クラシックの“つまみ食い”としては最良のアルバム。「曲は知ってるけど題名がわからない」という多くの人の要望を満たす内容である。本アルバムが“恐ろしい”のは錚々たる演奏陣の名演が惜しげもなく並んでいる点。何という贅沢! 無論お買得盤です。
2004年までのおよそ10年間の音源をメインに集めたベスト盤。安定感など言わずもがな。これだけ幅広いジャンルを手掛け、それらがみなヨーヨー・マ節になっている芸の確かさ。彼らしい甘く心地よい歌心に、また一層自由さが加わっているようだ。多彩な共演者たちにもぜひ注目を。
欧州映画テーマ曲の哀愁のメロディにスポットライトを当てた第2集。切れのいい洒脱な演奏で上品なセンチメンタリズムを描き出す。オリジナル曲の持つ痛みの感覚はぬぐい去られているが、おのおのメロディアスなスタンダード曲に転成した姿を楽しむのも一興か。
映画音楽界の大御所、エンニオ・モリコーネの自作自演集。イタリアの一流オーケストラを指揮して、合唱やヴォーカルも起用。400本以上にも及ぶ作品の中から厳選した贅沢なアルバム。
NHK連続テレビ小説『さくら』の演奏で、お茶の間を優しい調べで満たして人気急上昇のサックス奏者のベスト。サックスと言っても、ジャズではなくクラシック・サックス。その端正な音色と演奏はどんなジャンルの名曲にも絶妙にマッチ。なごみの一枚。
人気のピアノ・トリオが、タンゴに初挑戦。本家アルゼンチンの濃厚なタンゴではなく、1920年代と第二次世界大戦前にヨーロッパで大流行したコンチネンタル・タンゴ。ジャズの語法を用いることで再生されたタンゴは、何とも優雅でスタイリッシュだ。
甘美なトランペットに誘われ、いま世界が恋に落ちる。スムースジャズ・トランペットの貴公子クリス・ボッティから届いた、最高にスウィートなラブ・レター。柔らかな音色と繊細な表現で綴る一枚。
クロスオーヴァーな世界で活動を続ける尺八奏者・藤原道山のセカンド・アルバム。邦楽器で洋楽をやるという試みは(その逆もあるが)昔から行なわれてきたが、ここでは彼の若さから来るのであろう瑞々しい感性がよくありがちなパターンに陥ることを防ぎ切っていて聴き応えあり。
ホンダ車のCFで「G線上のアリア」を弾いている女性といえばピンとくるだろうか。奏者としてだけでなく、バラエティ番組などでそのべらんめぇキャラが受けている彼女のベスト盤。親しみやすい選曲と聴きやすいアレンジでメガヒットの予感。このわかりやすさがイイ!
ともにミズーリ州出身という2人。すでに何度か共演はしているものの、ベースとギターのシンプルなデュオというのは今回が初めて。どことなく哀愁を帯びたセンチメンタルな楽曲がズラリと並んでおり、彼らの音楽的背景を知る上でも興味深い1枚だ。
78年から2002年までに公開された名作映画のテーマ曲を集めたコンピ。モリコーネ、坂本龍一ほか巨匠たちのスコアをまとめて楽しめる。入手困難なオリジナル・サントラ音源も多数収録。