警視庁公安部警部補でエース候補の倉島は、外事一課と掛け持ちの形で作業班への移動を命じられた。
時を同じくして、ロシア人ホステスのマリア・ソロキナが鉄道線路に転落し、轢死する事件が発生。
飛び込み自殺の線で捜査は進むが、中学校教師の九条という男が現れ、事件はオレグというロシア人の殺し屋による暗殺だと証言する。九条は事故の前日に秋葉原の駅でオレグを目撃しており、自身も命を狙われていると語った。
倉島は、九条の証言を元に捜査を進めるが、重要参考人として目をつけたマリアの恋人・瀧本までもが、列車の人身事故で死亡してしまう。
ロシア人の殺し屋・オレグとは何者なのか。
何のため、どうやって連続殺人を実行しているのか。
倉島は、苦心しながらも同僚や関係各所の協力を得て、オレグの影を追いかける。
だがそんな折、オレグは存在せず、証言者の九条が殺人犯だという疑いが浮上する。
殺人者の次なる標的は、思いもかけない人物だった。
日本警察、公安、ロシア政府。
それぞれの国益とプライドをかけた防諜戦争の行方は…?
公安警察官の活躍を描く倉島警部補シリーズ第5弾!
植民地時代の台湾に生まれた胡太明は、中国文化をルーツに持ちながら、近代的な教育を受けて成長するが、故郷では日本人と同等に扱われず、新天地を求めて渡った日本や中国でも、決して同胞とは見なされない。植民統治下の台湾人が生きた矛盾と苦悩を克明に描き、戦後に日本語で発表された、台湾文学の古典的名作。[解説=山口守]
第一篇
苦棟(せんだん)の花の咲く頃
雲梯書院
古きもの新しきもの
濁流の中へ
久子
思慕たちがたく
故郷の山河
嵐の季節
彭秀才を葬う
愛と告白
青春の慟哭(どうこく )
波濤を越え
第二篇
日本留学
異郷の花
ふたたび故国へ
救いなき人びと
阿玉の悲しみ
昏迷と彷徨(ほうこう)
新生活
流離転々
大陸の呼び声
第三篇
紫金山の見える家
淑春
その後に来るもの
愛情は回帰する
相剋
一夜
風暴の前
囚われの部屋
脱出
さらば大陸
第四篇
暗い故郷
戦いの陰に
強いられた征途
この悲惨
回復期
母の死
虐げられる青春
再会
第五篇
日米開戦
新たな職場
愚かしき銃後
范の操志
虎狼の府
皇民派の悲哀
ある決意
犠牲
狂乱
再刊に際して
解説 近代台湾人の精神史を巡る旅……………山口守
石工品・仏具などの伝統的工芸品を大きな写真で掲載。産地や歴史、特長、技術とともに、工芸品を未来につなぐための取り組みを紹介します。自分が住んでいる地域の工芸品が見つかる全国地図や工芸品の調べ方・まとめ方付き。
全国各地の伝統的工芸品を大きな写真で掲載。産地や歴史、特長、技術とともに、工芸品を未来につなぐための取り組みを紹介します。自分が住んでいる地域の工芸品が見つかる全国地図や工芸品の調べ方・まとめ方付き。
全寮制の高校に入学した真菜は、ある女子生徒にひと目で夢中になってしまう。理子という名の彼女の存在によって、真菜の毎日は輝きはじめる。しかし、真菜にはずっと悩みがあった。高校の入学が遅れた理由、それは父親の事件があったからだ。父への怒りと、憧れや友情だけでは片付かない理子への思いを抱えて寮生活が続く中、問題を抱えるのは真菜だけではないことがわかってーー。
共働き、子育て中でも、時間に追われずにやりたいことができる!
ブログ、YouTube「エコナセイカツ」で大人気のマキさんが、シンプルライフを探求した先にたどりついた「時産」について、200ページを超える一冊を綴りました。
★時産とは、忙しい毎日に「しないこと」を増やして少しずつ余白の時間を作り、その時間を休息や「本当にやりたかったこと」に使うこと。
・朝ごはんを5分で、晩ごはんを15分で作るメソッドなど家事時間を短くするノウハウ
・スマホやテレビを見て消費してしまう時間を減らすルール作り
・家族が家事の戦力になる声かけ方法 etc.
時間の余白を産み出す具体的ヒントが満載!
また、スキマ時間を作ってもつい家事や仕事をしたり、あるいはダラダラと過ごしてしまいがちな人必読の、「自分の心と身体を癒すための時間」を増やすマキ流・アイデアも。
時産アドバイザーとしても活動するマキさんが、その考え方から暮らしへの取り入れ方まで、カラー写真や図表を用いてわかりやすく解説します。
CONTENTS
はじめに「シンプルライフを探求したら、本当にやりたかったことができた」
1章 忙しい毎日を「時産」で変える
2章 シンプルライフは余白がいっぱい
3章 料理は最大の時産チャンス
4章 もっと「しない家事」を増やして心に余裕を
5章 情報に触れる時間と方法を見直す
6章 私の時産ライフ
読むと暮らしと人生に「時産革命」が訪れる一冊です。
七ツ岳山麓に住む老人・松岡浩が訪れたのは、
唯一の理解者だったスナックのママ・ひびきの葬儀。
自らが勧めた山での滑落事故死に思い詰める松岡。
何気なく見た現場写真に残された違和感…。
事故死への疑念とその真相が老人を戦地へと誘う…‼
“七ツ岳連峰”
美しき聖域が血で染まるーー
累計250万部突破‼「モンキーピーク」コンビが放つ
前代未聞の山岳殺戮劇、ここに開幕‼
女性が戦争に巻き込まれるということは、こういうことだ。
長い沈黙を破り、女たちは語り始めた──。
NHK BSスペシャルの話題作がついに文庫化。
数々の新聞や雑誌の書評で取り上げられた、「戦争と女性」に迫る傑作ノンフィクション。
終戦直後、満洲や樺太などにいた60万人近くの日本人がソ連によって連行された「シベリア抑留」。
その中に女性捕虜が存在したことは、長く歴史の陰に埋もれていた。
関東軍の陸軍病院で勤務していた従軍看護婦や軍属として働いていたタイピスト、電話交換手、開拓団の民間女性、そして受刑者たちが、極北の地シベリアに送られていたのである。
その中には「女囚」として10年を超える抑留生活を送った女性や、日本に帰る場所もなく異国の地で人生を全うした者もいれば、
収容所で出産した女性、ソ連兵にさらわれた少女もいた。
また、帰国を果たした女性たちにとっても、故国の人々のまなざしは決して温かいものではなかった。
戦後70年以上、長く沈黙を守ってきた女性たちをインタビューすることに成功し、
2014年にNHK・BS1スペシャルで放送されたドキュメンタリー「女たちのシベリア抑留」は、
文化庁芸術祭賞優秀賞、放送文化基金賞奨励賞、ATP賞テレビグランプリ優秀賞、ギャラクシー賞奨励賞、NHK放送総局長特賞など、その年のドキュメンタリー部門の賞を総なめにした。
その番組を担当した女性ディレクターが綴る本格ノンフィクション。
強者による「正史」に抗い、シベリア抑留の真の姿を伝える女性たちの勇気ある証言に今こそ耳を傾けたい。
生後間もなくして、脳性小児まひの後遺症による四肢体幹機能障害(アトテーゼ型)と診断された著者による半生記。重い障害と闘いながら結婚、出産も経験、現在もNPO法人の理事長という立場にある。このポジティブに自分の道を切り開き、ひたすら突進する姿がすばらしい。著者が書いたCGによるカバーイラストのすばらしさも見どころ。
今年2025年は昭和元年からちょうど100年の時代ということもあり、
テレビでも令和・平成・昭和を比較した番組やニュースが取り上げられることも多く、
良くも悪くも自由に満ちた昭和の時代が話題になっています。
本書は実際に昭和を生きた方には懐かしさを感じさせ、
平成以降に生まれた方たちには、今は想像もつかないような
驚きのトピックを厳選して収録。
「病院でも映画館でも煙もくもく TPOなど関係ない喫煙事情」
「空前絶後のアイドルブーム 街中みんな同じ髪型」
「導入は平成から 消費税がなかった羨ましすぎる時代」
「テレビは叩けば治る 家電虐待思考」
「子どもには見せられないよ!ゆるすぎる放送基準」
「短足がバレるだけ 何のためにやるかわからない座高測定」
「速く回す、高く飛ぶが正義 スリリングすぎる遊具」
「感動をありがとう アジア初東京オリンピック1964」など
さまざまな世代を越えたコミュニケーションツールになる
大人から子供まで楽しめる一冊です。
はじめに
プロローグ1
”昭和100年”という奇跡 激動の63年が、今をつくった
プロローグ3
懐かしむ?ありえない? 世代で読み解く”昭和という異世界”
第1章 昭和の話 街編
コラム1 個性がぎらぎらと光っていた昭和の自動販売機
第2章 昭和の話 生活編
コラム2 バイクは若者の相棒 原チャリでどこまでも行けた
第3章 昭和の話 学校編
コラム3 女子体操服の変遷 古さからの脱却
第4章 昭和の話 仕事編
コラム4 職場の延長戦 飲み二ケーションという名の強制参加
第5章 昭和の話 遊び編
コラム5 家でも職場でもジャラジャラ・・・ 麻雀が国民的遊びだった
第6章 昭和の話 歴史編
本書は日本人のシベリア抑留という歴史的事象を音楽・芸術の地平から見渡すものである。生と死のはざまにあって人間の芸術、また人間の創造性という根源的テーマによって生き延びたという証言が数多く見つかるのである。
序論◉沈黙の時代から想起の時代へ
[第I部]満州・シベリア・日本を繋ぐ音の記憶と文化表象
第1章◉シベリア抑留前史
第2章◉シベリア抑留下の日本人の文化創造活動
第3章◉シベリア抑留における民衆の音楽
第4章◉創作物に眠る記憶ー二種類の『ソヴェート歌曲集(附)日本闘争歌集』
第5章◉楽器バソンをめぐる一二〇年の記憶
[第2部]シベリア抑留を想起する
第6章◉野町右京『北方物語』に見るナラティヴ
第7章◉史料と想起ー「新声楽劇団」をめぐる日露の三つの史料研究
第8章◉四國五郎の死生観ー創作に見るシベリア抑留の想起と表現
第9章◉さまざまな「シベリアの想起」の言説
第10章◉記憶の継承へーアートの社会実装の試み