稲刈り後の田んぼに水を入れ、冬の間も湛水しておく、あるいは湿地状態にしていくことを冬期湛水水田という。著者らは冬期湛水水田を「ふゆみずたんぼ」と呼びならわし、全国で普及・啓発に努めてきた。「ふゆみずたんぼ」は稀少な動植物の住みかとなり、代替湿地として渡り鳥の中継地となるなど、生物多様性の観点からも注目されている。さらに、「ふゆみずたんぼ」ではイトミミズによってトロトロ層が形成されることで、化学肥料や農薬に頼らない稲作が可能になることがわかってきた。
本書は宮城県を拠点に「ふゆみずたんぼ」での生きもの調査に取り組んできた著者が、全国の実践者を訪ね、多様な取り組みを聞き取った記録である。東日本大震災からの水田の復興における「ふゆみずたんぼ」の活用や、生物多様性や渡り鳥の保護になかかわる国際条約において、水田の価値を位置づけるなど、著者自身の取り組みも詳しく紹介されている。
序章 「ふゆみずたんぼ」へ旅立つ前に
1 「ふゆみずたんぼ」とは何か
2 「ふゆみずたんぼ」命名の由来
3 本書の構成
1章 鳥類と「ふゆみずたんぼ」
1 雁の塒(ルビ:ねぐら)となった「ふゆみずたんぼ」
2 トキと「ふゆみずたんぼ」
3 コウノトリ野生復帰と「ふゆみずたんぼ」
4 「なつみずたんぼ」とシギ・チドリの渡り
2章 「トロトロ層」とイトミミズ
1 名蔵アンパルの土吹虫(ルビ:ズーフムシ)
2 最北の「ふゆみずたんぼ」
3 「夢の谷」の糸蚯蚓(イトミミズ)神社
4 イトミミズがつくる泥の世界
3章 水草の多様性と「ふゆみずたんぼ」
1 宮城県加美町・長沼太一さんの田んぼの水生植物
2 伊豆沼・内沼の「ふゆみずたんぼ」とミズアオイ
3 舘野かえる農場の「ふゆくさたんぼ」
4 庄内の哲学者、佐藤秀雄さんの「ふゆみずたんぼ」
4章 生物多様性管理と「ふゆみずたんぼ」
1 Y・Iの木とアシナガグモ
2 プランクトンと「ふゆみずたんぼ」
3 光合成細菌と「ゆきみずたんぼ」
4 田んぼの侵略者は誰か?
5章 農書にみる「ふゆみずたんぼ」の持続可能性
1 会津農書と「ふゆみずたんぼ」
2 蕪村の見た「ふゆみずたんぼ」
3 伊達吉村の絵巻物と「ふゆみずたんぼ」
4 「ふゆみずたんぼ」の系譜と未来
6章 「ふゆみずたんぼ」から見る農村の未来
1 山に木を植えた大潟村の百姓
2 400年続く千框の棚田
3 三方五湖の「環境用水」
4 広渕沼と北村の風致を考える
7章 東日本大震災からの田んぼの復興
1 気仙沼市大谷地区の学校田んぼ
2 塩竃市寒風沢島の田んぼ
3 南三陸町志津川熊田地区の田んぼ
4 陸前高田市と石巻市渡波の復興
8章 環境教育と「ふゆみずたんぼ」
1 「原体験」と「ふゆみずたんぼ」
2 すぎやま農場と「ふゆみずたんぼ」
9章 国際条約と「ふゆみずたんぼ」
1 国際条約のリーフレットとポスターと「ふゆみずたんぼ」
2 世界農業遺産と「ふゆみずたんぼ」
甘えか?自律か?「甘えていないで自分でやりなさい!」家庭で、学校で、教育の前提とされている“甘えを脱却して自律に至る”ことの自明性を問い直す。二項対立を超え、ポストモダンのその先をまなざす気鋭の教育学者たちによる渾身の論文集!
地方都市行政政策の「かたち」につながる新アプローチとして「包摂的発展」を提案し、持続可能な社会の構築論に一石を投ずる。
序 章 包摂的発展の意味を探る
---LORCのこれまでの研究と関わらせて
第1章 ストックを活かした都市デザイン
第2章 地域再生プロセスにみる包摂的発展
第3章 ローカルファイナンスが拓く包摂型社会
第4章 包摂的発展に向けての人材育成
第5章 職業的意義を有する大学教育の課題
第6章 限界都市化に抗する共感型コミュニティの必要性
第7章 〈つなぎ・ひきだし・うみだす〉ための
コミュニケーションデザイン
働き手として、大学経営の調整弁として留学生が利用されている実態の報道が耳に新しい。本書は、留学生の受入れ機関(大・中・小規模大学)と11にわたるアジア諸国・地域の送り出しの実態を紹介し、持続可能な留学生政策の確立へ向けた考察を行う。
2017年に発表された脳・心・腎血管疾患の臨床試験について,臨床研究の適正な評価を目指すNPO法人「J-CLEAR」が今年も中立な評価をまとめました。
J-CLEARが今年選んだトピックスは「臨床研究法のポイントと課題」「RBA(risk based approach)とは」「「機能性」を表示する食品のエビデンスと信頼性 」。「抗血栓療法の新時代 -伏見AFレジストリの解釈を巡って 」については座談会を行いました。教育講座「臨床研究の第一歩」では臨床研究の6 つのステップのうち,プロトコル(研究計画書)の骨格完成までの基礎的なことがらを解説。
日常臨床でなかなか文献を読む時間がとれなかった方へ,エビデンスのアップデートに最適な一冊。
●TOPICS
・臨床研究法のポイントと課題
・RBA(risk based approach)とは
・「機能性」を表示する食品のエビデンスと信頼性
●座談会
抗血栓療法の新時代 -伏見AFレジストリの解釈を巡って
●教育講座
臨床研究の第一歩
●2017年概説
糖尿病
高血圧
脂質異常症
不整脈
心不全
冠動脈疾患ーPCI
冠動脈疾患ー危険因子ほか
心臓外科
血栓/凝固
脳血管疾患
大動脈/末梢血管疾患
腎疾患
EBM
教育者と心理援助職が学校現場で、異なる双方の専門性を十分に発揮し、子どもたちの健やかな成長のために、最大の効果を生み出す方法を考える。
第1章 スクールカウンセラー活用事業の発展と充実
第2章 スクールカウンセラー活用事業の学校への導入
第3章 学校における教育相談体制の充実
第4章 教師とスクールカウンセラーの協働
第5章 スクールカウンセラーの活動
第6章 スクールカウンセラーの専門性を生かした教職員との協働体制
第7章 児童生徒理解と援助
第8章 児童生徒の発達支援と人間関係についての理解
第9章 学習活動とスクールカウンセラーの活動
第10章 不登校・ひきこもり・いじめへの取り組み
第11章 特別な教育的支援を必要とする児童生徒(気になる子)の理解と対応
第12章 発達障害の理解と対応
第13章 教師の研修への支援
第14章 学校の危機管理
第15章 家庭、地域社会・関連機関との連携
第16章 スクールカウンセラースーパーバイザーの活用
第17章 まとめ
被災地では現在に至るまで、NPOや社会企業家、民間企業のCSR部門などが、被災者の生活再建、事業者・地域産業の復興を支えるべく、継続的な取り組みを重ねている。本書ではその中から14のケースを取り上げ、「社会」を意識した支援活動の意義を抽出する。それは人口減少・超高齢化に直面した私たちの「社会」全体に多大な示唆を与えることだろう。
ミャンマーにおける政府の会計規制政策や、企業会計・監査実務、会計教育等の問題を、聞き取り調査や質問票調査を実施して、包括的かつ相互関連的に分析した貴重な研究文献。
かつての植民地支配や冷戦下の対外政策を歴史的背景として、主にイギリス・アメリカによる低開発地域への国際開発・援助事業を理論化してきた開発学は今、新たな局面を迎えている。経済成長により支援される側から支援する側へと転じた中国は、脱中心的・多遍的な開発学を打ち立てられるのか。国内外の開発をめぐる中国の試行錯誤および理論・言説形成の過程を辿り、国際社会を結び直す新時代の開発学を展望する。
従業員の「伸びしろ=可能性」を伸ばすしくみを作れば人が一人前になるまで辞めない!人がどんどん育つ!リピーターが増える!食の演出家&経営コンサルタント“ジェームズ大久保”が教える非常識経営の秘密!
高収益の秘密に迫る。
「構造改革」の延長線上で、「市場化」は生産過程のみならず、人材の育成や生活保障にかかわる再生産過程にも及んでいる。「子どもの貧困」が問題となり、教育機会の平等性の揺らぎがさらに強まる現実のなか、本書は教育を「正義」から問い、平等主義に立つ教育政策のあり方を再検討する。『教育の分配論』の待望の続編、ついに刊行。
双極性障害の治療は、薬物療法だけでなく、患者の家族や社会的な人間関係の観点にも考慮しなければならない。そうした考えから開発された家族焦点化療法(Family Focused Therapy:FFT)という心理教育的介入法について、本書では1この治療の開発を進めた研究と臨床の背景について、2評価の実施法、心理教育、コミュニケーション・トレーニング、問題解決モジュールの実施に関するマニュアルについて、の2つの面に分けて解説する。
5年ぶりの改訂により最新のエビデンスを反映し,日本における糖尿病診療の指針を示したガイドラインの2024年版.今改訂においてもClinical Question(CQ)形式を踏襲し,作成手順・基準は 『Minds診療ガイドライン作成マニュアル2020』を参考とした.国内外問わず,精査された多くのエビデンスを盛り込み,糖尿病専門医だけでなく,糖尿病患者を診るすべての医師にとって必携の一冊.