ジェンダー、感情、遺伝子情報にいたるまで、あらゆるものが象徴資本として流通する現代。ブルデュー、フーコー、ドゥルーズ、アガンベンらを手がかりに、日常における権力の実態に迫る。
アフガニスタンの人々は、度重なる外国の政治介入、軍事侵攻、内戦などの過酷な現代史を生きてきた。とりわけ日常生活でさまざまな差別や暴力を受けてきた女性たちは、1977年にRAWA(アフガニスタン女性革命協会)を設立し、平和で民主的な社会を求め歩んできた。
2001年の同時多発攻撃(9・11)以後、米国は英国などとともにアフガニスタンを爆撃し、ターリバーン政権を崩壊させた。しかし、以後の政権下で女性は解放されるどころか、むしろ暴力・差別・貧困は悪化している。
アフガニスタンへの無関心が続く日本で、連帯は可能か。本書はこれまでのそしてこれからも続いていくRAWAとの連帯の記録である。
はじめに (前田 朗)
読者の皆さまへ──RAWAからのメッセージ
第1章 アフガニスタンにおけるジェンダーに基づく暴力──その形態と諸要因 (清末愛砂)
第2章 RAWA設立者・ミーナーの生涯 (前田 朗)
第3章 RAWAのいまとこれから (清末愛砂)
第4章 近年のRAWAの声明
第5章 RAWAと連帯する会のとりくみ (桐生佳子)
資 料 ゆっくり読もう、アフガニスタン現代史 (前田 朗)
おわりに (清末愛砂)
〈書きかえ〉の日本近代文学史
何かを書きつけたい切望、そしてその周囲に生じるさまざな権力関係(=書きかえ)。
近代になって書くことを与えられた女性たち。そのテクストに現れる「複雑性=書きかえ」は何を物語っているのか。文学作品のみならず、書簡、同人誌、雑誌投稿欄など、有名/無名を超えた女性たちの実践の足跡をたどる試み。
手本通りに書くためのなぞり書きが、手本をゆがめ、やがてそれを切り裂くに至るように、SNS時代の今日に通ずる、制度と個々人の関係のその「裂け目」に肉薄した、かつてない日本近代文学史。
文学という“虚構がつくるジェンダー“と、“ジェンダーそのものの虚構性”は、いかなる関係を「現実」において切り結ぶのか?
序 章 書くことを拒否しながら書く──田村俊子「女作者」の複雑さ
第1章 〈女性〉を立ち上げる困難──『青鞜』における小説ジャンルの揺らぎ
第2章 自然主義が消去した欲望──森田草平「煤烟」のマゾヒズム
第3章 大正教養派的〈個性〉とフェミニズム──田村俊子・鈴木悦の愛の陥穽
第4章 労働とロマンティシズムとモダン・ガール
第5章 〈女性作家〉として生き延びる──林芙美子『放浪記』の変節
第6章 盗用がオリジナルを超えるということ──太宰治『女生徒』と川端康成の〈少女〉幻想
第7章 紫式部は作家ではない──国文学研究の乱世と文芸創作
第8章 戦後世界の見取り図を描く──野上彌生子『迷路』と田辺元の哲学
第9章 女性作家という虚構──倉橋由美子『暗い旅』盗作疑惑の周辺
あとがき
注
初出一覧
索引
本書は、スポーツにおける様々な性に関わる人権問題を取り上げ、ジェンダーの視点から、最新の情報をもとに現在の状況をわかりやすく解説する。なぜそうした問題が起きるのか、解決の糸口を探る。
具体的には競技スポーツにおける「男性と女性」の構築、「一流と二流」の差異化、性的マイノリティの排除などを取り上げ、スポーツが性別二元制などの固定的な価値観から解放されていく道筋を読者とともに考えていきたい。スポーツとジェンダー学の全体像が把握できる入門書。
日本仏教、その未来を考えるーー。
仏教界に今なお根強く残る性差別の実態に、国内外の研究者と現場の僧侶たちが鋭く迫る。
多文化共生が求められる現代社会に、ジェンダーの視点から日本仏教の未来を問う革新的な1冊。
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寺院は、日本仏教の基盤であり、日本の伝統文化を継承する主要な場の一つでもある。その裏面として、日本の負の伝統(因襲とも言える)もまた、一般社会より色濃く伝えてきてしまったところがある。古臭い女性観や、周囲の人間に対するハラスメント意識の希薄さは、その典型的な例だろう。
こうした負の伝統をどう理解し、いかに克服しうるか。学問的にも実践的にも、大きな課題としてある。本書は、その課題に応えるための論文や提言を集めた研究書であり、実践のための手引き書である。
(中略)
ジェンダーは国際的な視野から検討したほうが、理解が深まりやすい。社会や文化ごとの違いが重要なため、自己とは異なる社会や文化の事例や視点を得ることで、問題の所在が際立ち、また別の可能性も見えてくるのである。
そのため、本書は国際性を重視する。国外の事例を取り上げるだけではない。イギリスから日本に来て、僧侶として活動してきた女性の体験談や、あるいは寺院でのフィールドワークを積み重ねるカナダの研究者の論文も掲載する。こうした「異邦人」の目線からの現代日本仏教に関する所感や考察は、現状では、あまり多くは存在しない。それらは一種の日本文化論としても興味深く、新鮮な見解に満ちている。(「はじめに」より)
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執筆者一覧(50音順):飯島惠道/池田行信/碧海寿広/岡田真水(真美子)/川橋範子/那須英勝/本多彩/横井桃子/吉村ヴィクトリア/マーク・ロウ
【本書のポイント】
・「ジェンダー」と「国際性」というこれまで日本仏教に関する著作において同時に押し出されることのなかった二つのキーワードから、「現代日本仏教と女性」という仏教界が抱える重要な問題に切り込む画期的試み。
・研究者による調査報告だけでなく、実際に現場で活動する女性僧侶たちの体験談までを収録。
はじめに(碧海寿広)
序 章 越境する「仏教とジェンダー」研究(川橋範子)
第一部 研究篇
第一章 女性の出家と成仏(岡田真水〈真美子〉)
第二章 米国本土の女性仏教徒と越境
-米国開教区の動向ー(本多 彩)
第三章 越境する寺族女性たち
-日本とハワイの調査からー(横井桃子)
第二部 実践篇
第一章 ジェンダー不平等な現場からのレポート
-伝統的出家型尼僧の視座からー(飯島惠道)
第二章 ニッポンの田舎における英国人女性僧侶の冒険(吉村ヴィクトリア)
第三章 真宗教団における「性」をめぐる諸問題(池田行信)
特別収録
仏教人類学とジェンダー
-女性僧侶の体験からー(マーク・ロウ)
おわりに(那須英勝)
「龍谷大学アジア仏教文化研究叢書」刊行について(楠 淳證)
編者・執筆者紹介
プライド・パレードの参加者は数万人。首相はじめ、同性婚をした大臣など、たくさんの政治家も参加する。
若者たちはメディアが押し付けるジェンダーロールを批判し、国営放送ではポルノの虚構ではなく、一般公募のカップルのセックスを放映する。
そんなノルウェーにも、Me Too の波がやってきた。
次々と暴露される、各界でのセクハラ被害。問題は政界にも広がり、未来の首相候補といわれる政治家への告発も次々とよせられる。
ジェンダーギャップ指数世界3位のノルウェー。さらなる性の平等を求める現地をレポートする。
家族法、刑法(性犯罪)、DV防止法など最新の改正論点を詳解。医学部女子入試差別、AV出演被害、同性婚など、様々な差別や人権課題、労働、社会保障などの幅広い問題を解決に導くための実践の書。ジェンダー問題に接するすべての法曹、ロースクール生のための一冊。
フェミニズムの視点から,すべての人のウェルビーイングの実現をめざす。
日本ではじめてのフェミニスト経済学のテキスト!
第1部 理論と方法
第1章 フェミニスト経済学への招待
第2章 アンペイドワーク──人間のニーズとケア
第3章 世帯──世帯内意思決定と資源配分
第4章 生活時間──資源としての時間
第5章 ジェンダー統計──社会を把握するツール
第2部 領域と可能性
第6章 労働市場──ペイドワークと格差
第7章 マクロ経済──再生産領域を加える
第8章 ジェンダー予算──ジェンダー主流化のためのツール
第9章 福祉国家──ジェンダー関係を形づくる
第10章 金融──金融危機のジェンダー分析
第11章 資本・労働力移動──グローバル経済の特質としての女性化
第12章 貿易自由化──競争優位の源泉としてのジェンダー格差
第13章 開発──連帯とエンパワーメント
第14章 環境・災害──レジリエンスの構築
〈わたし〉から始める本書では,身近な問い,自分の中の「なんで?」から始めて,その問いに潜む社会の特性を考える。個人的なことが社会的なことにつながる,その面白みを味わいながら,歴史や比較といった社会学の射程の広さ,アプローチの多様性を体感できる。
序 章 パーソナル・イズ・ポリティカル
第1部 「近代家族」は変わったか
第1章 妻の脱主婦化の落とし穴と夫の働き方の問題/第2章 地域におけるM字型カーブの推移/第3章 日本における「近代家族論」の展開と社会へのインパクト/第4章 育児と仕事の競合/第5章 「タイガー」マザーと「不合格」母/コラム1 育児ネットワークと会話分析
第2部 わたしたちはどこから来てどこへゆくのか
第6章 子どもはどちらについていくのか/第7章 伝統家族の複数性を読み解く/第8章 日本的近代化と家の展開/第9章 日本における「近代のエスノグラフィー」の誕生/コラム2 〈わたし〉の沖縄家族社会学
第3部 国境を越える家族/国境を越える研究
第10章 〈外国人の子どもの声〉が声になるまで/第11章 国際結婚で「第1の近代」は揺らいだのか/第12章 2つのオリエンタリズム/第13章 非西洋文化圏における家族研究/コラム3 アジア家族の多様性に迫る
インタビュー・エッセイ 落合恵美子に聞く!
世界的に関心の高まる女性への暴力。その実態は地域や社会によって多様で、その差異を無視しては解決どころか深刻化しかねない。さらにグローバル化のなか地域社会が変容し暴力の構造はますます複雑化している。本書では現地調査をもとに歴史・文化・社会的文脈を考慮しつつ実態を描き出す。
序章 ジェンダー暴力とは何か?
第1部 家族の名誉にかけて
第1章 南アジアにおける強制結婚ーー規定婚、幼児婚、非人間との結婚
第2章 二重の暴力ーーネパールにおける売春とカースト
第3章 名誉は暴力を語るーーエジプト西部砂漠ベドウィンの血讐と醜聞
第4章 ジェンダー暴力の回避ーーエジプトのムスリムの試み
第5章 噂、監視、密告ーーモロッコのベルベル人にみる名誉と日常的暴力の周辺
第6章 復讐するは誰のため?--ギリシャのロマ社会における名誉をめぐる抗争
第2部 国家に抗するジェンダー
第7章 揺れ動くジェンダー規範ーー旧ソ連中央アジアにおける世俗主義とイスラーム化
第8章 抑圧された苦悩の可視化ーー韓国の烈女と鬼神
第9章 ある「母」の生成ーーアルゼンチン強制失踪者の哀悼と変わりゆく家族
第10章 痛みと記憶ーーチリ・軍政下を生き抜く女性たち
第11章 自由、さもなくば罪人ーー性の多様性をめぐるインド刑法の攻防
第3部 ディアスポラ社会の苦悩
第12章 名誉をよみかえるーーイスタンブルの移住者社会における日常の暴力と抵抗
第13章 トランスローカルなジェンダー暴力ーーインド・パンジャーブ出身女性の経験
第14章 暴力と移動が交錯する生ーーメキシコにおける中米女性移民たち
第15章 越境する「強制結婚」--ノルウェーのパキスタン系移民女性とNGO活動
第16章 眼差しの暴力への抵抗ーーノルウェーのアラブ系難民女性をめぐって
第17章 仕事・恋愛・暴力が交錯する場ーーカラオケパブで出会うフィリピン人女性と日本人男性
日本の妖怪や怪異現象は、病気や身体攻撃などさまざまな形で私たちを襲う「敵」として描かれたものが多数ある。民俗学とジェンダー・女性学の見地から読み解く、画期的身体論。
SDGsの17目標を学んだうえで、学級新聞作りにつながるように構成されたシリーズ
新聞作りとSDGs学習を合わせたシリーズの第2巻。SDGs目標5〜8について、マンガとイラストを合わせてわかりやすく解説。
【もくじ】
はじめに/この本の使い方/まんが「SDGsの世界へようこそ!」/SDGsとは…
●目標5 ジェンダー平等を実現しよう
まんが「ジェンダー平等を実現しよう」/男性も女性も生きやすい社会に/「ジェンダー」に関する世界のいま/持続可能な未来のために/わたしたちにできること/新聞作りの準備をしよう
●目標6 安全な水とトイレを世界中に
まんが「安全な水とトイレを世界中に」/生活に欠かせない「水とトイレ」/「水とトイレ」に関する世界のいま/持続可能な未来のために/わたしたちにできること/新聞作りの準備をしよう
●目標7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに
まんが「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」/エネルギーをみんなで使える世の中に/世界のエネルギー問題のいま/持続可能な未来のために/わたしたちにできること/新聞作りの準備をしよう
●目標8 働きがいも経済成長も
まんが「働きがいも経済成長も」/働きがいと経済成長の関係/世界の経済成長と問題/持続可能な未来のために/わたしたちにできること/新聞作りの準備をしよう
SDGs17の目標とターゲット(目標5〜8)/さくいん
東アジアの性、家族、社会。何が変わり何が変わらなかったのか? 2000年代以降の状況を気鋭の研究者が新たな視角から切り込む。
東アジアの急激な少子化は20世紀には想像もつかないものであった。日本・韓国・台湾・中国・北朝鮮、これらの社会では、何が共通で、何が異なるのか、そして何が変わったのか。ジェンダーとセクシュアリティの側面から比較し、日本の「特殊性」をあぶり出す。最先端の研究が切り拓く日本の、そして東アジアの「性」をめぐる課題とは?
なぜ夫婦は同姓でなければならないのか? 「家」制度から社会の仕組みに内包するジェンダー不平等を明らかにし、憲法を手がかりに解決を探る。
ジェンダーに関する基本的な解説に加えて、性役割分業、労働、セクシュアリティ、ケア、社会政策などのトピックを幅広く採り上げ、「ジェンダーの社会学」の理論と実践を、第一人者が平明に解説。
国連におけるジェンダーの課題。
立ち後れる日本のジェンダー平等。コロナ禍のしわ寄せを受けるケア労働を始め、格差是正を求める新しい労働世界実現の道を拓く。
第1章 コロナ化の生活の変化
第2章 労働分野のジェンダー格差と「ケアレス・マン」モデル
第3章 エッセンシャル・ワーカーの困難
第4章 ジェンダー平等に関わる労働法制の展開
第5章 時間と資金の新しい考え方 「ケアレス・マン」モデルからの脱却
第6章 暴力とハラスメントのない世界を
第7章 日本のジェンダー平等を国際基準に
新型コロナウイルス感染拡大は、これまで社会が内包していたさまざまな問題を浮き彫りにした。とりわけ、突然の一斉臨時休校要請は、教職員、子ども、保護者に大きな混乱や不安をもたらした。本号では、休校対応や感染症対策に追われる学校現場の様子や、子どもたちへの影響についてレポート。さらに、女性労働者への被害の集中、DV被害の深刻化、居場所のない若者、10代からの妊娠相談など、コロナ禍において見えてきた社会の課題を探る。
Part 1 しわ寄せは女性労働者に
女性の休業者比率は男性の3倍以上
──被害は子育て女性に集中
周 燕飛(労働政策研究・研修機構主任研究員)
コロナ労働相談の半数以上は女性非正規労働者
山根木 晴久(連合総合運動推進局総合局長)
「在宅ワーク70%」で見過ごされる
「家庭以内のワークライフバランス」
竹信 三恵子(ジャーナリスト)
《探る・深める》フリーランスにセーフティネットを
森崎 めぐみ(女優、日本俳優連合国際部長)
Part 2 “異例の事態”に向き合う学校現場
新型コロナウイルス感染症対応に関する日教組のとりくみ
丹野 久(日教組中央執行委員・総合政策局局長)
【学校現場から1】
教育現場で、ソーシャルディスタンスが当たり前になる不安(長崎県)
【学校現場から2】
「学校とは」「教育とは」と改めて考える時間が持てた(岩手県)
【学校現場から3】
状況に対応した生活の仕方を自ら考え工夫するよう指導(山形県)
【学校現場から4】
保健室でのかかわりを大切に、感染症への差別を子どもたちと一緒に考えたい(大分県)
【学校現場から5】
発注キャンセル、食材廃棄、簡易給食など異例ずくめの状況下での給食(大阪府)
「コロナにかかってしまったら嫌われるかも」と心配
──「コロナ×こどもアンケート」から見えてくるもの
半谷 まゆみ(国立成育医療研究センター社会医学研究部研究員)
コロナ禍で広がる教育格差──今が議論の時
前馬 優策(広島経済大学教養教育部准教授)
《探る・深める》働きながら学ぶ外国人留学生を襲ったコロナ禍
佐藤 由利子(東京工業大学環境・社会理工学院准教授)
Part 3 「ステイホーム」のかけ声の陰で
コロナ禍とDV
北仲 千里(全国女性シェルターネット共同代表)
居場所のない若者──「家」は必ずしも安全な場所ではない
橘 ジュン(BONDプロジェクト代表、ルポライター)
コロナ禍における10代の「予期せぬ妊娠」
──相談から見えた社会の課題
土屋 麻由美(ピッコラーレ副代表、助産師)
「従軍慰安婦」の存在は周知のものだったにもかかわらず、一九九〇年代の当事者による告発まで、なぜ彼女らの存在は「見えて」いなかったのか。「慰安婦」問題がつきつけるすぐれて現代的な課題を、フェミニストとして真正面から論じ話題となった著書に、戦争・国家・女性・歴史にかかわるその後の論考を加えた新編集版。