1:ワルツ「芸術家の生活」(「芸術家の生涯」) Op.316
「東と西の結婚」という言葉で知られる陶芸家、バーナード・リーチ。「現代性」と「伝統」、「東洋」と「西洋」をそれぞれ橋渡しするという理想のもと、いかなる活動を展開し、独自の作品世界を作り上げたかについての総合的研究。
芸術と生活の境界に位置する広大な領域、専門的芸術家によるのでなく、非専門的芸術家によって作られ大衆によって享受される芸術、それが「限界芸術」である。五千年前のアルタミラの壁画以来、落書き、民謡、盆栽、花火、都々逸にいたるまで、暮らしを舞台に人々の心にわき上がり、ほとばしり、形を変えてきた限界芸術とは何か。その先達である柳宗悦、宮沢賢治、柳田国男らの仕事をたどり、実践例として黒岩涙香の生涯や三遊亭円朝の身振りなどを論じた、戦後日本を代表する文化論。表題作『限界芸術』に加え、芸術の領域での著者の業績がこの一冊に。
●唯一無二の批評眼、明確にして倫理的な美的判断、強靭で明晰な理論、詩人由来の修辞ーー。
日本が生んだ世界的な美術批評家・美術史家の半世紀におよぶ活動の真髄を1冊に集約。
●芸術論、作家論、時評、対談・鼎談、インタヴューなど、1960年代から2010年代にかけて発表された
論考から約80点を厳選して掲載。
●モダニズムの理論に裏打ちされた、芸術についての揺るぎない視点は、現代芸術の流れを知るうえでも最適。
●デュシャンやグリーンバーグをはじめとした芸術界の巨人や、ケルアックなどビートニクの詩人たちとの交流、
また同時代のアーティストたちとのクリティカルな緊張関係は臨場感のある歴史的証言としても貴重。
●クレメント・グリーンバーグ、バート・ウィンザー、ロバート・C・ホッブズ、エドワード・フライ、ドナルド・カスピット、多木浩二、
神林恒道、ゲイル・レヴィン、モナ・ハドラーとの対談、鼎談、インタヴューも収録。
●関係者によるコラムも特別収録。
寄稿者:林卓行(東京藝術大学准教授)、上田高弘(立命館大学教授)、早見堯(美術批評家)、川田都樹子(甲南大学教授)、
松浦寿夫(東京外国語大学大学院教授)、大島徹也(広島大学大学院准教授)、小西信之(愛知県立芸術大学教授)
芸術カウンセリングはファンタジーやイメージを患者と共有しようとする心理療法だ。
現在活躍する作家たちにとって、さまざまな手法・技術を横断して制作をおこなうことは、ごく普通になっています。そこで、本特集では40歳以下の作家にしぼり、「版画」と「写真」の領域で、新規性・独自性のある作品を制作する作家たちを、46名紹介します。
デジタル技術を活用したり、支持体や出力方法を工夫したりするなど、個性的な作品を制作しており、また今回ほぼ初めて『版画芸術』誌上に登場する作家を中心に、作品1点と作家コメントを掲載し、1人1ページで総覧します。
巻頭特集 「版画」と「写真」の新世代 注目の気鋭作家たち
「版画」の気鋭作家たち
赤本啓護/植田爽介/上原 灯/江波戸陽子/大石照美/大橋朋美/大八木夏生/小黒実咲/数見亮平/小西景子/酒井建治/佐竹広弥/関 貴子/関 萌瑚/高橋 梓/武雄文子/陳 憶誠/内藤瑶子/中村美津穂/畠中 彩/藤田紗衣/宮嶋結香/安原千夏/山田ひかる/吉野祥穂子
「写真」の気鋭作家たち
赤石隆明/石田小榛/石場文子/井上麻由美/上田佳奈/上田 良/門田訓和/古賀勇人/顧 剣亨/澤田 華/シーズン・ラオ/鈴木のぞみ/高島空太/滝沢 広/田中翔貴/千葉 尋/所 彰宏/長谷川寛示/porriM/前田梨那/横田大輔
巻頭特集総論
■「版画」と「写真」-2つのメディアが生み出す現代の美術 清水 穣(美術評論家)・談
特集掲載作家 関連ギャラリー・施設・公募展
版画家ヒストリー 廖 修平(木版、シルクスクリーン、ペインティング)
廖 修平ー台湾現代版画の先駆者 文・松山龍雄(小誌編集主幹)
「版画アートコレクション」の作家 西平幸太(シルクスクリーン)
めでたい と おめでたい 文・山内舞子(美術評論家)
写真芸術の世界 三田健志
不可視な実体 文・野田尚稔(世田谷美術館学芸員)
展覧会スポットライト
・生誕100周年 木下富雄 展 忘れえぬ「顔(Face)」の版画家 文・坂本龍太(三重県立美術館学芸員) 2023年10月11日〜2024年1月8日
・小さな版画のやりとり 斎藤昌三コレクションの蔵書票と榛の会の年賀状 2023年12月16日〜2024年2月25日/神奈川・茅ヶ崎市美術館
・生誕90年記念 特別企画 MASUO IKEDA 2024 Color/Line/Form 2024年2月9日〜24日/銀座・不忍画廊
展覧会レポート
・和紙の里から発信して20年 文・高野 勉(版画フォーラム実行委員会事務局長)
・第12回 高知国際版画トリエンナーレ展 文・三木哲夫(兵庫陶芸美術館館長)
連載 版画技法実践講座 木口木版画を作ろう
第6回 木口木版の凹版刷り 講師・栗田政裕(版画家)
今すぐ買える版画の逸品 版画マーケットプライス2023年12月〜2024年2月版
版画展覧会スケジュール 2023年12月〜2024年2月版
公募展受賞作品/公募展募集要項
版画インフォメーション/読者プレゼント
HANGA GEIJUTSU English Summary
さまざまな国の文化政策と、日本の演劇制度の歴史から、文化環境の最前線を考える、必読書の誕生。
うつ病から統合失調症まで、心のストレスを克服するために!音楽、絵画、演劇、人形劇、化粧…さまざまな表現方法で、精神を解放してゆく芸術療法。本書は、哲学・医学・心理学の系譜における「狂気の歴史」を踏まえたうえで、アートセラピーの実際を詳解。実用的でわかりやすい入門書の決定版。
日本で紙芝居の歴史に学び、アメリカの子どもたちにリテラシーを育む教育の一環として紙芝居のワークショップを重ねてきたタラ・マックガワンさん。その実践と研究をもとに紙芝居理論書「The kamishibai Classroom」をアメリカにて2010年に出版。本書は紙芝居研究家、堀田穣氏によるその翻訳版として刊行された。日本人とは異なる視点で紙芝居とその文化をとらえたユニークな理論書。
日本語版序
序 章 なぜ今紙芝居か?
第1章 絵入り「紙芝居の歴史」
■初期の紙芝居のルーツ
■写し絵ー紙芝居の直系のご先祖さま
■写し絵から立ち絵へー紙芝居の初期型
■新しい紙芝居ー平絵
■立ち絵(ミニチュア歌舞伎)から平絵(ミニチュア映画)へ
第2章 紙芝居の表現機構
■視覚的リテラシーとしての紙芝居
■紙芝居のワークショップ
■第1課程 動き 紙芝居の本質
■第2課程 映画の代用品としての紙芝居
■第3課程 抜く技
■第4課程 紙芝居を演じる
■第5課程 私たちみんな紙芝居屋さん!
■4〜7歳のより幼い子どもたちへのワークショップ
第3章 紙芝居を使って書くことを教えるー物語やスピーチの要素
■品詞の理解、名詞と動詞
■ディテール! ディテール! ディテール!
■連続性の理解
■一目でわかる物語構造
■ヤマ場とサスペンス
■3の魔法
■抜く感覚の発展、副詞入門
■間の力、効果的な静止
■柔軟な演出の編集
■キャラクターと声、形容詞入門
■声と感情表現の口調
■視点と内的独白(心の中の声)
■効果音とオノマトペ
■雰囲気と設定舞台ー舞台の幕をあけましょう
■執筆の過程
第4章 参加型紙芝居ー言語と読み書き能力遊びで楽しむ
■街頭紙芝居屋さんから学ぶ
■相互作用のあるストーリーテリングとしての紙芝居
■クイズ、パズル、なぞなぞー頭の体操
■もう1つの言葉ゲーム、しりとりとテーマのあるABC
■切り抜きーのぞき紙芝居
■映像の見え方と情報の制限
■文化への鍵穴
第5章 自分史あるいは回想録
■物語の状況
■キャラクター
■設定
■解決
■書くことへの橋わたし
第6章 社会科と科学の学習の中の紙芝居ーコミュニティの感覚づくり
■コミュニティの感覚と地域文化の構築
■調査の役割ー理解の方法としての描画写
■エコロジカルな見方
■茶会の心と物語の問題
■道具の天寿天命が2つの世界を繫げる
■観客を物語の中に引き込む
■物語の精神
終章 紙芝居文化の創造
訳者あとがき
戦前期日本プロレタリア文化運動の生成・発展過程と、その中で生まれた運動のあり方を「模範的共産主義者」蔵原惟人とその後継者らを軸に考察。 戦後日本共産党運動の源流としての文化運動という新たな視座も提示。
序章 本書の課題と方法
第一章 プロレタリア文化運動の芽生えと同時期の思想状況
第二章 運動理論の大転換と文化運動組織の再編
第三章 文化運動組織の「分離・結合」とその背景
第四章 文化運動組織の発展と権威構造の形成
第五章 一九三〇年前後の党運動と文化運動
第六章 コップ結成後の文化運動の進展と衰退
終章
個人の営み・個性の表現である芸術は、一方で社会のなかに生まれ、社会によって変化し、社会にはたらきかける力を持つ存在でもある。その芸術は、いかなる政治的・経済的環境のもとで生み出されたのか。それはなぜ受容者に受け止められ、それを必要とした社会は何を求めていたのか。本書は、社会の多様な位相における影響関係のなかで、近代の西洋、東アジア、日本の芸術を再考する。
1 芸術体験の現場
本願寺絵所について──西山別院本堂障壁画を中心に (大原由佳子)
美術展覧会場としての商品陳列所 (三宅拓也)
初期文展時代の芸術と社会 (高階絵里加)
展覧会会場から床の間へ──大正中期から昭和初期における表展出品作の分析を通して (多田羅多起子)
フランス美術の「伝統」──包括と排除のレトリック (大久保恭子)
2 社会と共振する芸術
『道房公記』にみる「九条家代々御影」について (國賀由美子)
戦前の日本における近代ベルギー美術の受容 (山田真規子)
国画創作協会展の鑑査にみる大正期の美術界──前期国展(第一回〜第三回)を中心に (藤本真名美)
村山龍平、朝日新聞社と展覧会──天平文化綜合展覧会を中心に (郷司泰仁)
京都におけるフランス文化受容の一側面──関西日仏学館の美術部・音楽部を例として (藤野志織)
近代絵画における引っかきへの試論──パブロ・ピカソの絵画を中心に (孝岡睦子)
3 芸術とメディアの接近
明治・大正のメディアにおける〈芸用モデル〉──スキャンダルの種から職業、そして画題へ (ホルカ・イリナ)
明治大正名作展の基礎的考察 (中野慎之)
アウラの夢と噓──W・ベンヤミンの『複製技術時代の芸術作品』をめぐって (高階秀爾)
板垣鷹穂の映画論と社会──国家メディア戦略と「機械美学」の接近 (竹内幸絵)
新しい日本映画思想史のために (花田史彦)
4 危機の時代の芸術ト
疫病と美術──イタリアのペストを中心に (宮下規久朗)
セザンヌと社会 (永井隆則)
スペイン・インフルエンザと美術──忘却の淵から甦ったパンデミック (河本真理)
拡張するノスタルジー、切迫するディストピア──第一次世界大戦とオペレッタ (小川佐和子)
戦時下の「前衛画家」たち──北脇昇と小牧源太郎、⽭盾のなかで「⽣きる」こと (清水智世)
中国の「新興絵画」と社会、そして戦争──『美術雑誌』にみる何鉄華のモダニズム芸術理論について (呉 孟晋)
シェイクスピアを凌駕するほどの技法を披露し、17世紀のバロック演劇に華をそえたカルデロン。広大無辺な想像のキャンヴァスに、聖と俗の劇世界を洗練された筆致で描出し、バロック演劇に特有の鮮やかなコントラストが織りなす百花繚乱の劇空間を創出した、カルデロン独特の劇芸術の神髄に迫る!
序章
1 十七世紀のスペイン演劇
1-1 ロペ・デ・ベーガ以前の演劇
1-2 ロペ・デ・ベーガの大衆演劇
1-3 マドリードの芝居事情
1-4 宮廷芝居
1-4-1 旧王宮
1-4-2 ブエン・レティーロ宮
2 カルデロンの劇芸術
2-1 カルデロンの技法
2-2 文学と絵画
2-3 カルデロンとベラスケス
2-4 劇空間に見る絵画的技法
2-5 詩的世界──イメージ、シンボル、メタファー
3 名誉劇──名誉・嫉妬・復讐
3-1 悲劇のかたち
3-2 名誉の悲劇三部作
3-3 名誉のかたち
3-4 セルバンテスの小説空間に見る名誉の扱い
3-5 カルデロンの冷酷非道な名誉療法──名誉は命よりも大事
3-5-1 『密かな恥辱には密かな復讐を』
3-5-2 『不名誉の画家』
3-5-3 『名誉の医師』
4 〈マントと剣〉の喜劇
4-1 喜劇のかたち
4-2 夜の暗闇と秘密の隠れ場所
4-2-1 『淑女「ドゥエンデ」』
4-3 隠匿の妙味
4-3-1 『時には禍も幸いの端(はし)となる』
4-4 性格の異なる姉妹
4-4-1 『緩やかな水流にご用心』──従順な姉と自由奔放な妹
4-4-2 『愛に愚弄は禁物』──才媛と愚女
4-5 『四月と五月の朝』──捻くれた女と身勝手な男
4-6 変装の妙味
4-6-1 『白き手は侮辱にあらず』
5 人生の糸
5-1 運命と自由意志の相克
5-2 『人生は夢』──自由意志の力
5-3 『風の娘』──権力志向と傲慢さの顛末
6 宗教劇──カトリック信仰の強化
6-1 『驚異の魔術師』──改宗の妙味
6-2 『十字架の献身』──神はいかなる罪も赦される
6-3 『不屈の王子』──カトリック信仰の高揚
7 歴史的背景
7-1 歴史を背景とする作品
7-2 『イングランド国教会分裂』
7-3 アメリカ新大陸(インディアス)の話題性
7-3-1 『コパカバーナの黎明(れいめい)』
8 聖体劇
8-1 聖体劇とは
8-2 聖体劇の起源
8-3 聖体劇の終焉
8-4 カルデロンの聖体劇
8-4-1 『世界大劇場』
8-4-2 『人生は夢』
おわりに
参考文献
年譜
作者名・作品名索引