終戦直後の日本ー父の病と過ちを理由に、周囲から仲間外れにされていた小学生・真の孤独を癒してくれたのは、父からもらった一羽の子うさぎ・虎吉だった。しかもその虎吉も奪われ、そしてー。虎吉の仇討ちを誓った真は、やがて上級生の富夫との邂逅の中で、本当の強さと優しさを知る…。物がなく、飢えた時代。貧富の差は、子供同士の立場にも微妙な影を落としていた。そんな時代の子供たちの姿を活き活きと、ときに赤裸々に描き出した、岡本泰生の意欲作。
虹の端っこを探しに行こう。今は天国にいるお父さんとの約束を叶えるため、美空は友だちと虹の端を探しに行きます。そうして水玉模様の不思議な蛙に出会いますが、その蛙の正体はというとー。父親を亡くしながらも懸命に明るく生きようとする少女の姿を郷愁溢れる文章で綴った傑作小説。大人のためのファンタジー!第二回「追憶」出版化奨励作。
どしゃぶりの雨のときもあるし、キラキラ輝いているときもある。雨のあとの空に虹が出るように、私の心にも大きくてきれいな七色の虹がかかるよ。
独自の画風を貫き描きためた作品集。
ねえ、忘れてしまったの?あなたにつばさのあったことを。美しいことばに彩られたやさしさあふれる詩集。
赤、橙、黄、緑、青、藍そして紫。若く沈潜する眼差しが生み出した、官能の匂いたつ九十一首。
「ぼく、ぜったいにかえしてみせるよ!名前だって決めたんだ。ニジコっていうんだよ」空から落ちてきたタマゴを受け取ったはるちゃん。家にいる時も、お散歩の時もいっしょ、いつも大切にあたためていると、不思議なほど楽しい出会いがあるのです。小学校中学年から。
マギーは図書館司書として働いている。すでに両親はなく、一人っ子で引っ込み思案の彼女は、五年前の失恋以来、大人の男性に恐怖を感じるようになった。マギーが唯一心を開けるのは、図書館にやってくる子供たちにだけだった。絵本を読み聞かせるお話の会は、彼女が最も輝く時間だ。今日は新顔の仲のいい兄弟が話に聞き入っている。兄弟たちの父親の姿をひとめ見るなり、マギーは息をのんだ。夏の空のような青い瞳と精悍な顔立ち。なんて、すてきなの。翌日、彼は再びマギーを訪ねると突然言った。「君が必要なんだ」。
五代将軍徳川綱吉の時代、木下順庵に学び、對馬藩に召し抱えられた儒学者雨森芳洲。唐語、朝鮮語を学び、鎖国下の江戸時代で朝鮮との友好外交に尽力した。同門の新井白石との確執からも読み取れる彼の思いは…。第25回新風舎出版賞ハミングバード賞受賞作品。