男花魁として人気の佳雨は百目鬼久弥との愛が確かなものになるにつけ、色街を出た後のことを考えるようになっていた。久弥の役に立ちたいーそう思い、英国人・デスモンドに英語を習い始めた佳雨。客なら割り切れるが、と嫉妬する久弥が佳雨は少しだけ嬉しい。ある日久弥は呉服問屋の当主・椿から彼の妻が佳雨の姉・雪紅だと話しかけられ…!?
「言いなりで平凡な女」と言われ、恋人に振られたばかりのソフィー。友人の結婚式で、背が高く完璧な容姿の男性クーパーにダンスに誘われ夢心地に。しかし、会話が進むにつれ彼は愛を信じない離婚弁護士で、妻にふさわしい従順な女性を求めていることがわかる。見た目は素敵なのに残念。立ち去ろうとするソフィーを彼は抱きあげ、甘く誘惑する。一夜のアバンチュールなんて私の柄じゃない。でも、これは真面目で退屈な女教師ソフィーから変身するチャンス…!?
マンガの極意を記した「秘伝の書」をひそかに作り続け、マンガ家になれると信じて疑わない高校生・小石川タイチ。常にベレー帽をかぶり、憑かれたように突然マンガを描き出すことで変人扱いされている同級生・虹崎愛理。少年少女は、遠く果てなきマンガ道に踏み出す──!!
マンガ家になれると信じて疑わないマンガオタクの高校生・小石川タイチ。同級生の虹崎愛理は常にベレー帽をかぶり、憑かれたように突然マンガを描き出すことで周囲から変人扱いされている。ある日の放課後、タイチは虹崎がボツにした作品を盗み読みしてしまい‥‥!!?
ハロー。ハロー。まもなくチキューに到着します。衝撃に備えてください。
そいつはひやむぎ泥棒か宇宙人、どっちなのだろう。 名前も分からない、言葉も分からない。分かるのはその少女の髪が虹色に輝くことだけ。私がその髪に触れると、その指も虹色を帯びた。 そして起こるは、狭苦しいアパートの一室で繰り広げられる、虹色のエイリアンとの壮大なファーストコンタクトであった。
ご近所さんにこの子を紹介し、カニャエと名前をつけ、不思議なロブスターと邂逅し、ひやむぎ買いに二人でスーパーまで競争! 地球のどこかで発生したささやかな異星間交遊。それは、窓から、外から、腹の中から始まっていた。 宇宙からやってきた虹は今日も暖かい。 異星人(あなた)も地球人(わたし)も宇宙人(変なやつ)。 こんなのがいれば、夜空も明るいわけだ。
町で目にとまった風景から紡がれた、切なく、また心温まる34の物語。
ボクの名前は、ヘルン。ボロ小屋に母さんとふたりっきりで暮していたんだ。でもある日の朝、ボクは、とんでもないことを知ってしまった。実は、ボクはリタルランド王国のプリンスだということなんだ。そして、ラドリーからの手紙…。それによると、ボクの本当の父さん、母さんを殺して、リタルランドを乗っ取ったのは、ズルーという悪大臣で、リタルランドを取りもどすために必要な『虹の鏡』を集めて、ジパングまで来てほしいというんだ。こうなったらもう行くしかないよね、ちょいスゴ過ぎるシルクロードの旅だけど…。だって、これはボクの使命なんだから。
おれの名前は、蜂須賀林太郎ー呼び名はリンだ。ハッチと呼ぶ者もいる。専門は動物生態学。なかでも霊長類が専門だったが、途中からズーオロジーー動物園の運営を動物保護や、遺伝子維持の観点から研究する学問だーに転向した。そして今は、国際自然守護軍(INCA)に引き抜かれた。インカは環境保護団体の中でも、もっとも戦闘的グループだ。