20世紀初頭の米国においてなぜ社会科が成立したのか? 教科誕生の過程に注目し、市民を育てる教育が抱える包摂や排除の論理を描き出す。
交通渋滞、バスや鉄道の経営難、中心市街地の衰退、これは人間が引き起こした社会的な問題だ。そこで市民の意識や常識に働きかけ、クルマ依存からクルマをかしこく使う方向へ、人々の自発的な行動転換をはかるのがモビリティ・マネジメント(MM)だ。その考え方や手法を初めてMMを担当する人、戸惑いがある人へ説く。
ポケットエコーの具体的な使い方やエコー画像の見方を学ぶための“ポケットエコー・ライフ・サポート教育シリーズ”の第2弾がついに登場しました。今回は、在宅医療・訪問看護ケアの現場でよく出会う「経鼻胃管」と「誤嚥性肺炎」をテーマとし、それらをポケットエコーを活用してどのように管理・ケアすればよいかを具体的に学んでいきます。
本書は、ベストセラーとなった『文化経済学入門』の続編として書かれたものである。「文化遺産の保存と活用」や「芸術支援」といった古典的な文化政策を超えて、文化産業や著作権、国際貿易等の幅広い分野を対象として解説する。グローバル化と情報化という大きな社会変化によって文化政策はどう変容しているのか?その現況を平易な言葉で解説したテキストの待望の翻訳である。
国境を越える移民や難民等の人の移動という現象およびエスニシティという概念について、学際的・多角的に考察し、共生に向けた現代社会の諸問題に向き合う契機を提供する。法学・社会学・教育学・歴史学・文学・演劇・DNA人類学といった多岐にわたる学問領域が重層的に響き合う入門書。
理論的であることは、すなわち実践的である。
理論がケアリングあふれる実践を導き、探求への問いとなり、変革のプロセスに結びつく…そんな理論 研究 実践の統一体をプラクシスpraxisと呼ぶ。
M.ニューマン健康の理論に基づくプラクシスの実例を伝える。多彩な事例と典型例。読者は、進化するニューマン理論の革命性に心躍らせることであろう。
著名な理論家、M.ニューマン、J.ワトソン、C.ロイの3人が、ケアリングと理論の将来について語り合った記録が収載されているのも興味深い。
序:マーガレット A. ニューマン
編著者まえがき
1 看護学の核心 ケアリングと健康の概念
第1章 人間の健康体験におけるケアリング(マーガレット ニューマン)
第2章 看護学への貢献(キャロル ピカード ドロシー ジョーンズ)
第3章 看護倫理とケアリングーー原則主義を超えて(カロリン ヘイズ)
2 ケアリング プラクシス
第4章 苦悩、成長、可能性ーー終末期ケアにおける拡張する意識としての健康(アンーマリー バロン)
第5章 術前外来におけるスタッフと患者のための治療環境の創造(ジェーン フラナガン)
第6章 理論的であるということは、すなわち実践的である。(ヴァージニア A. カパッソ)
第7章 家族の健康を支援する看護プラクシス(メリアン リッチフィールド)第8章 地域におけるケアリングの実践ーーパターン認識のプロセスを用いて(マーガレット デクスハイマー ファリス)
第9章 “安らぎ領域”の創出ーー認知症と共に生きる人々のリズムとパターン(スーザン ルカ)
第10章 ケア環境の創造ーー臨床実践の変革を目ざす看護管理の戦略(アマンダ コークレイ エドワード コークレイ)
3 プラクシスとしての研究
第11章 芸術的表現とパターン認識ーー参加者の“創造的身体運動”表現と
研究者の意味解釈に基づく“イメージ画”表現(キャロル ピカード)
第12章 双極性障害のある子供の両親とパターン認識(キャロル ピカード)
第13章 アクションリサーチチームの創出ーーケアのプラクシスモデル(遠藤恵美子 嶺岸秀子 久保五月)
第14章 多発性硬化症と共に生きる女性たちの人生パターンの認識(ジェーン ニール)
4 教 育
第15章 看護学部で展開された精神看護教育のプラクシス(キャロル ピカード タラ マリオリス)
第16章 高度実践看護コースで学ぶ大学院生のパターン認識能力の育成(ホリー ノヴェレツキーーローゼンタール カスリーン ソロモン)
第17章 救命救急場面におけるケアリングの典型例ーー患者とナースの相互的変容(スーザンM. リー)
5 対話と会議
第18章 やがて理論は収束に向かうのであろうかーーニューマン、ワトソン、ロイとの対話(キャロル ピカード ドロシー ジョーンズ)
第19章 拡張する意識としての健康の理論の現在ーーナース、教員、研究者による対話集会 (カサリン ローザ)
第20章 拡張する意識としての健康の理論の影響力(ドロシー ジョーンズ)
監訳者あとがき
薬害の教科書ともいうべき本書を読むことで、薬害という言葉の持つ多様な広がりに多くの人が気づくだろう。[養老孟司氏]
医療の故に思いがけず患者になった犠牲者が、医療の未来を導く立場に立った稀有の事績。[村上陽一郎氏]
薬害とは、医薬品による単なる健康被害を越えて、生活や人生を壊される経験、誰にでも起こりうる理不尽としか言いようのない社会的経験である。本書は、薬害をめぐる加害と被害の経験およびそれによって社会でなされたこと/なされなかったことを体系的に明らかにする。
人間存在についての理解や、その健康の増進について興味関心を高める多角的な視座を提供するとともに、「人間健康学」という学問領域の確立を目指しす。WHO憲章に謳われた「健康」の定義、「健康とは、完全な肉体的、精神的及び社会的福祉の状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない」に基づき、「福祉と健康」「身体活動とウェルネス」「心理と教育」の三つの柱により構成されている。
第1部 福祉と健康
第1章 自分自身の人生をデザインする
第2章 人間学のスピンオフー厄介なる主体のエピステーメーー
第3章 福祉と防災
第4章 障害のある人とともに暮らす社会
第5章 日本の健康問題について考えるー健康とは何か、健康の意義ー
第6章 医薬品の有効利用・薬物乱用と健康影響
第7章 健康を支える食生活と栄養
第2部 身体活動とウェルネス
第8章 スポーツとジェンダー
第9章 レベルアップに必要な諸要素ー学生活を通じて競技者としても、人としても成長するためにー
第10章 ラジオ体操の有用性
第11章 体温調節と運動・スポーツ
第12章 運動を測定し定量的に評価する
第13章 ストレングス&コンディショニングという学問
第3部 心理と教育
第14章 心と体の健康を支える「学習」
第15章 スポーツとあがり
第16章 臨床心理学とメンタルヘルス
第17章 「人さまざま」な私たちが抱える心理的課題とその支援
第18章 豊かな学びを保障する教育を目指して
運営母体が100周年を迎えた兵庫県・甲南女子大学の教職員が、「女性という記号」をもつ学生と向き合い、女子大学の存在意義、女性教育の取り組み、自身の専門領域と女性教育との関わりについて記述し、今後の女性教育について問題提起する。
刊行に寄せて 女子大学と女性教育の未来[森田勝昭]
序論 本気で女性を応援する女子大学の探求[野崎志帆]
1 甲南女子大学の女性教育のこれまでと今
1 甲南女子大学の歩み[米田明美]
2 女性教育カリキュラムの意義と可能性[野崎志帆]
3 図書館における女性教育の展開[中岡妙子]
4 保健センターの取り組みーー女子学生のからだとこころの健康への支援[八木麻理子]
5 リーダーシップ教育[佐伯勇]
6 キャリア支援体制[前川幸子]
7 女性教育プロジェクトーー女子大学の存在意義への問いかけと対話の軌跡[野崎志帆・ウォント盛香織]
2 各学問領域における女性教育
〈女性教育と人文科学〉
1 日本古典文学の中の女性ーー『無名草子』作者の叫び:「女ばかり口惜しきものなし」[米田明美]
2 日本語教育は日本社会を変える!をめざして[和田綾子]
3 女性写真家とセルフ・ポートレイト[馬場伸彦]
4 マンガが示す多様な生き方のモデル[増田のぞみ]
5 北米先住民女性の役割と「力」に学ぶーー過去から現在まで[岩崎佳孝]
6 文学に広がる女性の多様な生き方ーーアジア系アメリカ文学を例に[ウォント盛香織]
〈女性教育と社会科学〉
1 コロナ禍の授業を通して女性に関わる課題と未来を考えるーーSDGsの視点から[高橋真央]
2 女性と持続可能な自然資源の利用ーーフィリピンに暮らす女性と水産資源との関わりから考える[瀬木志央]
3 「賢く生きる」の心理学的考察[山田尚子]
4 自由な女性であるためにーー共通科目「女子学」のねらい[池田太臣]
5 環境に配慮した暮らし[中野加都子]
6 企業と女性問題、さぁ、どうする?--わが国の企業におけるジェンダーに関する課題とその対応について[森本真理]
〈女性教育と保健医療科学〉
1 性の多様性の観点から学生が考える女子大学のあり方[川村千恵子]
2 世界にひろがる母子健康手帳ーー女性と子どものいのちと健康をまもる[中村安秀]
3 女性教育と理学療法[川村博文]
4 産後女性の体のケア[山本綾子]
5 生物学的・栄養学的な性差を理解してジェンダー平等の女性教育を考える[天野信子]
シンポジウム報告 甲南女子大学のこれから
本気で女性を応援する女子大学に向けて[ウォント盛香織・野崎志帆・前川幸子・米田明美]
あとがき
ADHDの治療についてよく知りたい。本書では、ペアレント・トレーニング、学校教育における対応、地域ネットワークの活用、薬物療法、行動療法など、さまざまな領域における治療・援助法の現状を紹介する。落ちつきのない子どもを支えるためのヒントが満載。
外国語として日本語を学ぶ学習者の立場に立ち、客観的に日本語の特徴をとらえて解説。日本語学習者の気づきを重視したわかりやすい初級指導例を多数掲載し、現役日本語教師の方および日本語教師を目指す方に最適の書。
効率性と公平性はしばしば主役と敵役を入れ替わり、せめぎあう。幕によっては、いずれかが脇役に徹することもある。この二人の役者を経済学という脚本家がどのように立ち振る舞わせているか。
東京大学の1・2年生38人がゼミ形式の授業で自身の人生と教育の関わりを語り合った半年間の記録。
成熟経済下の不況から逃れられない日本経済は危機に直面している。それは有効な手を打てないでいる経済学の危機でもある。貧困と格差と孤立はどこまで進行するのか。有効な経済政策はあるのか。経済活動の目標を「GDP」から「健康寿命」へ変えることにより、人々は安心して長生きできる暮らしが手に入ると著者は訴える。そのために医療制度を中心に国の経済を築かなければならないという。市場ベースから医療ベースの資本主義への大転換。それをけん引するのはシン・経済学である。環境をも意味する「社会的共通資本」の整備を提唱した経済学者宇沢弘文氏の「最後の弟子」を自認する著者。シン・経済学が異端に終わらなければ日本経済は持続的発展の道を歩み始めるだろう。
◆特別企画〈宇沢弘文氏没後10年・森嶋通夫氏没後20年〉
(目次)
はじめに
第一章 限界を暴いた経済学者?
第二章 「失われた30年」の真相
第三章 長期不況と金持ち願望?
第四章 見えざる貧困の解決?
第五章 値段のないものの価値?
第六章 教育の自己言及性?
第七章 医療を基本とする資本主義
第八章 シン・経済学の待望
第九章 過去の最適化
あとがき
主な参考図書
アブラナ科植物は、アジアの米主食文化の中では重要な副食食材である。
ハクサイ・カブ、ダイコン、キャベツ・ブロッコリー、カラシナ、ワサビ等が該当し、これらは大変なじみ深い存在である。
また、日本では歴史的に見て、搾油用の作物として重視されていた時期があり、さらに近年の低炭素社会実現に向けて環境意識の高まりの中で再評価されつつある。
こうしたアブラナ科植物の品種や生殖上の特質、ならびに伝播・栽培や食文化、社会との接点等に関する諸問題について、農学系と人文学系の研究者がそれぞれの専門研究視点から意欲的に取り組んだ学融合的研究成果。
カラー図版
総論
アブラナ科植物の現在ー今、なぜアブラナ科植物なのかー 武田和哉・渡辺正夫
1 アブラナ科植物とはなにか
アブラナ科植物と人間文化ー日本社会を中心に 武田和哉
アブラナ科植物について 渡辺 正夫
植物の生殖の仕組みとアブラナ科植物の自家不和合性 渡辺正夫
コラム1 バイオインフォマティクスとはなにか 矢野健太郎
2 アジアにおけるアブラナ科作物と人間社会
アブラナ科栽培植物の伝播と呼称 等々力政彦
中国におけるアブラナ科植物の栽培とその歴史 江川式部
パーリ仏典にみられるカラシナの諸相 清水洋平
アブラナ科作物とイネとの出会い 佐藤雅志
コラム2 栽培と食文化がつなぐ東アジア 鳥山欽哉
コラム3 植えて・収穫して・食べるー中国史の中のアブラナ科植物ー 江川式部
3 日本におけるアブラナ科作物と人間社会
日本国内遺跡出土資料からみたアブラナ科植物栽培の痕跡 武田和哉
日本古代のアブラナ科植物 吉川真司
日本中世におけるアブラナ科作物と仏教文化 横内裕人
最新の育種学研究から見たアブラナ科植物の諸相ー江戸時代のアブラナ科野菜の品種改良ー 鳥山欽哉
コラム4 奈良・平安時代のワサビとカラシ 吉川真司
コラム5 ノザワナの誕生 等々力政彦
コラム6 近世から現代に至るまでの日本社会におけるナタネ作付と製油業の展開の諸相 武田和哉
4 アブラナ科作物と人間社会の現状と将来展望
学校教育現場での取り組みー今、なぜ、植物を用いたアウトリーチ活動が重要なのかー 渡辺正夫
植物文化学の先学者たちの足跡と今後の展望ー領域融合型研究の課題点と可能性ー 武田和哉
コラム7 アブラナ科植物遺伝資源に関わる海外学術調査研究ー名古屋議定書の発効で遺伝資源の海外学術調査研究は何が変わるかー 佐藤雅志
編集後記