「松田松屋」人の名前とは到底思えない。これが僕の名前である。京都大山崎に住む平凡な大学生松田松屋は、自分の名前がずっと嫌いだった。しかし卒論のテーマに地元の『油商売の歴史』を選ぶ事により、自分と同じ名前のご先祖に出会いやがて…。京博ナビゲーターとして活躍中の著者が、京都を舞台におくる世にも奇妙な物語3編。
地名にはその土地の歴史が刻まれている。本書は京都の現代にも残る地名や歴史の中で消えた地名について、古代から現代に至るまで、その時代ごとの背景の中で詳細に考察。京都史の新たな一面を浮かびあがらせる。
第1章 平安京以前(古代氏族の勢力分布、木簡にみる山背の郡郷、平安京周辺の条理と地名、桓武登場と長岡京造営 など)
第2章 平安王朝時代(条坊制ー大路小路の整備、平安京起源の地名、平安京の周縁、歌枕の成立と文学にみる地名 など)
第3章 武士・庶民の躍動 鎌倉・室町前期(武家政権と六波羅、京の「口」地名と街道、祇園御霊会と町衆の躍動 など)
第4章 天下人の時代(西陣の起こり、町の形成と町名、秀吉の都市改造、伏見城と城下町の建設、南蛮文化と地名 など)
第5章 近世文化都市の興隆(災害と町づくり、寺社の整備と信仰の組織化、名所・名勝めぐりの庶民化 など)
第6章 幕末から現代へ(京都の再出発ー近代化への道、鉄道地名の発生、戦争と京都、行政区の整備と拡大 など)
ワーカホリックな29歳、れんげ。会社からの唐突な退職勧告を受け帰宅すると、結婚予定の彼氏と見知らぬ女!?「俺がいなくても、れんげは生きていけるだろ?」。そんなことあるか、ボケ!!傷心のれんげは旅立つ、超メジャーだが未踏の地、京都へと。そこで出会ったのは、おっとり系大学生男子とおしゃべりな黒狐。黒狐曰く「れんげの願いを叶えて、徳を積むのです!」。スルーしたものの、次々と怪異に巻き込まれ…。あやかしと老舗甘味を巡る、不思議な物語、開幕です!
京都の寺町三条商店街の骨董品店『蔵』でアルバイトを始めた、女子高生の真城葵。店主の孫・家頭清貴は、物腰は柔らかいが恐ろしく勘が鋭い、ちょっと“いけずな”京男子。ある日、一見の客が『蔵』を訪れ、清貴は骨董の茶碗の鑑定を頼まれる。それが贋作だとあっさり見抜いた清貴だったが、後日、清貴と葵の前に円生と名乗る若い僧侶が現れる。円生は、稀代の贋作師だったー大ヒットキャラミスの第二弾!
京都に行くことなぜ上「京」ではなく上「洛」という?奈良に負けない大きさの大仏が京都にもあった!?「一見さんお断り」には理由があった!?名物のすぐき漬けには「正しい」切り方がある!豊臣秀吉の大出世の守り本尊が京都に!!…など、京都人だから知っている京都のなるほど&おもしろエピソードが大集合。京都の町歩きが味わい深くなる、京都の「通」になれる1冊。
雅な和菓子をはじめ、普段に食べたいお饅頭にあんみつなどの甘味。フランス風パティスリに、京都ならではの懐かしいワッフルやカステラなどの洋菓子。おやつにうれしい甘いパンに、バーで飲む甘いカクテル、アイスクリームもかき氷もレストランのデザートも。京都の食に惹かれ移り住んだフードライターが味わい尽くした、京都のいともおいしい甘いもの。老舗も気鋭も織り混ぜて、165点150軒+補完情報10軒。写真満載、地図やデータも完備の、京都の新・甘いものコレクションです。
勤王攘夷、尊王開国と政治動乱の渦に見舞われた幕末京都。時代に翻弄された多くの幕末の人々の子孫の方々が、新選組記念館を訪問されたり連絡されたりして、伝えられた話や秘話を語っています。それらを、幕末研究家の著者が、九章に分けて100話を記します。
日本の都市は、どのように近代化を受け入れ、近代化を遂げていったのか。博覧会、広場、道路拡築、山並み景観、区画整理、郊外住宅…、古都の空間再編に日本の都市の近代化過程を検証する。空間から読み解く日本の近代史。
朝から創作。昼を過ぎれば、飲んで食べて唄って踊り、神社に本屋にレコード屋、錦やメトロをぶらぶらし、全国各地を飛び回る。鯖寿司、焼き鳥、お好み焼き、ビールに焼酎、さあ乾杯!
巻末特別付録「いしいしんじの京都地図」「美味しい店紹介」他
「園子さん、この家、おんなのひとや」
初めて家の前に立ち止まったとき、ここに住むことはわかっていた気がする。次に京都を訪ねたのはおよそひと月後、大家さんに挨拶し、不動産屋さんと契約を結ぶためだった。ここでまず、ぐらっと土地が揺れ、空間にあいた隙間から、妙なものがペロッと舌をのぞかせた。
京都という町、共同体、存在は、つくづくごっつい。(「まえがき」より)
2011年11月6日、檀王法林寺開創400年。京の三条大橋東詰にある“だんのうさん”は庶民信仰をはぐくんできました。法然上人の真義を伝えようと袋中上人は沖縄で布教活動を行い、帰国後この地にだんのうさんを開創したのが慶長16年(1611)、400年も専修念仏の教えを通してきました。
初の京都大会写真集。剣道を愛した写真家徳江正之が寡黙に撮り続けた京都大会の記録。なつかしい昭和のあの風景この人物、伝説の立合いがいまよみがえる。
◎京都武徳殿
◎武徳祭
◎朝稽古朝粥
◎開会式
◎日本剣道形
◎各種の形
◎居合
◎風景点描
◎内藤高治碑前祭
◎立合
◎武徳殿今昔
◎人物点描
◎閉会式
◎あとがき
滅亡途上の時代の捨て身の甘え、追い詰められた野生への共感、まつ毛への拘泥、これだけあれば、世界は勝手に光り輝くことを教えてくれてありがとう。・・・島田雅彦「帯」より
始発から夜を引きずる体降り足音たてない月と別れる
ゆるやかな記憶喪失たそがれにあなたの影が浮かぶまでの間
あの子なら祈るだろうと抜き出した砂丘の背から二本の骨を
一滴も流さずに泣くやまびこは体を持たぬ弟を呼ぶ
夜更けにはうつくしいひとりしりとりを彗星・一時停止・疾走
鬼神と白虎が作る京の和菓子のお味は?
幼い頃から「あやかし」が見える芹沢天音。そのせいでずっと「おかしな人」「嘘つき」と言われていた天音は職場でもうまくやれず、仕事を辞めて、生前祖父が和菓子店を営んでいた京都の家で暮らそうと上賀茂を訪れる。だが、無人のまま放置されていたはずの家に見知らぬ青年が。しかも一階の店舗は開いていて、雲龍庵と書かれた祖父お気に入りの看板も入り口の上に掲げられている。一体どういうこと? おどろく天音に、店主だという青年・北条成清は、祖父に頼まれて味を受け継ぎ、小太郎・小菊という幼い双子と三人で雲龍庵を続けているのだと語る。祖父から「いつか天音が訪ねてくるだろう」と聞かされていたという成清の言葉に、天音は少々怪しく思いながらも菓子作りを手伝うことを決める。ところが、かわいい双子のきょうだいは、眠くなるとなぜか小さな虎に変身!? しかも成清の頭には小さな角が見えて……。
あやかしが営む和菓子店で、あやかしとともに始めた不思議で優しい同居生活。やがて天音は、祖父の和菓子を作り続けることが、あやかしと人間を繋ぐことになると知るーー。京都和菓子×あやかしストーリー。