巻頭特集
木口木版(こぐちもくはん)とは黄楊や椿など、目の詰まった堅い木を輪切りにした面を、「ビュラン」という彫刻刀で彫っていく木版画の一種です。
18世紀末のイギリスで発明され、当時は書籍の挿絵として用いられていました。
日本へは明治20年に伝わり、やはり書籍や新聞の挿絵のために使われます。
やがて印刷の技術が発展するにつれて木口木版は廃れていきますが、1960年代に日和崎尊夫(ひわさきたかお)という一人の版画家が、独学でこの技法をよみがえらせました。そして、日和崎も一員であった木口木版画のグループ「鑿の会」(のみのかい)の活躍に影響を受けて、木口木版は日本で流行します。
本特集では「鑿の会」以後、現在活躍する作家18名の紹介と、木口木版発祥の19世紀の作家・作品をそれぞれご紹介します。
緻密で美しい小品世界のもつ魅力を、隅から隅までご紹介する決定版です。
巻頭特集/木口木版 日本の現在と西洋の起源
現代木口木版の作家たち
宮崎敬介・二階武宏・林 千絵・齋藤僚太
柄澤 齊「年輪と星星 木口木版見聞記1974〜1979」
西洋木口木版の起源と発展
佐川美智子「西洋の木口木版ーその魅力」
今すぐ買える版画の逸品「版画マーケットプライス」
注目の作家/星野美智子
版画芸術オリジナル版画・アートコレクション制作/銅版画家・古本有理恵
期待の新人作家/村上 早
写真芸術の世界/杉本博司
話題の展覧会より/埼玉県立近代美術館開催 辰野登恵子展
福岡アジア美術館開催 闇に刻む光 アジアの木版画運動1930s-2010s
展覧会スポットライト「九州・沖縄版画プロジェクト2018」
「没後30年 城所 祥展」
「版画のコア core 2」
全国版画展スケジュール紹介(12月〜2019年2月)
公募展結果発表・公募展募集要項
版画インフォメーション
木版画技法実践講座/木口木版(講師 多摩美術大学版画科教授・古谷博子)
はじめてでも版画がわかる! 版画用語辞典ハンドブック
晩年を信州で過ごした天衣無縫の異才画家の生きた時代と人々-。その交流の軌跡が市民グループ(横井弘三オモチャン会)によって掘り起こされた。
大地の芸術祭、瀬戸内国際芸術祭をはじめ、日本では大小さまざまな地域芸術祭が開催され、多くの観光客がアート鑑賞を目的に全国各地を訪れている。地域活性化につながるとの肯定的な評価が与えられる一方、そのあり方への批判やリスクの指摘もなされてきた。
本書では地域芸術祭の歴史をたどるとともに、地域芸術祭をめぐるさまざまな議論を整理した上で、これからの地域芸術祭の課題と可能性を多角的な視点から考える。
【「はじめに」より】
本書は、地域芸術祭を批判的に考えるために執筆されました。よく誤解されますが、「批判的に」考えるとは単なる粗探しではありません。批判的に考えるためには、対象と適切な距離を保つことが必須です。それにより、良い部分と悪い部分が客観的に判断できるようになるからです。「良い部分」を「利点」や「可能性」、「悪い部分」を「欠点」や「限界」と置き換えてもいいでしょう。もちろん、私たちが完全な客観性を得ることは不可能です。どれほどそうあろうとしても、必ず主観が入ってしまうのが人間の思考だからです。そのことを踏まえたうえで、本書はできるかぎり客観的な立場から議論を進めます。
(中略)国内の地域芸術祭ブームが落ち着いた今、「地域芸術祭とは何か」という問いを「批判的に」考える時期が訪れました。本書は、その最初の試みです。
【目次】
はじめに 地域芸術祭を「批判的に」考える
第1章 芸術祭とは何か
第2章 地域芸術祭の歴史
第3章 地域芸術祭をめぐる議論
第4章 地域芸術祭の可能性
第5章 地域芸術祭の課題
おわりに
はじめに 地域芸術祭を「批判的に」考える
第1章 芸術祭とは何か
第2章 地域芸術祭の歴史
第3章 地域芸術祭をめぐる議論
第4章 地域芸術祭の可能性
第5章 地域芸術祭の課題
おわりに
「芸術と認知」の研究所ハーバード・プロジェクト・ゼロにおけるガードナーを中心とした理論と実践は、いま世界を席巻している。本書の詳細な研究に見る、すでに大きな刷新をもたらしている芸術教育に加え、そのMI(多重知能)理論、創造性理論は、わが国の幼児教育から高等教育に至るまで、それぞれの個性に最適な方向発見と、それに即応した教育方法の開発、レッジョ・エミリアとの共同研究はじめ、教育全分野の抜本的革新へ向け、絶大な可能性を秘めている。
国家や民族から脱する“越境”の夢は、グローバル化の中で悪夢へと変わるのか。演劇的なるものの可能性と限界を考察し、ナショナリズムの内なる特異点に迫る。
コロナ・パンデミック、大災害、悲惨な戦争、革命幻想などの「病気」になるとモノや世界の事象に変化をもたらす。「視差」により今まで見えていたのとは別の層が顔を出す。病気は単なる芸術表現の素材だけでなく、新たな美の発見があることを、夏目漱石、谷崎潤一郎、R・ブルックス、S・モリッシーの最新研究を通して芸術表現の新たな地平が開かれる。
1960年代、テレビジョンの想像力=「虚像」がアートを起動した。磯崎新は虚業をかたり、横尾忠則は虚像となり、高松次郎は影を演じた。今野勉はテレビの日常性を主張し、東野芳明はテレビ環境論を書いた。マスメディアの想像力を分母に、現代を逆照射する戦後日本芸術論。
主題の喪失、消費文化と電子工学的メディアの出現を前にした60年代的危機感から、あらためて芸術の言語性を問い直しつつ創造への原点を目指す。巨匠アングル、ユゴー、ゴッホ、ピカソあるいは同時代人デュビュッフェ等々を論じ,造形芸術と文学に共通する諸問題を原理的に追求したピコンの批評の世界。
日本の版画は明治期から戦後に至るまで、海外から高く評価されてきました。
近年も再び訪日外国人観光客の増加に伴い、版画への注目も集まっています。そこで本特集では、主に海外へ向けて版画の紹介を積極的に行っている日本のギャラリーや団体、版画を中心に取り扱う海外のギャラリーなどにアンケートを行い、回答を元に編集部が選定した注目作家を紹介します。
木版画特有の色面とグラデーションによる抽象作品を制作し、近年アメリカでの人気が高まっている一圓達夫。高い描写力が特徴のリトグラフで知られる園山晴巳は、特に中国の若い世代の間で作品が好評です。昭和の終わりから平成にかけて歌舞伎座に取材し、当時の名優たちの役者絵を手掛けた弦屋光溪は、写楽に連なる現代の浮世絵師として注目を集め、海外の美術館でも個展が開催されました。装幀家・イラストレーターとして培った経験を元に、日本の風景や名所旧跡を現代の感覚で表現する森村玲は、新作が発表されるたび、すぐに完売するほどの人気を誇ります。
その他にも、富士山や花などをモチーフに人気を集める木版画家の河内成幸、関野洋作、本荘正彦。日本の古建築を描く佐野隆夫と乗兼広人。ばれん職人としても活躍する後藤英彦。青柳有華、堂東由佳、花原淳子、武藤彩加ら、版画公募展で注目されて作品が好評な作家も紹介します。
世界に通用する日本の版画のポテンシャルを明らかにする特集です。
文化芸術における国家と表現の自、,倫理の問題を捉え直し、文化政策・芸術支援をデータから評価・分析し提示する。
これからの政策・支援を考える重要な論点について議論を展開。
地獄絵や浮世絵、仏教建築などの古典美術から、現代美術の池田満寿夫や日本画の加山又造、人形の四谷シモン、舞踏の土方巽、状況劇場の唐十郎など、日本の芸術について澁澤が書いたエッセイをすべて収録した集成。「おのれの城に閉じこもり、小さな壁の孔から、自分だけの光輝く現実を眺めている、徹底的に反時代的な画家」だけに興味を抱いた著者の世界観をたどる。
「美」や「芸術」を理解しようとする初学者のために、それを論ずる場での具体的な方法論や歴史的観点の事例を紹介しつつ、トータルな人間の生の営みのなかに「芸術」を把握するてがかりの一端を開示した一書。さまざまな芸術分野のなかでも主として絵画・彫刻・建築などの「美術」、すなわち物理的な素材を用いて空間のなかに形を造る「美術(造形芸術)」を取り上げ、時空の座標軸の中心にはイタリア・ルネサンスを据えた。内容的には、西洋世界における「美術」と「美術家」という概念の成立や変遷過程を、美術作品、美術文献、文学作品、社会制度、学問としての美術史の成立過程などとの関係のなかに立体的に検証することを意図している。
2019年8月1日から開催され同年10月14日に閉幕したあいちトリエンナーレ2019(以下「あいトリ2019」とする)。あいトリ2019は本来の「芸術」という側面(もっとも、政治的でない芸術があるのか、そもそも芸術とは何か、といった問題があることは承知しているが、ここでは一般通念に従う)ではなく、法的・政治的な観点から種々の波乱を巻き起こしたが、本稿ではあいトリ2019にまつわる法律問題のうち、2019年6月26日になされた文化庁による愛知県に対する補助金不交付決定について法的な観点からの検討を加え、今後の我が国におけるあるべき芸術表現に対する公的助成の仕組みづくりにむけての素材を提供することを目的とする。
芸術論の古典十五篇を収録。『教訓抄』『洛陽田楽記』『作庭記』『入木抄』『古来風躰抄』『無名草子』『老のくりごと』『君台観左右帳記』『珠光心の文』『専応口伝』『ひとりごと』『禅鳳雑談』ほか。