1990年から2022年11月までに国内で刊行された、家庭、社会、女性・婦人、ジェンダーに関する参考図書を網羅した目録。年表、事典、辞典、ハンドブック、法令集、年鑑・白書、統計集など2,373点を収録。「書名索引」「著編者名索引」「事項名索引」により、様々な角度から検索できる。
『ジェンダーで学ぶ生活経済論[第2版]』(2015年)の全面改訂版。現在の新しい個人、家族、世帯のあり方を的確に捉え、現実の「暮らし」における重要テーマにジェンダーの視点から鋭く迫る。消費生活、労働環境、アンペイドワーク、家計、貧困や格差問題など、実生活に密接にかかわる諸課題に対し、主体的に考え、対応する知識と力を身につけることを目的とする。第3版では、社会保障、資産形成、金融について大幅加筆。
〈わたし〉から始める本書では,身近な問い,自分の中の「なんで?」から始めて,その問いに潜む社会の特性を考える。個人的なことが社会的なことにつながる,その面白みを味わいながら,歴史や比較といった社会学の射程の広さ,アプローチの多様性を体感できる。
序 章 パーソナル・イズ・ポリティカル
第1部 「近代家族」は変わったか
第1章 妻の脱主婦化の落とし穴と夫の働き方の問題/第2章 地域におけるM字型カーブの推移/第3章 日本における「近代家族論」の展開と社会へのインパクト/第4章 育児と仕事の競合/第5章 「タイガー」マザーと「不合格」母/コラム1 育児ネットワークと会話分析
第2部 わたしたちはどこから来てどこへゆくのか
第6章 子どもはどちらについていくのか/第7章 伝統家族の複数性を読み解く/第8章 日本的近代化と家の展開/第9章 日本における「近代のエスノグラフィー」の誕生/コラム2 〈わたし〉の沖縄家族社会学
第3部 国境を越える家族/国境を越える研究
第10章 〈外国人の子どもの声〉が声になるまで/第11章 国際結婚で「第1の近代」は揺らいだのか/第12章 2つのオリエンタリズム/第13章 非西洋文化圏における家族研究/コラム3 アジア家族の多様性に迫る
インタビュー・エッセイ 落合恵美子に聞く!
ジェンダーに関する基本的な解説に加えて、性役割分業、労働、セクシュアリティ、ケア、社会政策などのトピックを幅広く採り上げ、「ジェンダーの社会学」の理論と実践を、第一人者が平明に解説。
女性の窮状、脆弱な層への負荷の偏り、ケアの危機等をもたらした権力構造を分析し、ポストコロナ時代に求められる政治や行政を見通す。編集委員長=三浦まり
第7号は3つの特集から成る。〈特集1〉女性差別撤廃条約40周年に4論文(秋月、山下、浅倉、軽部)、〈特集2〉ノルウェーにおける性の多様性に1論文(矢野)と講演の翻訳(矢野・齋藤)、〈特集3〉DSDsを考えるに2論文(ヨ・ヘイル、石嶋)を掲載。「立法・司法の動向」は、「日本学術会議の提言の意義」として性暴力に対する今後の刑法改正に向けた重要な提言(後藤)。最新テーマで迫る。
あなたの人生は、あなた自身が動かす。そのためのカギとなる1冊!セクシュアリティ、家族、恋愛、ファッション、カルチャー、学校、キャリアetc.さまざまな視点からジェンダーを考える。
日本の女子選手たちは、男子選手ならば経験することのない、こうした矛盾した要求を突きつけられる。なでしこジャパン、女子レスリング……2000年代以降、かつて「男の領域」とされたスポーツで活躍する女子選手の姿をメディアで多く目にするようになった。
強靭な身体と高度な技能、苦しい練習を耐えるタフな精神力や自律が要求されるエリートスポーツの世界。その中でも「男らしいスポーツ」とされるサッカーとレスリングの世界で活躍するたくましい「女性アスリート」たちはどう語られたのか。メディアの語りから見えてくる「想像の」日本人の姿とは。そこに潜むコロニアリティとは。また、トランスジェンダーへの差別が絶えない社会で、トランスジェンダーやシスジェンダーでない選手たちは、女子スポーツの空間や「体育会系女子」をめぐる言説とどのように折り合いをつけ、スポーツ界に居場所を見出してきたのだろうか。
本書は、日本の女子スポーツ界を取り囲む家父長制的、国民主義的、異性愛主義的、そしてシスジェンダー主義的言説を明らかにし、抑圧の構造に迫る。同時に、その抑圧的環境を創造的に克服してきた選手たちにスポットライトを当てることで、「生きることのできるアイデンティティ(livable identity)」、そしてより多くの可能性に開かれた主体性(subjectivity)のあり方を探る。
各国の男女格差を測る「世界ジェンダーギャップ指数」を見ると、日本は144か国中114位。先進国では異例の低さだ。女性の社会進出は進んだが、男女の賃金格差、男性の長時間労働など、性別による格差は根強い。では、こうした問題はどうすれば解消できるのか。本書では、ハーバードで人気の行動経済学者が今注目の「行動デザイン」の手法を駆使し、エビデンスに基づく解決策を提示した話題作。有効かつ透明性の高い採用・昇進方法とは? ダイバーシティ研修には意味がない? 日本でも急ピッチで進む「働き方改革」や「女性活躍推進」にも使えるヒントが満載。
序章 行動デザインの力/第1部 問題/第2部 人事のデザイン/
第3部 職場と学校のデザイン/第4部 ダイバーシティのデザイン
生き物図鑑とドリトル先生の大好きな少女が、いかにして進化生物学者になったのか。 それまで通説だった「群淘汰」「種の保存」という考えの誤りに気づき、むしろ「遺伝子淘汰」「性淘汰」の考えこそ重要なのだと認識し、進化生物学者として成長していく著者の人生の歩みと、人間の進化と適応に関する興味深い話が語られる。
第一章 豊かな自然と図鑑たち
第二章 博物学者になりたい
第三章 進化と行動研究への足がかり
第四章 ニホンザルの研究と「種の保存」の誤り
第五章 アフリカの日々
第六章 群淘汰との闘い
第七章 博士論文を書く
第八章 ケンブリッジへ
第九章 ケンブリッジ大学とイェール大学
第十章 ダーウィンとの出会い
第十一章 科学とは何か?
第十二章 人間の進化と適応を考える
第十三章 動物の世界から性差を考える
第十四章 ヒトにおけるセックスとジェンダー
あとがき
参考文献一覧
トランスジェンダーなど性的少数者に対する素朴な疑問・誤解から偏見・不安を煽るデマや陰謀論まで事実と人権に基づき一問一答。日本の性教育を再び後退させないため各分野のエキスパートが結集!
フェミニズム運動を淵源の一つとするジェンダー史は、単なる「女性の歴史」を超えて、既存の歴史学に新たな視点と刺激を提供し続けてきた。変容する「男らしさ」と権力の関係、奴隷制や近代国民国家の形成とジェンダーの関わりなど、対象領域を拡張し、今や言語論的転回以後の歴史学をも展望しうる分野に発展している。ジェンダー史の変遷を知るとともに、歴史学を捉え直す視点を獲得できる刺激的な入門書!
はしがき
第1章 なぜジェンダー史なのか?
第2章 身体とセクシュアリティ
第3章 人種・階級・ジェンダー
第4章 男性と男らしさ
第5章 政治文化のジェンダー史に向けて
第6章 「転回」以降の新潮流
訳者あとがき
読書案内
原 註
索 引
SDGsの17の目標をおはなしで楽しめる絵本。2巻は、目標4教育、目標5ジェンダー、目標6水とトイレのテーマで、男らしさ女らしさ、もしもトイレがなかったらなどのおはなしを紹介。やさしい絵が中心なので低学年からの読み聞かせ・ひとり読みに。
とあるハプニングバーに集まるセクシャルマイノリティの人々の物語ーー。
ハプニングバー「BAR California」。ここは性別・性癖・性的指向も異なる人々が集まる場所。
人々は「何か」になるためにこのバーを訪れるーー。
他人の声に傷ついてきたトランスジェンダーのバイセクシャル。
本当の恋を探すパンセクシャル(全性愛者)。
男女二つの性自認を持つ両性ーー。
人の数だけセクシャリティがある。
性と愛にまつわる珠玉のオムニバスストーリー!
ムスリムの家族は近代以降に起きた社会や政治、法律の変動によって大きな影響を受けてきた。では個々の文脈のなかで、それはいかに経験され、議論され、改変され、つくりかえられてきたのか。身近に存在するが捉えがたい「家族」という課題に挑む画期的論集。
「イスラーム・ジェンダー・スタディーズ」シリーズ刊行にあたってーー6『うつりゆく家族』
はじめに
第1部 家族に含まれるもの
第1章 つねに「他人」が家にいるーーオマーン移民の家族と「ハーディマ(奴隷/メイド)」[大川真由子]
コラム1 妻の居ぬ間にもう一家族[鳥山純子]
第2章 団欒と社交のある暮らしーーイエメン・サナアの事例から[大坪玲子]
コラム2 「母乳の父親」--インドネシアにおける男性の育児参加をめぐる言説[西川慧]
第3章 家族に絡めとられるーーモロッコのベルベル人母子にみる家族の捉え方[齋藤剛]
第2部 家族に死が訪れるとき
第4章 母という家庭の中心ーーあるエジプト人母の姿から[鳥山純子]
第5章 上エジプト出身者の葬儀告示から考える家族のつながり[岡戸真幸]
コラム3 家族を喪った悲しみを分かち合うーーウズベキスタンの葬儀と泣き女[今堀恵美]
第6章 妻に家の半分を遺すーーエジプトの地方の町に生きたある男性の一生[竹村和朗]
コラム4 ひとりで頑張るーーイランの「家族経営」企業[岩崎葉子]
第3部 家族をめぐる法の論理
第7章 ムスリム家族法の近代化と宗教コミュニティ間の対立[伊藤弘子]
コラム5 家族と国籍[伊藤弘子]
第8章 変わりゆく家族のかたちーー現代イランの場合[森田豊子]
第9章 名誉殺人と二つの家族像ーートルコの刑法改正が映しだすもの[村上薫]
第4部 家族に入り込む政治
第10章 議会を牛耳った家族[鈴木恵美]
第11章 出生率低下があらわす家族のかたちーーチュニジア南部タタウィーン地域の事例[岩崎えり奈]
第12章 国境を越えるパレスチナ難民の家族ーー市民権が意味すること[錦田愛子]
コラム6 SNSが大好きなアラブ人と家族のつながり[錦田愛子]
編者あとがき
参考文献
ジェンダー、感情、遺伝子情報にいたるまで、あらゆるものが象徴資本として流通する現代。ブルデュー、フーコー、ドゥルーズ、アガンベンらを手がかりに、日常における権力の実態に迫る。
今日のフェミニズム研究に不可欠な視点である「インターセクショナリティ(交差性)」を前面に押し出し、豊富な事例や広範な先行研究をふまえて政治理論の近代以降の基軸に異議を申し立てる、積年のフェミニズム研究の大いなる成果。
第一章 性別化された身体ーー挑発
セックスを解釈する
セックスを脱自然化する
第二章 ジェンダーを概念化する
ジェンダーの歴史をたどる
言語学からの教訓
ジェンダー、および身体化された差異の規制
性的二形性を混乱させる
セクシュアリティを脱自然化する
セックス、ジェンダー、セクシュアリティの関係性を精査する
生物学的還元主義者の説明
パフォーマティヴな連関
構造的説明
ジェンダーを錯綜させる
第三章 身体化=身体性を理論化する
人間本性
身体を人種化し、ジェンダー化する
ジェンダー化された人種化と植民地化
近代の身体化からポスト近代の身体化へ
結論
第四章 公的なものと私的なものを描き直す
正典とされてきた説明
構成的な矛盾ーーリベラルな家父長制
公/私二元論への現代的取り組み
結婚
セクシュアリティ
身体の商品化
第五章 国家と国民を分析する
西洋政治理論における国家概念
ジェンダー化された制度としての国家
国民と国家
国民国家における人種化、ジェンダー化、異性愛化
奢侈禁止法から服装規定へ
政治的統一体を標準化する
異性愛化
第六章 不正義の概念をつくり直す
正義と国家
国家の不正義
人種化
ジェンダー化された排除と危険
アイデンティティを無効にすること、現実を強制すること
ポストコロニアル的、帝国主義的介入
国家にもとづいて正義にアプローチすることの限界
社会変革を構想する
日本語版の読者へ
特殊性を深掘りする
フェミニズムがたどってきた道
架橋する
訳者あとがき
参考文献
人名索引
事項索引
著者・訳者紹介
日本仏教、その未来を考えるーー。
仏教界に今なお根強く残る性差別の実態に、国内外の研究者と現場の僧侶たちが鋭く迫る。
多文化共生が求められる現代社会に、ジェンダーの視点から日本仏教の未来を問う革新的な1冊。
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寺院は、日本仏教の基盤であり、日本の伝統文化を継承する主要な場の一つでもある。その裏面として、日本の負の伝統(因襲とも言える)もまた、一般社会より色濃く伝えてきてしまったところがある。古臭い女性観や、周囲の人間に対するハラスメント意識の希薄さは、その典型的な例だろう。
こうした負の伝統をどう理解し、いかに克服しうるか。学問的にも実践的にも、大きな課題としてある。本書は、その課題に応えるための論文や提言を集めた研究書であり、実践のための手引き書である。
(中略)
ジェンダーは国際的な視野から検討したほうが、理解が深まりやすい。社会や文化ごとの違いが重要なため、自己とは異なる社会や文化の事例や視点を得ることで、問題の所在が際立ち、また別の可能性も見えてくるのである。
そのため、本書は国際性を重視する。国外の事例を取り上げるだけではない。イギリスから日本に来て、僧侶として活動してきた女性の体験談や、あるいは寺院でのフィールドワークを積み重ねるカナダの研究者の論文も掲載する。こうした「異邦人」の目線からの現代日本仏教に関する所感や考察は、現状では、あまり多くは存在しない。それらは一種の日本文化論としても興味深く、新鮮な見解に満ちている。(「はじめに」より)
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執筆者一覧(50音順):飯島惠道/池田行信/碧海寿広/岡田真水(真美子)/川橋範子/那須英勝/本多彩/横井桃子/吉村ヴィクトリア/マーク・ロウ
【本書のポイント】
・「ジェンダー」と「国際性」というこれまで日本仏教に関する著作において同時に押し出されることのなかった二つのキーワードから、「現代日本仏教と女性」という仏教界が抱える重要な問題に切り込む画期的試み。
・研究者による調査報告だけでなく、実際に現場で活動する女性僧侶たちの体験談までを収録。
はじめに(碧海寿広)
序 章 越境する「仏教とジェンダー」研究(川橋範子)
第一部 研究篇
第一章 女性の出家と成仏(岡田真水〈真美子〉)
第二章 米国本土の女性仏教徒と越境
-米国開教区の動向ー(本多 彩)
第三章 越境する寺族女性たち
-日本とハワイの調査からー(横井桃子)
第二部 実践篇
第一章 ジェンダー不平等な現場からのレポート
-伝統的出家型尼僧の視座からー(飯島惠道)
第二章 ニッポンの田舎における英国人女性僧侶の冒険(吉村ヴィクトリア)
第三章 真宗教団における「性」をめぐる諸問題(池田行信)
特別収録
仏教人類学とジェンダー
-女性僧侶の体験からー(マーク・ロウ)
おわりに(那須英勝)
「龍谷大学アジア仏教文化研究叢書」刊行について(楠 淳證)
編者・執筆者紹介
東アジアの性、家族、社会。何が変わり何が変わらなかったのか? 2000年代以降の状況を気鋭の研究者が新たな視角から切り込む。
東アジアの急激な少子化は20世紀には想像もつかないものであった。日本・韓国・台湾・中国・北朝鮮、これらの社会では、何が共通で、何が異なるのか、そして何が変わったのか。ジェンダーとセクシュアリティの側面から比較し、日本の「特殊性」をあぶり出す。最先端の研究が切り拓く日本の、そして東アジアの「性」をめぐる課題とは?
自家用ジェットで空を飛び、高級車を乗り回し、プール付豪邸に住まうアフリカ人エリートたち、彼等の暮らしを支えているのは、我々がテレビで最も頻繁に目にする、“かわいそうな”アフリカの貧しき人びと。本書は、国民を守るべき政治エリートたちが、その国民を食い物にする“発展途上国”の現状が、“先進国”にも通ずる、遍く世界における課題であることを証明する。