マンモスの骨で造られた先史時代の家からビルバオのグッゲンハイム美術館まで、あるいはスーダンの日干レンガ造りのモスクからマオリ族の集会所まで、豊富なカラー写真と図版とともに、古今東西の建築をコンパクトに紹介。
建築や美術の研究者に新しい視点を与えるだけでなく、建築を専門とする学生、旅先で訪れる世界遺産に関心を寄せる一般の読者、そしてヴィジュアルを通して多様な文化を知りたい中高校生にも幅広く手にとって読まれることが望ましい一冊。
刺激的で普通でないものが溢れ続ける現代文明…このままでは、デザインの被害者が続出する。デザインの本来を問い、デザインの将来を読む…世界各国で行われたUCHIDAデザイン講演録。
農地ができると「害虫」が生まれる。人類は、農耕生活を開始して以来、さまざまな害虫の被害に悩まされてきた。その防除を目指して、農薬をはじめとしてさまざまな手法が用いられてきた。しかし、「殺虫剤の逆理」という言葉に示されるように、単に「駆除」を目指したのでは、農業生態系を構成する生物群集の多様な機能を損なうだけで、害虫による被害を抑えることは難しい。生態学の最近の研究成果に基づき、生物間に働く多様な相互作用を利用した害虫管理によって農作物への被害を経済的に許容できるところまで抑制する道を探り、その基礎とその方向性を示す。
街で、庭で、山や森で。花束や食材として。私たちの暮らしの中で、植物を目にしない日はほとんどありません。ところで、そんな身近な草木や花々、野菜や果物は、どうして「その形」をしているのでしょう。葉や枝や根、花や果実が、それぞれどんな理由でいまの形になったのか、豊富な図版をもちいて基礎からやさしく解説する植物学入門。
第1章 葉はなぜ平たいのか
第2章 葉の断面の形を考えてみよう
第3章 葉の厚みの多様性を考える
第4章 葉の大きさと形の意味
第5章 茎はなぜ長細いのか
第6章 根はなぜもじゃもじゃなのか
第7章 花の色と形の多様性
第8章 果実の形は何が決めるのか
第9章 草の形・木の形を決める要因
第10章 生物と環境のかかわり
おもに理学部や農学部などの専門基礎科目を想定した半期用の入門教科書.動物分野と植物分野に共通する生態学の基本知識を丁寧に解説している.進化や生物多様性などの視点も重視した,コンパクトな好著.
1.環境と生物の関わり(環境要因/生理的最適域と生態的最適域)
2.生物の適応進化(ダーウィンの進化理論/自然選択による進化/他)
3.生物の共生(共生のいろいろ/相利共生のいろいろ/他)
4.生態系と食物網の構造(生態系の構成要素/生態系の分布/他)
5.生態系におけるエネルギーと養分の流れ(生物の代謝/光合成と化学合成/他)
6.植物群落(植物群落の分類/世界の植生/他)
7.動物群集(生物間相互作用の分類/機能群/他)
8.生物多様性(生物多様性とは/生物多様性の三つのレベル/他)
9.生態系サービス(供給サービス/調整サービス/他)
10.持続的な農業生態系(野草,作物,雑草と人間/適作農地と作付け体系/他)
「ブドウはワインの生みの親」「ワイン造りはブドウづくり」「良いワインは良いブドウから」など、ワインにとってブドウがいかに重要かを示す格言が数多くあります。しかし、地球温暖化が進むなかで、肝心のブドウ栽培が転換点にさしかかっています。
著者は『ワインの科学』などを著して知られる英国のワインジャーナリスト。本書では世界中のワイン産地に足を運んで得た知見をもとに、根圏を含む生態系の重要性、仕立て方と剪定、テロワールの概念、ブドウ樹の免疫力と耐病の仕組み、新旧の有名な交配品種などを興味深く検証します。また、世界各地のブドウ栽培地の生産者の取り組みについてもケース・スタディとして具体的に取り上げています。
環境に負荷をかけず、持続可能なブドウ栽培のあるべき姿を、科学的な側面から多角的に考察。今後のブドウ栽培、ワイン造りの道筋を探るうえで示唆に富む一書となっています。
【主なもくじ】
著者について
翻訳出版にあたって
第1章 ブドウ栽培への問いかけ
第2章 森林から畑へ:木につるを絡めて伸びるブドウの栽培化
第3章 気候はブドウ栽培を決定づける
第4章 地下:根圏の重要性
第5章 テロワール:その概念の探求と神話の解明
第6章 接ぎ木、台木、ブドウ樹の寿命
第7章 果実の形成と成熟の過程
第8章 収量とワインの質、古木の科学
第9章 仕立てと剪定
第10章 ブドウ樹の免疫力:耐病の仕組み
第11章 新品種の育成と古い品種の救済
第12章 エピジェネティクス
第13章 クローン選抜:交配せずに保つ植物多様性
第14章 遺伝子組み換えブドウとゲノム編集
第15章 病徴が表れた時に:病害と害虫
第16章 主幹の病気:ブドウ栽培への主な影響
第17章 雑草の管理、刈り払い、再生可能農業
第18章 水、灌漑、耐乾性
第19章 氷:霜、凍結、雹の科学
第20章 光と熱:太陽の力
第21章 ブドウ栽培のケース・スタディ
むすび
謝辞
さくいん
ニューロマスキュラー・テクニック(NMT:神経筋テクニック)とは、触診によって身体の中枢神経系と筋骨格系の間にバランスをもたらたす軟部組織へのマニピュレーションを行い、痛みを和らげるアプローチ。その歴史と発展について解説し、線維筋痛症に見られる症状の多くを含むよくある筋骨格系の機能障害に関して、治療オプションをわかりやすく紹介する。
また、腹部、リンパ系、過呼吸などの呼吸パターンといった、筋骨格系以外の部位で生じた機能障害を治療するにあたり、NMTをどのように使えばよいかといった点にも触れている。臨床経験や科学的な経験、さらに文献資料から治療家に役立つ情報や指針を分析し、組み合わせ、明確に示しており、さまざまな形式のNMTをほぼすべて網羅。NMTについて最大限に学べる教科書。NMTとタイ・マッサージを合体させるという興味深い考えも収録。NMTに強い影響を与えた初期のカイロプラクティックについても取り上げており、NMTについて多くのことが学べる教科書。
特徴
・軟部組織の不調の原因の解説
・治療のなかで日々目にすることが多い圧痛点とトリガーポイントのパターンについての詳細な図や解説
・内臓ー体性反射や体性ー内臓反射に関連する圧痛点について、診断と治療の両方の観点からその価値を説明
・ヨーロッパと北米におけるNMTの解説
・あらゆるボディワークの治療家や鍼療法士向けに治療オプションを分かりやすく解説
微積分や線形代数の先には、どのような世界がくりひろげられているのだろう。東大数理の執筆陣が、いま数学ではどのようなおもしろい研究がおこなわれているのかを、初学者に向けて生き生きと紹介。好評を博した『数学の現在 i,π,e』の続編。
はじめに(編者)
記号表
第1講 整数論ーー非可換類体論入門(三枝洋一)
第2講 代数幾何ーー射影多様体の群対称性の話題から(小木曽啓示)
第3講 微分幾何ーー退化する多様体を応用する:爆発する曲率(本多正平)
第4講 数学基礎論ーー公理的集合論の紹介:実数の集合を中心に(酒井拓史)
第5講 表現論ーー圏化と表現論(阿部紀行)
第6講 表現論ーー表現の誘導と制限(大島芳樹)
第7講 代数幾何ーー特異点とモジュライ(植田一石)
第8講 数論幾何ーー数論的な微分方程式とその幾何学性(阿部知行)
第9講 代数幾何ーー特異点解消とマッカイ対応(伊藤由佳理)
第10講 代数幾何ーー可換環論における代数幾何的手法(高木俊輔)
第11講 整数論ーー局所ラングランズ対応とその幾何化(今井直毅)
第12講 複素幾何ーー標準束の複素幾何学(高山茂晴)
索引
よこがお
【書籍の特徴】
われわれ人間は,家庭や地域,職場といった組織の中でさまざまに行動している。家庭においては日常生活を送り,地域においては友人や知人と交流し,職場においては上司や同僚・部下と協働しながら職務を遂行している。これらの人間行動の結果はパフォーマンスとして捉えられ,その内容は人間の生活の質(QOL)の向上や組織の機能の効率化に繋がると考えられる。ここで人間が行動する理由について考えてみよう。それは何らかの目的を達成するためである。思いどおりに目的が達成できたかどうかがパフォーマンスであり,それは持ち得る機能や能力,行動時の心理状態や周りの環境などに影響を受ける。
本書は,おもに人間の機能と能力に焦点を当て,それらを客観的に評価するための方法や手順,さらには人間の能力に影響を与える要因について多面的に解説している。また,持ちうる能力を最大限に発揮し,最良のパフォーマンスを発揮できる環境を提供するための方策についても解説を試みている。
【各章について】
本書は7章により構成されている。1章では「人間の行動と生活の質の評価」について,2章においては「人間行動と機能・能力」について解説している。3章では「最適な人材確保と知識・技能の共有」について,4章では「より良い職務遂行環境の提供」について,5章では「個人と組織の行動とパフォーマンス」について人的資源管理の視点から解説している。さらに,6章では「人間機能の多様性と能力の支援」について人間の自立支援策の視点から解説をしている。最後に,7章では「高度情報処理技術の活用と人間行動」について将来の人間の行動の変化について展望している。
【著者からのメッセージ】
本書は,経営に関する分野について学ぶ方々,また看護・福祉,リハビリテーション分野において人間の自立支援策について学ぶ方々だけでなく,企業において人的資源管理(human resource management)に携わる実務者にも,有用な知識を身に付けてもらえることを念頭に置き執筆されている。本書を精読し,「人間の機能と能力」に対する認識をより一層深めていいただきたい。
◯"Global Change Biology"(オックスフォード大学出版局,2021)の翻訳
◯地球環境の変動が生物に与えている影響をテーマに豊富な図で丁寧に解説
◯「学習成果」「事前チェック」「基本知識」「まとめ」など読者の理解を助ける構成
◯オールカラー.訳者による日本語版オリジナルのコラム付き
【主な目次】
◯ユニットI 背景
1章 グローバル変動生物学への招待
2章 生命の歴史
3章 人類の誕生
4章 人新世
◯ユニットII 地球変動ストレス要因に対する応答
5章 主要な応答:移動
6章 主要な応答:調節
7章 主要な応答:適応
8章 主要な応答:死滅
◯ユニットIII 地球変動に対する複雑な応答
9章 群衆レベルの反応
10章 生態系レベルの反応
11章 地球変動時代の環境保全
◯ユニットIV 将来への展望
12章 生物多様性と人間社会の利益を一致させるために
◯ユニットI 背景
1章 グローバル変動生物学への招待
2章 生命の歴史
3章 人類の誕生
4章 人新世
◯ユニットII 地球変動ストレス要因に対する応答
5章 主要な応答:移動
6章 主要な応答:調節
7章 主要な応答:適応
8章 主要な応答:死滅
◯ユニットIII 地球変動に対する複雑な応答
9章 群衆レベルの反応
10章 生態系レベルの反応
◯ユニットIV 将来への展望
11章 地球変動時代の環境保全
12章 生物多様性と人間社会の利益を一致させるために
書いたものに現れる個性は「文体」と呼ばれ、よく知られていますが、読むときにも「読体」というそれぞれの人の個性があります。「文体」と違って目に見える形にならないので気づかれにくいのですが、それぞれの人の性格や背景におうじた読みの偏りは確実に存在します。「読む」技術を向上させるには、無意識のうちに身についた自分自身の読み方の癖の姿を知らなければなりません。本書は、自分なりの読み方、「読体」を対象化し改善する目的を持っています。
部下や後輩は自分がその気になって初めて、上司や先輩の言うことを聞くようになるが、多様性重視の現代では一筋縄ではいかない。しかし、みなっち先生の「感動コーチング」の手法を使えば、スムーズにコミュニケーションがとれ、後輩たちをその気にさせ、心を動かすことができるようになる。
人間とは何か?--先史時代から未来まで,ゲノムレベルから地球生態系まで,悠久にして広大なテーマを扱う自然人類学.本書は,東京大学で開講されている人気講義をもとに,研究の最前線を臨場感あふれる文章で解説.読者を,心躍る世界へ誘う.
はじめにーー自然人類学を学ぶ意義と魅力(長谷川壽一)
I 人類進化の歩み
第1章 ヒト以外の霊長類の行動と社会ーーヒトを相対化する(中村美知夫)
第2章 猿人とはどんな人類だったのかーー最古の人類(河野礼子)
第3章 ホモ属の「繁栄」--人類史の視点から(海部陽介)
第4章 旧人ネアンデルタールの盛衰ーー現生人類との交代劇(近藤 修)
II ヒトのゲノム科学
第5章 アジア人・日本人の遺伝的多様性ーーゲノム情報から推定するヒトの移住と混血の過程(大橋 順)
第6章 全ゲノムシークエンスによる人類遺伝学ーーヒトゲノムの変異と多様性(藤本明洋)
第7章 自然選択によるヒトの進化ーー形質多様性と遺伝的多様性(中山一大)
第8章 縄文人のゲノム解読ーー古代ゲノム学による人類の進化(太田博樹)
III 生きているヒト
第9章 ヒトはなぜ直立二足歩行を獲得したのかーー身体構造と運動機能の進化(荻原直道)
第10章 なぜヒトは多様な色覚をもつのかーー霊長類の色覚由来から考える(河村正二)
第11章 ヒトの環境適応能ーー生理的適応現象とその多様性(西村貴孝)
第12章 生存にかかわる腸内細菌ーーホモ・サピエンスの適応能(梅崎昌裕)
IV 文化と人間ーー文理の境界領域
第13章 言語の起源と進化ーーその特殊性と進化の背景(井原泰雄)
第14章 考古学と自然人類学ーー縄文時代・弥生時代の生業を考える(米田 穣)
第15章 人種と人種差別ーー文化人類学と自然人類学の対話から(竹沢泰子)
【コラム】
霊長類の子育て(齋藤慈子)
人類化石の発見,いかに(諏訪 元)
旧人と新人の文化(西秋良宏)
HLAと日本人の形成(徳永勝士)
霊長類の遺伝(石田貴文)
人口からみるヒト(大塚柳太郎)
人新世:ヒトが地球を変える時代(渡辺知保)
In Pursuit of Human Nature:
An Introduction to Physical Anthropology
Yasuo IHARA, Masahiro UMEZAKI and Minoru YONEDA, Editors
いつまでみんなと同じこと書いてるの?個性的に見える書き方を、こっそり教えよう。作文とは、上手にウソをつくことである!学校空間につぶされないための、ふつうでない作文のすすめ。
山林を焼き尽くし、人の暮らしを破壊し、時に生命さえも奪うー。気候変動でますます身近となる火災の恐怖。だが、火を忌避し、禁じることが事態を悪化させてきたとしたら?あるときは「破滅的な災害をもたらすもの」として。またあるときは「生態系のバランスを保つもの」として。“人類最初の道具”とも言うべき「火」を通して、人間と自然の関係を問う傑作ノンフィクション。
さまざまな環境問題の発生メカニズムを経済学の予備知識がなくとも理解できるように,分析フレームワークを基礎概念から丁寧に解説。プラスチックごみ,カーボン・プライシング,生態系サービスへの支払(PES),ESG投資などの新しい動向も多数紹介。
第1章 経済と環境
第2章 外部性と市場の失敗
第3章 汚 染
第4章 地球温暖化
第5章 エネルギー
第6章 廃棄物
第7章 枯渇資源
第8章 再生可能資源
第9章 生物多様性
第10章 企業と環境配慮
国や地方の行政、企業、NGOなど各分野の第一線で活躍している実践者を執筆陣に迎え、SDGsのなかでも中核を占める「環境問題」について解説。SDGsや環境問題の具体的な実践行動につながるようなヒントが満載。
見える!深まる!広がる!
サメ、カメ、ダチョウ、パンダ、キリンなど
魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類
200種以上の動物の骨をイラストで徹底図解!
著者のゲッチョ先生がコツコツ拾い集めた
膨大な数の動物の骨からわかる
生きものの生態と進化のフシギ
骨の教科書、ついに完成。
【おもな内容】
■序章 骨を楽しむための骨のキホン
■第1章 魚類
[軟骨魚類]
シュモクザメ、ダルマザメ、ラブカ、ノコギリザメ、ノコギリエイ
[硬骨魚類]
メカジキ、ヨコシマクロダイ、トビウオ、カンムリブダイ、コバンザメ、ハリセンボンなど
■第2章 両生類・爬虫類
[カエル]
ハナサキガエル
[トカゲ]
カメレオン、トビトカゲ、イグアナ
[ヘビ]
ヨナグニシュウダ、メクラヘビ
[カメ]
セマルハコガメ、スッポン、タイマイ
[ワニ]
ワニ
■第3章 鳥類
[体を構成する骨]
フクロウ、アオバズク、オカメインコ、ニワトリ
[食性の多様性]
カワウ、カツオドリ、フラミンゴ、ヤマシギ
[移動方法の多様性]
コアホウドリ、キングペンギン、ダチョウなど
■第4章 哺乳類
[歯]
ライオン、オオカミ、イリオモテヤマネコ、ヒグマ、ジャイアントパンダ、ゴリラ、アルマジロ、オオアリクイ、カピバラ アジアゾウ、ジュゴン、イルカ、バビルサなど
[角]
シロサイ、トナカイ、ニホンカモシカ、キリン
[四肢]
ウマ、カンガルー、モグラ、ナマケモノ、ムササビ、コウモリ、アザラシ、クジラ
2000年に62歳で斃れるまで、原発の危機を説き続けた「市民科学者」高木仁三郎が、その思想の全容を語りつくした名著、いま蘇る。