生後間もなくして、脳性小児まひの後遺症による四肢体幹機能障害(アトテーゼ型)と診断された著者による半生記。重い障害と闘いながら結婚、出産も経験、現在もNPO法人の理事長という立場にある。このポジティブに自分の道を切り開き、ひたすら突進する姿がすばらしい。著者が書いたCGによるカバーイラストのすばらしさも見どころ。
◇◆初回限定特典◆◇
オリジナルブックカバー(文庫本サイズ)&しおり付
※初回版のみ封入となります。数量に限りがございますので、無くなり次第終了とさせていただきます。
◇◆ブックレット(全112頁)◆◇
・日本語吹替版でハドスン夫人役を担当した声優・竹口安芸子さんインタビュー
・日本シャーロック・ホームズ・クラブ東山あかねさん寄稿
・全41話解説
・ピンアップ&名言集
・人物相関図とキャラクター紹介
・キャスト&スタッフ紹介
・その他
植民地時代の台湾に生まれた胡太明は、中国文化をルーツに持ちながら、近代的な教育を受けて成長するが、故郷では日本人と同等に扱われず、新天地を求めて渡った日本や中国でも、決して同胞とは見なされない。植民統治下の台湾人が生きた矛盾と苦悩を克明に描き、戦後に日本語で発表された、台湾文学の古典的名作。[解説=山口守]
第一篇
苦棟(せんだん)の花の咲く頃
雲梯書院
古きもの新しきもの
濁流の中へ
久子
思慕たちがたく
故郷の山河
嵐の季節
彭秀才を葬う
愛と告白
青春の慟哭(どうこく )
波濤を越え
第二篇
日本留学
異郷の花
ふたたび故国へ
救いなき人びと
阿玉の悲しみ
昏迷と彷徨(ほうこう)
新生活
流離転々
大陸の呼び声
第三篇
紫金山の見える家
淑春
その後に来るもの
愛情は回帰する
相剋
一夜
風暴の前
囚われの部屋
脱出
さらば大陸
第四篇
暗い故郷
戦いの陰に
強いられた征途
この悲惨
回復期
母の死
虐げられる青春
再会
第五篇
日米開戦
新たな職場
愚かしき銃後
范の操志
虎狼の府
皇民派の悲哀
ある決意
犠牲
狂乱
再刊に際して
解説 近代台湾人の精神史を巡る旅……………山口守
人から見たら悲劇かもしれない人生。
しかし、正々堂々、力いっぱい生きた私はいま、満足だ
ーーこんな佐藤愛子は、どうしてできた?
ワガママ盛りの6歳で聞いた乳母の言葉は、思えば初めての人生の教訓だった。以来、父・佐藤紅緑、母、先輩や友の影響を受けて出来上がったのは、「他人から理解されないばかりでなく、自分でも何かわけのわからない、ヘンな佐藤愛子」。
そして二度の結婚に失敗、夫の借金に巻き込まれ、それでも人は幸福に生きられる!
93歳、初の語り下ろし人生論。
佐藤愛子を作った言葉
「なんぼお嬢ちゃんやかて、大きゅうなったらどうしてもせんならんということが、世の中にはおますのやで」(乳母)
「豆腐屋のオッサンかて校長先生かて、おんなじ人間ですがな」(母)
「カネカネという奴にろくな奴はいない」(父・佐藤紅緑)
「女に小説は書けないよ。女はいつも自分を正しいと思っている」(師・吉田一穂)
「君はね、平林たい子さんのような作家になりなさい」(師・北原武夫)
「苦しいことが来た時にそこから逃げようと思うと、もっと苦しくなる」(師・臼井栄子)
「君は男運が悪いんやない。男の運を悪くするんや」(友・遠藤周作)
全国各地の伝統的工芸品を大きな写真で掲載。産地や歴史、特長、技術とともに、工芸品を未来につなぐための取り組みを紹介します。自分が住んでいる地域の工芸品が見つかる全国地図や工芸品の調べ方・まとめ方付き。
みそ汁に注目が集まっている中、「やせる」というテーマと組み合わせて、糖質を極力カットしつつ、1食でボリューム満点なやせるみそ汁を紹介する1冊。
part1 魔法のみそ汁の秘密
【コラム】糖質オフでガンを予防する
Part2 食べるだけでやせるメカニズム
【コラム】糖質過剰と認知症のリスク
Part3 魔法のみそ汁の作り方&最強の食べ方
Part4 この悩みに効く!効能別みそ汁レシピ30
【コラム】みそ汁に使うみその種類
part5 あわせて食べたい究極のサラダ
女性が戦争に巻き込まれるということは、こういうことだ。
長い沈黙を破り、女たちは語り始めた──。
NHK BSスペシャルの話題作がついに文庫化。
数々の新聞や雑誌の書評で取り上げられた、「戦争と女性」に迫る傑作ノンフィクション。
終戦直後、満洲や樺太などにいた60万人近くの日本人がソ連によって連行された「シベリア抑留」。
その中に女性捕虜が存在したことは、長く歴史の陰に埋もれていた。
関東軍の陸軍病院で勤務していた従軍看護婦や軍属として働いていたタイピスト、電話交換手、開拓団の民間女性、そして受刑者たちが、極北の地シベリアに送られていたのである。
その中には「女囚」として10年を超える抑留生活を送った女性や、日本に帰る場所もなく異国の地で人生を全うした者もいれば、
収容所で出産した女性、ソ連兵にさらわれた少女もいた。
また、帰国を果たした女性たちにとっても、故国の人々のまなざしは決して温かいものではなかった。
戦後70年以上、長く沈黙を守ってきた女性たちをインタビューすることに成功し、
2014年にNHK・BS1スペシャルで放送されたドキュメンタリー「女たちのシベリア抑留」は、
文化庁芸術祭賞優秀賞、放送文化基金賞奨励賞、ATP賞テレビグランプリ優秀賞、ギャラクシー賞奨励賞、NHK放送総局長特賞など、その年のドキュメンタリー部門の賞を総なめにした。
その番組を担当した女性ディレクターが綴る本格ノンフィクション。
強者による「正史」に抗い、シベリア抑留の真の姿を伝える女性たちの勇気ある証言に今こそ耳を傾けたい。
佐々木ムギ33歳、しっぽ有。
休日は高校からの付き合いである後輩兼親友のれんげと喫茶店を巡り、平日は山吹さん(前向きな朗らかさん)、小石さん(「普通」を愛する世話焼き)、土屋さん(何かありそう)という愛すべき3人の先輩おばあちゃんズと、図書館の修復室で働きながら比較的穏やかに暮らしている、はずだった。
電車の中でしっぽをディスられたり漠然と異物扱いされたりするうち、自虐癖が身についてしまったムギ。しっぽを取るか否か悶々としながら過ごす中、悪意なき小石さんとの衝突をきっかけにムギの中に変化が起こり……
「いくつになっても、文字通り生まれ変われる気がしてきた(30代女性)」「娘と一緒に読んでます(40代男性)」等々、文春オンラインのコミックサイトBUNCOMI上で反響を呼んだ「脱・自虐」コミック連載が、ついに一冊に!
「他人や自分と向き合うというのは勇気がいることだけど、案外悪くない。そう気付かせてくれる、じんわり温かな優しいお話でした。」--帯コメントは、朗らかさとデリケートさが同居する演技が心をとらえて離さない俳優・伊藤沙莉さん。
「なんとなく気分が上がらないな〜」という日にこそ、ぜひページをめくってみてください。カバーを外すとあらわれる地図はじめ、紙の本ならではの造本の楽しさも、ぜひ味わっていただけると幸いです。
第1話 ムギ、出勤中
第2話 しっぽ、切る?
第3話 ムギとれんげ
第4話 ポポイのポイ
第5話 ふつう、ねぇ
第6話 風になりたい山吹さん
第7話 ポポイのポイ2
第8話 小石さんの「ふつう」の幸せ
第9話 どうしちゃったの
第10話 お茶でも飲んで
第11話 ムギ、ついに泣く
第12話 ほかほか
第13話 朝日、ふたりじめ
第14話 土屋さんのラブ
第15話 ある一日
第16話 続 小石さんの「ふつう」の幸せ
第17話 おはよう
時代に逆行する「徒弟制度」「共同生活」が、技の継承に必要なのはなぜか?法隆寺最後の宮大工・故西岡常一の内弟子を務めた後、「鵤工舎」を設立、数々の寺社建設を手がけ、後進を育てた著者が、引退を機に語る金言。「技を身につけるのに、早道も近道も裏道もない」「任せる時期が遅かったら人は腐るで」。心に染みる言葉の数々。
川で溺れている犬を助けた新が目覚めると、そこは死後の世界だった!
成仏するまでホテルで過ごすことになった新の前に現れたのは、新が生前に働いていた弁当屋に客としてよく訪れていた瞬だった。
新は思いがけない再会に驚きつつも、自分が瞬に恋していたことに気が付く。けれど瞬は新のことを覚えていない様子で、しかも「好きな人」にもう一度会うために死後の世界から抜け出そうとしていて……?
無気力クール男子×素直一途なヤンキーの、死後の世界で繰り広げられるハートフル・ハッピー・ラブストーリー。
憂き世で至福のひとときを! 痛快無比。そしてなによりハートウォーミング。読む楽しさを満喫できる作品集です。つぎつぎに出来する難事件、怪事件、なんとか助力したい男女・・・・。馬之介は飄々、かつ怜悧に事態に対処していきます。安定の筆力。確たる時代考証に裏打ちされた頑丈な物語の構造。次作を期待してしまう出来栄えです。
届かぬ想い
梅雨が明ける
流れる
あとがき
本書は日本人のシベリア抑留という歴史的事象を音楽・芸術の地平から見渡すものである。生と死のはざまにあって人間の芸術、また人間の創造性という根源的テーマによって生き延びたという証言が数多く見つかるのである。
序論◉沈黙の時代から想起の時代へ
[第I部]満州・シベリア・日本を繋ぐ音の記憶と文化表象
第1章◉シベリア抑留前史
第2章◉シベリア抑留下の日本人の文化創造活動
第3章◉シベリア抑留における民衆の音楽
第4章◉創作物に眠る記憶ー二種類の『ソヴェート歌曲集(附)日本闘争歌集』
第5章◉楽器バソンをめぐる一二〇年の記憶
[第2部]シベリア抑留を想起する
第6章◉野町右京『北方物語』に見るナラティヴ
第7章◉史料と想起ー「新声楽劇団」をめぐる日露の三つの史料研究
第8章◉四國五郎の死生観ー創作に見るシベリア抑留の想起と表現
第9章◉さまざまな「シベリアの想起」の言説
第10章◉記憶の継承へーアートの社会実装の試み
ポイントを図と写真で示す創意と工夫の先進事例。様々な課題をどう克服し整備を進めたか、基本構想から工事に至るまでを網羅。
1999年のラスベガス。ソニーは絶頂期にあるように見えた。しかし、舞台上でCEOの出井伸之がお披露目した「ウォークマン」の次世代商品は、2つの部門がそれぞれ別個に開発した、2つの互換性のない商品だった。それはソニーの後の凋落を予告するものだった。
世界の金融システムがメルトダウンし、デジタル版ウォークマンの覇権をめぐる戦いでソニーがアップルに完敗し、ニューヨーク市役所が効率的に市民サービスを提供できない背景には、共通の原因がある。それは何かーー。謎かけのようなこの問いに、文化人類学者という特異な経歴を持つ、FT紙きってのジャーナリストが挑む。
企業であれ自治体であれ、高度に技術が発達している現代、あらゆる組織は「サイロ化」という罠に陥りがちである。分業化したそれぞれの部門が、それぞれの持つ情報や技術を部署の中だけでとどめてしまい、隣の部署とのあいだにも壁を作ってしまう。日本語では「タコツボ化」と呼ばれるこの現象は、どんな組織でも普遍的に存在するのだ。
経済学的な観点からすれば、身内での無駄な競争を生むような「サイロ」は、とにかく有害で無駄なものであるから、トップが「サイロ撲滅」の掛け声をかければ解決に向かう、と思いがちだ。ソニーの新しい経営者・ストリンガーも最初はそう考えた。しかし、彼は失敗した。壁は極めて強固で、一度できたサイロは容易には壊れない。
文化人類学者の視点を持つ著者は、「サイロ」が出来上がるには人間に普遍な原因があり、そのメカニズムを解き明かすところから始まる、と説く。人間に求められる技術が高度で専門的になればなるほど、サイロはむしろ必要とされるからだ。
人間は必ずサイロを作る、ならば、その利点を活用しつつ、その弊害を軽減する方法を探ろうとする画期的な論考が、本書である。