高杉晋作、伊藤博文、山県有朋…。勤王の志士たちを育てた男の時代を超えた人間的魅力。
「天智天皇御時、光る石があり、弥勒三尊に彫刻して、精舎一堂の建立をなせり」と『当麻曼荼羅縁起』に伝える、二上山麓の石光寺。この寺から伝承通り、石仏と金箔の〓仏(せんぶつ)・文様塑壁が発見され、金色堂に石仏を安置していた華麗な寺院であったことが判明。本書は、発掘成果をもとに大和の白鳳寺院を再現し、古代史に重要な課題を提起する初の公式報告。
大きなマゲの若殿様と、下町芸者に町娘。ドラキュラ、ロボット、ミイラ男に、TVアニメの人気者ー。全国から集めたチンドン屋さんで、銀座の街路という街路を埋め尽くそうと奮闘する若者たちの、ユーモアと活気の中に青春の輝きをちりばめた第13回すばる文学賞受賞の表題作他一編。
徳川幕府の宗教統制に反発し、三百年にわたって権力に立ち向かった日蓮宗不受不施派とは…?本書はこれまで知られなかった“不受不施派”の殉教と抵抗の精神をあますところなく紹介する。
国定教科書につちかわれた勤倹力行の尊徳精神は現代にもなお生きている。尊徳といえば誰しも薪を背負って読書にはげむブロンズ像を思い浮べるが、尊徳は果して十六歳の少年の姿でとらえた勤倹の象徴だけのものであろうか。封建社会の重圧にあえぐ農民救済のために、実践家・思想家として行動した尊徳の人間像を描き出す。
武士道の光り輝く最高の支柱である「義」、人の上に立つための「仁」、試練に耐えるための「名誉」-本書は、強靭な精神力を生んだ武士道の本質をみごとに解き明かしている。武士は何を学び、どう己を磨いたか、これを知ることはすべての現代人にとって重要である。英文で書かれ、欧米人にも大反響を巻き起こした最高の名著を、奈良本辰也が、平易な文体で新訳。
仏教を文化としてとらえつつ、学問的な教理研究をこえて、自らの生き方に重ね合わせて仏教の基本を考える。
『葉隠』は佐賀鍋島藩士が口述した、武士道を説く書だが、江戸期の武士はすでに武闘専門家でもなく、いわば行政官吏にすぎない。いきおい武骨さを強調しながらも、官僚機構での処世の数々について言及する柔軟さも合わせ持ち、いわば乱世と平時双方の心構えが開陳されているのだ。その『葉隠』の真髄を、どのようにビジネスマン像に重ねていくのか。斯界の泰斗師弟が綴りおろす、現代人必携の人生指南書。
縄文文化は、後氷期の恵まれた自然環境の中で生まれた世界史上まれにみる、定住を基本とした豊かな狩猟採集社会であった。本書は、奈良県桐山和田遺跡の発掘成果を中心に、縄文時代草創期の全体像をダイナミックに描く。
さまざまな選択を迫られる時代を拓く人生のキーワード「中道」の思想。仏教の教えの基本で、バランスのとれた思考、生き方を示す「中道」の思想を探り、今、問われている“あいまいさ”から脱却し、自己を確立する道を示す。