東北の一村がいま奇怪な勢力に狙われる。古代、蘇我氏に敗れた物部氏一族が東北にとてつもない秘宝を封じ込んだという。それを守る物部の末裔に対し、秘宝奪取に権力と暴力を使える巨大組織が襲いかかる。村人の主緋星幸丸は自分が秘宝の鍵を握るると自覚、仲間と共に絶望的戦闘に決起する。伝奇超大作。
美貌の少年奴隷をはさんで争いながら南イタリアを放浪する2人の青年を中心に、好色無頼の男や女が入り乱れる。小説『サテュリコン』はまさに古代ローマの爛熟が生み落した「悪の華」だ。とりわけ、奴隷あがりの成金富豪が催す〈トリマキオンの饗宴〉の場面は古来有名。セネカの諷刺短篇『アポコロキュントシス』を併載。
気象精霊ーそれは天気を操って、その星に住む生物にやさしい環境を作ってくれるありがた〜い精霊さん、のハズである…。7月の暴風雨を治めるべく派遣されたのは風使いのミリィ&参謀のユメミ。しかし荒れ狂う風とあり続ける豪雨は止まることを知らず、地上の災害は拡大し続けるばかり。果たして気象精霊のコンビは異常気象の原因を解明し、空の平和を取り戻すことができるのか。あまたの精霊たちを巻きこんで、くりひろげられるどんちゃん騒ぎ。飛びかう力と技、そして転げ回る酒ビン!?第8回ファンタジア長編小説大賞、審査員特別賞受賞作。
万朝報の売上げを伸ばすため仕掛けた暗号とは(表題作)。漱石の文体模写をした『牢屋の坊っちゃん』、牛鍋屋チェーンの木村荘平が始めた火葬場のこけら落としは誰に(『いろは大王の火葬場』)。幸徳秋水を四分割して描いた『四分割秋水伝』の4篇を収めた短篇集。『明治暗黒星』併収。
シャムに渡ってアユタヤの日本人町の頭領となった山田長政は内戦の鎮圧が国王に認められて宮廷の武将としての頂点に立った。異国で波瀾の生涯を送った男の夢と冒険。(縄田一男)
司馬遼太郎という作家の大いなる魅力のひとつに、その話術の妙がある。歴史に対する深い造詣から紡ぎ出される数々の興趣つきない逸話は人の心を捉えて離さない。ここに収めたものは全集第1期の月報のために語り下ろしたものと「雑談・隣りの土々」という表題の雑誌連載から三篇(『司馬遼太郎の世界』所収)である。
悪行非道の限りを尽くす商の紂王に対して、立ちあがった周は、商の都である朝歌をめざして攻めのぼる。しかし、朝歌までは五つの関所を突破しなければならず、各関所にはその勇猛ぶりで名を馳せた守将たちが周軍を待ちかまえていた。周軍、商軍の両陣営のすぐれた武人、道人、仙人たちの魂が、つぎつぎに封神台へと飛ぶ。古代中国を舞台にした戦記ファンタジー。
250年の時空を超えて飛び交う二人の柳生十兵衛!
茫々と薄墨に染まる木津川の河原に一人の男があおむけに倒れていた。「こんなことが! 我らの殿をかくも見事に斬るとは!」死者は天下無敵の剣豪・柳生十兵衛であった。が、開かぬはずの方の目がかっと見開いていた!室町と慶安を舞台に250年の時空を超えて飛び交う柳生十兵衛二人・満厳と三厳。剣の奥義と能を媒介とした壮絶無比の大幻魔伝。伝奇小説の大御所が放つ畢生の大傑作といえよう。
手さぐりの世界に、ほんの少しでも先が見えたらどんなに育児が見晴らしよくなり心が楽になるでしょう。今から五年先や十年先をイメージできる、お母さんのための本、学問のレベルを離れた日常がらみの生活レベルの一冊、「育児の現場感覚」といったものを大切にした本です。
駆落ちした美男・隼人は、出世のため、美人妻お圭を、醜男の忍者枯葉塔九郎に売ってしまう。三年後、二人を偶然見た隼人は、お圭に欲望するが、彼女の股間には…。人の心のありようを描いた「忍者枯葉塔九郎」他、立場が人を変えるさまを活写した「忍者服部半蔵」など、生と死を見据えた異色9短編を収録。
おこったり、かなしかったりすると、どんどんふくらんじゃう、ふうせんくまくん。かわいいくまくんと、その家族たちの“ユーモア&ハートウォーミング”なお話。
神の国がほろぶ時。王朝の再生をねがいつつ、その滅亡を予見した見えすぎる眼のひとー。おおいなる王家「商」、その戦慄の日々。幻の処女長篇新装決定版。
「花は難を隠す」というように、幸せの住まいづくりに花や木がもつパワーは強力な開運アイテムです。本書では、目的に合わせてどんな花をどこに飾るのか、庭・ベランダを吉相にするガーデニング、エクステリアの活用法など、ありとあらゆる花や庭の風水活用術を満載。
日本で見られるカエル43種類を、美しい白バック写真と自然写真あわせて約300枚の写真で紹介。日本産サンショウウオ21種類も紹介。
明治四〇年七月、二七歳の荷風は四年間滞在したアメリカから憧れの地フランスに渡った。彼が生涯愛したフランスでの恋、夢、そして近代日本への絶望ー屈指の青春文学の「風俗を壊乱するもの」として発禁となった初版本(明治四二年刊)を再現。