原著者ナウムブルグ女史は、それまでの精神分裂病の表現病理に焦点づけられた理論や創造性を軽視した作業療法的な方法ではなく、精神分析的理解に基づく今日的芸術療法の創始者として、あるいは「なぐりがき法(scribble technique)」の提唱者としてしられる。本書には芸術療法の啓発的な総論に続いて、「なぐりがき法」をも含め、長期にわたって芸術療法によって治療された3例の詳細な事例報告が、多数のカラーを含む描画とともに提示されている。
大酒を飲んでは、個性を爆発させた米山!その書は、飲むほどに、酔うほどに、魅力を増した。
ミューズ=画家と恋愛関係にあった美女、ではない。ポーズをとるだけの従属的な存在でもない。作品の製作にたずさわり、作家の方向性を決定づけ、美術史に残る名作を生み出す力となったミューズの真相と功績を解き明かす。
あなたは剣道の大黒柱をどこに置いてやっていますか。芸術か、競技性か。その価値観の違いで不老の剣になるかどうかが決まる。
著者は「剣道は芸術」と断言し、「芸術性がある」と表現しない。剣道は芸術の分野にあって、競技性も備えているという考え方だが、ここのところが最も誤解を生みやすいところであり、おのずと剣道の質も違ってくる。一般人が剣道を芸術として捉えてくれるようになれば、剣道の評価が高まる。一般人にもぜひ読んでもらいたい。
はじめに
第一章 五島の剣
第二章 剣道家の迷走
第三章 相和する
第四章 戦いの手順
第五章 優雅
第六章 稽古の本源を探る
第七章 原点からの出発
第八章 危機一髪の臨機応変
第九章 有効打突の研究
第十章 大道透長安(私の眼に映じた第38回京都大会)
第十一章 点を線で突く ”突き技” の極意
第十二章 氣を錬る
第十三章 感性を育てる
第十四章 目の付けどころ
第十五章 三殺法
第十六章 全日本剣道選手権大会再検証
第十七章 上段
第十八章 母について
第十九章 剣道は芸術である
生きることそのものであるような芸術的活動、すなわち〈生(せい)の芸術〉は、出会う者の生をいかに変容させ、制度化された既存の芸術界に何を問いかけるだろうか。
重度の自閉スペクトラム症者たちの表現活動、ハンセン病国立療養所の絵画クラブ、インドネシアのアート・コレクティヴが芸術監督を務めたドイツの国際芸術祭、ナイジェリアの現代アーティストによる工房での共同制作……。多様な現場で織りなされてきた、他者とともに生き、つくる営み。「生(き)の芸術」と呼ばれてきたアール・ブリュット、近現代の美術史も参照しながら、自明化された芸術と社会の枠組を揺り動かす論考集。
【執筆者紹介】
青木惠理子 担当:まえがき・序論・第三章・第2部コラム・あとがき
文化人類学研究に従事。日本への移民の子どもたち、日本の旧産炭地社会、在日インドネシア人介護福祉士・看護師、アートの文化人類学的フィールドワークに基づく研究に従事している。
高岡智子 担当:第一章
ドイツ語圏のユダヤ人作曲家研究をきっかけに、現在は東ドイツのポピュラー文化研究に取り組む。専門は音楽社会学。龍谷大学社会学部准教授。
羽鳥悠樹 担当:第二章
九州産業大学芸術学部非常勤講師。専門はインドネシア近現代美術史。
川口幸也 担当:第1部コラム
専門はアフリカ同時代美術、展示表象論。世田谷美術館学芸員、国立民族学博物館・総合研究大学院大学准教授を経て2020年まで立教大学教授を務める。
山田 創 担当:第四章
ボーダレス・アートミュージアムNO-MA学芸員、滋賀県立美術館学芸員。
松本 拓 担当:第五章
専門は社会学。龍谷大学非常勤講師、ユヌスソーシャルビジネスリサーチセンター研究員。
藏座江美 担当:第六章
学芸員、司書。熊本市現代美術館の立ち上げに従事。
藤澤三佳 担当:第七章
京都芸術大学名誉教授。社会人間学のなかの自己アイデンティティ論、自己意識論が専門。
服部 正 担当:第八章
美術史・芸術学。兵庫県立美術館学芸員、2013年より甲南大学。
村澤真保呂 担当:第九章
専門は精神分析、社会学、社会思想史。龍谷大学教員。
胡桃澤伸 担当:第3部コラム
劇作家、精神科医。精神科医として兵庫、大阪、東京、千葉で勤務。専門は統合失調症、外傷性精神障害。
地獄絵や浮世絵、仏教建築などの古典美術から、現代美術の池田満寿夫や日本画の加山又造、人形の四谷シモン、舞踏の土方巽、状況劇場の唐十郎など、日本の芸術について澁澤が書いたエッセイをすべて収録した集成。「おのれの城に閉じこもり、小さな壁の孔から、自分だけの光輝く現実を眺めている、徹底的に反時代的な画家」だけに興味を抱いた著者の世界観をたどる。
ルネサンス美術史上、万能の天才という赫々たる評価をほしいままにしたアルベルティ芸術の『彫刻論』『都市ローマ記』『画家における点と線』『絵画の初程』等の貴重文献の翻訳・研究解題。参考文献として『建築の五つのオーダー』を付して完璧を期した。
日本文化の影響を受けて描き始めたとされる、画に言葉をのせて1コマで見せる「子凱漫画」は、今なお中国で広く親しまれている。庶民の日常生活で育まれる、人の心にある多種多様な「趣」を描き続け、翻訳家としても功績を残した彼の軌跡を、絵画と文章(日本語・中国語対訳)を織り交ぜて紹介。
スクウォット、それは空き家や土地を占拠するという行為を通じて、人間が必要とするあらゆる空間を再分配する運動だ。世界各地のスクウォットの歴史に触れ、韓国におけるスクウォット運動の地平を開いてきたアーティスト・金江による体系的なスクウォット研究書。
日本を代表する現代美術家・会田誠による「犬」は、二〇一二年森美術館展覧会での撤去抗議をはじめ、数々の批判に晒されてきた。裸の少女の“残虐〞ともいえる絵を、会田はなぜ描いたのかーー? 作者が自作を解説することの禁を破り、動機、意図を初めて綴る。歴史を背負い、不完全な人間を表現することのジレンマ。ほぼ「遺書」ともいえる告白。
芸術家の人生を読んで知る。より多くの人がアートに親しみ、楽しむきっかけを作る1冊です。
約30年間をアメリカで過ごし、ニューヨークを拠点にアートや写真のキュレーション、そして写真集の編集を数多く手がけてきた河内タカ氏が、世界の建築家・デザイナー総勢31名をピックアップし、それぞれのアーティストについて作家同士のつながりやネットワークとストーリーを交えて語ります。そして、イラストレーターのサンダースタジオによる独自の視点で切り取った各アーティスト、いわゆる一般的なポートレートではなくそのアーティストにまつわる要素がしっかりと表現されたイラストでご紹介。河内氏の軽妙な語り口と、サンダースタジオによるユーモア溢れるポートレートのコラボレーションです。
敷居の高い“アート”ですが手に取りやすい内容、デザインになっているため、より多くの人がアートに親しみ、楽しむきっかけを作りたいと考えております。第2弾目は、ミッドセンチュリーで活躍していたアーティストたちのお話しです。
1929年、『ローマ帽子の謎』でデビュー、「読者への挑戦」を掲げた本格ミステリ〈国名シリーズ〉で人気を博したエラリー・クイーンは、フレデリック・ダネイとマンフレッド・リーという従兄弟同士の合作作家だった。二人はバーナビー・ロスの別名義で『Xの悲劇』以下の四部作を発表、さらにミステリ専門誌《EQMM》を創刊、ラジオ・TVにも進出し、40年以上にわたって数々の名作を送り出し、「アメリカの探偵小説そのもの」と評された。
本書はクイーン研究の第一人者が資料や関係者証言を収集し、偉大なミステリ作家のデビューから晩年までの軌跡をたどったエラリー・クイーン伝の決定版である。前著『エラリイ・クイーンの世界』を大幅改訂増補、激しい応酬が展開された合作の内幕をはじめ、代作者問題、60年代に量産されたペイパーバック・オリジナル等、初めて明らかとなる新情報を盛り込んだファン必読の評伝。詳細な書誌・邦訳リストなど付録も充実。図版多数。
序
第1章 ブルックリン従兄弟の謎
第2章 エラリー一号登場
第3章 豊穣の年
第4章 長篇、短篇、そして雑誌
第5章 エラリー一号退場
第6章 新生EQ
第7章 どのようにして彼らはやってのけたのか?
第8章 エラリー電波を支配する
第9章 ソフトカバーとセルロイド
第10章 実り豊かな収穫の年
第11章 電波に還る
第12章 スミスという男
第13章 タイプライターの上の新しい血
第14章 最後の三十分
第15章 神は死に、猫が来るとき
第16章 カレンダーとキングたち
第17章 黄金と緋色とガラス
第18章 第三期の黄昏
第19章 アト・ランダム
第20章 幽霊(ゴースト)が忍び込む
第21章 幽霊(ゴースト)が増えていく
第22章 従兄弟たちに別れが訪れる
第23章 エラリーの時代の終わり
付録1 《EQMM》--ダネイの歳月
付録2 フレッド・ダネイと働いて遊んで
エラリー・クイーン書誌