モータースポーツの頂点F1レースの覇者を目指す野望の人・高見沢優は、束の間の休暇をカナディアン・ロッキーで過し、狩猟を満喫した後、ロンドンへと戻った。2月に入ると南フランスにあるポール・リカール・サーキットで再びテストが始まった。苛酷な条件のなか、高見沢は次々と好タイムを叩出す。夜は夜で見事な肢体のマールボロ・ガールズ達が潤んだ眼をして持っている。そんな時、彼の元に驚くべき情報が届いた。狙撃者という裏の仕事の依頼者、闇将軍田口元首相が倒れ再起不能になったのだ…。戦う男に安息の日々はないー現代に残された最後の英雄を綴る待望の第9弾。
古代英雄像の変遷(ラインハルト)、アフリカの神話的世界(ヴァン・デル・ポスト)、宇宙創成論(エリアーデ)、ユダヤ神秘思想(ショーレム)…。エラノス精神の最高の体現者四名が多様な視角から根源的主題に向かう白眉の論集。
近年の日本、中国における実験科学は、人体の内と外における気のエネルギー計測に成功し、気による他者の同調作用まで認められるようになった。本書は、そのような最新成果を紹介し、気が、「こころ」「からだ」「もの」の三つに、エネルギー変換しながら作用するレベルを考察して、西洋をこえる新しい人間観を提出する。著者は、東洋、西洋における心身関係の見方の相違について、深い洞察を行なってきた第一人者。
砂糖菓子みたいにもろいから余計にいとおしくて、でも独り占めにしすぎると胸が苦しくなるの。わたしたちのシュガータイム。新芥川賞受賞作家初の長篇。
1985年、阪神タイガースは21年ぶりに優勝し、日本シリーズを初制覇した。いったいあの年の社会現象ともいわれた熱気は何だったのか?9月から12月までのドキュメンタリーを中心に、ファン気質、組織論、日本プロ野球批判、関西タイガースを支える西の文化論など、愛するが故に完壁な「祭」の終わりを願う著者の、熱く美しかった虎たちへの心をこめたレクイエム。
まるで黄泉の死都と化した東京を犬山将道と鶴川智彦は、さ迷っている。一方、帝王ホテル42階〈芳龍閣〉から犬飼美弥を救出した伏見しのぶ達は、女子プロのグレート山林こと犬多古文子と合流し、南房総・富山にある「伏姫の岩屋」に導かれた。その時、美弥としのぶはそれぞれの母の声を聞く。同時に、二匹の野良犬になった将道と智彦も母の悲痛な声を聞いていた。そして、遠く宇宙の資源衛星ランドサットは、東京が巨大な女性器と化し、そこに進入する小さな二つの精子を写し出していた。まるで女性の胎内めぐりをしているような男の子と女の子たちは、何処へ?
豊富な資料とこだわりの取材から生まれた『タイガース』研究の決定版。ちょっぴり硬派なトラ番スポーツ記者の、これぞ本邦初公開というべき、タイガース“研究”の虎イアル-。
好評を博した「高野切第三種」に続く実用字典シリーズ第二弾。収録和歌数の増加、データの詳細化等により充実した構成でさらに使いやすくなった“かな書家”のための新型字典。
この巻には、生態学を中心とする生物学関連の諸論稿をおさめた。
不夜城、東京・渋谷の繁華街でなぜ、セキレイたちは眠りにつくのか?野鳥の世界の異変から「都市」をとらえ直す。
人間の大地を歩く。発見の楽しさあふれる中国・歴史と文化への旅。