くにたちの森の片隅で人文学を!
社会科学の総合大学である一橋大学で唯一、人文学の教育と研究の拠点として1996年に設立された言語社会研究科、通称「言社研(ゲンシャケン)」の25年の歴史が一冊に凝縮。
人文学の教育・研究が逆境にさらされる現在こそ、言語、文学、音楽、美術、映像、思想などを通して、人文学的想像力を養うために。世界を記述し、そして自身を知るために。研究室の扉はみなさんに開かれています!
【目次】
はじめにーくにたちの森の片隅で(中井亜佐子)
第一部 人文学よ、どこへ行く
●「言語社会」を想像する(糟谷啓介)
● ユートピアが実現したら、わたしたちは小説を読むだろうか(中井亜佐子)
●【対談】言社研と音楽と人文学(新野見卓也・小岩信治)
第二部 歴史を学べば
● 言社研のできたころ(尾方一郎)
● マーキュリーのはなし(成相肇)
●【座談会】流れ寄るヤシの実たちー言語社会研究科設立初期のあるゼミの姿
(鵜飼哲・西山雄二・山城雅江・中嶋泉・田浪亜央江・小柳暁子・呉世宗)
第三部 研究室の扉をたたく
● 文化資源としての一橋大学ー学芸員養成と美術史研究の視点から(小泉順也)
● 科学の多彩な歴史を読むー西洋の古典から近現代日本の資料まで(有賀暢迪)
● 楽器をとりまく人々をもとめてーある音楽史研究者が考え続けていること(小岩信治)
● 近代日本言語史のためにー自著総まくり(安田敏朗)
● サン=ジェルマン・デ・プレの『百科全書』(小関武史)
● 心のしくみ、しくむ心ー認知と物語を考える(川本玲子)
●「冥界を動かさむ」-想像のインタビュー(中山徹)
第四部 キャンパスから飛びたつ
● それはなぜ修士論文になり、そして論文ではない本になったか(堀祥子)
● あなたのお母さんに向けて書いてください(綿野恵太)
● 与話情浮名一橋(よわなさけうきなのひとつばし)(重藤暁)
●研究者という約束ー言語社会研究科で歩んだ一〇年(長名大地)
●アフリカ系アメリカ人文学・文化研究とジャズ(佐久間由梨)
●そうできなかったかもしれないけれど……、そうできないかもしれないけれど!
ー一橋大学大学院言語社会研究科での一〇年 (申知瑛/高橋梓訳)
●【座談会】太平洋を泳ぐ村(申知瑛・嶽本新奈・吉田裕・片岡祐介・松田潤・佐喜真彩・佐久本佳奈・君島朋幸・金利真・番園寛也・西亮太)
●【修了生からのメッセージ】
あとがき(小岩信治)
一橋大学大学院 言語社会研究科 沿革
心の哲学者サールによる心と言語の関係を扱った関連研究『言語行為』『表現と意味』に続く第3作。言語のもつ表象能力は心の志向性に由来し、この志向性はそもそも心的状態そのものに内在しているとの立場から、「意味」の問題の研究を通じて志向性概念を論じ、最後は「心身問題」にまで論究する。この志向性の概念が、はたして人間による「理解」と機械による「理解」との決定的違いになりうるか否か、心の哲学とAI(人工知能)論とが脱構築を試みるための試金石ともいえる書である。
翻訳とは、実際どのようなものなのか?本書は、その歴史と、近現代の翻訳理論をテーマ別に紹介するとともに、実践的な観点から翻訳の作用を分析する。言語の次元のみに限定されない、多様化する翻訳の現在についても解説。豊富な具体例によって、そのメカニズムを明快に論じた翻訳論の入門書。
外国人観光客を助けてあげたくなるフレーズ満載。発音に自信がなければ、フレーズをさっと指し示せる全ページ3段構成。単語を入れ換えれば通じる応用力。巻末によく使う単語を収録。
これぞ古舘伊知郎の真骨頂! 黙っていたら誰にもわかってもらえない。“言葉”は自分を主張する最強の道具。どんな相手からも本音を引き出してしまう驚きの会話術を大公開する一冊。伝説の名著のリニューアル復刊!!
初対面、スピーチ、職場で…シーン別に対応!図解「話ベタ」でもすぐに変身できる!人間関係を好転させる「会話」43の公式!「サラリーマンNEO」「あまちゃん」など現場で培った即戦力コミュニケーション術!
人の移動を扱うこれまでの研究の限界を明らかにし、当事者の「経験と記憶の語り」による、「移動とことば」研究の可能性を広げていくシリーズ第2弾。多様なアプローチから人類学、社会学、歴史学、心理学、文学の領域における、移動に生きる人々の生を探究する野心的な研究を幅広く収録。
■あとがきから
『移動とことば2』は、多様な「移動」を経験した研究者がモバイル・ライブズを生きる現代のすべての人たちと未来の子どもたちに向けて書いた「論考集」であり、「語りの束」でもある。ここで描かれている様々な〈個〉の物語が、読者の中にもある多様な「移動」を発見し、振り返り、そしてそれらがいかに現代的な問題を照らしだしているかを認識し、今後の探究に繋げていく…これが本書に込められた編者の願いである。
第1部 「移動とことば」の語りとアイデンティティ
第1章 名前をめぐるアイデンティティ交渉:「ハーフ」の娘と母の「移動」の軌跡から見えるもの
Laura Sae Miyake Mark・三宅和子
第2章 湯呑の貫入に投げ込まれた「移動とことば」
尾辻恵美
第3章「が」の正体:痛みをのりこえてひらく花
半嶺まどか
第4章 「留学」研究からことばの学習と使用を考える:移動を重ねるスロバキア出身Denisaの言語レパートリー
岩崎典子
第2部 「移動とことば」の語り方と書き方
第5章 「当事者」研究をする「私」のオートエスノグラフィ:カテゴリー化をめぐって
南誠(梁雪江)
第6章 「移動する子ども」のライフストーリーとオートエスノグラフィ:聞き手と語り手と書き手の関係を振り返って
リーペレス・ファビオ
第7章 German, Japanese and beyond:How my languages made me a Psycholinguist
辻晶
第8章 移動とことばをめぐるダイアローグ:異郷に生きる関西出身者の往復書簡より
川口幸大・津川千加子
第9章 「移動する子ども」と文学:荻野アンナの文学世界を読む
川上郁雄
基礎から合意形成まで。「日本語教育の参照枠」準拠。対象レベルB1-B2。
世界的なCEOや政治家などのリーダーを輩出している英国のディベート組織「オックスフォード・ユニオン」を題材に、リーダーシップの育み方と交渉術を疑似体験!
言語の形式的な分析とコミュニケーション理論の橋渡しとなる領域で活躍した、現代哲学の知られざる巨人。
世界に通用するために外国語を勉強しなければ!そんな気持ちを脱力させて、言葉本来の面白さを感じ取りたい。古本屋で知らない外国語のテキストを買ってみたり、時には現地にいってみたりとあちこち思考をめぐらした結果がこのエッセイに詰まっている。しかも、外国語をもっと楽しく勉強したい人へ向けたアドバイスとして読める。文庫化に際して未収録作品多数!