戦争を時代背景に青春期から女の自立を目指し、結婚、出産を経た主人公・宗像滋子の人生は子宮癌の発症とともに新たな局面を迎え、死への漠然たる恐怖が幼年期に抱えていた性欲と対をなすものと知るのであった。そして娘との確執が彼女をさらなる混乱へー。円地文学の最高峰ともいえる『朱を奪うもの』『傷ある翼』に続く三部作の最後を飾る谷崎賞受賞作。
どうすればいい。あなたをこんなに愛してしまった。女優・高木志摩子(48)と、作家・奥平正臣(43)がおちた恋。それはとどまることのない恋だった。「恋」「欲望」と並ぶ、代表作誕生。駆け抜ける1052枚。「抗う恋」の先に射す光。
『黒衣の虹』は、私の第七課集になります。『野菜涅槃図』作成の頃から平成9年までの作品を収めました。今の時代、言葉が浮遊し、全て駆け足に流れさってゆきそうな状況に、かすかながらも抵抗したいと表現を続けてきました。〜著者あとがきより
本書は、『牧神の野辺』に続く著者6番目の歌集。平成7年より9年までの作品より選び、一部10年の作品も入っている。
妻なりし過去もつ肢体に新しき浴衣を存分に絡ませて歩む ロシアまだソ連邦なる地球儀にあかねさす昼虻がきてゐる 「火中蓮」等の既刊8歌集より選出。火にエネルギーを得、虹の弧にあらたな夢を求めての作歌の軌跡の歌集。
人びとは虹に何を見てきたか、その謎にいかに挑んできたかー古今東西の科学、思想、美術、文学…虹をめぐる知と表現の系譜を通覧する一大スペクタクル!オールカラー/図版約500点。
「わたしは女でダブルイクスに乗れる。あなたにはそれが出来ない。」海上都市ユーテラスは人類とは異なる勢力、荒鬼と海竜による侵攻の危機に瀕していた。人類側も対抗手段として人型機動兵器「ダブルイクス」を制作していたが、操縦者は女性に限られ、しかもある条件をクリアする必要があった。開発者の息子であるティルは条件を満たすことが出来ず苦悩していたが、あるとき不思議な少女ビディに出会うことで、戦いに関わっていく。B・W・Hの3タイプのダブルイクスが揃うとき、種族を超えた因縁が明かされる。特大のインパクトで送るメカバトル開始!OVERLAPキックオフ賞特別賞。