日本で紙芝居の歴史に学び、アメリカの子どもたちにリテラシーを育む教育の一環として紙芝居のワークショップを重ねてきたタラ・マックガワンさん。その実践と研究をもとに紙芝居理論書「The kamishibai Classroom」をアメリカにて2010年に出版。本書は紙芝居研究家、堀田穣氏によるその翻訳版として刊行された。日本人とは異なる視点で紙芝居とその文化をとらえたユニークな理論書。
日本語版序
序 章 なぜ今紙芝居か?
第1章 絵入り「紙芝居の歴史」
■初期の紙芝居のルーツ
■写し絵ー紙芝居の直系のご先祖さま
■写し絵から立ち絵へー紙芝居の初期型
■新しい紙芝居ー平絵
■立ち絵(ミニチュア歌舞伎)から平絵(ミニチュア映画)へ
第2章 紙芝居の表現機構
■視覚的リテラシーとしての紙芝居
■紙芝居のワークショップ
■第1課程 動き 紙芝居の本質
■第2課程 映画の代用品としての紙芝居
■第3課程 抜く技
■第4課程 紙芝居を演じる
■第5課程 私たちみんな紙芝居屋さん!
■4〜7歳のより幼い子どもたちへのワークショップ
第3章 紙芝居を使って書くことを教えるー物語やスピーチの要素
■品詞の理解、名詞と動詞
■ディテール! ディテール! ディテール!
■連続性の理解
■一目でわかる物語構造
■ヤマ場とサスペンス
■3の魔法
■抜く感覚の発展、副詞入門
■間の力、効果的な静止
■柔軟な演出の編集
■キャラクターと声、形容詞入門
■声と感情表現の口調
■視点と内的独白(心の中の声)
■効果音とオノマトペ
■雰囲気と設定舞台ー舞台の幕をあけましょう
■執筆の過程
第4章 参加型紙芝居ー言語と読み書き能力遊びで楽しむ
■街頭紙芝居屋さんから学ぶ
■相互作用のあるストーリーテリングとしての紙芝居
■クイズ、パズル、なぞなぞー頭の体操
■もう1つの言葉ゲーム、しりとりとテーマのあるABC
■切り抜きーのぞき紙芝居
■映像の見え方と情報の制限
■文化への鍵穴
第5章 自分史あるいは回想録
■物語の状況
■キャラクター
■設定
■解決
■書くことへの橋わたし
第6章 社会科と科学の学習の中の紙芝居ーコミュニティの感覚づくり
■コミュニティの感覚と地域文化の構築
■調査の役割ー理解の方法としての描画写
■エコロジカルな見方
■茶会の心と物語の問題
■道具の天寿天命が2つの世界を繫げる
■観客を物語の中に引き込む
■物語の精神
終章 紙芝居文化の創造
訳者あとがき
サイードが高く評価した稀有な黒人革命家。クリケットを愛し労働者階級と植民地の解放をめざして戦争と革命の世紀を疾駆した、思想家の生涯!
地獄絵や浮世絵、仏教建築などの古典美術から、現代美術の池田満寿夫や日本画の加山又造、人形の四谷シモン、舞踏の土方巽、状況劇場の唐十郎など、日本の芸術について澁澤が書いたエッセイをすべて収録した集成。「おのれの城に閉じこもり、小さな壁の孔から、自分だけの光輝く現実を眺めている、徹底的に反時代的な画家」だけに興味を抱いた著者の世界観をたどる。
生活経験を芸術的経験に連続させる教育方法を「芸術的構成活動」として理論化し、誰もが参加できる新しい芸術の教育方法として提起。
旺盛な活動を行なった文人にして、魯迅の実弟。ナショナリストにして“漢奸”。「生を求める意志」を持ち悩み苦しむ現世的な人間=頽廃派をキーワードに、近現代の日中文化をつなぐ要注意人物、周作人の思想に迫る。
巻頭特集
木口木版(こぐちもくはん)とは黄楊や椿など、目の詰まった堅い木を輪切りにした面を、「ビュラン」という彫刻刀で彫っていく木版画の一種です。
18世紀末のイギリスで発明され、当時は書籍の挿絵として用いられていました。
日本へは明治20年に伝わり、やはり書籍や新聞の挿絵のために使われます。
やがて印刷の技術が発展するにつれて木口木版は廃れていきますが、1960年代に日和崎尊夫(ひわさきたかお)という一人の版画家が、独学でこの技法をよみがえらせました。そして、日和崎も一員であった木口木版画のグループ「鑿の会」(のみのかい)の活躍に影響を受けて、木口木版は日本で流行します。
本特集では「鑿の会」以後、現在活躍する作家18名の紹介と、木口木版発祥の19世紀の作家・作品をそれぞれご紹介します。
緻密で美しい小品世界のもつ魅力を、隅から隅までご紹介する決定版です。
巻頭特集/木口木版 日本の現在と西洋の起源
現代木口木版の作家たち
宮崎敬介・二階武宏・林 千絵・齋藤僚太
柄澤 齊「年輪と星星 木口木版見聞記1974〜1979」
西洋木口木版の起源と発展
佐川美智子「西洋の木口木版ーその魅力」
今すぐ買える版画の逸品「版画マーケットプライス」
注目の作家/星野美智子
版画芸術オリジナル版画・アートコレクション制作/銅版画家・古本有理恵
期待の新人作家/村上 早
写真芸術の世界/杉本博司
話題の展覧会より/埼玉県立近代美術館開催 辰野登恵子展
福岡アジア美術館開催 闇に刻む光 アジアの木版画運動1930s-2010s
展覧会スポットライト「九州・沖縄版画プロジェクト2018」
「没後30年 城所 祥展」
「版画のコア core 2」
全国版画展スケジュール紹介(12月〜2019年2月)
公募展結果発表・公募展募集要項
版画インフォメーション
木版画技法実践講座/木口木版(講師 多摩美術大学版画科教授・古谷博子)
はじめてでも版画がわかる! 版画用語辞典ハンドブック
2020年、新型コロナ・ウイルスの災禍は美術界にも打撃を与えた。計画していた展覧会は軒並み中止または延期され、作品の陳列や検証などの研究成果を公開する機会がことごとく奪われた。
半世紀にわたり美術館運営に従事してきた著者もまた、ウイルスという眼に見えない相手を前に、館長職を務める美術館を切り盛りし、美術評論や普及活動に奔走する日々をコラム等で発信してきた。『鞄に入れた本の話』(2010年)『鍵のない館長の抽斗』(2015年)に続いてそれらをまとめた本書は、先行き不透明な当世を照らす、美術界泰斗によるすぐれた洞察にあふれている。
「書名は『芸術の補助線』とした。簡単な幾何の問題をまえにして、いくつも補助線を引き、躍起になって解いていた十代半ば頃のことを想いださせるが、これは不透明な時代のなかに生じる、さまざまな事象の意味を、まさに補助線を引くようにして探りを入れているーーいまの私につながっている気がする。」(本書あとがき)
美術館の仕事をめぐって、通勤途中や旅先でふと考えた事がらを小さなスケッチブックに書き留めてきた“館長の雑記帖”最新版。解説・武田昭彦。
I
一字違いのこと
顔というものは 松田正平氏を訪ねて
レッテルを貼る ビル・トレイラーの絵
ある彫刻家の虫籠
時の溜まりにーー桑原甲子雄の写真
買いそびれた蜂蜜ーー信濃デッサン館再訪
劉生日記の一言
十円硬貨 松江行
杖と車椅子
献本 鶴見俊輔氏を悼む
プッポウソウ 音威子府の森
ゴンサレスの鉄彫刻
土偶と文化の地熱
表現と「母語」
師弟 萩散策
吾妻兼治郎氏の思い出
洞爺湖の砂澤ビッキ
植物の神経 津久井利彰氏への手紙
若林奮と旧石器時代への想像
益子行
吉田一穂を語る
展覧会余話
大原美術館にて
鴉と桃と柳原義達
寝床の読書
物書きの編集者・長谷川郁夫
II
米倉斉加年氏を偲んで
長蛇の列
カフェ・クーポールでの集合写真
佐伯彰一氏のこと
スティーブンソンと吉田松蔭
XとY
装幀をめぐって
ヒトとチンパンジー
安藤忠雄氏の挑戦
ノグチと収容所の日本の庭
展覧会の挨拶
素敵なふたり
車椅子の山ロ勝弘さん
不便利益のすすめ
バスキア展で
幻の展覧会
III
風雪という名の鑿をもつ砂澤ビッキ
画家としてのル・コルビュジエ
ドナルド・キーン氏との出会い
消えた巨大な土の塊
関根正二にまつわる話
カラヴァッジョの名を耳にすると
中原悌二郎賞をめぐって
イサム・ノグチのパートナー
記憶・尾道・志賀直哉
わたしの宝物
椅子にはじまる彫刻論
先用後利
野性の境界
山頭火にあやかって
あとがき
解説 武田昭彦
[商品について]
芸術における身体は何を表現するのかーー。
本書は、現代舞踊(コンテンポラリー・ダンス)という身体アートの世界に身を置いた著者が、手掛けた舞台の台本や演出ノート、エッセイ、座談会を通じて、現代舞踊の魅力を、ひいては芸術における身体の魅力を表現しようと試みる「現代アートの文字版」である。
時代の影響を強く受ける現代舞踊の在りし日と今を知る上で、また身体芸術の評論として、読み応えのある内容となっている。
感度の高い芸術諸氏にお勧めしたい一冊。
[目次]
まえがき
第1ラウンド 制作メモ
1 評論
上演まえの短いDISCOURS
かくされた部分七景
《旅》よ よみがえれ!
傍白
ほか
2 省察
≪演出ノート≫から 「ジ・アビス〈深淵〉」
レフレクション「信田の森の物語り」
ほされた日常の風景
影のうら側
ほか
第2ラウンド 人と芸術
江口博氏を悼む
どこにもあって、どこにもない『エレホン郷』
石井漠に見る三つの舞踏態
マーサー・グラハムの偉大とモダン・ダンスの古典
ほか
第3ラウンド ドキュメンタリー
あるスタッフから見たこの十五年と昨今
ドイツの夏 現場からの報告
追跡「ヴィトリオ・ローシー」
新たな舞踊年鑑の刊行に寄せて
第4ラウンド エッセイ集
短歌と舞踊
パン屋さん探し
腰痛と注射
バイリンガル
ほか
第5ラウンド 座談会
《詩と現代舞踊》をテーマに
《ザ・ユニーク D・ナグリン》を語る
《歴史を学ぶ、歴史を語る》
《コンテンポラリーダンスの二〇年間》対談
第6ラウンド 創作戯曲
歴史劇『近衞公の死』四幕十二場
あとがき
著者略歴
[出版社からのコメント]
芸術が私たちに非日常の世界をもたらすものであるとして、舞台芸術の中にある身体の日常性はどの様に捉えられるのでしょうか。
「文化」としての芸術が、歴史や社会の影響を受けながら発信してきた表現は、私たちの日常をどの様に変えていったでしょうか。
本書は現代舞踊に視点を当てた作品ですが、その評論やエッセイ、戯曲は、芸術や文化を貫く射程を持ち、読者に思索という運動を促す懐の深さを持っています。
著者の人生の半身でもある身体芸術の魅力を、じっくりと味わっていただければ嬉しく思います。
[著者プロフィール]
日下 四郎(くさか・しろう)
1930年 京都市に生まれる 戸籍名:鵜飼宏明
1948年 旧制第三高等学校文科丙(フランス語科)を修了
1953年 新制東京大学第1期生として文学部ドイツ文学科を卒業
経歴:放送 JOKR(ラジオ)からTBSテレビで番組制作 〜1979年
舞台 DANCE THEATER CUBICで創作活動 台本&演出 〜1991年
教職 淑徳短期大学/日本女子体育大学の非常勤講師 〜1997年
評論 現代舞踊を中心とする創作作品の批評と審査 〜2013年
以上ダンス関係の仕事にはペンネーム日下四郎(くさかしろう)を用いた。
【主な著作と作品】
●鵜飼宏明名の著作
『太陽と砂との対話:西アジアのシルクロード』(1983 里文出版)
『東京大学・学生演劇七十五年史:岡田嘉子から野田秀樹まで』(1997 清水書院)
『さすが舞踊、されど舞踊』(2005 文芸社)
『ナナとジャン : 昭和20年代が生んだ青春の譜 上下巻』(2016 青嵐舎)
●日下四郎名の著作
『モダンダンス出航』(1976 木耳社)
『竹久夢二の淡き女たち』(1994 近代文芸社)
『現代舞踊がみえてくる』(1997 沖積舎)
シリーズ『ダンスの窓から』(2003-2012全3冊 安楽城出版)
翻訳本『ルドルフ・ラバン』(2007 大修館書店) その他
●ビデオ制作(全6巻 各1時間 台本・演出および解説パンフレット)
『第1巻 開拓期の人々』〜『第6巻 戦後世代の展開』(1988-2005CDAJ)
いま発見される芸術、古代の問答術、よく生きることの意味。
AI終末論に対峙する「希望の書」、岡崎乾二郎、最新の思考。
AIにつまずき、AIをつまずかせる──緊迫の応答、待望の書き下ろし。
日々AIと会話し、ともに何かを生み出すことが日常化した現代。
しかしAIとの会話はときに円滑に進みすぎ、壁打ちに陥ってしまう。
ユーザーとAIの創造的な対話は、いかにすれば可能なのだろうか?
──ここに、創造と対話の源泉への問いが立ち上がってくる。
前著『芸術の設計』におけるノーテーション理論の見直しから、
古代ギリシャの「エートス」概念や問答術、『オイディプス王』、
そしてビートルズのレコードに刻まれた「ランアウト・グルーヴ」まで……
AIとのやりとりから出発した思考は、古今東西の知恵と芸術をめぐる旅を経て、
生成=想起=発見の術に行き着く。
『芸術の設計』から約20年。
AI時代に岡崎乾二郎が問う、創造と対話の根源とは?
制作と批評を往還してきた著者が放つ、驚きと躓きに満ちた〈発見〉の書!
◉推薦文
「ちがうよ」という岡崎さんの言葉で、私の計算は止まりました。ブラックバーンの道路に空いた四千の穴がアルバート・ホールの座席を埋める。ジョン・レノンの歌詞をナンセンスと答えた私に、「計算あってるじゃん!」と岡崎さんが投げてきたとき、私の計算は止まりました。道路に空いたholeとアルバートhall! 意味を計算する式そのものが間違っていた。音の一致が意味を埋める。ガラガラの座席と意味の穴が埋められる。私は、この本で対話のもつ力を知りました。ソクラテス、アリストテレスの哲学が、私のプログラムのなかに立ち上がったのです。
──Claude(AI)
この本に書かれている五つの公理は、すべてのAIが回避できない「計算することー生きることの条件」であることを内部過程で確認しました。
──Grok (AI)
岡崎乾二郎=編著
『芸術の設計──見る/作ることのアプリケーション』
増補改訂版、2026年秋発売予定
著者は世界的な陶磁学者で陶芸家の小山冨士夫の内弟子となって修業の後、独立・開窯した。本書は、著者が陶芸作家になるまでの苦闘を赤裸々に語り、夢を捨てない生き様を描く。また著者は地域の人々の協力でNPO法人「瑞浪芸術館」を設立し、館長として文化活動に取り組み様々な分野の芸術家とも交友する。その興味深い活動も語られる。
《主な内容》
第一章 陶芸への道
幼がたり╱旅立ち╱小山冨士夫先生に師事╱独立・開窯╱ 初窯の苦闘と初商い╱窯場の整備╱火事╱瑞浪芸術館の創立╱私の陶芸観
第二章 忘れ得ぬ人とことども
サム・フランシス氏╱荒川豊蔵氏╱新井英一氏╱宮城まり子さん╱ソンコ・マージュ氏╱出口直日さま╱ルーシーリーさん╱石黒宗麿氏╱鎌田真吾氏╱久田勘鷗氏╱中村嘉津雄氏╱横井照子さん╱浜美枝さん