古来人々の好奇の対象でありつづけてきた生物の発光。進化を軸に体系化された「発光生物学」がその謎に迫る。新シリーズ刊行開始。
はじめに
序章 発光生物学とはーー発光生物の研究が「学」になるまで
間章 レジェンドたちの横顔
第1部 発光生物学概論
第1章 発光生物の定義
第2章 発光生物の博物学
第3章 生息環境と発光の意義
第4章 光のコントロール
第5章 発光メカニズム、自力と他力
第2部 発光生物たちの進化劇
第6章 FACS起源仮説
第7章 ウミホタルが浅海発光魚を進化させた
第8章 カイアシ類が深海発光生物の多様性をもたらした
終章 生物進化から見た発光生物学
あとがき
種子作物はしばしば、花芽形成から減数分裂・開花・受精を経て胚・胚乳形成に至る一連の生殖生長過程において、生殖にきわめて不利な環境変動に遭遇し、収量に著しい減少を来すことが少なくない。イネもその例外ではない。イネの生殖器官(小穂)はわずか数ミリという小さなものであるが、不良環境に対応して形態を変化させたり、種子繁殖のシステムそのものを変えたりする。そこでは、穎の変形、雌ずいの増生と雄ずいの減生といった小穂の形態変化とともに、雄ずいと雌ずいという、植物が長い進化の過程で発達させてきた性の分化と受精による生殖、つまり有性生殖を転換して性によらない繁殖すなわち無性繁殖へと切り替えていく姿を見ることができる。そこには、厳しい環境が襲来してもその場所から逃げることなくそれに真向かう中で生き延びようとする闘いの姿と同時に、したたかな生命といったものを見ることができる。
私たちが暮らす現代産業社会の源流は,古代の食料生産革命から生まれた「アグラリアン社会」(農業社会)にある。すなわち高い農業生産性を誇るが,その生産法は大量の水と肥料を必要とし,しかも環境変動に対して極めて脆弱な単作(モノカルチャー)が卓越する。この「アグラリアン社会」に由来するシステムと思考が,豊かな森林を破壊し地球規模の環境危機を引き起こしている。ではどうすればよいのか。食料生産革命を経験しない「自然社会」として多様で豊かな農と食を育んできたアフリカに学ぶことで,精神のモノカルチャーと化した現代社会の行き詰まりを解決する術を探る。
本書は、アジアの農村を対象として、⑴人口と農業、⑵むら共同体の機能、⑶市場を形成する商人(財市場)、そして(4)農村金融市場の4つの柱で構成される。「人口と農業」以外では、冒頭で議論の枠組みを説明して、そのあとで「開発の現場」を念頭に置いた解説をする。アジアは多様であり、すべての地域に妥当する結論の提示はできない。ひとつの地域でえられた知識を普遍化することは、危険性をはらむものであるので、いくつかの地域を比較した議論をする。具体的事例から、開発課題の背後にある因果関係を捉える方法の習得を目標とする。
1.貧困とは 第1部:人口と農業 2.人口と経済発展 3.農業と工業化:リカードの成長の罠 4.緑の革命 5.食料問題から農業問題へ:インドの経験 第2部:むら共同体 6.むら共同体とリスクへの対応 7.共同体と共有資源管理 8.共同体の多様性と開発 第3部:財市場 9.市場と商人:市場の低発達性 10.農産物にみる財市場の多様性 11.農村工業:ラオスの手織物業 第4部:農村金融市場 12.農村金融をみる 13.グラミン銀行 14.信用組合 15.開発の現場から:ラオス南部の事例
尾瀬の貴重な自然を守れ! 国民の宝・奇跡の大自然 尾瀬を次世代につなぐために。
・貴重な大自然「尾瀬」の魅力を美しい写真とともに解説
・SDGsが叫ばれる今こそ、尾瀬の保護を真剣に考える
・日本の自然保護活動の発祥地・尾瀬からの発信
山と自然の文庫サイズ書籍「モン・ブックス」シリーズ第6弾。
日本の自然保護活動の発祥地・尾瀬を通して、自貴重な自然景観、
動植物を、美しい写真とともに解説するオールカラー図鑑。
絶妙なバランスの上に成り立っている奇跡的でデリケートな大自然である尾瀬を、
次世代に伝えるために、どうすればよいかを考える。
尾瀬の自然保護なくして、SDGsはあり得ない。
第2部「尾瀬の保護と課題」は最新の知見を取り入れてほぼ改稿をほどこした。
田部井淳子/尾瀬の思い出 尾瀬地図 尾瀬への誘い
第1部 尾瀬の多様性 尾瀬の山 尾瀬の滝 尾瀬ヶ原 湿原 湿原の不思議 尾瀬沼 池塘 拠水林 気候変動と尾瀬 尾瀬の気象 尾瀬の四季 尾瀬の花 尾瀬の樹木 APG分類体系4 尾瀬の哺乳類 尾瀬の鳥類 尾瀬の両生類・爬虫類 尾瀬の魚類 尾瀬の昆虫 希少な動植物とSDGs 尾瀬の地名由来 尾瀬を楽しむ
第2部 尾瀬の保護と課題 新旧 「尾瀬ビジョン」 尾瀬で過去に生じた難問 「お膳自然を守る会」 尾瀬が乾燥している? 尾瀬沼の水はきれい? 尾瀬沼のコカナダモ ゴミ問題 二ホンジカ対策 このままでは尾瀬が過労死する 尾瀬をレジャーランド化? 尾瀬の外来植物相 尾瀬アカデミー開講
航空・空港、鉄道などの大規模インフラでは民営化と規制緩和による柔軟で効率的な運用が模索され、人口減少の進む地域では、官民と住民を巻き込んだMaaSなどの新たな取り組みが始まっている。eコマースにより増大する物流や新型コロナに伴う観光の変容、近年の脱炭素化推進、ドローン・電気飛行機など次世代交通にも言及し、交通ネットワークの実態と課題を整理。
激変する交通のダイナミズムを地方創生の活力につなげる方策を探る。
第1部 航空自由化後の地方空港改革
第1章 LCCのもたらしたインパクトと期待
1 LCCによる航空需要の伸長
2 わが国におけるLCCのインパクト
3 人口減少社会に期待されるLCC
第2章 空港民営化の多様性と実効性
1 空港制度の変遷
2 わが国におけるコンセッションの進展
3 わが国における空港民営化の評価
第3章 「地方空港」の実態と有効活用策
1 わが国における「地方空港」の位置づけ
2 「地方空港」の活性化施策の概要と意義
3 複数空港一括民営化を実現する北海道
第2部 鉄道民営化と地方路線の維持方策
第4章 鉄道のあり方を模索する日英の課題
1 イギリスにおける鉄道改革
2 再国有化・統合化に舵を切る鉄道産業
3 日本の国鉄民営化と地方の鉄道
第5章 日本の鉄道廃止路線のケーススタディ
--JR三江線をめぐるバス転換ーー
1 地方における鉄道の厳しい経営
2 地域交通に対する意識
3 アンケートによる住民の意識調査
第6章 旅行者にとっての鉄道とモビリティ
1 観光立国に向けた取り組み
2 旅行者にとっての交通
3 鉄道と二次交通
第3部 地方における多様なモビリティの模索
第7章 中山間地域のモビリティの現状と課題
1 中山間地域の地域公共交通政策の課題
2 中山間地域のモビリティ確保に向けた課題
--京都府内を事例としてーー
3 近畿北部地域における自家用有償運送の実践
第8章 MaaSの発展によるモビリティの変革
1 欧米諸国におけるMaaSの展開
2 わが国におけるMaaSの導入・検討状況
3 MaaSと官民+市民連携(PPPP)
第9章 ユニバーサル社会の実現に向けた多様なモビリティの展開
1 ユニバーサル社会におけるモビリティとバリアフリー
2 福祉的なモビリティサービスの役割と意義
3 「移動のユニバーサルデザイン」と自転車活用の可能性
第4部 物流・観光の変容と次世代技術のインパクト
第10章 欧州郵便事業者の物流・バス会社化
1 郵便事業から宅配ビジネスへのシフト
2 郵便会社と大手物流会社の大型合併
3 ポストバスが与えた地方都市への影響
第11章 新型コロナ後の観光と地方ネットワーク
1 新型コロナによるダメージ
2 新たなツーリズムに向けた展開
3 地方ネットワークの整備と維持
第12章 次世代技術導入で激変するモビリティ
1 車両・船舶・航空の脱炭素化推進
2 小型航空機による「空の産業革命」
3 宇宙につながる航空機開発と空港整備
語尾のバリエーションを増やし中級文法をマスター!実用性の高い75課600例文を掲載!
南の海原から独立峰のごとく屹立する山岳の島・屋久島。そこは、亜高山帯の植物が茂る山稜から、太古の命宿る縄文杉の森、そして亜熱帯のマングローブが繁茂する海辺まで、日本列島と琉球列島、中国大陸の自然が凝縮し、かつ溶け合ったカオスの大地だ。豊な水と森、巨岩に彩られた「不思議の島」をめぐり、特異なフロラとファウナに秘められた謎を解く。
生命科学の分野で、電子機器、情報、材料工学、合成化学等の技術と研究成果を融合させた「バイオテクノロジー・クラスター」の構築が始まっている。21世紀型「バイオ・ルネッサンスー異分野融合によるバイオ新産業創出」に向け、行政、ベンチャーキャピタル、ビジネス、マスコミをはじめ、広く一般市民を対象に、「バイオテクノロジー」と「ビジネス」との接点をわかりやすく解説。
われわれの生命や生活を支える水。21世紀は「水の世紀」といわれる。水危機が懸念されるアジアの水問題を検討するとともに、歴史や民俗、生活の視点からアジア社会の多様な水を紹介する。
はじめに
第一部 現代の水問題
第1章 アジアの持続可能な水環境ー水の現状と課題ー
第2章 チベット高原の経済開発と水問題ー国際河川との関連よりー
第3章 乾燥地の地下水開発と水危機ーイランの事例からー
第4章 日本の近代水道の創設ー横浜水道を中心にー
第5章 住民参加による多自然型川づくりー日本・源兵衛川と韓国・水原川を事例としてー
第6章 流域ガバナンスの変遷ーメコン川を事例に考えるー
第二部 水と社会
第7章 植民地朝鮮・全北湖南平野における水利組合の設立過程
第8章 タイにおける水と人とのかかわりーその多様性と多義性をめぐってー
第9章 ミエン・ヤオ族の儀礼における水の功能ー中国・ベトナム・タイ広域比較分析の取り組みー
第10章 日中文化交流の一側面ー『西湖佳話』と津藩の治水事業ー
第11章 物流と海洋:海運と国際調達の新たな役割
あとがき
現在の経済学/経済学者への批判宣言! 経済学者たちの“対話の場”が必要である。
2008年金融危機、2020年パンデミックの経験から、主流派マクロ経済学の変容と退化が暴き出された。レギュラシオン理論の立場から、ケインズの伝統から離れ市場万能論に陥っている経済学の現状と、専門に入り込み全体を見ない経済学者という「職業集団」のあり方の両面を、徹底批判。
ダム建設、サンゴ礁保護、放射性廃棄
物、砂漠化、遺伝子組み換え作物など、
世界各地の環境問題から12の典型例
を取り出し、生態系と人間社会の不可
避的な葛藤と解決への道を考えていく。
フィールドワークに憧れて現場に飛び込んだものの、実体験と理論のギャップに立ちすくむ…。そんな状況を打ち破るために「国際協力」という可能性を提示する。より良い世界への架け橋をめざして。
<2007年11月初版発行>
◇育成・活用の基本!
◇働きがいのある会社をつくる
「女性が働きやすい企業ほど国際競争力が高い」が世界の常識です。少子高齢化が加速する現在、女性の継続就業を可能とする職場環境整備と女性活用は待ったなしの状況です。
女性の活躍の場を拡大するためには、男女雇用機会均等法など法律に則した人事制度の整備が不可欠ですが、それだけでは不十分です。人事制度の運用、つまり人材活用を、性別でなく社員の意欲や能力に即したものとするために、人事制度の整備に加え、職場での管理職による人材活用を点検し、見直すことが必要となります。
本書は、「ダイバーシティ推進室」を設立し、社員のワークライフバランスを推進する東京電力、ジェンダーフリー推進から男女共同参画へと取り組みをステップアップさせた資生堂、均等推進企業表彰の厚生労働大臣優良賞を受賞した帝人グループなど、女性活用を推進し自分らしく働ける職場づくりを進める先進企業11社の事例を紹介します。女性の管理職への積極的登用や出産・育児・介護などに対する両立支援など、女性活用策の考え方から運用上の具体策まで、各社の人事トップや推進責任者が詳細に説き明かします。
〈解説〉佐藤博樹(東大教授)
「女性の活躍の場拡大とワークライフバランス」
〈主な企業事例〉
東京電力
ダイバーシティ推進策
ダイキン工業
日本型タレント・マネジメント
伊藤忠商事
人材多様化推進計画
資生堂
男女共同参画施策
高島屋
キャリア・ライフプラン支援
松下電器産業
多様性推進による企業革新
三菱東京UFJ銀行
ワークライフバランス
本書は、日本学術会議の基礎生物学委員会・統合生物学委員会による「参照基準」に準拠した、大学初年次向けの生物学の教科書である。遺伝子、タンパク質、細胞などを扱うミクロ分野から、生態系、生物多様性を扱うマクロ分野まで、生物科学の幅広い分野をカバーしているので、基礎から最先端の知識までを体系的かつ効果的に学ぶことができる。生物学の多様な分野の第一線で活躍している研究者らが長年の講義経験をもとに、わかりやすく丁寧に解説した一冊である。
生活における快適さ"comfort"は時代によってどのように変遷してきたか。マルサスが唱えた愉楽の標準(standard of comfort)を軸に、J.ステュアート以降、J.S.ミル、マーシャル、ヴェブレン、ロバートソンなど9人の経済学者たちの思索を辿る。
序 章 「愉楽の標準」と経済学者たち 柳田芳伸
第1章 奢侈的な豊かさは幸福を意味するか
--J.ステュアートの嗜好の標準と生存の標準 古谷豊
第2章 ウィリアム・ペイリーの幸福概念 柳沢哲哉
第3章 デュガルド・スチュアートにおける 「動機づけ」の政策思想
--「愉楽の標準」に焦点を当てて 荒井智行
第4章 マルサスにおける「貧窮の標準」と「愉楽の標準」
--「便宜と愉楽に対する嗜好」を手掛かりにして
柳田芳伸
第5章 J.S.ミルの『経済学原理』における幸福と適度な「快適の標準」
--多様な私有財産制の可能性と政府の役割 小沢佳史
第6章 マーシャルの生活標準への途
--進歩の源泉を求めて 近藤真司
第7章 ゆたかさと不平等分配
--ヴェブレンにおける「品位の標準」が意味するもの
石田教子
第8章 余剰と余暇
--ホブスンにおける分配の人間的原理 尾崎邦博
第9章 経済の進歩、変動、格差
--ロバートソンにおける「安楽の標準」と「生活の標準」 仲北浦淳基
「診療の補助」に追われ、後回しになりがちな「療養上の世話」…その醍醐味を取り戻す「視点」がここにあります!
好評だった『コミュニティケア』臨時増刊号「よりよい療養支援のために『生活を支える看護』を考える」を加筆しての書籍化!
訪問看護・高齢者ケア施設など、地域で実践している「生活を支える看護師の会」のメンバーが、自らの取り組みを詳細に報告。その「語り」の中には患者・利用者、そして家族の「生活」を支えるための“看護”がいっぱい詰まっています。
地域のナースはもちろん、「診療の補助」業務に追われて、患者の「生活」に思いを寄せることが難しい病院のナースに、ぜひ、読んでいただきたい1冊です。
〈口絵〉 3つの観点で考える「生活を支える看護」23のポイント
〈総論〉 「生活を看る看護」看護の原点の拡張と実践の多様性─21世紀の看護論・私(試)論─
〈報告〉生活を支える看護師たちの実践
1 活き活きと生きるのが「生活」 その生活を支える看護とは
2 “生活”は健康の土台特別養護老人ホームで支えるために
3 病気や障がい、加齢などの変化があっても、自分らしく暮らす
4 その人が望む生き方を全うするために必要な「life生命と人生」
5 ナースが考えたい「生活」とはこの世を去る過程での生きた証
6 看護にとっての「生活」とは看護の対象となる人のあるべき姿
7 看護と生活は切り離せられない「生活」の中に看護がある
8 看護にとっての「生活」とは“優先すべき指標”
9 看護にとって「生活」とは毎日の積み重ね
10 看護が支える「生活」とは“自ら生きること”
11 “おせっかいおばちゃん”ができるのが「生活の場の看護」
12 「生活の中の看護」が支える“その人”の尊厳
Column 「生活を支える看護師の会」とは