トスカーナの州都フィレンツェ。本書では、主にフィレンツェが金融業と織物産業を中心にして大都市として台頭した14世紀から、「マッキアイオーリ(色斑派)」と呼ばれる近代の画家たちが活動した20世紀初頭までのおよそ600年間を、この都市の形成に大きく関わったメディチ家の興亡とともにたどる。フィレンツェ市内およびその他の有名美術館館長やフィレンツェ大学の研究者たちを執筆陣に揃えた詳細かつ興味ぶかい解説で、過去の巨匠の作品に刺激されさらに新しい作品が生み出される「芸術の連鎖反応」と、時代をこえた巨匠たちの共作が実現する当時の状況がありありと甦る。また、高品質なカラー図版を豊富に収載。美しい絵画・彫刻作品や町をかたちづくる壮麗な建築群を眺めながら、フィレンツェの町を散策しているような気分を味わえる一冊。
世界文化遺産登録オフィシャル・ブック
日本のほぼ中央にそびえ立つとともに、日本人の心の真ん中にそびえる美しい山・富士山。富士山は古来より日本人の精神の拠り所として、また、文化の源泉として、常に私たちとともにありました。
そして、そんな富士山がもつ高い文化的価値の全貌を初めて明らかにし、世界の人々に強く訴えかけたのが、「認定NPO法人 富士山を世界遺産にする国民会議」および「富士山世界文化遺産登録推進静岡・山梨両県合同会議」によって、そのモットーである「いつまでも富士山を世界遺産に」公式本として刊行された本書でした。
その意味で、このたびの富士山の「世界文化遺産」登録に際して、本書が果たした役割は、決して小さくないと自負しております。
信仰、美術、文学、民俗などさまざまな分野において日本を代表する研究者や宗教家の協力によって生み出された本書をぜひ、御覧いただき、なぜ富士山が「世界文化遺産」に登録されたのか、その真相に迫るとともに、あらためて富士山の偉大さに、直接、触れてみてください。
ユネスコ世界遺産会議に提出するための公式学術的資料として、日英バイリンガル仕様です。
めくるめく8つのイメージの技法。
世界最高峰の美術史家5名がアートの流れを時系列で詳説した〈アートの教科書〉待望の日本語版。
英語圏を中心に絶大な影響力を誇る「オクトーバー派」。その中心メンバーである、ハル・フォスター、ロザリンド・E・クラウス、イヴーアラン・ボワ、ベンジャミン・H・D・ブークロー、デイヴィッド・ジョーズリットが書き下ろした渾身の美術史。
世界各国で反響を呼んだ大著 “ART SINCE 1900” の全訳。
ピカソ、マティス、デュシャン、ポロック、ウォーホル、具体美術協会、草間彌生、デイミアン・ハースト、アイ・ウェイウェイなどの芸術家・グループ、
キュビズム、バウハウス、抽象表現主義、ミニマリズムなどの運動・動向、
モダニズム、ポストモダニズム、カルチュラル・スタディーズ、ポストコロニアリズムなどの思潮・思想を
800を超える作品図版とともに取り上げながら明快に論じる。
グローバルな視点、ユニークな論点、最先端の理論、そして歴史的な網羅性。
20世紀から現在までのアートを知るための必要なすべてを備えた決定的な名著。
【本書の構成】
5つのイントロダクション
130の年代順項目(1900年から現在まで)
41のコラム
2つの座談会
用語集・参考文献・索引
ヨーロッパ芸術の黄金時代はイメージや言葉をめぐる「論」の時代でもあった。新たな芸術観を切り拓いた重要テクストが今、原典からの翻訳によってよみがえるーー。下巻には、代表的な文学・音楽・演劇論から、コレクション論や図像論、遠近法論や比例論、さらには反芸術論までを収録。
凡例
コレクション論
17 マルカントニオ・ミキエル
美術品消息
図像論
18 ガブリエーレ・パレオッティ
聖俗画像論(抄)
インプレーサ論
19 パオロ・ジョーヴィオ
戦いと愛のインプレーサについての対話(抄)
遠近法論
20 ピエロ・デッラ・フランチェスカ
遠近法論(第一書)
比例論
21 ヴィンチェンツォ・ダンティ
完全比例論
俗語論
22 ピエトロ・ベンボ
俗語論(第一書)
修辞論
23 ロレンツォ・ヴァッラ
ラテン語の典雅(序文)
悲喜劇論
24 ジャンバッティスタ・ジラルディ・チンツィオ
悲劇と喜劇の創作をめぐる談話あるいは書簡
抒情詩論
25 ポンポニオ・トレッリ
抒情詩論(第七講)
叙事詩論
26 フランチェスコ・パトリーツィ
ルドヴィーコ・アリオスト擁護
音楽論
27 ジョゼッフォ・ザルリーノ
ハルモニア教程(抄)
28 ヴィンチェンツォ・ガリレイ
古代と当代の音楽についての対話(抄)
演劇論
29 スーズダリのアヴラアミイ
スーズダリのアヴラアミイの出立
反芸術論
30 ジローラモ・ベニヴィエーニ
カンツォーネ「来たれ、主がおられる」についての註解(抄)
扉図一覧
訳者一覧
明代に書かれた『菜根譚』は、日本でも多くの人が魅了された珠玉の名言集。論語がエリート志向の若者に読ませたいお世話になっております。しかなら、こちらは市井に生きる普通の人々のための人生訓だ。治癒動くの思想・文学をわかりやすく語らせたら右に出る者のいない佐久協が渾身の現代語訳でおくる、ナチュラルに生きるための指南書。
科学者であり芸術家でもある著者が最新の脳研究から新たな境地に挑む! 芸術脳は生まれつきではなく、シナプスの可塑性にもとづく学習と記憶によって後天的につくり出されるという。脳内に形成される外界の世界(再現的世界)と脳内に情報を創発させる情報創成の世界が干渉し合うことで、新たな創造の世界が生み出されるという。内と外の世界のつなぎ方次第であなたも芸術家になれる!?
芸術脳は生まれつきではなく、シナプスの可塑性にもとづく学習と記憶によって後天的につくり出されるという。環境に適応するために脳内に形成される外界の世界(再現的世界)と脳内に情報を創発させる情報創成の世界が干渉し合うことで、それぞれの新しい世界=創造性が生み出される。芸術とは自分の存在を証明するために脳の外と内が相互作用した結果に他ならない!?
「科学と芸術は、同じ脳の営みであるとはいえ、違う。その両者を止揚し脳の創造の仕組みから芸術を解き明かそうとした。一人の人間としての葛藤も赤裸々に語られており、これが面白くないはずがない」(理化学研究所脳科学総合研究センター特別顧問・甘利俊一氏推薦文より)
甘利俊一先生の推薦文
はじめに
第1章 脳と創造
第2章 再現的世界の役者たち──特徴抽出
第3章 情報創成の役者たち──学習と記憶
第4章 脳と絵画
第5章 筆者の絵画と音楽とダンス
おわりに
参考文献
池澤夏樹、岡谷公二、岡真理、関口涼子、今福龍太、ジョルジョ・アガンベン、ジョルジュ・ディディ=ユベルマンなど総勢18名の豪華執筆陣による越境の夢。あいちトリエンナーレ2016公式コンセプトブック。
美術系4コマの決定版「GA」第2巻がついに登場!!
今回もカラー原稿盛りだくさんなスペシャル仕様!!美術大好きな人もあまり興味ない人も、絶対損はさせない1冊。如月たちと一緒にアートな気分に浸ってみてね!!
東南アジアという地域の特性を理解したうえで,上演芸術を通してインドネシアの社会,文化のさまざまな側面を考察する.人々の生活における上演芸術の位置づけ,宗教・信仰との密接な関連,儀礼における芸術の上演,演劇とそれを支える物語の世界,音楽と楽器から見る自然環境とのかかわり,楽器の象徴性,舞踊と身体,ポピュラーカルチャーとアイデンティティについて,民族音楽学・文化人類学的な視点から解説する.
被災地支援から東北の地域社会に入って制作する芸大生、タコツボ無人販売で作品を売る陶芸家、ウクレレ保存化にとりくむ工芸家……。コロナ禍の時代にもひびく、芸術が開く新たな社会性についての注目の評論。
気の置けない旧知の友ならではの会話あり、会いたかった人との意外な話の展開があり…。横尾忠則が、表現の最先端を走る15人と、芸術の源泉、深淵について、語り合い、ときに聞き手となって尋ねる魂の会話集。
「芸術」「美術」から、よりカジュアルに「アート」という言葉を用い始めて久しい。アートと社会は、それぞれが他方の一部となり「アートの社会化」「社会のアート化」が進む。本書はこうした状況を「社会とアートの共進化的動態」として捉えた。そこには地域、参加、多様性などの関連、さらに地域経済、市民社会論にまでかかわる「問題群」が浮上する。
著者はこれらの群を確認し、われわれがこの現実から何を学び得ることができるかを抽出、整理し、考察した。アートの社会的実装による社会課題の解決の契機や道筋を探る、野心的試みが結実した1冊。
第1章 アートプロジェクトの生成と展開
第1節 アートプロジェクトをめぐる状況
第2節 アートプロジェクトとは何か -「共創」と「サイト・スペシフィック」
第2章 「地域」とアートプロジェクトの模索
第1節 「ゼロダテ」の挑戦 -地域社会とコミュニティ・アートプロジェクトの展開
第2節 地域アートプロジェクトの設計と実装 -中村政人の実践
第3章 地域を超えるアート、地域をつなぐアート -地域とアートの関係再考
第1節 アートにとっての場所/場所にとってのアート
第2節 アートにとって「地域」とは何か -コミュニティとしての地域
第4章 コミュニティと向き合うアート -参加、協働、共創
第1節 コミュニティデザインとアートの可能性 -「参加」の社会実装
第2節 アートにおける参加の可能性と隘路 -ワークショップという手法
第5章 地域社会と文化資源のゆくえ -文化と経済の間
第1節 地域資源としての文化財 -秋田の円空仏をめぐって
第2節 地域社会と文化資源ーー文化の資源化と文化遺産
第6章 震災とアート -「3.11」から見えてくるもの
第1節 震災・復興・アート
第2節 「アートと社会」をめぐる問いーー震災の現場から考える
第7章 文化芸術の効用と社会実装 -地域で活きるアート
第1節 文化芸術と地域経済
第2節 アートの社会実装 -社会化するアート/アート化する社会
第8章 市民社会と文化芸術 -社会とアートをめぐる課題と展望
第1節 市民社会と文化芸術をめぐる課題
第2節 社会と文化芸術の共進化
美と知が交響するーー。西洋芸術が華やかに開花したそのとき、美術家や知識人は何を考え、どのような言葉を交わしていたのか。本邦初訳の貴重なテクストを多数含む待望のアンソロジー。上巻には、代表的な絵画・彫刻・建築・工芸論から、模倣論やイデア論、庭園論や色彩論、さらには自伝やパトロン論までを収録。
凡例
解説 イタリア・ルネサンス芸術論(池上俊一)
美学
1 ジョルダーノ・ブルーノ
紐帯一般について(抄)
模倣論
2 ジュリオ・カミッロ
模倣について
イデア論
3 フェデリコ・ズッカリ
画家・彫刻家・建築家のイデア(抄)
理想都市論
4 アントニオ・フィラレーテ
建築論(第二書)
建築論
5 セバスティアーノ・セルリオ
建築七書(第四書)(抄)
庭園論
6 アゴスティーノ・デル・リッチョ
王の庭について
色彩論
7 フルヴィオ・ペッレグリーノ・モラート
色彩の意味について
絵画論
8 レオン・バッティスタ・アルベルティ
絵画論
9 ジョヴァン・パオロ・ロマッツォ
絵画神殿のイデア(抄)
彫刻論
10 ポンポニオ・ガウリコ
青銅の鋳造術について(第一章)
パラゴーネ
11 フランチェスコ・ドーニ
素描論(第六章)
工芸論(陶芸)
12 チプリアーノ・ピッコルパッソ
陶芸三書(第一書)
工芸論(金銀細工)
13 ベンヴェヌート・チェッリーニ
金銀細工論(抄)
印刷術・書体論
14 アルド・マヌーツィオ
関連史料
芸術家自伝・伝記
15 ロレンツォ・ギベルティ
コンメンターリ(第二書)
パトロン論
16 画家とパトロン
関連史料
扉図一覧
訳者一覧
中世から近現代にわたって、ビザンツ、ロマネスク、ゴシック、ルネサンス、バロック、ロココなどの各建築様式を体現しながら、建築家たちによる技術の粋を極めた壮大な大聖堂がヨーロッパの各都市に建設されてきた。外観だけでなく、内部の構造、身廊から祭壇に至る眺め、天井画、装飾、彫刻、ステンドグラスなど、細部まで精密に撮影された美しい写真の数々に私たちは圧倒され、その静寂にひたり、沈黙する。静寂、癒し、至福ーヨーロッパ中を旅する構成で、主要11カ国125都市を網羅し、最も美しく最も重要な151聖堂・教会を収録した、かつてない規模の驚異的な写真図鑑。職人たちの技術と情熱、ヨーロッパ文化の極致ともいえる至宝をくまなく紹介する。
こどもをヒトの原型と位置づけることで、才能の原石を見出すことができます。その原石が太古を由来とした造形の本質を指し示すと同時に、オブジェという現代美術のキーワードとも強く結び付くことをつまびらやかにします。
本書は、こどもによるモダンアート表現を約200点の作品写真を使って提示しながら、その方法論を明らかにするためのノウハウ書です。
1児童造形の指導者が新しい表現の本質を見出すため、また2わが子の造形表現を育み、時代に備えたいと願う保護者の方々の参考書として、そして3大人自身のための現代美術講座やアートシンキングの基本教材としても、最適な一冊です。
まえがき
自由な表現を求めるためのキーワードGUTAIを提案
第1章 こどもの天才性の由来を「太古」に見出す
・天才はドロンコが育む
・世界はたった3つの色で出来ている
・天才の眼は文明と文化の発生を見ている
・天才の線には太古の記憶が宿っている
intervalコラム/感覚脳で考える時代
第2章 こどもの天才性の出現を「今」に求める
・9歳の危機と表現の変化
・天才のヒラメキがモダニズムとなる
・オブジェこそ、究極のタイコ・ド・モダン
・確かに天才と呼べるこどもがいる
資料/制作表現の動機付けGUTAIとは何か?
むすび
予期しない一瞬に自由を見出すことができ、
その経験が自由を愛する人格を育む
中世写本画の傑作“ユトレヒト詩篇”の表現主義的線描はどのようにして生み出されたのか。