妻、猟奇趣味を持つ医者と患者、崩壊寸前の夫婦、等々の、おぞましくも淫らな禁断の性愛を、全編登場人物のモノローグで綴った6つの物語。鬼才・橋本治があらゆる文学技法を駆使して、異常な世界をリアルタイムで実況中継。平成の世の眠りを破る衝撃の小説集、待望の文庫化なる。文庫オリジナル挿画付き。
今回の写真集は、ポスト樹まり子の一番手と目される「早紀麻未」をモデルに迎え、激しく抵抗する彼女のあられもない恥態にグッと迫って激写しています。
「いいかげんにしてよ!」まりあは激怒した。ミツコさんの胸ぐらを、むんずとつかもうとしたのに、つかめない…だって彼女は幽霊だから。ある日とつぜん、まりあの前に現われた彼女。30年前に死んだけれど、心配ごとがあって成仏できない。そこで天国へ行く手助けをしてほしい、って頼まれて、友達になってあげたのに、恩辺しどころかハッピー真っ最中のまりあの恋をぶちこわしにかかった。さあたいへん、恋の結果は天国?地獄?