生後間もなくして、脳性小児まひの後遺症による四肢体幹機能障害(アトテーゼ型)と診断された著者による半生記。重い障害と闘いながら結婚、出産も経験、現在もNPO法人の理事長という立場にある。このポジティブに自分の道を切り開き、ひたすら突進する姿がすばらしい。著者が書いたCGによるカバーイラストのすばらしさも見どころ。
植民地時代の台湾に生まれた胡太明は、中国文化をルーツに持ちながら、近代的な教育を受けて成長するが、故郷では日本人と同等に扱われず、新天地を求めて渡った日本や中国でも、決して同胞とは見なされない。植民統治下の台湾人が生きた矛盾と苦悩を克明に描き、戦後に日本語で発表された、台湾文学の古典的名作。[解説=山口守]
第一篇
苦棟(せんだん)の花の咲く頃
雲梯書院
古きもの新しきもの
濁流の中へ
久子
思慕たちがたく
故郷の山河
嵐の季節
彭秀才を葬う
愛と告白
青春の慟哭(どうこく )
波濤を越え
第二篇
日本留学
異郷の花
ふたたび故国へ
救いなき人びと
阿玉の悲しみ
昏迷と彷徨(ほうこう)
新生活
流離転々
大陸の呼び声
第三篇
紫金山の見える家
淑春
その後に来るもの
愛情は回帰する
相剋
一夜
風暴の前
囚われの部屋
脱出
さらば大陸
第四篇
暗い故郷
戦いの陰に
強いられた征途
この悲惨
回復期
母の死
虐げられる青春
再会
第五篇
日米開戦
新たな職場
愚かしき銃後
范の操志
虎狼の府
皇民派の悲哀
ある決意
犠牲
狂乱
再刊に際して
解説 近代台湾人の精神史を巡る旅……………山口守
魔女の呪いで老婆にされた少女ソフィーは、魔法使いのハウルたちと、動く城で共同生活を送ることになる。やがて隣国との戦争が始まり、ハウルのかつての師匠であったサリマンがハウルに国への協力を求めてくるが…。ダイアナ・ウィン・ジョーンズの小説を原作にした、恋と魔法の物語。アニメの全シーン・全セリフを収録。
人から見たら悲劇かもしれない人生。
しかし、正々堂々、力いっぱい生きた私はいま、満足だ
ーーこんな佐藤愛子は、どうしてできた?
ワガママ盛りの6歳で聞いた乳母の言葉は、思えば初めての人生の教訓だった。以来、父・佐藤紅緑、母、先輩や友の影響を受けて出来上がったのは、「他人から理解されないばかりでなく、自分でも何かわけのわからない、ヘンな佐藤愛子」。
そして二度の結婚に失敗、夫の借金に巻き込まれ、それでも人は幸福に生きられる!
93歳、初の語り下ろし人生論。
佐藤愛子を作った言葉
「なんぼお嬢ちゃんやかて、大きゅうなったらどうしてもせんならんということが、世の中にはおますのやで」(乳母)
「豆腐屋のオッサンかて校長先生かて、おんなじ人間ですがな」(母)
「カネカネという奴にろくな奴はいない」(父・佐藤紅緑)
「女に小説は書けないよ。女はいつも自分を正しいと思っている」(師・吉田一穂)
「君はね、平林たい子さんのような作家になりなさい」(師・北原武夫)
「苦しいことが来た時にそこから逃げようと思うと、もっと苦しくなる」(師・臼井栄子)
「君は男運が悪いんやない。男の運を悪くするんや」(友・遠藤周作)
有機体論が国王二体論へと移行するためには、時間観念の導入が要請される。王が団体の頭であるにせよ、団体そのものであることは含意しないし、また団体の永遠性を保証はしないからである。団体観念を時間的に構成することで初めて、連綿たる王朝が恒久的な団体として、王がその体現者、不死鳥にも似た単独法人として捉えられ、ここに、個々の王の自然的身体からは独立した、非人格的な政治的身体が秩序の基盤となる近代国家が生まれる。王権の擬制的性格を克明に跡づける著者の筆は、ダンテ『神曲』の分析に至って、処女作に見える理想的支配者への憧憬を漂わせながら、円環を閉じる。全二巻。
西谷流手相術の“永久保存版”ができました!
*特徴1*
間違えやすい「流年」の取り方を、一番ていねいに解説!
これまで多くの手相家が考えてきた流年と比べ、
「西谷式流年法」はグッと正確さが増しています。
各線の流年を正確に取れれば、鑑定の精度はアップ。
未来を予期することができます。
*特徴2*
過去に鑑定した手相から実例として100人分をご紹介!
基本だけを押さえても「なかなか応用できない」という声が多くあります。
必要なのは、できるだけたくさんの手相をみて、
複合的な視点を身につけること。
そこで本書では、100人分の手相を鑑定する気持ちで学べる章を作りました。
初心者から上級者まで、この1冊で手のひらの声が聞ける!
はじめに
本書の使い方
序章/なぜ、手相に過去・現在・未来が表れるのか?
第1章/手相の基本をおさえよう
COLUMN:1 指先はきれいに、清潔に
第2章/基本の4線+重要線とマークを読み解こう
COLUMN:2 悪い線が出ているときは?
第3章/決定版! 流年の取り方
COLUMN:3 線と本人にギャップがある?!
第4章/100人手相 実例鑑定!
COLUMN:4 手相のラッキーサインとは?
第5章/手相鑑定のつまずきを解消
巻末付録 自分の性格と人生をみてみよう
「あの山に関わった者は皆いなくなる」。
不穏な噂が広がる霊山・白尾山。
その内部に広がる、「人喰い洞窟」の探検に訪れた同級生6人組だが、
謎の崩落により、洞窟内へと閉じ込められてしまう。
正気を奪うような暗黒の中、一行に襲いかかる、人間のような化物。
絶望と隣り合わせの行軍は、
光差す出口へ辿り着く事ができるのか?
そして、洞窟の外、穏やかに見える町の中にも、
狂気と悪意が渦巻いていて…?
戦慄のケイブマン・ホラー、謎が加速する第3巻!!
佐々木ムギ33歳、しっぽ有。
休日は高校からの付き合いである後輩兼親友のれんげと喫茶店を巡り、平日は山吹さん(前向きな朗らかさん)、小石さん(「普通」を愛する世話焼き)、土屋さん(何かありそう)という愛すべき3人の先輩おばあちゃんズと、図書館の修復室で働きながら比較的穏やかに暮らしている、はずだった。
電車の中でしっぽをディスられたり漠然と異物扱いされたりするうち、自虐癖が身についてしまったムギ。しっぽを取るか否か悶々としながら過ごす中、悪意なき小石さんとの衝突をきっかけにムギの中に変化が起こり……
「いくつになっても、文字通り生まれ変われる気がしてきた(30代女性)」「娘と一緒に読んでます(40代男性)」等々、文春オンラインのコミックサイトBUNCOMI上で反響を呼んだ「脱・自虐」コミック連載が、ついに一冊に!
「他人や自分と向き合うというのは勇気がいることだけど、案外悪くない。そう気付かせてくれる、じんわり温かな優しいお話でした。」--帯コメントは、朗らかさとデリケートさが同居する演技が心をとらえて離さない俳優・伊藤沙莉さん。
「なんとなく気分が上がらないな〜」という日にこそ、ぜひページをめくってみてください。カバーを外すとあらわれる地図はじめ、紙の本ならではの造本の楽しさも、ぜひ味わっていただけると幸いです。
第1話 ムギ、出勤中
第2話 しっぽ、切る?
第3話 ムギとれんげ
第4話 ポポイのポイ
第5話 ふつう、ねぇ
第6話 風になりたい山吹さん
第7話 ポポイのポイ2
第8話 小石さんの「ふつう」の幸せ
第9話 どうしちゃったの
第10話 お茶でも飲んで
第11話 ムギ、ついに泣く
第12話 ほかほか
第13話 朝日、ふたりじめ
第14話 土屋さんのラブ
第15話 ある一日
第16話 続 小石さんの「ふつう」の幸せ
第17話 おはよう
倫理もなく、理屈もない。奇妙な出来事が、ただそこにあるーー。
初々しい新婚夫婦。しかしふたりは、たがいに秘密を抱えていた。そして男はなぜ新婚旅行先に忌まわしい思い出が残る旅館を選んだのか。旧い結婚観が招いた悲哀劇(表題作)。
新発見の感染症の手がかりを追う保健所の職員は歪んだ虹色の世界を覗き見る(「蟻の塔」)。
アメリカで妊娠した修道女は、日本で病床にある教主とのあいだにできた御子だと主張するが……。果たして、彼女が語るのは奇蹟か幻想か(「聖女」)。
女の生涯には、常に蟻が這い回っていた(「蟻の声」)。
光に眩み、闇に溺れる。罪を犯して贖いて、果てに待つのはおぞましくも美しき混沌の世界。地獄極楽板一枚。ただひたすらに、酔え、惑え。
文庫初収録三篇を含む、江戸川乱歩賞作家円熟期の短篇集。
憂き世で至福のひとときを! 痛快無比。そしてなによりハートウォーミング。読む楽しさを満喫できる作品集です。つぎつぎに出来する難事件、怪事件、なんとか助力したい男女・・・・。馬之介は飄々、かつ怜悧に事態に対処していきます。安定の筆力。確たる時代考証に裏打ちされた頑丈な物語の構造。次作を期待してしまう出来栄えです。
届かぬ想い
梅雨が明ける
流れる
あとがき
本書は日本人のシベリア抑留という歴史的事象を音楽・芸術の地平から見渡すものである。生と死のはざまにあって人間の芸術、また人間の創造性という根源的テーマによって生き延びたという証言が数多く見つかるのである。
序論◉沈黙の時代から想起の時代へ
[第I部]満州・シベリア・日本を繋ぐ音の記憶と文化表象
第1章◉シベリア抑留前史
第2章◉シベリア抑留下の日本人の文化創造活動
第3章◉シベリア抑留における民衆の音楽
第4章◉創作物に眠る記憶ー二種類の『ソヴェート歌曲集(附)日本闘争歌集』
第5章◉楽器バソンをめぐる一二〇年の記憶
[第2部]シベリア抑留を想起する
第6章◉野町右京『北方物語』に見るナラティヴ
第7章◉史料と想起ー「新声楽劇団」をめぐる日露の三つの史料研究
第8章◉四國五郎の死生観ー創作に見るシベリア抑留の想起と表現
第9章◉さまざまな「シベリアの想起」の言説
第10章◉記憶の継承へーアートの社会実装の試み
ポイントを図と写真で示す創意と工夫の先進事例。様々な課題をどう克服し整備を進めたか、基本構想から工事に至るまでを網羅。