20世紀の大指揮者クレンペラーの最晩年の姿を通して人間における音楽のもつ意味を浮かびあがらせる好著である。
哲学者キェルケゴールのいう美的・倫理的・宗教的領域への深まりをクレンペラーの具体的な演奏を通して明らかにする著者渾身の作。
はじめに
序 章
第1節 本書執筆の背景と目的
第2節 オットー・クレンペラーと晩年
第3節 先行研究と本書の意義
第1章 オットー・クレンペラー 人と生涯
第1節 生涯略歴
第2節 人物像概要
第2章 晩年の創造とその分析
第1節 創造の構成 ─再現と表出の芸術─
第2節 1967~69年の創造内容
第3節 創造にみられる3つの特徴
第3章 マーラーへのオマージュと創造
第1節 マーラーへのオマージュ
第2節 マーラー交響曲第2番演奏の意義
第4章 民族性と宗教性の問題と創造
第1節 クレンペラーの民族性と宗教性の問題─内在する神をめぐって─
第2節 思想的傾向と創造
第5章 生と死の意識と創造
第1節 晩年の活動と遺された言葉
第2節 作曲活動にみる晩年の死生観─声楽曲創作の源泉となった詩からの考察─
第3節 マーラー第9交響曲とクレンペラー
第4節 晩年における生と死の意識と創造
終 章
参考文献・参考資料
あとがき
人名索引
金箔を切って貼る截金の技法を、名工・松久真やが現代に蘇らせた。截金の基本技法を救世観音で、瑠璃観音・雛人形で着彩した上に截金を施す応用技法を、さらに仏画で平面に施す技法を示す。伝統文様、創作文様の図案も多数収録。
ウィーンの音楽家グスタフ・マーラーの妻アルマ、オーストリア=ハンガリー帝国の伯爵クーデンホーフと国際結婚した青山みつ(ミツコ)、さらにウィーンを放浪していた若きヒトラーの青春は、極めて対照的であった。ウィーン・モダニズム成立の起爆剤となったアルマ、「婦徳の鑑」ともいえる古い日本的な生き方をしたミツコ、モダニズム芸術への怨念を抱いていたヒトラーという三者が展開した人間模様を活写する。
ゴッホ、モネ、ラファエロ、レンブラント…人生と、名作の読み解き方は、すべて「家」にあった。生涯と絵画の見かたがすぐわかる。
作家、画家、音楽家、哲学者たちはなぜ破綻において自由となったのか。ランボー、アルトーらのはるかなる嫡子であり詩人思想家にして炸裂的な文学者がその営為のすべてを結晶させた思考のアラベスク。
1日目、イヴ・サンローランに蟻を描いた。
COVID-19の流行により渡仏が延期になり、
緊急事態宣言が発令された4月7日から、
家に閉じこもって毎日1作品を制作し続けた。
FENDIとのコラボなど世界で活躍する
アーティスト・小川貴一郎が、
45日間にわたって向き合い続けた芸術の記録。
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芸術家とは、
自分自身の中から生み出されたものでしか、
自分を守ることはできない。
ーー小川貴一郎
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*この本は英語と日本語の両方で書かれています。
This book is written in both English and Japanese.
芸術生成の新たなトポスミュージアムを全開する。「作品」は観客の眼を通じて初めて「芸術」として開花する。作品と観客出会いの場・ミュージアム等に見る、芸術と社会の新たな関係性。日本学術振興会人社プロジェクトの成果。
地獄絵や浮世絵、仏教建築などの古典美術から、現代美術の池田満寿夫や日本画の加山又造、人形の四谷シモン、舞踏の土方巽、状況劇場の唐十郎など、日本の芸術について澁澤が書いたエッセイをすべて収録した集成。「おのれの城に閉じこもり、小さな壁の孔から、自分だけの光輝く現実を眺めている、徹底的に反時代的な画家」だけに興味を抱いた著者の世界観をたどる。
メディウムは再発明/救済されるーー
ポストメディウム的条件とは何か? メディウムとは何か? ポストメディウム時代の芸術とは何か? マルセル・ブロータースの作品の精緻な分析とベンヤミンの考古学的方法を深く交差させながら、現代における芸術そして「メディウム」の可能性を探究する。必読の理論書、待望の邦訳。解説=林道郎
芸術家の年賀に込めた美の世界。個性あふれる芸術家73名の年賀状、277通を一挙公開。
愛好家(ディレッタント)こそ理想の芸術家ーー
日々の糧のためでなく、純粋に芸術を愛し実践した彼らは近代的な理想的芸術家像の原形となった。包括的研究がされてこなかったディレッタントたちの芸術活動に美術史、音楽学、文学、美術教育学など多様な視点から迫る。
序章 ディレッタント研究のために
ディレッタント研究序説ーーその歴史と展開の見取り図 8
佐藤 直樹
1章ディレッタント前史ーー工房、宮廷、サロン
ルネサンス期における最初のディレッタント肖像画、あるいは素描を教えるベルナルディーノ・リチーノ 36
ウルリヒ・フィステラー 岩谷 秋美 訳
王族たちの美術活動ーーザクセン宮廷の素描と旋盤細工 60
佐藤 直樹
一八世紀フランスのディレッタンティズムーー美術愛好家による作品制作をめぐって 83
船岡 美穂子
2章 ディレッタンティズムの転換点
ヴァイマル古典主義の文脈におけるディレッタンティズムの様相 112
ヤナ・ピーパー、トルステン・ファルク 橘 由布季 訳
ヴァイマル公妃アンナ・アマリア作曲《エルヴィンとエルミーレ》を巡って 128
大角 欣矢
愛好家のための方法ーー一七六〇〜七〇年代におけるアルファベット式芸術事典 170
山口 遥子
ゲーテのディレッタンティズムーー「収集家とその友人たち」と「ディレッタンティズムについて」 190
眞岩 啓子
一八〇〇年頃の侯爵夫人と女性市民階級ーーディレッタンティズムにおける共通点はあるのか? 218
コルドゥラ・ビショッフ 杉山 あかね 訳
3章 「天才=ディレッタント」
作曲家メンデルスゾーンの素描と水彩画ーースイス旅行を例にして 244
星野 宏美
ディレッタントの芸術としての「ランドスケープ・ガーデニング」--ピュックラー=ムスカウと『親和力』の世界 277
尾関 幸
カール・グスタフ・カールスのディレッタンティズムと近代社会 303
仲間 裕子
終章 「新しい芸術家=ディレッタント」の未来
教育学から見たディレッタンティズムの可能性 338
小松 佳代子
あとがき 363
人名索引 1
資料:フリードリヒ・フォン・シラー「ディレッタンティズムに関する見取り図」 6
引用図版出典一覧 8
Die ersten Dilettanten-Porträts der Renaissance, oder: Bernardino Licinio unterrichtet im Zeichnen 12
Ulrich Pfisterer
Erscheinungsformen des Dilettantismus im Kontext der Weimarer Klassik 24
Jana Piper | Thorsten Valk
Vereint im Dilettantismus? Fürstinnen und Bürgerinnen um 1800 33
Cordula Bischoff
「モノからコトへ」時代の、その先へ
長編書き下ろしと7編の論考で探る、「作品」と「制作」の新たなる可能性
現代美術のあり方が、芸術とは何かを問う内的な行為からその外にある現実社会への働きかけへと変化してきているいま、「作品」はどこへ向かうべきなのかーー。芸術とは何か、作品とは何かを根本から問い続け、美術作家としてその時々の自身の答えを作品にあらわしてきた池田剛介による、待望の処女論集!
「ユリイカ」「現代思想」「早稲田文学」「POSSE」等に寄稿した2011年から2017年までの思考の軌跡と、それを束ねる長編書き下ろしで構成。カバー、表紙、扉には本書のために著者本人が制作した新作を実験的方法で印刷し、書物というモノの可能性を追求する。
自身も不確かな世界に身を置き、活動の継続方法を模索し続けてきたアーティストがたどり着いた、「制作」のあり方とは。モノを作ることを志す全ての人必読の、いまを生き抜くためのヒントに満ちた一冊。
chapter 1. 失われたモノを求めて
chapter 2. 干渉性の美学へむけて
祝祭・現実・遊び
虚構としてのフォームへ
セザンヌの中間地帯
保存と解凍
クマと人とが出会う場で
カタストロフの傍らに
本書においてシーガルは,夢と芸術という魅力的な素材を通じて,最近その重要性が認識されるようになった「クラインの象徴化理論」を生き生きと記述し発展させている。
その論理構成はすこぶる明快である。シーガルはまず読者をフロイトの夢理論へと導入し,彼女自身の臨床例を提供する。その上で精神的,感情的活動の基本をなす無意識の幻想について子細に語り,象徴作用の考察を経て,夢と自我の病理的記述(5章),芸術をめぐる考察(6,7章),白昼夢,想像力,遊びをめぐる考察(8章)へと展開してゆく。その興味の幅広さと分析家としての並々ならぬ力量は,随所に見られる、臨床的卓見に反映されているが,その基盤には,彼女が自ら開拓し応用した,厳密な理論的枠組みが置かれている。
クライン学派(英国学派)の代表的な精神分析家,ハンナ・シーガルの最新の論考。
序文(ベティ・ジョセフ)
■第1章 王道
■第2章 幻想
■第3章 象徴作用
■第4章 心的空間と象徴作用の諸元素
■第5章 夢と自我
■第6章 フロイトと芸術
■第7章 芸術と抑欝態勢
■第8章 想像力,遊び,芸術
高山辰雄と深い親交で結ばれた美術商・丸栄堂ならびに角川武蔵野ミュージアムの特別協力により、その秀逸なコレクションを通して高山芸術の軌跡を辿ることで、画家の内奥で醸成された深淵で雅趣に富んだ世界観とその魅力に迫ります。
カップなんて、だれでももっているような、ごくありふれたもの。
偉大な芸術家たちも、ごくありふれたものをえがきました。
この本では、ピカソやゴッホ、草間彌生など、9 名の芸術家たちの作品をもとに、
さまざまなしかけを施されたカップが登場します。
何かを、新しいやり方、思いがけないやり方で表現する。
それがアートのおもしろさです。
自分ならどうえがくか、偉大な芸術家になったつもりでページをめくってみませんか?