追悼短篇集
謎(ミステリ)がいっぱい
不思議な日常!!
推理小説、ファンタジー、民話。
煌めく豊かな物語が詰まった
宝箱のような一冊です。
尾道に生まれ育ち少女の頃から
「ミステリ」と「メルヘン」を愛した光原百合は、
やがて英文学研究者となり、
故郷で教鞭をとりつつ創作を続けた。
惜しまれながら亡くなった作家のファンタジーや童話まで
幅広いジャンルの傑作を収録。
全篇に溢れる切なさ、優しさ、ユーモアは
読者を至福の世界に誘う。
追悼エッセイ・有栖川有栖
第一部 潮ノ道の物語
黄昏飛行
黄昏飛行 涙の理由
不通
第二部 短篇の名手
花散る夜に
やさしい共犯
無欲な泥棒──関ミス連始末記
第三部 尾道草紙
花吹雪
弥生尽の約束
あとがきにかえて 何もできない魔法使い
年譜
光原百合作品リスト
追悼エッセイ 光原百合さんのこと 有栖川有栖
「血圧の薬って一生飲み続けなけるべき?」「薬をやめたいけど、やめるのが怖い!」そんな人のために、高血圧治療の誤解を解き、薬に頼らずとも血圧を下げられる方法をご紹介。1日1分でもできる降圧ストレッチの実践法です。
1章 薬を卒業できる!降圧法
2章 降圧薬は一生飲み続けなくていい
3章 そもそも、高血圧はなぜ国民病になったのか?
4章 大丈夫、高血圧は悪者ではありません
5章 減塩で血圧が下がるという幻想
6章 薬で下げずに自分で下げる方法
日本初の全文訳・訳註付『赤毛のアン』シリーズ完結の第8巻!
アン48歳、第一次大戦が始まり息子3人が兵隊として欧州の戦場へ。
出征を見送り、激戦が報じられる不安な日々、赤十字の活動をして、家族の無事を祈る。
そして悲劇、感涙の復員。アンの娘リラの視点で描く戦争と銃後の暮らし、リラの成長と甘い恋。
日本初の全文訳・訳註付アン・シリーズ完結の第8巻。
地図、写真、年表入り。
●特徴1──日本初の全文訳
第一次大戦の戦没兵をたたえる詩「若き騎士たち」に始まる日本初の全文訳。従来訳で省略・改変された記述をモンゴメリの原書通りに翻訳。
●特徴2──巻末訳註で、作中の約590項目を解説
作中でアンの一家が語る第一次大戦の戦場、参戦国の皇帝・軍人・政治家、戦況、引用される英文学と聖書を巻末の訳註でわかりやすく解説。
●特徴3──口絵写真10点と地図2点
カナダと欧州で訳者が撮影した本作ゆかりの写真10点。
モンゴメリが本作を献辞で捧げたフレデリカ・キャンベルの実家、プリンス・エドワード島にある第一次大戦戦没兵慰霊碑、アンの次男ウォルターが出征する港の記念碑、ドイツと英国の議事堂など。
第一次大戦の欧州参戦国と西部戦線の地図2点。
●特徴4──あとがき……小説をより深く味わうために
一、作品の概要
二、第一次世界大戦と西部戦線について
三、カナダと第一次大戦、銃後の暮らしと女性たち
四、アンの息子たちの出征、正義の戦争への信念
五、ウォルターの詩のモデルとなった戦争詩「フランドルの野に」
六、戦争と恋で成長していくリラ
七、モンゴメリの小説技法、対比の劇的な効果
八、第一次大戦中のモンゴメリ、大戦後のモンゴメリ
九、ウォルターの詩「笛吹き」、モンゴメリの戦争観の変化
十、『赤毛のアン』シリーズに関連する短編集三冊
十一、『赤毛のアン』シリーズ全八巻の翻訳を終えて
●特徴5──付録の年表
本作『アンの娘リラ』で語られる第一次大戦の年表を収載。
わたしはレイチェル。動物に変身する力を使って邪悪な異星人イェルクと戦う、アニモーフのひとりだ。敵の息の根をとめるため、どうしても情報がほしい。わたしはネコになって、敵の一味であるチャップマン教頭の家に忍びこんだ。だが見つかってしまい、絶体絶命のピンチに!話題沸騰のシリーズ第2作。
有機体論が国王二体論へと移行するためには、時間観念の導入が要請される。王が団体の頭であるにせよ、団体そのものであることは含意しないし、また団体の永遠性を保証はしないからである。団体観念を時間的に構成することで初めて、連綿たる王朝が恒久的な団体として、王がその体現者、不死鳥にも似た単独法人として捉えられ、ここに、個々の王の自然的身体からは独立した、非人格的な政治的身体が秩序の基盤となる近代国家が生まれる。王権の擬制的性格を克明に跡づける著者の筆は、ダンテ『神曲』の分析に至って、処女作に見える理想的支配者への憧憬を漂わせながら、円環を閉じる。全二巻。
凡例
序章
第一部 『梧桐雨』雑劇の作品世界
第一章 『梧桐雨』雑劇の晩秋の季節
一 『梧桐雨』雑劇第二折に描かれる晩夏と晩秋の季節
二 『梧桐雨』雑劇第三折に描かれる晩秋の季節
三 『梧桐雨』雑劇第四折に描かれる「秋夜梧桐雨」
第二章 『梧桐雨』雑劇における楊貴妃と嫦娥
一 玄宗と楊貴妃のなれそめについて
二 玄宗の中秋月宮行の物語
三 「十美人」について
四 『梧桐雨』雑劇における月宮行の物語の意味
第二部 『天宝遺事諸宮調』初探
第一章 『天宝遺事諸宮調』の物語展開と季節描写
一 「遺事引」によってわかる物語展開
二 晩秋の季節への改変
三 春の季節で描かれる套数
四 初秋と中秋で描かれる套数
おわりにーー作品全体の季節の流れーー
【附表】『天宝遺事諸宮調』の物語展開、及び現存する套数
第二章 『天宝遺事諸宮調』における寓意的表現ーー海棠と蓮を中心としてーー
一 物語展開の寓意が込められた季節描写
二 海棠の描かれ方
三 ハスの描かれ方
四 楊貴妃の足と亡国の関係
五 桃と柳の描かれ方
第三章 『天宝遺事諸宮調』の輯録状況
『天宝遺事諸宮調』輯録状況表
第三部 謡曲『楊貴妃』と中国文学
第一章 元雑劇に描かれる楊貴妃ーーおよび謡曲『楊貴妃』との関連についてーー
一 先行研究など
二 元雑劇に描かれる楊貴妃
三 謡曲『楊貴妃』との関連
第二章 謡曲『楊貴妃』の構成
一 各作品との比較
二 中国の作品に描かれない内容について
第四部 恋愛を描く関漢卿の雑劇
第一章 関漢卿の恋愛劇における〈もの思い〉の位置
一 恋愛劇の二つの流れ
二 恋愛劇の構成要素の配置
三 恋愛劇の構成と〈もの思い〉の位置
四 〈もの思い〉と風景
五 恋わずらいと自意識との葛藤
第二章 女性の嫉妬から見た関漢卿の恋愛劇
一 関漢卿と恋愛劇
二 関漢卿の恋愛劇に描かれる正旦の嫉妬
三 正旦はなぜ嫉妬するのか
四 『董解元西廂記諸宮調』の鶯鶯の嫉妬
五 負心劇の描く理想の結婚
六 散曲に描かれる女性の嫉妬
第五部 三国劇にみる中国伝統演劇の一貫性
第一章 元雑劇における関羽の神格化の表現
一 亡霊としての関羽
二 人であり神である関羽
三 死後に神になる存在としての関羽
四 領主として領民を守る関羽
五 神として祭られる関羽
六 ト書きの表記
第二章 二十一世紀の京劇と三国志
一 京劇と三国志
二 三国劇の新編劇
三 二十一世紀の三国劇の特徴
四 今後の展望
第三章 京劇の伝統劇における三国志
一 人物形象の類型化と三国志の人物
二 三国志の物語の描かれ方
三 崑曲の演目について
終章
主な参考文献
初出一覧
あとがき
索引
みそ汁に注目が集まっている中、「やせる」というテーマと組み合わせて、糖質を極力カットしつつ、1食でボリューム満点なやせるみそ汁を紹介する1冊。
part1 魔法のみそ汁の秘密
【コラム】糖質オフでガンを予防する
Part2 食べるだけでやせるメカニズム
【コラム】糖質過剰と認知症のリスク
Part3 魔法のみそ汁の作り方&最強の食べ方
Part4 この悩みに効く!効能別みそ汁レシピ30
【コラム】みそ汁に使うみその種類
part5 あわせて食べたい究極のサラダ
憧れの大手出版社「千石社」に入社し、文藝関連のPR誌で充実した日々を送っていた日向子は、突然、週刊誌「週刊千石」しかもまさかの「事件班」への異動を言い渡される。千葉の田舎から出てきた普通の女子大生だった自分が、えげつないスクープ記事・人の命がかかった事件記事を扱う「お近づきになりたくない、イメージの悪い雑誌」を作る側になろうとは! 「無理、ぜったい無理!」怯える気持ちをなんとか隠し、「日本の最前線」週刊誌部員として働き始めた日向子がはじめに任されたのは、モデル事務所の有名イケメン社長の調査と、連続殺人事件の指名手配犯人の関係者への取材だったがーー
一緒に働く記者、上司、他部署の同期たち、取材で出会う一般の人、事件の渦中の人物と現実の仕事をする中、「あまりに普通」の日向子に一体何ができるのか。
深まる事件の行方と、スクープ記事の実現にむけて積み重ねる記者たちの真摯な仕事ぶり、迷いながらも記者としての意義を見出していく新人女子のリアリティがグイグイしみじみ読ませる、「プリティは多すぎる」(千葉雄大主演で、日本テレビ2018年10月ドラマ化)、「クローバー・レイン」に続く好評「千石社」シリーズ第三弾!
目次
1話 取材のいろは
2話 タレコミの精度
3話 昼も夜も朝も
4話 あなたに聞きたい
5話 そっと潜って
最終話 正義ではなく
1:■1集 あ→け
2:【あ】
3:あおいそらにえをかこう
4:あおげばとうとし
5:青空に深呼吸
6:青空へのぼろう
7:赤いやねの家
8:赤とんぼ
9:赤鼻のトナカイ
10:秋の子
11:あすという日が
12:あの青い空のように
13:アルプス一万尺
14:ありがとうさようなら
15:ありがとうの花
16:あわてんぼうのサンタクロース
17:【い】
18:いつだって!
19:一年生になったら
20:一年じゅうの歌
21:いるかはざんぶらこ
22:いのちの歌
23:いのちの歌
24:いのちのオーケストラ
25:【う】
26:Wish〜夢を信じて
27:上を向いて歩こう
28:うたえバンバン
29:歌よありがとう
30:うれしいひなまつり
31:うたいましょう
32:【え】
33:YELL
34:永遠のキャンバス
35:エーデルワイス(Edelweiss)
36:【お】
37:大きなうた
38:大きな古時計
39:大空賛歌
40:おおブレネリ
41:おお牧場はみどり
42:お正月
43:おちゃらかほい
44:オバケなんてないさ
45:思い出のアルバム
46:おもちゃのチャチャチャ
47:【か】
48:風になりたい
49:変わらないもの
50:カントリーロード
51:【き】
52:気球にのってどこまでも
53:絆
54:北風小僧の寒太郎
55:君をのせて
56:今日の日はさようなら
57:きよしこの夜
58:【く】
59:グリーングリーン
60:グッデーグッバイ
61:【け】
62:元気勇気ちから
63:■第2集 こ→と
64:【こ】
65:こいのぼり(♪いらかの〜)
66:こいのぼり(♪やねより〜)
67:ゴーゴーゴー(運動会のうた)
68:心には素晴らしい翼がある
69:この星に生まれて
70:COSMOS
71:COSMOS≪参考曲≫
72:【さ】
73:さとうきび畑(普及版)
74:里の秋
75:さよなら友よ
76:さんぽ
77:【し】
78:しあわせになあれ
79:幸せなら手をたたこう
80:四季の歌
81:静かな湖畔
82:シャボン玉
83:少年時代
84:ジングルベル
85:【す】
86:すいかの名産地
87:ずいずいずっころばし
88:スキー
89:巣立ちの歌
90:すてきな一歩
91:すてきな友達
92:Smile Again
93:【せ】
94:世界がひとつになるまで
95:世界中のこどもたちが
96:世界に一つだけの花
97:線路はつづくよどこまでも
98:【た】
99:大切なもの
100:たきび
101:たなばたさま
102:旅立ちの時に(Asian Dream Song)
103:旅立ちの日に
104:だれにだっておたんじょうび
105:だんごむしのうた
106:【ち】
107:ちいさい秋みつけた
108:小さな勇気
109:ちびっこカウボーイ
110:茶つみ
111:【つ】
112:翼をください
113:【て】
114:手のひらを太陽に
115:【と】
116:Tomorrow
117:遠き山に日は落ちて(家路)
118:どこかで春が
119:となりのトトロ
120:友だちだから
121:ともだちになるために
122:ともだち讃歌
123:友だちはいいもんだ
124:どらやきバウンド
125:ドレミの歌
126:ともだちになろうよ
127:とんぼのめがね
128:■3集 な→わ
129:【な】
130:夏の思い出
131:夏の日の贈りもの
132:夏は来ぬ
133:涙そうそう
134:七つの子
135:【に】
136:にじ
137:にんげんっていいな
138:【は】
139:はじめの一歩
140:バスごっこ
141:花咲く時をこえて
142:花束をあなたに
143:パプリカ
144:春の風
145:ハローハロー
146:花は咲く
147:Happy Birthday To You
148:【ひ】
149:ビクトリー
150:ピクニック
151:Believe
152:ひろい世界へ
153:Bingo
154:【ふ】
155:ふるさと(♪ゆうぐれ〜)
156:ふるさと(♪うさぎ〜)
157:【へ】
158:Best Friend
159:Head,Shoulders,Knees And Toes
160:【ほ】
161:The Hokey-Pokey
162:星かげさやかに(一日の終わり)
163:ほたるの光
164:ホルディリディア
165:【ま】
166:Michael,Row The Boat Ashore(こげよマイケル)
167:マイバラード
168:まっかな秋
169:【み】
170:見上げてごらん夜の星を
171:みかんの花さくおか
172:ミッキーマウスマーチ
173:みどりのそよ風
174:南の島のハメハメハ大王
175:南風にのって
176:【も】
177:燃えろよ燃えろ
178:もみじ
179:森のくまさん
180:【や】
181:山のごちそう
182:やまびこごっこ
183:やおやのお店
184:【ゆ】
185:勇気100%
186:勇気一つを友にして
187:ゆかいな牧場
188:ゆかいに歩けば
189:夢の世界を
190:雪
191:ゆりかごの歌
192:【よ】
193:喜びの歌
194:【ろ】
195:London Bridge(ロンドン橋)
196:【わ】
197:WAになっておどろう(イレアイレ)
198:われは海の子
高校一年生の岸野守は、
学年一の美少女でクラスメイトの押井ここと出会いある秘密を知る。
押井さんの膀胱は、よわよわでザコザコだったのだ…!!
絶対に漏らせぬ秘密を知った守は、
何があっても押井さんを守ると約束したのだった。
黄金色に輝くドキドキ青ションラブコメ、堂々開幕!!
「どんな願いでも叶えられる」という
『天空の扉』を巡る、壮大な冒険ファンタジー!!
超高速移動魔法「マクロドライブ」の使い手・ルーシュと、
「雷光の勇者」レイとの戦いは終わり、遂にルサルカを取り戻した!
幸せな日々を送る一行だったが、
「世界の終焉」という滅びの運命を知る・・・!
魔王ディアボロは滅亡に抗うべく『天空の扉』を開き、
時の概念を超えて帰還、ルーシュ達との合流を果たした…!!
この星を奪おうとする“ワレワレ”との、
史上最大の死闘が始まった・・・!!
上位存在の“ワレワレ”に大ピンチの人類だが、
“雷光の勇者”の継承、更には
“かつての神々”を呼び出し形勢逆転・・・!
そして世界の命運はルーシュに委ねられた!!
最終章、遂にクライマックス!!
連載期間14年超の大人気ファンタジー、堂々完結!!!
「配信者が、刺された」
バズって、シャンパンが飲めるようになって、バズって、芸能人に会えるようになって……
バズの金でタワマンに住めるようになった。
少し前まで何も持っていなかったのに。
突然刺された時、口を衝いて出てきた言葉は、
「私を撮れ!!!!!!!」
バズってないと私には何の価値もないから。
どん底まで墜ちきった後、タパ子は再度這い上がれるのか!?
ラストは究極のハッピーエンド。
大野寿子さんは、「メイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパン」の初代事務局長として、難病の子どもたちの夢を叶える活動をしてきた。
筋ジストロフィーに冒されながら「甲子園で赤星選手に会いたい」と願った和馬くん。急性リンパ性白血病の身をおして絵本作りに励んだ美緒ちゃん。ユーイング肉腫で歩けなくなるも、山形に暮らす家族との再会を果たした真也くん……。大野さんが支援した子どもの数は約3000人におよぶ。
その大野さんが2024年6月に肝内胆管がんで「余命1ヶ月」を宣告される。残された時間がわずかだと知った大野さんは、こう問いかける。「自分自身の夢は何か」--。思い浮かんだのは、自著『メイク・ア・ウィッシュ 夢の実現が人生を変えた』を無料で配り、多くの人に子供たちの勇気ある姿、そして命の輝きを伝えることだった。
話題作『35年目のラブレター』の著者としても知られる、ノンフィクション作家の小倉孝保さんは、衰弱しながらも懸命に生きる大野さんに徹底密着。本人をはじめ家族、友人、助けられた子ども、そしてその遺族への長時間にわたるインタビューを行い、大野さんの闘病日記も引用しながら、亡くなる瞬間までの日々を克明に描き出している。
難病に冒されながらも一生懸命に生きる子どもたちと、大野さんという稀有な女性の命の奇跡を描いた感涙のノンフィクション。
【目次】
序章 最後の講演
第一章 切実なメール
第二章 結婚と挫折
第三章 二つの「出会い」
第四章 家族への告白
第五章 最期のプロジェクト
第六章 余命宣告
第七章 死への準備
第八章 衰弱する体
第九章 最後の晩餐
終章 ヒマワリに囲まれて
【著者略歴】
小倉孝保(おぐら・たかやす)
1964 年滋賀県生まれ。ノンフィクション作家。88 年毎日新聞社入社。カイロ、ニューヨーク両支局長、欧州総局(ロンドン)長、外信部長などを経て論説委員兼専門編集委員。2014 年、日本人として初めて英国外国特派員協会賞受賞。『柔の恩人 「女子柔道の母」ラスティ・カノコギが夢見た世界』(小学館)で第18 回小学館ノンフィクション大賞、第23 回ミズノスポーツライター賞最優秀賞をダブル受賞。著書に『がんになる前に乳房を切除する 遺伝性乳がん治療の最前線』(文藝春秋)、『中世ラテン語の辞書を編む 100 年かけてやる仕事』(角川ソフィア文庫)、『35 年目のラブレター』(講談社文庫)などがある。
幕末、戦前、そして現在。3度訪れるナショナリズムの正体に、150年の時をへて我々は向き合わねばならない。その起源が幕末の尊皇攘夷思想であるーー。『どんなことが起こってもこれだけは本当だ、ということ。』「一八六八年と一九四五」を収録、批評家加藤典洋による晩年の思索の増補決定版。(解説・野口良平)
日本初の全文訳・訳註付『赤毛のアン』シリーズ第7巻
アン・ブライス41歳が家族と暮らす美しい村に、新しい牧師一家がやって来た。妻を亡くした美男子の牧師と母のない子どもたち。彼らは、家なき子メアリ、ブライス家の子どもたちと「虹の谷」で幸福にすごす。中年男女の恋も芽ばえる。第一次大戦が影を落とす前の平和な時代を描いた長編小説。アン・シリーズ中の異色作。
●タイトルの「虹」
虹は、夢のように美しく楽しく、しかし永遠ではなく、いつか消えていく。本作では、プリンス・エドワード島の緑豊かな「虹の谷」ですごす子どもたちの無邪気で愉快な少年時代、少女時代と、その終わりを伝える。
●特徴1-日本初の全文訳
米国詩人ロングフェローの詩「失われし青春」の一節に始まる日本初の全文訳。モンゴメリは献辞で、彼女が暮らす村から第一次大戦の欧州戦線へおもむき、命を落とした三人の兵士に本作を捧げた。日本で初めて原書の全文を訳したカナダ文学。
●特徴2-訳註付。作中の約400項目について解説
作中に多数引用される聖書の名句とキリスト教、シェイクスピア劇や英詩などの英文学、不可思議な伝説(さまよえるユダヤ人、プレスター・ジョン、聖杯伝説)、料理、衣服、植物、歌、踊り、諺、カナダの歴史と戦争など、小説に描かれる約400項目についてわかりやすく解説。モンゴメリ文学の奥深い魅力を楽しむ。
●特徴3-口絵写真10点、地図2点
カナダ、米国、スコットランド、ドイツで訳者が撮影した本作ゆかりの写真10点(プリンス・エドワード島の虹の谷のモデル、フォー・ウィンズの内海、モンゴメリが本作を書いたオンタリオ州の牧師館、ドイツのハーメルンで「笛吹き」が歩いた通りなど)。プリンス・エドワード島北海岸とカナダ東部の地図付。
●特徴4-くわしい訳者あとがき……小説をより深く味わうために
一、モンゴメリの十冊目の単行本『虹の谷のアン』、主人公はメレディス牧師一家
二、『虹の谷のアン』のエピグラフは、米国詩人ロングフェローの詩「失われし青春」
三、牧師館の子どもたちとメアリ・ヴァンス〜名作『ストーリー・ガール』を踏襲
四、魅惑の虹の谷のモデル、魔法がかかった泉
五、中年男女二組の恋〜「白魔術」の出逢い、昔の恋人との再会と愛の復活
六、「ハーメルンの笛吹き」〜若者たちを戦地へ連れていく「笛吹き」、近づく戦争の影
七、第一次大戦中に執筆された『虹の谷のアン』、モンゴメリ日記より
八、アンの明るく誠実な心、アンの幸せの在りか
●美しいカバーと装丁
本作に登場するドイツの伝説「ハーメルンの笛吹き」。地模様のかえでの葉は、やがて戦地へむかうカナダの青年たち。風にゆれて死者の魂がそよぐ黄水仙、長靴下(ストッキング)。