臨床で頻繁に遭遇する症例を取り上げ、現在利用できる新しい修復材で実際に行う種々な技法を中心にして編集した。
本書では『トータルエッチング』と『樹脂含浸層』の成功から、現在主流となりつつある『オールインワンシステム』の開発までの流れをまとめて解説するとともに、グラスアイオノマーセメントのMIに果たす役割について述べている。さらにう蝕治療の本道ともいうべき感染象牙質の除去基準とコンポジットレジン充填の基準と臨床を写真とイラストを用いてビジュアルに詳しく解説するとともに、審美とMIの調和という観点、および長期症例から学ぶという観点から考察を加えている。また今後普及するであろう手技(レジンコーティング法、モノブロック修復法、コンビネーション修復やレーザー修復の応用)についても症例を提示しつつ解説を加えた。
現在多くのレーザー関係の書籍が出版される中、その多くは“やり方”を中心とし、基本的なところから学び、そこから臨床に向かうものが少ないように思われる。このような意味で、本書はレーザー物理学をはじめ基礎的な理論を含んでおり、レーザーの原理を理解するには最適であろう。もちろん、臨床へのヒントが含まれていることは言うまでもない。
本書では外来診療でよく経験する疾患を中心に、臨床病態(所見)から始まる診断の手順に沿った項目で構成した。治療に関しては歯科・口腔外科診療室の外来で行う基本的な治療、手術に限定した臨床の実践書として作成されている。臨床症例の病態や治療法、手術手技、器材をカラー写真、シェーマで呈示し、説明を簡潔に示すことにより読みやすく、容易に理解が得られるように編集した。
歯や歯周組織の健康状態や疾病、欠損の進行状態に応じて、今日ある数々の予防処置、治療法がどう関連し、絡み合っていくかがひとめでわかるよう「QUICK INDEX」を設け、チェアサイドで必要なことを「引いて、調べて、活用できる」索引機能をもたせた。