企業が独創的な製品、サービスを創造することは、ますます重要になってきているが、創造性を発揮し、「0から1」を創り出すことは、簡単ではない。
本書では、特別な才能を持たない人々から成る組織が創造性を発揮するためのプロセスを、認知的共感の視点から追究する。これは、他者の心の状態を理解する能動的かつ理知的な働きであり、筆者は、「共に観る」という意味で「共観」と名付けている。その中でも特に筆者が注目するのは、その核心となる、「多元的視点取得」概念である。これは他者の視点から世界をイメージしたり、他者の立場で自分自身をイメージしたりする視点の多様性である。
すなわち、お互いに、自分の表現を他者がどのように感じるのかを知ることで、相手の視点を取得すると同時に、自己の中でその視点を見つめ直す。その相互作用によって、組織の多元的な視点取得が実現され、創造性に結びつく過程を解明する。
ダイバーシティという言葉もすっかり定着し、多様な属性の人材を集めれば、組織の創造性が向上するかのような論調も見受けられる。しかし、本書の分析は、人材の属性の多様性が直接的に組織の創造的な成果を生み出すのではなく、「組織の視点の多様性」が創造性に寄与することを示している。合わせて、多元的視点を得るための実践的な工夫も提案し、組織として「0から1」を創造することの困難さに直面する実務家にも、多くの気づきを与える研究成果の集成。
プロローグ
第1章 共観創造の概念ー多元的視点取得と創造的成果ー
第2章 共観創造のメカニズムー多元的視点取得と多様性が創造的成果に与える影響ー
第3章 タスクによる共観創造の違いービジネス企画、ハードウェア開発、ソフトウェア開発ー
第4章 創造的実践に見られる多元的視点取得ーデザイン思考とデジタル・ストーリーテリングー
第5章 多元的視点取得を高める工夫ーマルチモダリティとナラティブ・モードー
終章 チームによる共観創造
エピローグ
陸上植物の代表的な群でのゲノム解析が進展し、それらの比較から、陸上植物の四群(種子植物、シダ植物、小葉植物、コケ植物)では、それぞれ発生様式とその遺伝子制御ネットワークが大きく異なっていることがわかってきた。
本書ではこれらの成果をもとに、植物進化の新しい体系の構築を試みた。現生植物のゲノム生物学、細胞生物学、発生学、形態学の知見に古生物学の知見を融合し、陸上植物全体について包括的に形態と進化を議論した、世界に類を見ない教科書と言える。
2013年刊「リグニン利用の最新動向」の普及版。利用が遅れているリグニンについて、リグニン分布や構造解析、分解技術などの基礎研究の解説と炭素繊維、ポリマーなどの新素材開発などの応用研究を紹介している。
地球上には150万もの種が生息するが,これら多数の種はどのようにつくられたのだろうか。ピーター・グラントとローズマリー・グラントの夫妻は,1973年以来40年もかけてこの問いに迫ってきた。その精力的な研究の成果が,32頁におよぶ鮮やかな口絵写真とともに本書にまとめられている。研究対象となったのは,南太平洋のガラパゴス諸島に生息する一群の鳥,ダーウィンフィンチである。
本書では,種分化にかかわる数多くのプロセスが一つ一つ検討され,ダーウィンフィンチの長期野外研究の結果に基づいて検証されていく。たとえば以下のようなものだ。
・何年かに一度,急激に変化する自然環境下で,自然淘汰によりフィンチの嘴の形態とサイズが急速に進化することを,自然淘汰のはたらく条件や原因も含めて詳細に実証した。
・子どもは父親からさえずりを学習する。これは雌による配偶者選択にはたらく。結果,種間の交雑を避けることになり,生殖隔離機構として重要な意味をもつ。また,学習の相手を間違えることで異なる種の間での交雑が生じる。これは鳥類では一般的なことらしい。
・交雑は結構頻繁に生じていて,雑種形成による遺伝子浸透のため種間の区別が消失してしまうこともある。そうでない場合には,交雑は形質の遺伝的なばらつきを増やして自然淘汰がはたらきやすくし,環境への素早い適応的進化をもたらす。
翻訳出版にあたり,グラント夫妻から寄せられた日本語版へのあとがきには,ガラパゴスのダーウィンフィンチのすべての種について,全ゲノムが解読されてわかったことや最近のフィールド調査の成果など,本書を出版した後の研究の進展が書かれている。この分野の研究の進展についての興奮を読者に伝えたいという著者達の意気込みが伝わる。
(ピーター・グラントとローズマリー・グラントの夫妻は,2009年に,基礎科学部門における第25回京都賞を共同受賞している。進化生物学や生態学,動物行動学といったいわゆるマクロ生物学では,京都賞が最高の権威をもつ)
長期にわたる野外研究の重要性とともに,他方でゲノム研究や発生の分子生物学,学習などの進歩と,生態学や動物行動学,地理学などとが結びつくことによって生命現象が深く理解されうることが,本書により実感できるだろう。
[原著:How and Why Species Multiply:The Radiation of Darwin's Finches. Princeton University Press.]
刺激的で普通でないものが溢れ続ける現代文明…このままでは、デザインの被害者が続出する。デザインの本来を問い、デザインの将来を読む…世界各国で行われたUCHIDAデザイン講演録。
進化の研究において重要な試料である歯を切り口に,生物の進化の歴史をオールカラーでビジュアル豊かに解説.
【主な目次】
1 歯の起源ーー歯はサメのウロコから由来した
2 サメ類の歯ーー“ジョーズ” の歯の原始性と特殊性
3 サカナ(硬骨魚類)の歯ーー歯の多様性の実験台
4 両生類の歯から爬虫類の歯へーー歯の上陸史
5 爬虫類の歯から哺乳類の歯へーー捕食から咀嚼へ
6 食虫類の歯から霊長類の歯へーー虫食から果実食へ
7 人類の歯の進化と退化ーー猿人から新人まで
8 人類の歯の未来ーー現代人から未来人へ
1 歯の起源ーー歯はサメのウロコから由来した
2 サメ類の歯ーー“ジョーズ” の歯の原始性と特殊性
3 サカナ(硬骨魚類)の歯ーー歯の多様性の実験台
4 両生類の歯から爬虫類の歯へーー歯の上陸史
5 爬虫類の歯から哺乳類の歯へーー捕食から咀嚼へ
6 食虫類の歯から霊長類の歯へーー虫食から果実食へ
7 人類の歯の進化と退化ーー猿人から新人まで
8 人類の歯の未来ーー現代人から未来人へ
移民増加に不安を覚え反対意見を持つ人々と多文化共生や異文化理解を推進する人々の間で建設的な議論は可能か。多文化共生に関心の薄い地方新聞記者の視点から不安や疑問への応答を通して、日本社会における移民受け入れの現状と課題を浮き彫りにした入門書。
はじめに
用語について
移民が増えたら日本の治安が悪くなってしまうんじゃないかな?
外国人には日本語を使いこなせないんじゃないの?
○在住27年のインドネシア人の熟練技能者へのインタビュー
日本の学校は不登校とかで大変なのに、さらに外国の子なんて入れたら混乱するんじゃないの?
移民が増えると日本の文化が壊れちゃうんじゃないの?
○在住23年のフィリピン人の着物師範へのインタビュー
日本代表で活躍するのは「ガイジン選手」ばかりになるのでは?
○在住11年のベルギー人の大学教員へのインタビュー
日本には外国人を入れるための法律とか制度とか、しっかりあるの?
これから、急いで取り組まなければならない多文化共生の施策は何?
移民が増えたら、かえって差別や偏見が増えるんじゃないの?
移民が増えたら日本人の仕事がなくなっちゃうんじゃない?あったとしても、給料が下がるんじゃないの?
移民が増えたら医療費とか年金とか、社会保障の負担が重くなるばかりでは?
○在住30年のマレーシア人の会社経営者へのインタビュー
世界で、多様性はどうなっていくんだろう?
移民が増えて、いいことって何だろう?
おねがい
出典
農地ができると「害虫」が生まれる。人類は、農耕生活を開始して以来、さまざまな害虫の被害に悩まされてきた。その防除を目指して、農薬をはじめとしてさまざまな手法が用いられてきた。しかし、「殺虫剤の逆理」という言葉に示されるように、単に「駆除」を目指したのでは、農業生態系を構成する生物群集の多様な機能を損なうだけで、害虫による被害を抑えることは難しい。生態学の最近の研究成果に基づき、生物間に働く多様な相互作用を利用した害虫管理によって農作物への被害を経済的に許容できるところまで抑制する道を探り、その基礎とその方向性を示す。
「宇宙はどのように生まれたの?」「どうして地球はまわっているの?」--。人類の好奇心を刺激してやまない天体の秘密を、日本最高峰の大学・東京大学の現役教授が「ざっ」と解説。
男性はいつか、この地球上から消えてしまうのだろうか? 地球に暮らす175万種類近くの生物には、温度などの環境によって雌雄の比率を変える生物もいれば、性のない生き物すらいる。そもそも、なぜ性は存在するのか? なぜヒトには雌雄同体がないのか? 性転換する生物の目的とは? 命を次世代に継いでいくため、驚くほど多様化させてきた生き物たちの「性」の通史。
2000年に62歳で斃れるまで、原発の危機を説き続けた「市民科学者」高木仁三郎が、その思想の全容を語りつくした名著、いま蘇る。
大好評の「ニュートン式超図解 最強に面白い!!」シリーズがコンパクトな新書サイズで登場! 第40弾は2022年7月に発売された『ニュートン式 超図解 最強に面白い!! 理科』の新書版です。
★はじめて学ぶ中高生にとって最強の入門書!
★やさしいイラストで,最強によくわかる!
★コラムにマンガにQ&A。トリビア的な知識も満載! 余分な知識もさらに増量!
★すべての漢字にふりがなを振っているため,専門用語も迷わず読める!
「理科」は,自然科学系の学科のことです。多くの人は,中学校や高校で,「生物」「化学」「物理」「地学」の,四つの分野を学んだのではないでしょうか。
中学校や高校で理科を学ぶのには,理由があります。それは,理科を学べば,私たちの身のまわりのものや現象が,よくわかるようになるからです。単に知識がふえるだけではなくて,物事を筋道をたてて考えられるようになります。そして理科は,最先端の科学の基礎でもあるからです。理科を「教養」として正しく身につければ,世の中の見え方が,きっと変わることでしょう。
本書は,中学校と高校で学ぶ理科の重要項目を,1冊に凝縮したものです。生物,化学,物理,地学の,四つの章があります。どの章から読んでもかまいません。“最強に”面白い話題をたくさんそろえましたので,どなたでも楽しく読み進めることができます。理科の世界を,どうぞお楽しみください!
本書は初期地球における生命と地球環境の進化についての教科書であるが,国内外の最新の成果をふんだんに取り入れていること,従来の教科書で通説とされているような事柄を批判的に検証する視点を提供していること,そして筆者自身の研究について詳しく解説している点が一般的な教科書とは趣を異にする。
前半の3分の2は教科書的な作りにし,このテーマに関する様々なトピックや論争を紹介しつつ,それらを理解するために必要な基礎的な地球科学と生物学の知識を獲得出来るように図を多用することも含め工夫した。後半の3分の1は筆者が西オーストラリアの荒野(“ブッシュ”と呼ぶ)で偶然発見した30億及び34億年前の微化石の正体に迫るプロセスを時系列的にノンフィクション風に書いた。微化石を見つけた2001年から初めて論文を発表した2007年までを比較的くわしく,さらに2015年に発表した最新の論文にまで言及することで,研究の(人間臭く)ダイナミックな側面を読者に感じてもらいたい。
第1章 「太古代」とは
第2章 太古代の生命痕跡ーその1
第3章 太古代の生命痕跡ーその2
第4章 太古代の生命痕跡ーその3
第5章 「生命」はいつ,どこで,どのように?
第6章 現生生物に見る多様性と生態系ー太古代生命理解のために
第7章 原核生物と真核生物,それらをつなぐシアノバクテリア
第8章 先カンブリア時代の地球表層環境
第9章 太古代表層環境に関する新知見ー酸素を巡って
第10章 謎の太古代大型微化石ーその1
第11章 謎の太古代大型微化石ーその2
第12章 謎の太古代大型微化石ーその3
第13章 謎の太古代大型微化石ーその4
第14章 太古代大型微化石の謎にせまる
認知科学というのはなにせ領域が広いから、とても一回の「招待」では案内しきれません。そこで今回の「招待2」です。今回は言語獲得から人工知能まで、前回に劣らず多彩に、「心の研究」を紹介。
スピード合格を目指す人に!合格に必要な知識取得と過去問演習が同時にできる実戦的な参考書。「電話応対・電話メディア」「ICTツール(コミュニケーションツール)」「マナー」の重要ポイントを整理。実技問題の取り組み方も解説しました。
第1章 電話応対・電話メディア
1. 電話応対の基本
2. 電話のかけ方
3. 電話の受け方
4. 電話の取り次ぎ方
5. 電話の言葉
6. クレーム電話
第2章 ICTツール(コミュニケーションツール)
1. ICTリテラシーの基本
2. コミュニケーションサービスの特徴
3. 情報セキュリティ
4. 情報モラル
5. 情報管理
6. 著作権を守る
第3章 マナー
1. ビジネスマナーの基本
2. 職場のコミュニケーション
3. 訪問
4. 来客応対
5. ビジネス文書
6. メール
7. Web会議
8. お付き合い
9. 多様性への対応
第4章 実技試験
「実技試験」の学習法
「電話を受ける」ケースの問題(1)
「電話を受ける」ケースの問題(2)
「電話をかける」ケースの問題
索引
どこでも活躍できる人材をつくる!
「考え方×能力×環境」の方程式で会社は強くなる
有望な人材がいない中でエン・ジャパンの前身企業をつくり、最も支持される転職サイトにまで成長させた秘密を公開。「考え方×能力×環境」の組み合わせで、どこでも活躍できる人材をつくり、企業の成長ライバーにしていくCSA(キャリアセレクタビリティ)経営を同社の事例を交えて紹介する。人づくりをベースにした新しい経営論。
第1章 社員のCSAを考え続けた40年
第2章 経営者を飛躍させるCSAを支える7つの「考え方」
第3章 どこででも通用するための20の「能力」
第4章 考え方と能力を高める4つの「環境」
未来シナリオを用いた未来洞察の手法は、2000年代以降、幅広い分野で活用されている。本書は、これまで実務での研究や開発が先行してきたこの手法について、学術的な基本的視座の提供をめざし、経営学・マーケティング学を出発点に、認知科学やデザイン学などの視点も融合させた、学際的なアプローチによる理解・解釈を行う。
はじめに
第1章 未来を洞察するための思考法の選択[鷲田祐一]
1.1 予測手法の発展
1.2 意思決定におけるシナリオの活用
1.3 未来予測と未来洞察
1.4 演繹推論・帰納推論・アブダクション
1.5 予測シミュレーションや量的・質的調査とシナリオの関係
1.6 デザイン思考を用いたアブダクション
1.7 経営における思考決定方法の選択
第2章 スキャニング手法とインパクトダイナミクス手法の概説[鷲田祐一・粟田恵吾・石野幹生・藤原まり子・Geoff Woodling]
2.1 はじめに
2.2 時間軸の設定
2.3 ワークショップ形式とメンバー選定
2.4 スキャニング・マテリアルのデータベース
2.5 未来イシューの策定
2.6 スキャニング
2.7 未来変化のマッピング
2.8 インパクトダイナミクス
2.9 未来シナリオの活用
第3章 10年先の社会技術問題シナリオ作成の試みと実際に10年が経過した時点でのシナリオ検証[鷲田祐一・三石祥子・堀井秀之]
3.1 社会技術問題と本研究の目的
3.2 2006年実施の未来洞察ワークショップの経緯
3.3 2006年時点で作成した2015年の社会変化仮説
3.4 技術開発と社会変化の再構成による未来シナリオ作成(2006年段階)
3.5 抽出された社会技術問題例と解決への示唆(2006年段階)
3.6 2006年に作成された環境自動車関連シナリオの再検討(2015年段階)
3.7 結論と今後の課題
第4章 シナリオ作成とその評価[鷲田祐一・本田秀仁・引谷幹彦]
4.1 シナリオ作成行為と,研究の動機
4.2 先行研究
4.3 中心課題と仮説
4.4 実験設定
4.5 実験結果と仮説検証
4.6 ディスカッションと未来洞察への示唆
4.7 結論と今後の課題
第5章 未来に関するアイデア生成のエキスパートとノンエキスパートは何が違うのか?:認知プロセスの分析[本田秀仁・鷲田祐一・須藤明人・粟田恵吾・植田一博]
5.1 はじめに
5.2 方法
5.3 結果・考察
5.4 結論
第6章 ユーザー視点の導入による事業アイデアの質の向上[和嶋雄一郎・鷲田祐一・冨永直基・植田一博]
6.1 はじめに
6.2 ユーザー視点を導入したアイデア生成
6.3 評定結果
6.4 総合考察
付録
第7章 情報の多様性がアイデア生成に及ぼす影響の検討[清河幸子・鷲田祐一・植田一博・Eileen Peng]
7.1 はじめに
7.2 実験1
7.3 実験2
7.4 総合考察
7.5 結論
付録
第8章 未来洞察による新商品開発とイノベーション[古江奈々美・鷲田祐一・藤原まり子]
8.1 実務における未来洞察手法
8.2 市場の予測可能性とイノベーション概念の関係性
8.3 企業組織の中での未来洞察
8.4 イノベーションを育むのは,個人か,組織か,社会か
8.5 結論と今後の学際的研究への期待
事項索引
人名索引
*本書を推薦します
森岡正芳氏(神戸大学名誉教授)
小さな声、つぶやきを聴き届ける
各章に登場する一人一人が際立って、語りはじめます。動き動かされつつ言葉をていねいに相手に伝える。これが対人援助の原型です。
発達障害者の支援の現場では,当事者自身の思いや生きにくさが理解されず,支援者の側の論理や枠組みが(自覚の無いままに)優先されていることが多い。本書は,当事者自身の生きている世界を理解するために必要なことについて考察する。また,詳細なインタビューの中で聴き取った多くの当事者の語りを紹介し,彼らとともに生きる私たちのあり方を問い直すための一助とする。
山本智子さんの著書に寄せて(森岡正芳)
はじめにーー「あなた」の物語を聴かせてください
第1部 ナラティヴを聴くことの意味
--「あなた」と「私たち」それぞれに新たな知見や認識を生じさせるプロセス
第1章 当事者である「あなた」をとらえる視点
--多様な意味を見落とさないために
1 語りがもつ力
2 発達障害の語られ方
3 「あなた」という存在は私たちの行為を反映する
第2章 語られなかった「私たち」のあり方
1 「私たち」はどこにいる
2 私たちは「あなた」の世界への関与者である
3 語りをリードする聴き手の「私」
4 語りの解釈に関与する「私」
第3章 「あなた」の内側から立ち上がる
「理論 (説明モデル)」を聴く
1 「あなた」の語りが私たちの認識を変える
2 優斗君に固有の「理論(説明モデル)」
3 斉藤さんに固有の「理論(説明モデル)」
第2部 実践の中のナラティヴ
--現場から立ち上がってくる小さな「理論」
第4章 障がいという言葉に対する「違和感」
--一つの価値観・秩序が優先される世の中で
1 「なぜ僕たちだけが変容を求められるのか」
2 「なぜ、僕は苦しむのだろう」
第5章 就労に向けての支援に生じた行き違い
--「あなたのため」は誰のため?
1 発達障害がある人が語る「夢」を諦めない
2 面接に行かなかった理由
第6章 「傷つく言葉」「救われる言葉」は関係性の中で現れる
1 学校の中で
2 施設の中で
第7章 発達障害がある人の「ネガティヴ・フィルター」
--ネガティヴな眼差しや扱いを取り込む
1 人の言動や表情をネガティヴに受けとる
2 「頑張ればできると教えられてきた」
3 「僕がいてもよい場所がある」
第8章 「あなた」から私たちに伝えたい思い
1 「同じ歩幅で歩いてほしい」
2 「他愛もない普通の対話もしてみたい」
3 誰かに、何かに必要とされること
第9章 発達障害支援におけるオルタナティヴな物語
--当事者が当事者を支援するときにみえてきたもの
1 人は紙切れではわからない
2 「問題行動」というとらえ方
3 当事者が考える「合理的配慮」
結びにかえて
引用・参考文献/索引
いつまでみんなと同じこと書いてるの?個性的に見える書き方を、こっそり教えよう。作文とは、上手にウソをつくことである!学校空間につぶされないための、ふつうでない作文のすすめ。