多様性が推進されるほど、なぜ「違い」が気になるのだろうか?
日本でも、ダイバーシティという言葉はすっかり定着しているように見えるが、ダイバーシティを推し進めれば、それだけで組織のパフォーマンスが向上するわけではない。その理由は、ダイバーシティには、プラスとマイナスの2面性があるためである。プラスの側面は、広く指摘されているように、多様な人材を組織に取り込むことで、多様な視点、情報、知識が得られ、より質の高い意思決定、創造性、イノベーションを促進する効果を持つことである。
一方、マイナスの側面とは、ダイバーシティが進んだ組織では、メンバーの多様な属性によって「サブグループ化」が起こることである。このサブグループは、普段は見えないが、何かのきっかけ(トリガー)によって、顕在化し、組織内に分断線(フォールトライン)を生じさせる。それはちょうど、地震をきっかけに断層線が地上から視認できるようになるのと同じである。そしてそれを放置すれば、職場内の人間関係に決定的な亀裂を生じさせてしまう可能性がある。
本書は、サブグループ化の指標となるフォールトラインに焦点を当て、組織のパフォーマンスを損なうような職場の分断を回避するための方策を示す。
近年、フォールトラインに関する研究は増加しつつあり、実務界からも注目の集まる概念で、本書はフォールトラインを取り上げた、本邦初の研究書である。研究者はもちろんのこと、職場のダイバーシティを推進する上での課題に悩む実務家にも多くの示唆を与えることだろう。
序章 職場の分断はなぜ起こるか
第I部 フォールトラインの先行研究と研究課題
第1章 多様性の先に待つ「フォールトライン」
第2章 本書の構成
第3章 サブグループの理論的背景
第4章 先行研究
第5章 研究課題
第II部 フォールトラインのプロセス・モデル
第6章 フォールトラインの形成プロセス
第7章 フォールトラインの影響プロセス
第8章 フォールトラインの顕現化プロセス
第9章 分析方法
第10章 仮説の検定
第III部 考察と展望
第11章 発見事実
第12章 考察
第13章 フォールトラインの負の効果を乗り越えプラスにつなげるアクション
フォールトラインのプロセス・モデルに関する補足
補章1 フォールトラインの顕現化プロセス:インタビュー調査
補章2 フォールトラインの形成プロセス;フォールトラインの計算方法
〔内容〕(現代日本語の)音声/(現代日本語の)音韻とその機能/音韻史/アクセントの体系と仕組み/アクセントの変遷/イントネーション/音韻を計る/音声現象の多様性/音声の生理/音声の物理/海外の音韻理論/音韻研究の動向と展望/他
第1章 現代月本語の音声ー分節音と音声記号
1. 音声
2. 母音とその分類
3. 子音とその分類
4. 現代共通日本語の音声
第2章 現代日本語の音韻とその機能
1. 濁音の現れ方
2. 母音連続の現れ方
3. 和語の長母音a:
第3章 音韻史
1. 音便の生起
2. 音便の一般化
3. 音便の定着
第4章 アクセントの体系と仕組み
1. アクセントの体系
2. アクセントのとらえ方
3. モーラか音節か
4. 所属語彙から見るl
第5章 アクセントの変遷
1. 用語の整理
2. 院政期のアクセント
3. 鎌倉期のアクセント
4. 南北朝期のアクセント変化
5. 室町期以降の京阪アクセント
第6章 イントネーション
1. 用語
2. イントネーション研究の現状と課題
3. イントネーションの構成要素
第7章 音韻を計る
1. 計量による判断
2. 音素対立の効率から見た濁音とアクセント
3. 音素の機能負担量
4. 計量における精度と同一性認定の間題
第8章 音声現象の多様性
1. 音声現象の広がりと多様性の把握
2. 音声(分節音)の多様性ー北海道方言のガ行鼻音ー
3. アクセントの多様性ー東京方言のアクセントー
第9章 音声の生理
1. 声のエネルギー源
2. 声の音源
3. 声の共鳴:調音(構音)
第10章 音声の物理
1. 音の波
2. 音声を分析するモデル
3. 声道の特性
4. 音声信号の分析
第11章 海外の音額理論
1. 音韻理論の目標
2. 現代の昔韻理論の主要な構成部分
3. 音韻論に対する極小主義的アプローチ
第12章 音韻研究の動向と展望1(文献中心)
1. 研究史概観
2. 近年の動向
3. 今後の課題
第13章 音韻研究の動向と展望2(現代語中心)
1. 構造主義的音韻論
2. 生成文法の音韻論
第14章 アクセント研究の動向と展望1(文献中心)
1. アクセント史資料の研究
2. 日本語アクセントの形成・上代アクセントへの言及
3. 文献アクセント史と方言アクセント
第15章 アクセント研究の動向と展望2(現代語中心)
1. 日本におけるアクセント研究史
2. アクセント研究の今後
索 引
栽培植物の成立という課題は,人間の定住生活をもたらした農耕の起源にかかわる農作物,特に穀物をめぐって論考されてきた。栽培植物は,どのような祖先から,どこで,いつ,どのような担い手によってつくられたのか。栽培植物が文明の発祥にどのようにかかわり,結果としてどのような特徴が栽培植物に組み込まれているのか。本書では,好評の前書『栽培植物の自然史ー野生植物と人類の共進化』に引き続いて,栽培化にかかわる諸問題を扱うとともに,栽培植物にまつわる文化的側面や自然とのかかわりに関する論考を加えた3部16章で構成されている。23人の第一線の研究者がそれぞれのフィールドを舞台にいきいきと物語る。
日本各地の都市の何気ない風景の「なぜ」の背後にあるメカニズムを経済学的に解説し、その理論を検証した最先端の実証研究を紹介。
ボードゲームやTRPGなどの図書館・関連施設での導入・収集・イベントに欠かせない論考や、実践に役立つ事例・研究・アイデアなどを分かりやすく紹介。図書館へのゲームの取り入れ方を探究、提案する事を狙いとした実践家・研究者ネットワーク「図書館とゲーム部」を中心とした幅広い11名が執筆。「図書館」のイメージを広げるための一冊。「用語索引」「ゲームタイトル索引」付き。
はじめに
第1章 図書館がゲームを収集・提供する意義
1 図書館の種類・役割(日向良和)
2 市区町村立図書館でのゲームの収集・提供(日向良和)
3 都道府県立図書館でのゲームの収集・提供(日向良和)
4 国立国会図書館でのゲームの収集・提供(日向良和)
5 大学図書館・学校図書館でのゲームの収集・提供(日向良和)
6 図書館がゲームを収集・提供する必然性と社会的意義(日向良和)
第2章 図書館のゲーム提供事例
1 国内図書館の事例(高倉暁大)
コラム トレカを用いた読書推進企画 「Book:The Gathering」(篠原圭介)
2 海外の図書館の事例(オーレ・ベリー、日向良和)
第3章 ゲームの選定・収集・整理
1 ゲームの選定・収集(高倉暁大)
2 図書館目録でゲーム資料を記述する(福田一史)
3 ゲームの展示(尾鼻崇)
第4章 ゲームの知的所有権と図書館
1 ゲームの知的財産権と図書館(井上奈智)
第5章 ゲームの多様な社会的可能性と図書館
1 ゲームと教育:シリアスゲームの可能性を考える(シン・ジュヒョン)
2 余暇の場でのASDのある子たちとのTRPG活動(加藤浩平)
3 バリアフリーゲーム 目が見えない方と、共に作る、あそびの場(濱田隆史)
4 ゲーム・ツーリズム(岡本健)
5 ゲームにおけるMLA連携(尾鼻崇)
あとがき(日向良和)
執筆者一覧
索引(用語索引/ゲームタイトル索引)
農地ができると「害虫」が生まれる。人類は、農耕生活を開始して以来、さまざまな害虫の被害に悩まされてきた。その防除を目指して、農薬をはじめとしてさまざまな手法が用いられてきた。しかし、「殺虫剤の逆理」という言葉に示されるように、単に「駆除」を目指したのでは、農業生態系を構成する生物群集の多様な機能を損なうだけで、害虫による被害を抑えることは難しい。生態学の最近の研究成果に基づき、生物間に働く多様な相互作用を利用した害虫管理によって農作物への被害を経済的に許容できるところまで抑制する道を探り、その基礎とその方向性を示す。
植物の不思議な生き様がよくわかる!身近な木々や草花がちょっと違って見えてくる!
第1章 植物のかたちーー基本は根・茎・葉
第2章 植物の生活ーー光合成のしくみと植物の反応
第3章 植物の生殖ーー花と果実の多様性と植物の生活史
第4章 植物の分類ーー被子植物のいろいろ
ジオパークのは世の中から2つの大きな役割を求められている。一つは多様な事業や仕組みを構築する「持続可能な開発の砦」として、もう一つは多くの観光客を呼び込む「地域創生の切り札」、である。これらの期待に応えるには、一体何をすればいいのか。ジオパークを「住民の幸福を作る場」ととらえ、教育・自然・文化・福祉・経済など、さまざまな視点から地域づくり・人づくりの可能性を探る。
百年前にはメキシコの山間部でしか知られなかった、果物とも野菜ともつかない果実はなぜ世界中で愛されるようになったのか。独特な味と食感、高い栄養価、ユニークな外観の裏側にある不思議なアボカドの歴史を探る。レシピ付。
恐竜の色は? 卵や巣の形は? どこまでわかっていて、どこからが謎なのか。そして謎はどこまで解けるのか? 本書は、恐竜研究の最前線を紹介しつつ、「知っているつもり」だった恐竜像を一新する。科学が迫る恐竜の未来像。
部下や後輩は自分がその気になって初めて、上司や先輩の言うことを聞くようになるが、多様性重視の現代では一筋縄ではいかない。しかし、みなっち先生の「感動コーチング」の手法を使えば、スムーズにコミュニケーションがとれ、後輩たちをその気にさせ、心を動かすことができるようになる。
微細藻類の一種である珪藻〈ケイソウ〉は、淡水から海水まで広く分布し、世界中に約10万種が生息すると言われる。ガラス質の体を持ち、その幾何学的ともいえる形状は種類によってさまざまで、さらに細部をみると規則正しく整列した穴や突起などにより繊細な装飾もほどこされている。
珪藻はどこにでもいる普通の生き物でその量も多く、実は地球上の酸素の5分の1を光合成で生み出すほど重要な役割を果たしているが、その小ささ故に見過ごされがちである。だが、ひとたび顕微鏡で観察すると驚異のミクロの世界が広がっており、その美しくも摩訶不思議な姿に息を呑むこと間違いなしである。
謎多きミクロ生物の知られざる「微」と「美」の世界に迫る、かつてないビジュアルブック。
【日本語/英語併記】
Fascinating micro-beauty of nature
Diatoms are microscopic algae widely distributed in marine and freshwater environment, with an estimated species number of about 100,000. Their cell wall is made of silica, with various species-specific, almost geometrical shapes, and close-ups show their fabulous decoration with finely sculptured ornaments and regularly arranged pores and projections.
Diatoms are everywhere around us and easily ignored, even though they give us the oxygen in every fifth breath we take, but once you look at them under a microscope, an extraordinary and mysterious world is revealed ? one whose beauty will undoubtfully make you hold your breath.
This is a unique photobook revealing the amazing micro-world of diatoms as never before.
【Japanese/English bilingual book】
はじめに Preface
◆序章 珪藻について
Introduction to diatoms
01 珪藻とは Where are diatoms found?
02 生態 Life form
03 被殻の構造 Frustule structure
04 顕微鏡 Microscopy
05 細胞分裂 Cell division
06 生活史と有性生殖 Life cycle and sexual reproduction
07 相手を見つける Finding partners
08 学名 Scientific name
◆1章 形 - 被殻・殻の多様性
Part I: Shape - Diversity of frustules and valves
◆2章 模様 - 胞紋を拡大すると
Part II: Pattern - Detail within detail
◆3章 結合 - 細胞同士がつながる仕組み
Part III: Connection - How to be together?
◆4章 突起 - 複雑怪奇なパーツ
Part IV: Processes - Mysterious structures
◆コラム Columns
01 珪藻から形づくりを学ぶ Biomimetics: lessons from nature
02 敵の存在 Foes
03 大増殖 Blooms
04 珪藻土 Diatomite
05 新種 New species
06 生きている細胞:葉緑体 Living cells: chloroplast
07 生きている細胞:ピレノイド Living cells: pyrenoid
08 生きている細胞:核 Living cells: nucleus
09 珪藻の利用 Applications
10 生態的な役割 Roles in the global ecosystem
11 動く珪藻 Motility
12 細胞壁をどうやって作るか Morphogenesis
13 珪藻の毒による記憶喪失 Memory loss by diatom toxin
14 群れをつくる Forming colonies
15 海藻に付着する珪藻 Attaching to seaweed
おわりに Epilogue
付録 Appendix
謝辞 Acknowledgements
著者略歴 Biographies
人の最良の友であり、相棒となった飼い犬たち。
そして、その祖先であるオオカミや野生の犬たちの
美しい姿を収めた貴重な1冊。
世界中に生息する野生の犬たちの貴重な姿はもちろん
人をどこまでも愛してくれる、多種多様なかわいい飼い犬たちも紹介。
さまざまな犬種に分かれた犬たちの姿や習性を
かれらの人間とのかかわりと共に紹介し、犬種の成り立ちや驚きの生態を解説。
美しい写真とともに、愛し愛される犬たちの秘密にせまります。
■Contents
野生のイヌ 愛すべき相棒の原点
狩猟犬 人類と共に歩んできたハンターたち
使役犬 ヒトの社会に寄り添う仲間たち
愛玩犬 愛し愛されるヒトの伴侶たち
子犬 幼く可愛いころから社会性を学ぶ
イヌの習性 多様なコミュニケーションと社会性
【生物学初心者のための超入門の教科書】
2014年7月刊行『大学1年生の なっとく! 生物学』の改訂版:改訂版ではバイオテクノロジーをより充実!
本当に重要な内容を厳選して掲載。やさしくわかりやすい文章で解説しているので、高校で生物学を履修していない学生でも大丈夫。学習効率がさらに高まる演習問題と重要語句が隠れる赤シート付きなので、自学自習もでき、参考書としても最適。
★下記に記した目次は抜粋したものです。
より詳細な目次は下記よりご覧いただけます(2022年12月21日以降)。
https://www.kspub.co.jp/book/detail/5301111
【1部 生物のアウトライン】
1章 生物の特徴とその種類
【2部 ミクロの視点からみた生物】
2章 細胞の構造と機能
3章 物質と代謝
4章 遺伝とDNA
4.1 遺伝のしくみ
4.2 遺伝物質は何で、どういう働きがあるのか
4.3 核酸:DNA/RNAの構造
4.4 DNAの特性と合成反応
4.5 細胞内でのDNAの複製
4.6 DNA構造の変化
5章 遺伝子の発現
5.1 転写のしくみ
5.2 転写制御
5.3 ゲノム、クロマチン、転写制御
5.4 転写後調節
5.5 タンパク質合成:翻訳
5.6 RNAの機能
【3部 動植物の生きるしくみ】
6章 生物の増殖と成長:生殖・発生・分化
7章 動物の組織と器官
7.1 細胞→組織→器官→器官系→個体
≪動物の組織≫
7.2 さまざまな組織
7.3 血液
≪動物の器官≫
7.4 循環系と呼吸系
7.5 消化系
7.6 排出系と腎臓
7.7 感覚系
8章 神経とホルモンによる身体機能の調節
≪神経系≫
8.1 神経系の細胞
8.2 ニューロンの活動と連携
8.3 神経系の構成
8.4 神経活動
≪内分泌系≫
8.5 内分泌系とホルモン
8.6 それぞれの器官から分泌されるホルモン
8.7 ホルモンによる高次生体制御
8.8 非典型的ホルモン
8.9 ホルモン作用機構
9章 病原体と生体防御
9.1 病原体と疾患
9.2 ウイルス
9.3 病原性細菌
9.4 病原性真核生物
≪生体防御≫
9.5 動物の生体防御システム:免疫
9.6 自然免疫
9.7 獲得免疫
9.8 免疫がかかわる疾患
9.9 感染症の人為的防御
10章 植物の生存戦略
【4部 生物の集団と多様性】
11章 個体と個体群の生態
11.1 動物の繁殖と生存の戦略
11.2 生理特性を環境に適応させる
11.3 生態的見地からみた進化の方向性
11.4 個体群の構造と働き
12章 生物群集と生態系
13章 生物の進化
【5部 生物学の応用】
14章 バイオテクノロジー
14.1 遺伝子工学
14.2 タンパク質工学
14.3 人体、医療にかかわる技術
14.4 個体の遺伝子改変
14.5 エネルギー問題と環境問題
進化の研究において重要な試料である歯を切り口に,生物の進化の歴史をオールカラーでビジュアル豊かに解説.
【主な目次】
1 歯の起源ーー歯はサメのウロコから由来した
2 サメ類の歯ーー“ジョーズ” の歯の原始性と特殊性
3 サカナ(硬骨魚類)の歯ーー歯の多様性の実験台
4 両生類の歯から爬虫類の歯へーー歯の上陸史
5 爬虫類の歯から哺乳類の歯へーー捕食から咀嚼へ
6 食虫類の歯から霊長類の歯へーー虫食から果実食へ
7 人類の歯の進化と退化ーー猿人から新人まで
8 人類の歯の未来ーー現代人から未来人へ
1 歯の起源ーー歯はサメのウロコから由来した
2 サメ類の歯ーー“ジョーズ” の歯の原始性と特殊性
3 サカナ(硬骨魚類)の歯ーー歯の多様性の実験台
4 両生類の歯から爬虫類の歯へーー歯の上陸史
5 爬虫類の歯から哺乳類の歯へーー捕食から咀嚼へ
6 食虫類の歯から霊長類の歯へーー虫食から果実食へ
7 人類の歯の進化と退化ーー猿人から新人まで
8 人類の歯の未来ーー現代人から未来人へ
語尾のバリエーションを増やし中級文法をマスター!実用性の高い75課600例文を掲載!
おもに理学部や農学部などの専門基礎科目を想定した半期用の入門教科書.動物分野と植物分野に共通する生態学の基本知識を丁寧に解説している.進化や生物多様性などの視点も重視した,コンパクトな好著.
1.環境と生物の関わり(環境要因/生理的最適域と生態的最適域)
2.生物の適応進化(ダーウィンの進化理論/自然選択による進化/他)
3.生物の共生(共生のいろいろ/相利共生のいろいろ/他)
4.生態系と食物網の構造(生態系の構成要素/生態系の分布/他)
5.生態系におけるエネルギーと養分の流れ(生物の代謝/光合成と化学合成/他)
6.植物群落(植物群落の分類/世界の植生/他)
7.動物群集(生物間相互作用の分類/機能群/他)
8.生物多様性(生物多様性とは/生物多様性の三つのレベル/他)
9.生態系サービス(供給サービス/調整サービス/他)
10.持続的な農業生態系(野草,作物,雑草と人間/適作農地と作付け体系/他)
【書籍の特徴】
われわれ人間は,家庭や地域,職場といった組織の中でさまざまに行動している。家庭においては日常生活を送り,地域においては友人や知人と交流し,職場においては上司や同僚・部下と協働しながら職務を遂行している。これらの人間行動の結果はパフォーマンスとして捉えられ,その内容は人間の生活の質(QOL)の向上や組織の機能の効率化に繋がると考えられる。ここで人間が行動する理由について考えてみよう。それは何らかの目的を達成するためである。思いどおりに目的が達成できたかどうかがパフォーマンスであり,それは持ち得る機能や能力,行動時の心理状態や周りの環境などに影響を受ける。
本書は,おもに人間の機能と能力に焦点を当て,それらを客観的に評価するための方法や手順,さらには人間の能力に影響を与える要因について多面的に解説している。また,持ちうる能力を最大限に発揮し,最良のパフォーマンスを発揮できる環境を提供するための方策についても解説を試みている。
【各章について】
本書は7章により構成されている。1章では「人間の行動と生活の質の評価」について,2章においては「人間行動と機能・能力」について解説している。3章では「最適な人材確保と知識・技能の共有」について,4章では「より良い職務遂行環境の提供」について,5章では「個人と組織の行動とパフォーマンス」について人的資源管理の視点から解説している。さらに,6章では「人間機能の多様性と能力の支援」について人間の自立支援策の視点から解説をしている。最後に,7章では「高度情報処理技術の活用と人間行動」について将来の人間の行動の変化について展望している。
【著者からのメッセージ】
本書は,経営に関する分野について学ぶ方々,また看護・福祉,リハビリテーション分野において人間の自立支援策について学ぶ方々だけでなく,企業において人的資源管理(human resource management)に携わる実務者にも,有用な知識を身に付けてもらえることを念頭に置き執筆されている。本書を精読し,「人間の機能と能力」に対する認識をより一層深めていいただきたい。