われわれはモラルの理論においてと同様、数学や自然科学においても理論の原理的不完全性といった事態に遭遇する。まさしく、科学論においても、否、科学論においてこそ、現実に密着した思索の方法、つまり弁証法の出番はあるのである。そしてそれこそ、不断の小品批評=ミニマ・クリティカの方法にほかならない。-このような同時代批判を、歴史の天使は強く要請しているのである。
買い物の仕方、医者のかかり方、電話のかけ方など日常必須な会話から、日本の風俗や習慣の紹介まで。身近で家庭的な話題を選び、簡潔でわかりやすい言いまわし、発音のコツ、英米語の違いを文化的背景を示唆しつつ具体的に伝授する。
人間はどのようにしてお茶を発見し、のんできたのか?その伝播と変容を四双版納からモンゴル高原にたずね、数々のフィールド・ワークを通して、〈原始形態の茶〉〈食べる茶〉〈茶外の茶〉など貴重な民族文化の諸相をさぐる。照葉樹林文化を構成する茶を通し、豊かな人間の営みにせまる。
本書は、戦後日本における石炭化学工業の復興・後退・衰滅の全体的な展開過程を考察することによって、戦後日本の工業発展と構造変化の問題をそうした視点から分析しようとするものである。この視点からの分析作業はまた、戦後日本における工業構造と戦前・戦時日本における工業構造との関係について考察する際にも、欠かすことのできない前提作業ともなるであろう。
耐えがたいまでに膨張した先進各国の農業予算。財政逼迫下の農政改革と低成長下の失業問題との相克。食糧の過剰と不足のバランスを欠きつつ迫る世界の農政改革の外圧と内圧を総力編集。
社会と芸術の根底的な変革をめざして、20世紀的課題の核心に最もラディカルに挑戦したブレヒト。現代芸術における決定的存在であるブレヒトの創造と思考のすべてを、未来を切り拓く眼で問い続けて来た、世界的水準をはるかに超える野村修の全作業を集大成した記念碑的論集。
この新しいバーク論は、かれの思想全体を俯瞰しながら、そこにふくまれる主要な諸問題について斬新な解釈を試みている。
熾烈をきわめる日米先端産業の技術開発競争。企業・政策・市場をめぐる戦略と葛藤を分析。摩擦のゆくえをさぐる。
ほんらい、経済は生活の手段であって目的ではない。それを目的と化したのは資本主義である。宇野弘蔵に従えば、資本とは自己増殖する価値の運動体、わかりやすくいえば、無限にカネモウケをしたがる、それ以外には目的のないカネである。それが社会の主体となった。人々はこの資本の魂に従い、また、それを支える。労働にはそれ自身生活としての面があるのだが、資本が主体となった社会では、たんに資本の自己増殖の手段となる。戦後には、この資本の魂が、経済成長として社会共通の目的にされた。
急成長する生協のコメ販売活動を分析。生活クラブ生協・かながわ生協・都民生協をケース・スタディし、コメ流通の将来像をさぐる。