東京電力福島第一原発事故で、何が起きたのか。放射性物質はどのように拡がり、水圏環境と魚にどのような影響を与えたのか。それは10年を経てどう変わったのか。事故後の海や河・湖と、そこに生息する水産生物への影響について、10年間にわたるモニタリングデータをまとめ、水産業の復興に向けた取り組みや課題について、わかりやすく解説。
双極性障害の治療は、薬物療法だけでなく、患者の家族や社会的な人間関係の観点にも考慮しなければならない。そうした考えから開発された家族焦点化療法(Family Focused Therapy:FFT)という心理教育的介入法について、本書では1この治療の開発を進めた研究と臨床の背景について、2評価の実施法、心理教育、コミュニケーション・トレーニング、問題解決モジュールの実施に関するマニュアルについて、の2つの面に分けて解説する。
病院倫理委員会の設置・運営から具体的な審議方法まで、基礎から実務までをカバーした医療従事者向けの実践的テキスト。
文部科学省から正式に否定された「軽度発達障害」概念の誕生に至る軌跡と、その後の発達障害臨床を支えた全11論文を収載。
米国の大学に外国語としての日本語学科が登場して120年余りになるが、その間、文法指導の位置づけは、落ち着かない状態が続いている。その理由の一つは、日本語指導を含む外国語指導一般では、コミュニケーション重視が主流になり、文法軽視が続いているためであろう。しかし、文法指導の反論は、文法の定義が定着せず、空論となっている。本書では、日本語学習における文法定義の再考察を行い、文法こそが日本語学習の基盤を築くことを論じている。
われわれは子どもたちに安心できる環境を残すために何ができるか?それは自然エネルギーによる社会形成は十分に可能であり、さらに経済活性化にもつながることを理解することであるー。
「機能障害・能力低下への介入編」待望の改訂!視覚的な理解を促す豊富な写真、採点者・模擬患者の注意点などの特長はそのままに、内容の刷新を図った。
好評のweb動画もアップデートし、分析・介入のポイントをより理解しやすいものとなった。
指定規則改定により臨床実習前後の評価が必修化され、OSCEの重要性が増すなか、臨床家を目指す学生のみならず、養成校教員、臨床実習指導者まで必読の1冊となった。
タブレットPCやスマートフォンに対する関心が高まるとともに、学校教育の中でも利用の可能性を探る動きが活発です。しかし、これまでのパソコンと同じように導入すれば、何を目的とするのか位置づけも不明確なままとなってしまいます。そうならないためにも、操作インターフェースが簡単であるというタブレットPCやスマートフォンの利点を最大限に活用すれば、何らかの困難さを抱える子どもたちにとって大きな役割を果たすと考えられます。本書では、これらのツールの意義や具体的活用法について詳述し、さらに子どもたちの新しい能力を活かす社会へつなげる教育についても論じています。
価値観が多様化した社会のニーズは複雑である。AIに頼ってもESG経営の答えは見つからない。現代の視点から歴史を掘り起こし、先人の知恵と体験を学び取ることから、日本企業が進むべき道が見つかるだろう。SDGs時代のビジネスモデルのヒントを提供する、経営者、ビジネスパーソン、学生必読の1冊。
いまだITスキルに大きな格差があるインド。学校では上位カーストの生徒がマウスとキーボードを占領している。「これこそまさに、イノベーションにうってつけのチャンスだ。1台のパソコンに複数のマウスをつないだらどうだろう?…そしてすぐに“マルチポイント”と名付けた試作品と、専用の教育ソフトまで作ってしまった」。しかしその結果は…「ただでさえ生徒を勉強に集中させるのに苦労していた教師たちにとって、パソコンは支援どころか邪魔物以外のなんでもなかった。…テクノロジーは、すぐれた教師や優秀な学長の不在を補うことは決してできなかったのだ」こうして、技術オタクを自任する著者の数々の試みは失敗する。その試行錯誤から見えてきたのは、人間開発の重要性だった。ガーナのリベラルアーツ教育機関「アシェシ大学」、インド農民に動画教育をおこなう「デジタル・グリーン」、低カーストの人々のための全寮制学校「シャンティ・バヴァン」などを紹介しながら、社会を前進させるのは、テクノロジーではなく、人間の知恵であることを語りつくす。
里山の研究と保全・再生実践を学問として推進する里山学が、具体的に何を見つめ、何を目指し、どのような可能性を見据えているのかを明らかにする。
新項目として寄生虫検査を追加!検査材料別検査法を見直し、検出菌の表を充実!薬剤耐性菌のメカニズムおよびその検査法のUpdate!抗菌薬の体内動態についてわかりやすく解説!微生物検査の基本操作、アウトブレイクの定義を追加!学生さんにも臨床家にも使いやすい、必携の1冊。
本書で紹介するPST(問題解決療法)は、“今ここで”患者が直面している困難さと将来の目標設定に焦点を当て、患者/セラピストの協働作業によって解決へと導く画期的なアプローチである。問題解決療法のメリットは、構造的アプローチがわかりやすく、精神保健の専門家でなくても実施可能な点にある。本書では、アプローチの各段階におけるポイントを箇条書きでまとめ、現場ですぐに問題解決スキルを活用できるようになっている。精神保健の最前線にいる精神科医、心療内科医、臨床心理士はもちろん、看護師や保健師など、患者のこころのケアに携わっている方、不安や抑うつで悩まれている方にもぜひお読みいただきたい。
100年後、この国はどんな言葉を話しているのだろうか。人工知能の出現と浸透が「人間とはなにか」を問うように、多言語社会の到来は「言語とはなにか」を問う。それらの問いはそれぞれに、“人間性”を際立たせ、“言語性”を突き詰めさせるのかもしれない。「言語接触」はその問いを解く重要な鍵であることはまずまちがいない。
近年、語彙研究者の中で注目を集めるフォーミュラ(定型表現・連語・コロケーション)について、卒論・修論で研究したいという入門者を想定し、フォーミュラを入門的に解説する。また、英単語親密度の知見を組み入れた独自の実験用・教育用リストの作成経緯と研究成果について紹介し、それを活用した研究事例や、フォーミュラの教育応用・理論的展望も説明する。
芸術系大学が市民・地域産業・公共団体との連携・協働から、新しい時代の地域イノベーションを生み出している。東京藝術大学、金沢美術工芸大学、京都市立芸術大学、京都造形芸術大学などの事例を丹念に取材した労作。