日本におけるフェミニズム運動のパイオニア世代の三人が、個人史の軌跡を時代の中に位置づけて語る。草創期の女性史・女性学の熱気、学生運動や「慰安婦」問題との関わり、異性愛者としての立ち位置、そして老いつつある自らの経験と死について。後に続く世代に残す、貴重な歴史的証言。
F・スコット・フィッツジェラルドの母校プリンストン大学に招かれ、アメリカでの暮らしが始まった。独自の大学村スノビズム、スティーブン・キング的アメリカ郊外事情、本場でジャズについて思うこと、フェミニズムをめぐる考察、海外で悩み苦しむ床屋問題ーー。『国境の南、太陽の西』と『ねじまき鳥クロニクル』を執筆した二年あまりをつづった、十六通のプリンストン便り。
初めてプリンストンを訪れたのは1984年の夏だった。F・スコット・フィッツジェラルドの母校を見ておきたかったからだが、その7年後、今度は大学に滞在することになった。2編の長編小説を書きあげることになったアメリカでの生活を、2年にわたり日本の読者に送り続けた16通のプリンストン便り。
文庫本「やがて哀しき外国語」のためのまえがき
プリンストン──はじめに
梅干し弁当持ち込み禁止
大学村スノビズムの興亡
アメリカ版・団塊の世代
アメリカで走ること、日本で走ること
スティーヴン・キングと郊外の悪夢
誰がジャズを殺したか
バークレーからの帰り道
黄金分割とトヨタ・カローラ
元気な女の人たちについての考察
やがて哀しき外国語
運動靴をはいて床屋に行こう
「カーヴァー・カントリー」を描くロバート・アルトマンの迷宮映画
ロールキャベツを遠く離れて
ブルックス・ブラザーズからパワーブックまで
ヒエラルキーの風景
さらばプリンストン
「やがて哀しき外国語」のためのあとがき
韓国フェミニズムの今日を築き、それぞれの専門分野でも著名な研究者の論文をまとめ紹介した希有の書。女性学、文学、哲学、倫理学、法学、教育行政の各分野から構成、韓国フェミニズムの斬新な活力と韓国固有の課題を模索する姿が多くの貴重な示唆を与える。
社会学・心理学・哲学・歴史学・経済学・法学……様々な領域をタテ糸に、レズビアン、有色女性、ポストコロニアル等の事項をヨコ糸に300項を取り上げ、織りなしたフェミニズム思想の鮮やかなタペストリー。
1910 年代後半、菊栄は「女われら」の自主自立を訴え登場した。
女性を性役割分業へと強制する男社会の告発、良妻賢母主義への論駁は、今日のフェミニストの主張にまっすぐにつながる。
はしがき 序章
1章 菊栄の生い立ち
2章 社会主義、フェミニズムへの関心、山川均との結婚
3章 山川菊栄のフェミニズム思想と反軍国主義
4章 山川菊栄の「帝国のフェミニズム」批判と階級社会批判
5章 社会主義女性思想と社会主義運動の展開
6章 労働組合婦人部論争と「婦人同盟」問題
7章 帝国のフェミニズム・植民地主義批判
8章 山川菊栄の時局・戦争批判
9章 「国体観念」呪縛、民衆と女性の生活の疲弊
10章 戦争抵抗者の生き残り戦略ー生活者の視点を貫く
11章 敗戦と山川菊栄
12章 非武装中立・平和主義・社会主義へ
1970年のウーマン・リブ誕生から40数年。フェミニズムの第一世代として、批判や攻撃をものともせず、最前線を走り続けた田中美津、米津知子、滝石典子、上野千鶴子、井上輝子、樋口恵子、加納実紀代、池田恵理子、高里鈴代、田中喜美子、中西豊子、桜井陽子の12人が、自らの人生とフェミニズムへの思いを語った貴重な同時代史。映画『何を怖れる』に収めきれなかったインタビューを全面的に活字化!
「女/母」の身体性から、いまフェミニンの臨床哲学を拓く。マイノリティ諸当事者の問題に対峙し、フェミニズムのポスト構造主義ジェンダー論からクィア理論の問題意識へと踏み込み、新たな倫理的価値軸と主体像を模索する。
女性の生と性への縛りに抗し、果敢にたたかってきた近代のフェミニストたち。明治・大正から戦後までのジェンダーと家族・国家の歴史に分け入り、異性愛や血縁に拠らない新たな家族のつながり、社会との関係性を探る。女性天皇・男女共同参画をめぐるジェンダーバッシングにも正面からこたえる。
若い女、中年の女、母親、主婦…孤立させられた女たちが声をあげたリブ。制度や意識の変化を経ても、性愛から老いまで、いまだ「名前のない問題」と向き合い生き抜く思想は終わらない。「女であること」と格闘し掴み取られて来たひとつひとつの価値を、手渡す/受け取るというセカンドステージへ。
91年、刊行と同時に多大な反響を巻き起こし、いまなお絶大な影響力を与え続ける文化批評の正典、大幅な増補を加えて完全復活。
ラディカル・フェミニズムの成果を享受する一方で、そのイデオロギーには違和感を覚える女性たち。フェミニズムはもはや存在意義を失ったのか?「政治的なもの」から「ポップなもの」へ、「社会的なもの」から「個人的なもの」へと重心を移しながら、多様な声を包みこむ第三波フェミニズムと、女性たちの文化実践を結ぶ、今日的フェミニスト・カルチュラル・スタディーズ。
女性解放運動の象徴と言われた雑誌『青鞜』の創刊から終刊までを追った評論。雑誌編集という観点からの分析により、平塚らいてうら“新しい女性"たちの等身大の姿を浮き彫りにする。(解説/中島京子)
人間の愛は「不合理」なもの? 自由だと勝手に信じている人間が実際には「不自由」? なぜ人間は生まれて死ななければならないという「不条理」に遭遇しているのか? そもそも、人間とは何か……? 「行為」「意志」「存在」の限界をテーマに、行動経済学者や認知科学者、進化論者、実存主義者など多様な分野の学者にカント主義者や急進的フェミニスト、会社員、運動選手、大学生も加わり、楽しく深く広い議論を繰り広げる。
人間はなぜ生きるのか?
行動経済学、認知科学、進化生物学、実存哲学までーー愛と自由と死とは何か?
人間の愛は「不合理」なもの? 自由だと勝手に信じている人間が実際には「不自由」なのではないか? なぜ人間は生まれて死ななければならないという「不条理」に遭遇しているのか? そもそも、人間とは何か……? --「行為」「意志」「存在」の限界をテーマに、行動経済学者や認知科学者、進化論者、実存主義者など多様な分野の学者からカント主義者や急進的フェミニスト、会社員、運動選手、大学生も加わり、楽しく深く広い議論を繰り広げる。そこから見えてくる人間の姿とはーー。
序章 シンポジウム「感性の限界」開幕ーー結婚披露宴会場より
第一章 行為の限界
第二章 意志の限界
第三章 存在の限界
いま、フェミニズム再燃のとき!
〈戦後女性文学〉の軌跡を辿る
敗戦後から1980年代末まで、近代の断絶と連続という複雑な時代を背景に、様々な生の可能性を、多様な表現で描出した女性文学の豊かな全容を検証する画期的な試み。
宮本百合子❖中本たか子❖林芙美子❖正田篠枝❖大田洋子❖松田解子❖円地文子
小林美代子❖壺井栄❖大原富枝❖佐多稲子❖阿部静枝❖石垣りん❖野溝七生子
吉屋信子❖幸田文❖森茉莉❖野上弥生子❖秋元松代❖倉橋由美子❖有吉佐和子
石牟礼道子❖大庭みな子❖高橋たか子❖茨木のり子❖津島佑子❖増田みず子
干刈あがた❖山田詠美❖李良枝❖〈沖縄〉の女性作家
1────戦争の傷痕/占領下からの出発
2────戦後を生きる女たちの記憶
3────多様な表現/制度への揺さぶり
4────女性戦後派の挑戦
5────近代幻想からの越境
❖ 執筆者
秋池陽子 阿木津英 アダム・グレグッシュ 有元伸子 伊原美好 岩淵宏子 内野光子 遠藤郁子 王晶 岡野幸江 菊原昌子 北田幸恵 高良留美子 小林裕子 小林富久子 小林美恵子 近藤華子 但馬みほ 永井里佳 中島佐和子 沼田真里 野田敦子 橋本のぞみ 長谷川啓 羽矢みずき 藤木直実 松田秀子 溝部優実子 矢澤美佐紀 吉川豊子 与那覇恵子 羅麗傑 和佐田道子 渡邊澄子 渡邉千恵子
フェミニズムはリベラリズムの継承者か、それとも批判者か。錯綜した関係を、集団と個人、性の商品化、自己決定権などから解く。
〈パンデミック〉は何をもたらしたか?
いま、フェミニズムが解明する!
ウイルスは人間を〈平等〉に襲わない。コロナ禍で明らかになったのは、地球環境がいかに危機的な状況にあるか、また、私たちがいかに社会的・経済的に不公正で不平等な状況に置かれているか、ということだった。〈人間の尊厳〉と〈生存の平等〉、そしてみんなが生きのびることのできる世界を模索し、次世代へとつなげるための30余人の論考を収録。
1 〈パンデミック〉と女性/感染症と文学
松田秀子 有元伸子
岩淵宏子 内野光子
千種キムラ・スティーブン
2 〈交差性〉から探る新たな読み
岩見照代 渡邊澄子
上戸理恵 羽矢みずき
江口佳子
3 21世紀・ポストヒューマニズムの可能性
与那覇恵子 小林富久子
遠藤郁子 山田昭子
4 循環する自然/いのち/セクシュアリティ
渡辺みえこ 永井里佳
橋本のぞみ 矢澤美佐紀
近藤華子 中島佐和子
5 映像に見る〈パンデミック〉と現代
岡野幸江 藤木直実
渡邉千恵子 溝部優実子
6 フェミニズムの“力”
小林美恵子 小林裕子
吉川豊子 真野孝子
羅麗傑 漆田(土井)和代
7 高良留美子氏 追悼
[資料]新・フェミニズム批評の会
三〇年のあゆみ
97人の女たちが真摯につづった率直な思い!彼女たちにとって、フェミとはいったい何だったのか。
いのちに向き合うフェミニズム批評に取り組んできたメンバーの作品は、期せずして合い呼応し、女、性、民族、歴史、文学、映像、メディア、教育など多様な視点から、核や原発のもつ反生命性、反人間性を浮かび上がらせ、まさに文明史の転換を示唆している。
アメリカというダイナミックな文化に展開する最近のフェミニズム批評を、文学批評の流れの中にたどるアンソロジー。いま、フェミニズム批評が見えてくる。
ヒロインたちの境遇を描き分けることで、近代夜明けの女の生き難さをくっきりと浮かび上がらせた女性作家・樋口一葉。〈性差の規範〉を超えゆこうとした表現の全体像を「女性の視点」でとらえた画期的論集。