ガンダムのサイドストーリーとして展開している0083のドラマCD。今回は影のヒロイン・シーマを主軸においた物語で、やはり聞くものをのめり込ませる重い内容だ。ガンダム第1作のソーラレイ発射シーンの再現もあり、オールドファンも十分に楽しめそう。
大津波に呑みこまれた無数の亡霊たちが、私に語りかける。この惨事、この恐怖を、けして忘れてはならないと…。著者積年の憑依を告白する表題作。隕石さがしに始まる戦慄の顛末「宇宙塵」。定年退職した一家の主人に対する家族のたくらみ「健康への暴走」。他に「金歯」「味見指」「乱雑人小図鑑」「紅葉狩」等、悪夢12夜。テレビ化等の大好評に応えて贈る、待望のシリーズ第2巻。
不可視の内部を持つ者同士が頻繁に接触し、さまざまの関係を取り結ぶ複雑で流動的な現代社会では、コミュニケーションは見せかけや偽装などのレトリックを必要とする。しかし、このような社会を思想史的に展望するならば、超越的な理念、懐疑と自省を無視できなくなるだろう。
石川県能登島の夏は火祭りである。祭のさなか、女が殺された。穂積しのぶ、金沢市に住む人妻と分った。-10月8日、警視庁捜査一課の倉原真樹巡査部長は鴻野警視から、殺人事件の捜査を命じられる。しかし、事件は約15年前の11月21日のヤマだった。匿名電話が入り、犯人は中野区に住む山岡初恵だと告げたのだ。裏づけ捜査を進めるうちに第2の殺人事件が発生した。被害者の田尾俊雄は山岡初恵を知っていたらしい。錯走するさまざまな人生。捜査の過程で真樹は悩み始める…。粋で魅力的な女刑事の推理と冒険。
第1次大戦後1919年の混沌とした暗黒のプラハ。作家フランツ・カフカは、昼間は保険局の事務所で働き、夜は小説を書く生活を送っていた。ある日、親友が突然姿を消し、水死体となって川に浮んだ。事件調査を開始したカフカは、官僚社会の破壊を目的とするアナーキスト達に巻き込まれ、悪夢のような迷宮の世界へ入り込んでいく。そして不思議な石工に導かれ、官僚主義の本拠“謎の城”で見たものは…。ジェレミー・アイアンズ主演、『セックスと嘘とビデオテープ』のスティーブン・ソダーバーグ監督が挑んだ超話題作。
大検校宮城道雄の“事故死”に深くかかわった1人の女の、苛まれ、焙り出されるように道から外れた“狂いの記”。
アイドル歌手・畠中有里奈にいったい何が起こったのか。刺されたはずの自分が生きていて、刺した男が死体で発見されたのだ。悪夢の1夜に耐えきれず、彼女は法月父子に救いを求めたのだが…。知的興奮とスリル。回転計はレッドゾーンにはりついたままだ。
いま、巨大な統一ヨーロッパが誕生しようとしている。ソ連邦・東欧の解体、冷戦の終結、指標なき現代に、新たなスーパー・パワーである“ニュー・ヨーロッパ”のもつ意味は、かぎりなく大きい。当代随一のヨーロッパ通、練達のジャーナリストが、ドラマチックな筆致で描ききったヨーロッパの現代と未来。
クルマの免許取り立てでデパートに買物に出た中年女性歯科医が、緊張のあまりいつしか帰路を見失い、二昼夜東京近県を彷徨う「ちりぢごく」。肥大化したブルドッグに悩まされる飼い主の滑稽と悲惨「死者の鼾き」。住宅展示場でまんまと一杯食わされた一家の嘆き「しあわせ家族」。他に「俗物行進曲」「銀輪の檻」「物いわぬ海」等々、昭和最後の鬼才が放つ恐怖のお楽しみバラエティ十二夜。