零細編集プロダクションに勤める宝生敦子、26歳。社長の罵声を溶びながら原稿取りに奔走している。晩夏のある日、原稿の進まない翻訳家加賀淳平宅を訪れた折り、敦子はOL時代の親友高瀬知美の自殺を知らされる。通夜の席上、機械嫌いだったはずの知美がパソコン通信をしていた形跡を発見した敦子は…。情報時代に潜む罠をユーモラスに描く傑作長編。
わたし、浅森裕子、24歳。ナレーター・コンパニオンをしながら、猫のサムと暮らしている。仕事や将来のことに不安がないわけではない。結婚する友人を見れば心は揺れるし…。でも、わたしの旬は今なのだから、今を謳歌したい、もちろん恋も。猫のように人を愛せたらいいと思うのだけど、むずかしい。現に、三人のボーイフレンドとの関係もちょっと微妙になってきているし…。新しい恋愛の形を描くアーバン・ストーリー。
年若い男との出会いがもたらした日常の惰性からの旅立ちの予感に心ふるえる美和子。よき理解者のはずだった恋人からの別れ話に動揺しながらも自分の生き方を希求する令子。求愛に応え、のめり込んでいった男の迷いに傷つき、従うべき自己を模索する香織。一瞬のきらめきの中へ全てのエネルギーを注ぐことに、恋愛の永遠を見出そうとする真弓。-自分に切実に向かい合う4人の女性の、美しく連環する恋愛の形を描く、初めての連作長編小説。
おばあちゃんが心臓発作で倒れて入院し、麦倉先生と同棲することになってしまったノリミ。先生とふたりでちゃんとやっていけるかどうか、ちょっと不安だけど…。そんなとき、ノリミは演劇部の松尾に「オレ、ノリミちゃんのことが好きだから」と告白された。次の日、松尾は練習中に何者かに頭部を殴られ、負傷。そして、演劇部を舞台に、つぎつぎと奇妙な事件が起こりはじめた…。
ラブストーリーに届かなかった25人の男のコたち。あなたならどうつきあう?
本書には、恋愛を長続きさせる「椅子とりゲーム理論」、失恋から素早く立ち直る「不幸中の幸い理論」、三角関係で勝利をおさめる「北風と太陽作戦」等々、「オトコの本音」と「恋愛を成就させる秘訣」が満載されている。ひとりで寂しい女のコに、お笑い胸きゅんエッセイストが愛をこめて贈る、抱腹絶倒の恋愛論。
うだつのあがらぬ男、営業課課長代理(40歳)妻子あり。エキゾチックな女、営業課為替係(23歳)独身。男の転勤が決まった時、僕は、支店の書庫で寄り添うふたつの影を見た-。銀行員の恋は小説よりもロマンティック。
恋の断片が愛にかわる瞬間。愛の処女作品集。
桐原家の三つ子、真己、都、猛は高校一年生。真己には、口にできない悩みがふたつある。色白ほっそり顔の家族の中、自分だけが違う。もうひとつ。都を、好きになってしまったみたい…。「おいっっ、都は兄弟で、ついでに男なんだ!俺は、俺は、どーしたらいいんだーっ。」渦巻く情熱、沸き起こる疑惑。パワフルで超マイペースな桐原さん家のコメディシリーズ第一弾。
あたし、千晶。世間は夏で浮かれてても、ひたすら勉強しなくちゃいけない、浪人生。ひと足先に大学生になったホシオは、ノーテンキに映研の連中と飲んだくれてるのに。違う世界の、違う時間の中で、あたしたちの距離も、あたしたち自身も変わっていく。ただでさえ不安なのに、ホシオが家を出て、ひとり暮らしを始めてしまうなんて。あたしたち、このまま離れ離れになっちゃうの…。
イライラと活気のない毎日を過ごす中垣旭。2月のある晩、彼は渋谷で、元クラスメイトの月館佳之と4年ぶり再会する。下級生を妊娠させた騒ぎで高校を退学になった月館は、また女絡みでマズい事になっていると言う。腕を骨折した彼を、自分のマンションに連れて帰った中垣に、月館は意外な告白をする。自分はゲイだと言うのだ。