強い企業は創造的破壊を狙っていない! イノベーションというと画期的な発明・発見がイメージされがちですが、ほとんどの企業の収益源は、既存の知識や眠れる資源(技術等)・製品サービスの「読み替え」(従来とは違う視点・文脈からとらえること=視点・文脈転換のプロセス)から生まれています。
本書は、知識・資源の読み替え(視点・文脈転換プロセス)という切り口から、強い企業を支えているイノベーションの構造を明らかにしようというもの。オープン・イノベーション、ユーザーとの共創、グローバリゼーション、ダイバーシティ経営など、経営の最新課題も、既存の資源を再活性化させる新しい視点の提供という意味で企業を強くする方策ととらえることができます。
本書が取り上げるのは、次のような資源の読み替えです。
・役に立たないとして見過ごされていた、あるいは捨てられていた知識・資源の読み替え
・イノベーションのやり直し(価値の再生)
・役割を終えて使われなくなった知識・資源や製品・サービスの読み替え
・成熟して売れなくなった製品・サービスの読み替え
・オープン・イノベーション(社内、社外)、ユーザーとの共創、グローバリゼーション、地域創生、ダイバーシティ経営等は、すべて従来とは異なる視点・文脈から知識や資源をとらえるための活動。
筆者は、野中郁次郎(一橋大学名誉教授)の弟子、知財マネジメントの研究者としても著名です。日本の現状に即してステレオタイプなイノベーション論を覆す本書は、大いに注目されるでしょう。
序 章 「リ・イノベーション」という視点
第1章 知識・資源の眠っている価値を引き出す
第2章 価値の発見と再生のための戦略アクション
第3章 オープン・イノベーションを通じた読み替え
第4章 社内や企業グループ内の多様性を活かす
第5章 ユーザー視点の取り込み
第6章 予期せぬ発見を生み出すグローバリゼーション
第7章 ダイバーシティ経営と価値の創造
第8章 地域資源の発見と活用
終 章 リ・イノベーションのための経営上の示唆
経済学の保健医療への幅広い応用を学ぶ。ロンドン大学(熱帯医学衛生学大学院、LSE)における講義をベースにした、「世界標準」のテキスト。医療や公衆衛生に関わる人たちにも最適の入門書。
言語の働きは本当に道具としてのそれだけなのだろうか?それとも、言語には有用・無用にかかわりなく存在するなにかもっと大切な働きがありはしないだろうか?一見、無用とも思われがちな少数民族の言語に私たちはかけがえのない価値、それも当該民族にとってのみならず、この地球上に生きる私たちすべてにとってかけがえのない価値を見出すことはできないのだろうか?そして、そのような価値を見出すことができたとして、私たちはそれを守るために一体なにができるだろうか?本書は、シベリアの少数民族の言語、コリャーク語のフィールドワークを通して、著者がこのことを自分自身に問い続けてきた記録である。
数学がひとつに繋がる美しさ。代数学・幾何学・解析学が融合していくすがたを、東大数理のスタッフがいきいきと描く。広大な数学の世界を一望するシリーズ、全3巻同時刊行!
豊かな海を遺すためにー日本の漁業の衰退において、環境破壊や温暖化に伴う海水温の上昇などを原因とする生態系の変化の影響は非常に大きい。漁業や環境学、経済など多分野の専門家が集った2019〜2021年度の研究会の成果を元に、豊かな海を取り戻し、遺していくための提言をまとめた。
気候・環境の変遷と現状、未来をさまざまな地図やグラフィックを駆使して、専門家が視覚的に案内した決定版。「大気」「水」「大地」「都市」「生命」という5つの観点から、地球と人類の環境との関わりをめぐっていく。
照明の質とは何か。元来、照明とは手にとって確かめるハードではなく、照明の環境を目で確かめるか、何かの手段ではかることで評価するソフトなのです。照明には、ランプや照明器具が必要ですが、これまでそこに重点を置きすぎたきらいはないでしょうか。本書は、このような要求に答えるために書かれたものです。
ポスト・ケインジアンの経済理論とレギュラシオン理論をベースに、それらを発展、応用するかたちで先進資本主義経済の所得分配・金融・経済成長を理論的、実証的に分析する。
固定的な性別役割分業規範、危ういワーク・ライフ・バランス、不安定な雇用、大きな男女間賃金格差…厳しい状況の中で過剰なストレスとメンタルヘルス不調に苦しんでいる多くの働く女性に、いま何が必要なのか。明快な構成で、現状と課題の全容を提示。全30章+4つのコラムで、国内外で研究が進められている重要テーマをカバー。資料として女性労働とメンタルヘルスに関する法政策の動向をまとめた年表を収録。
「北上モデル」を支える工業立市への熱い思いー地方圏の中小都市の中ではほとんど唯一、人口を維持し、活発な産業活動で注目される岩手県北上市。人びとの懸命な思いで出来た産業集積都市の成果と課題に、真の内発的「地方創生」への道筋を学ぶ。訪問企業約70。行政関係者・企業人必携の産業集積研究。
本書は、著者が1998年から2011年までの12年余行ってきた医療・福祉事業に携わるすべての協同組織の定量的全国調査と質的調査に基づき、医療・福祉の実態と人権としての医療・福祉の課題を考察し提示することを目的としている。
現状のCO2削減だけでいいのか?気候変動への適応を考えるべきか?人工的な「気候改変」は是か非か?環境、気候、都市、交通、生態系、通信、保険の専門家が各施策の特徴と経済合理性、世界の動向を解説。