1956年に吉田千鶴子、岩見禮花らを中心に結成された「女流版画会」は、当時男性が中心であった版画界において、女性作家の活躍の場を広げました。女流版画会には南桂子や、内間俊子といった海外を活動の場とした女性作家や、現在も第一線で作品の制作と発表を続ける柳澤紀子も参加していました。同会は1966年のニューヨーク展を最後に解散しますが、10年の活動期間を通じて日本の女性版画家の存在感を国内外に強く印象付けます。
同会の活動は、2020年にアメリカ・ポートランド美術館で展覧会が開催されるまで、日本の版画史を語るうえでもほとんど見落とされてきました。本特集の第1部では女流版画会の創立メンバーを中心に、個性豊かで魅力的な作品を紹介し、改めて再評価の光を当てるものです。また、第2部では柳澤紀子や山本容子など、1970年代に活発な発表活動を行った女性作家たちを紹介し、現代に繋がる版画の新たな道を切り拓いた「パイオニア」たちを紹介します。
掲載予定作家:吉田千鶴子、岩見禮花、内間俊子、小林ドンゲ、南 桂子、松原直子、野中ユリ、柳澤紀子、辰野登恵子、山本容子 他
20世紀の大指揮者クレンペラーの最晩年の姿を通して人間における音楽のもつ意味を浮かびあがらせる好著である。
哲学者キェルケゴールのいう美的・倫理的・宗教的領域への深まりをクレンペラーの具体的な演奏を通して明らかにする著者渾身の作。
はじめに
序 章
第1節 本書執筆の背景と目的
第2節 オットー・クレンペラーと晩年
第3節 先行研究と本書の意義
第1章 オットー・クレンペラー 人と生涯
第1節 生涯略歴
第2節 人物像概要
第2章 晩年の創造とその分析
第1節 創造の構成 ─再現と表出の芸術─
第2節 1967~69年の創造内容
第3節 創造にみられる3つの特徴
第3章 マーラーへのオマージュと創造
第1節 マーラーへのオマージュ
第2節 マーラー交響曲第2番演奏の意義
第4章 民族性と宗教性の問題と創造
第1節 クレンペラーの民族性と宗教性の問題─内在する神をめぐって─
第2節 思想的傾向と創造
第5章 生と死の意識と創造
第1節 晩年の活動と遺された言葉
第2節 作曲活動にみる晩年の死生観─声楽曲創作の源泉となった詩からの考察─
第3節 マーラー第9交響曲とクレンペラー
第4節 晩年における生と死の意識と創造
終 章
参考文献・参考資料
あとがき
人名索引
「もしかしたら、ノスタルジアこそ、あらゆる芸術の源泉なのである」(澁澤龍彥)。「記憶」の断片から「芸術」のはじまりを紡ぎ出し、人間の根源的な営みを解きほぐしてゆく。美学、文学、美術史、演劇、観光人類学、オブジェ制作等をめぐって第一線の論者たちが織りなす知の饗宴。【寄稿】谷川渥/宮下規久朗/水沢勉/北川健次/小針由紀隆/萩原朔美/進藤幸代/海野弘/高遠弘美/丸川哲史/秋丸知貴
まえがき
I
記憶と芸術──二重螺旋の詩学 【北川健次】
壁に掛けられた小さな風景画──イタリアの自然と画家たちの記憶 【小針由紀隆】
絵画の時間性 序説 【谷川渥】
+記録/+記憶──あるパフォーマーのこと 【水沢勉】
歴史画と集合的記憶 【宮下規久朗】
2
生の織物 【海野弘】
ポール・セザンヌと写真──近代絵画における写真の影響の一側面 【秋丸知貴】
ハワイ・ポノイを歌うこと 【進藤幸代】
意味を逃れる 【萩原朔美】
《幕間》
澁澤・種村時代を語る──谷川さんと午後五時にお茶を 【谷川渥×中村高朗】
3
「引用的人間」の記憶について 【高遠弘美】
W・B・イェイツとシェーマス・ヒーニーをめぐる記憶 【虎岩直子】
芸術創造のプロセス──「さまよえるユダヤ人」伝説をめぐって 【中村高朗】
戦前の記憶と戦後の生──太宰治における天皇・メディア・死 【丸川哲史】
あとがき
現代抽象絵画を代表する作家マーク・ロスコ(1903-70)。様々な色の矩形が浮かぶ独自の様式に至る以前、ロスコ自ら綴った草稿を編んだのが本書である。1940年代前半、自身の芸術がいまだ確立しない苦しみの中にあったロスコは、一時的に絵筆を置き、それに替えてペンを執った。そこに残されたのは、画家としてではなくオブザーバーとして造形芸術を語り、現代と古代のあいだをわたりながら記された、美術の〈リアリティ〉の系譜である。数年後に再び画布に向かった時、彼の作品は、現在ロスコの到達点として認められる純粋な抽象画へと変化を遂げる。挫折であると同時に、ロスコがロスコになる転回点ともなった時代の貴重なテキストー死後永らく埋もれていた草稿が今、60余年の時を経てその息子の手によって甦る。
金箔を切って貼る截金の技法を、名工・松久真やが現代に蘇らせた。截金の基本技法を救世観音で、瑠璃観音・雛人形で着彩した上に截金を施す応用技法を、さらに仏画で平面に施す技法を示す。伝統文様、創作文様の図案も多数収録。
ゴッホ、モネ、ラファエロ、レンブラント…人生と、名作の読み解き方は、すべて「家」にあった。生涯と絵画の見かたがすぐわかる。
動物や世界から切り離された人間はいかにして個としてその生を全うするか。バタイユの絵画論と文学論に共通する地平を「幼年期」への志向に見いだす、新鋭による果敢な読解。
作家、画家、音楽家、哲学者たちはなぜ破綻において自由となったのか。ランボー、アルトーらのはるかなる嫡子であり詩人思想家にして炸裂的な文学者がその営為のすべてを結晶させた思考のアラベスク。
1日目、イヴ・サンローランに蟻を描いた。
COVID-19の流行により渡仏が延期になり、
緊急事態宣言が発令された4月7日から、
家に閉じこもって毎日1作品を制作し続けた。
FENDIとのコラボなど世界で活躍する
アーティスト・小川貴一郎が、
45日間にわたって向き合い続けた芸術の記録。
========
芸術家とは、
自分自身の中から生み出されたものでしか、
自分を守ることはできない。
ーー小川貴一郎
========
*この本は英語と日本語の両方で書かれています。
This book is written in both English and Japanese.
神話とか古典文学とか歴史とか、昔のお話はお好きでしょうか?カビが生えたような退屈な話なんて見ちゃいられないよ、と思う人もいるかもしれません。だがしかし、です。昔の話は退屈どころか、なかなかにエグくて過激なものが多いのです。
グリム童話が残酷であるのは有名な話ですが、残酷や理不尽はグリムの専売特許ではありません。今回は昔のことばっかりつぶやいている私が一生懸命探した、世界中の残酷なお話を皆様にご紹介しようと思います。心臓をえぐり出されたり、顔をネズミに食われたりとややきつい表現もあるとは思いますが、きっと大丈夫。少女漫画の絵師様が綺麗な絵でヴィジュアル化してくれていますので、心臓が弱い人でも多分…問題ないはずです。それでは、存分にお楽しみください!(「はじめに」より)
5人の漫画家による名画や童話の闇を暴くアンソロジーをご堪能ください!
第1章 血にまみれたグロテスクな話
第1話「ギスムンダと恋人の心臓」 作画:陽向シズク X:@hinata_shizuku…P.7
第2話「ピエール・アベラールの悲恋と悲劇」 作画:みなみ X:@minami_152133…P.19
第3話「メディア」 作画:CHIHIRO Instagram:@chihiro21865527…P.29
第4話「ティアボルトとドラリス」 作画:みなみ X:@minami_152133…P.41
第2章 誰かしらが死ぬ恋愛話
第5話「梁山泊と祝英台」 作画:CHIHIRO Instagram:@chihiro21865527…P.53
第6話「パオロとフランチェスカの悲恋」 作画:みなみ X:@minami_152133…P.65
第7話「カッサンドラー」 作画:陽向シズク X:@hinata_shizuk…P.75
第3章 いくら何でもあんまりな話
第8話「青髭」 作画:棘茸bot X:@togekinoko12…P.92
第9話「リップ・ヴァン・ウインクル」 作画:CHIHIRO Instagram:@chihiro21865527…P.107
第10話「毒婦ロクスタ」 作画:みなみ X:@minami_152133…P.119
第11話「ネズの木の話」 作画:ねおきてる X:@neoki_teru…P.129
第12話「緋文字」 作画:棘茸bot X:@togekinoko12…P.143
古代ギリシアから20世紀まで、古今東西のあらゆる芸術家、哲学者、思想家、評論家、作家が芸術について語る151篇の「名言」。
芸術生成の新たなトポスミュージアムを全開する。「作品」は観客の眼を通じて初めて「芸術」として開花する。作品と観客出会いの場・ミュージアム等に見る、芸術と社会の新たな関係性。日本学術振興会人社プロジェクトの成果。
現在も世界に誇る日本の文化である「浮世絵」は、江戸時代に盛んに発行され、町人文化の熟成を担った一大メディアでした。葛飾北斎や歌川広重など、当時の人気浮世絵師の名前は現在でも広く知られていますが、そもそも彼らが世に出るきっかけを作ったのは、「版元」と呼ばれる人々のプロデュースがあったからです。
「蔦屋重三郎」は、当時存在した数多の版元の中でも卓越した企画力で圧倒的な人気を誇りました。本特集では蔦重がプロデュースした浮世絵版画を中心に紹介し、名作が生まれるための版元の仕事について紹介します。
「モノからコトへ」時代の、その先へ
長編書き下ろしと7編の論考で探る、「作品」と「制作」の新たなる可能性
現代美術のあり方が、芸術とは何かを問う内的な行為からその外にある現実社会への働きかけへと変化してきているいま、「作品」はどこへ向かうべきなのかーー。芸術とは何か、作品とは何かを根本から問い続け、美術作家としてその時々の自身の答えを作品にあらわしてきた池田剛介による、待望の処女論集!
「ユリイカ」「現代思想」「早稲田文学」「POSSE」等に寄稿した2011年から2017年までの思考の軌跡と、それを束ねる長編書き下ろしで構成。カバー、表紙、扉には本書のために著者本人が制作した新作を実験的方法で印刷し、書物というモノの可能性を追求する。
自身も不確かな世界に身を置き、活動の継続方法を模索し続けてきたアーティストがたどり着いた、「制作」のあり方とは。モノを作ることを志す全ての人必読の、いまを生き抜くためのヒントに満ちた一冊。
chapter 1. 失われたモノを求めて
chapter 2. 干渉性の美学へむけて
祝祭・現実・遊び
虚構としてのフォームへ
セザンヌの中間地帯
保存と解凍
クマと人とが出会う場で
カタストロフの傍らに
愛好家(ディレッタント)こそ理想の芸術家ーー
日々の糧のためでなく、純粋に芸術を愛し実践した彼らは近代的な理想的芸術家像の原形となった。包括的研究がされてこなかったディレッタントたちの芸術活動に美術史、音楽学、文学、美術教育学など多様な視点から迫る。
序章 ディレッタント研究のために
ディレッタント研究序説ーーその歴史と展開の見取り図 8
佐藤 直樹
1章ディレッタント前史ーー工房、宮廷、サロン
ルネサンス期における最初のディレッタント肖像画、あるいは素描を教えるベルナルディーノ・リチーノ 36
ウルリヒ・フィステラー 岩谷 秋美 訳
王族たちの美術活動ーーザクセン宮廷の素描と旋盤細工 60
佐藤 直樹
一八世紀フランスのディレッタンティズムーー美術愛好家による作品制作をめぐって 83
船岡 美穂子
2章 ディレッタンティズムの転換点
ヴァイマル古典主義の文脈におけるディレッタンティズムの様相 112
ヤナ・ピーパー、トルステン・ファルク 橘 由布季 訳
ヴァイマル公妃アンナ・アマリア作曲《エルヴィンとエルミーレ》を巡って 128
大角 欣矢
愛好家のための方法ーー一七六〇〜七〇年代におけるアルファベット式芸術事典 170
山口 遥子
ゲーテのディレッタンティズムーー「収集家とその友人たち」と「ディレッタンティズムについて」 190
眞岩 啓子
一八〇〇年頃の侯爵夫人と女性市民階級ーーディレッタンティズムにおける共通点はあるのか? 218
コルドゥラ・ビショッフ 杉山 あかね 訳
3章 「天才=ディレッタント」
作曲家メンデルスゾーンの素描と水彩画ーースイス旅行を例にして 244
星野 宏美
ディレッタントの芸術としての「ランドスケープ・ガーデニング」--ピュックラー=ムスカウと『親和力』の世界 277
尾関 幸
カール・グスタフ・カールスのディレッタンティズムと近代社会 303
仲間 裕子
終章 「新しい芸術家=ディレッタント」の未来
教育学から見たディレッタンティズムの可能性 338
小松 佳代子
あとがき 363
人名索引 1
資料:フリードリヒ・フォン・シラー「ディレッタンティズムに関する見取り図」 6
引用図版出典一覧 8
Die ersten Dilettanten-Porträts der Renaissance, oder: Bernardino Licinio unterrichtet im Zeichnen 12
Ulrich Pfisterer
Erscheinungsformen des Dilettantismus im Kontext der Weimarer Klassik 24
Jana Piper | Thorsten Valk
Vereint im Dilettantismus? Fürstinnen und Bürgerinnen um 1800 33
Cordula Bischoff
芸術家の年賀に込めた美の世界。個性あふれる芸術家73名の年賀状、277通を一挙公開。