田んぼに、コウノトリが舞い、小魚が泳ぎ、トンボの群れが戻った。いのちに満ちた水田を再生しようと、歩み始めた人々のメッセージ。
新進気鋭の若手生態学者が考える生態学の体系をシリーズ化。森林生態学をめぐる膨大な知識をコンパクトに体系化。学生だけでなくプロの研究者も必読の一冊。
いまあらゆる組織が,これまでに経験したことのない状況や課題に取り組んでいる。そこで求められる〈先取り志向〉の着想と活動とは,プロアクティブな行動と組織とはいかなるものか。組織心理学,組織行動論のテキストとして,ビジネスパーソンの糧として。
第1章 プロアクティブ組織をめざして(古川久敬)
第2章 経験と対話による人材育成(高橋 潔)
第3章 未来志向の人事評価(柳澤さおり)
第4章 これから求められる効果的で主体的なリーダーシップ(淵上克義)
第5章 チーム力の育成・強化(池田 浩)
第6章 組織コミュニケーションの将来と待ち受ける課題(山口裕幸)
第7章 人材の多様な活躍を支えるワーク・ライフ・バランスが開く可能性(坂爪洋美)
第8章 組織の社会的責任のとり方(杉谷陽子)
「経験の情熱」に拠る書
●自閉症(ASD):医学/心理学/社会学、当事者、スペクトラム、神経多様性。その必読の書。 小泉義之(立命館大学名誉教授)
●「自閉症スペクトラム」から「神経多様性」へ。一筋縄ではいかない複雑な言説の政治を紐解く 松本卓也(京都大学大学院人間・環境学研究科准教授)
「開かれる自閉」は、言葉遊びのようだけれど、本当にそうだと思っている。自閉症でなくなることによってではなく、自閉症のままで、人とつながり、社会のなかで生きていくことだ(「ふつう」の人にとって馴染みある、期待している形ではないかもしれないけれど)。
自律性、個体性、境界の自己決定、入出力の不在。これらを特徴とし、自己を産出するネットワークを不断に再生産し続けるシステム、それがオートポイエーシス・システムである。神経生理学の研究から導き出されたこの構想は、観察者の視点からではなく、システム自身からシステムを定式化しようと試みたもので、生命のみならず認知の領域をも射程に入れる。その可能性は社会学、経済学、法学、精神医学など多分野において汲み取られ、豊かな展開を遂げた。閉鎖系のダイナミクスがもたらす開放性の新たな意味とはなにか──。第三世代のシステム論のモデルを高度な記述とともに提示した独創的著作。
編者による序文
謝 辞
緒 論(H.R.マトゥラーナ)
第一部 オートポイエーシスーー生命の有機構成(H.R.マトゥラーナ/F.J.ヴァレラ)
はじめに
1 生命およびその他の機械について
1 機 械
2 生命機械
2 テレオノミーの不要性
1 無目的性
2 個 体
3 オートポイエーシスの実現
1 記述的概念と因果的概念
2 分子レベルでの実現
3 起 源
4 オートポイエーシスの多様性
1 単位体の条件に従属すること
2 個体発生の弾力性
3 再生産ーー単位体の複製
4 進化ーー歴史的ネットワーク
5 オートポイエーシス・システムの第二次元と第三次元
5 オートポイエーシスの現前
1 生物学的含意
2 認識論的含意
3 認知的含意
付録 神経システム
第二部 認知の生物学(H.R.マトゥラーナ)
1 序
2 問 題
3 認知機能一般
A 観察者
B 生命システム
C 進 化
D 認知のプロセス
4 認知機能各論
A 神経細胞
B 構 築
C 機 能
D 表 現
E 記 述
F 思 考
G 自然言語
H 記憶と学習
I 観察者ーー認識論的、存在論的含意
5 認知の神経生理学の諸問題
6 結 語
7 後 記
用語解説
解 題
訳者あとがき
文庫版への訳者あとがき
文献表
キリマンジャロ西斜面の山奥にあるルカニ村。「世界農業遺産」に認定されるほどの魅力的な農林畜複合経営が、「コーヒー危機」の影響で崩壊したが、フェアトレードの取り組みにより復興しつつある。2002年〜2013年における農家の経営行動を観察し、「アフリカ型」の貧困削減・農村開発のあり方を探る。
第1部 農家経済経営・農村発展の分析の枠組みと課題
第1章 タンザニア農村における貧困・開発の分析枠組み: 「アフリカ型」農村開発をめぐって
第2章 「制度派」農家経済経営学序説:混成性の経営目標・成果の分析枠組み
第2部 キリマンジャロの農家経済経営の基礎構造:現金現物日記帳の分析
第3章 現金現物日記帳に基づく農家経済経営行動と基礎構造の解明
第3部 農家経済経営の実態:品目ごとの経営行動
第4章 コーヒーの価格形成と小農民のアップグレーディング:流通制度改革・協同組合・フェアトレードの役割
第5章 トウモロコシ・豆をめぐる経営行動の特質:コーヒー危機にともなう「男性産物」の多様化と所得安全保障
第6章 牛をめぐる経営行動の特質:農家経済経営リスクと家計安全保障
第7章 バナナをめぐる経営行動の特質:「女性産物」が追求する家計安全保障
第8章 農林畜複合経営と材木ビジネスの実態:私的利益追求と社会経済目標を重ねる森林再生への道筋
第4部 農家経済経営を取り巻く社会制度の実態:ローカル社会経済と相互扶助
第9章 キリマンジャロ西部の社会経済構造と地域経済圏:農民市場を媒介にした農畜産物の地域内循環
第10章 相互扶助システムと拡大家族経済:伝統的社会(安全)保障制度の実態
第5部 農家経済経営・農村開発の成果の評価:フェアトレードの役割
第11章 貧困削減とフェアトレードの経営成果「貧困と開発の概念図」「ケイパビリティ・アプローチの概念図」に基づく貧困・開発の評価
第12章 利益追求・家計安全保障の経営成果:農家経済経営の基礎構造に基づく経営・フェアトレードの評価
現在の経済学/経済学者への批判宣言! 経済学者たちの“対話の場”が必要である。
2008年金融危機、2020年パンデミックの経験から、主流派マクロ経済学の変容と退化が暴き出された。レギュラシオン理論の立場から、ケインズの伝統から離れ市場万能論に陥っている経済学の現状と、専門に入り込み全体を見ない経済学者という「職業集団」のあり方の両面を、徹底批判。
自然を活かして地域を豊かにするための協働のすすめ方
どのように地域のステークホルダーと信頼関係を構築し、活動目標が合意され、活動に関わる人が増やされ、継続されてきたのか。
実践者によるコミュニケーションプロセスの詳述と、パターン・ランゲージによる経験則の読解。
さまざまな地域で協働による自然資本管理を創出・展開していくための必携の参考書。
生物多様性の保全を目的として、国際条約やそれに基づき政府が実施・推進する制度や政策など、トップダウンによる枠組みの構築が進んでいる。環境省のホームページなどでは、複数の主体が目標を共有し協力して課題解決に取り組む「協働」活動が、地域の先進事例として紹介されている。しかし、地域ごとに土地の特徴や取り組むべき課題、人材や資金の状況も異なる中で、表層的な部分のみが紹介されても他地域での成果に繋がっていくことは少ない。
様々な主体(ステークホルダー)を巻き込む形で地域の自然資本管理を進めていくためには、目標設定のあり方、多様で多元的な主体間での合意形成の進め方、そのために準備すべきプラットフォームを地域の個性に応じて考えていけるようにするためのツールキットが必要である。
本書では、地域に入り込んで研究や実践活動を行ってきた研究者・専門家が蓄積してきた事例から、地域での活動の動機、それによって構築される同じ目標を持つ人・組織が集まるプラットフォームと、それによって形成されるネットワーク、そのネットワークを基盤に自然資本管理に結びつけていく一連の「コミュニケーション・プロセス」を整理し、ボトムアップによる「緩やかな環境自治」の創出プロセスを詳細に示す。そこから合意形成のためのコミュニケーションを促進し、ガバナンスの仕組みを構築していくためのマネジメントの論理や技術を経験則として構築する。最後に、経験則をパターン・ランゲージとしてとりまとめ、自然資本管理に関わる協働のプロセスをデザインし、マネジメントしていくためのツールキットを提供する。
【読者対象】
・生物多様性や生態系の保全・活用をテーマに地域で活動する研究者、実践者(NPO)
・地域の実践活動に貢献したい生態学研究者
・自治体やNPO・NGO職員、生態学者と組んでまちづくりをしたい市民
分野:景観生態学、生態学、環境社会学、地域政策学、都市計画学、地理学、観光学、農村計画学、土木工学、建築学、造園学、緑化工学
倒産寸前だった中小企業はいかにして再生できたのか?
旧態依然とした斜陽産業で慢性赤字に陥っていた企業がわずか半年で黒字化に成功。
創業100年を迎えた老舗企業の復活の軌跡から企業再生のヒントを解き明かす。
ニーズの多様化、人口減少、産業構造の変化……。
時代の移り変わりに対応できず、旧態依然とした斜陽産業においては、
急速に淘汰が進んでいます。しかし、淘汰が進む業界においても、
長期にわたって着実に成長を遂げている企業もあります。
SANDO TECH(旧・山東鐵工所)は現在、国内で染色整理機械一式を製造している
唯一のメーカーです。かつては戦後の経済成長を支える存在だった繊維産業は
アジア諸国の台頭に押されて競争力を失い、
1991年をピークに下降の一途をたどり始めました。
現在は繊維製品の出荷額および繊維事業者数は1991年と比べ4分の1ほどにまで
落ち込んでいます。そして、繊維産業の衰退に伴って繊維染色機械メーカーも
多くが経営に行き詰まり、次々と撤退していきました。
そんななか、SANDO TECHも2005年にはまさに倒産の危機に瀕していました。
しかし、2006年6月に経営陣を刷新すると、わずか半年で黒字化を達成したのです。
人事体制の見直しや不採算部門の縮小・撤退などを断行したことに加え、
繊維染色の領域で培ってきた技術を応用し、フィルム加工をはじめとする数々の
新規事業を展開してきました。2008年のリーマン・ショックも黒字で乗り切り、
以降黒字を継続して今もなおさらなる成長を続けています。
著者は取材を通して、この企業再生の軌跡から「エネルギー」「ポテンシャル」「ニーズ」
という3つのキーワードが浮かび上がってきたといいます。
組織改革で社員の不満を成長へのエネルギーへと転換し、
先行投資で自社の技術のポテンシャルを引き出し、
多様化する社会のニーズを見極めて事業を展開するという、
王道ともいえる経営改革によってSANDO TECHはよみがえったのです。
本書では、SANDO TECHが数々の困難を乗り越えながら成長してきた軌跡をまとめ、企業再生のヒントを解き明かします。
小企業の経営者にとって、逆境を乗り越え会社を成長へと導くアイデアやヒントを示してくれる一冊です。
世界は原発危機から何を学ぶべきか。
人的資源管理の基礎理論の解説から、社員の格付けや賃金管理、配置転換や昇進等の事例紹介、各国との比較、さらにはデータに裏づけられた実態にも迫る。キャリア形成やワークライフバランスの将来設計にも役立つ入門書。
■ローマ帝国、明朝中国からオスマントルコやスペイン帝国、大英帝国にいたるまで。世界の大国はその時代で最大の経済力、政治力、軍事力をもつ国として登場したが、最終的には衰退してしまった。こうした大国の衰亡の根本的な原因は何なのか?
■ふたりの経済学者が、歴史上および現代の大国の興亡を、行動経済学、制度経済学、政治学をベースに読み解き、経済的不均衡が文明を崩壊させ、経済的な衰退は制度の停滞によって生み出されることを明らかにする。そして、米国が次に同じ運命をたどる可能性があり、現代日本も、明治維新以来、第二の衰亡か再起かの分岐に直面していると、警告する。
■大国の経済力を測るこれまでにない斬新な方法を提示、ローマ帝国、明朝中国、スペイン帝国、オスマントルコ帝国、日本、大英帝国、ユーロ圏、現代カリフォルニア州、米国それぞれの成功と失敗、発展の限界をつぶさに分析。ポール・ケネディ『大国の興亡』の「帝国が拡大しすぎが衰退の原因」との主張を退け、経済の不均衡を解決できない国家の政治的停滞こそが衰退の原因であることを明らかにする。
■歴史上の大国はなぜ没落したのか? 現代の大国が生き延びる道はどこにあるのか? 日本は没落の危機を免れるのか? 歴史に経済理論の光をあてて描「大国の経済学」。
第1章 序 論
第2章 大国の経済学
第3章 経済的行動と制度
第4章 ローマ帝国の没落
第5章 中国の宝
第6章 スペインの落日
第7章 奴隷による支配 オスマン帝国のパラドックス
第8章 日本の夜明け
第9章 大英帝国の消滅
第10章 ヨーロッパ 統一と多様性
第11章 カリフォルニア・ドリーム
第12章 米国に必要な長期的視野
第13章 米国を改革する
付 録 超党派的な財政均衡憲法修正条項の文案
逃げない、諦めない
独立系最大手のソフトウェア開発会社富士ソフトを築き上げた創業者・野澤宏氏の経営哲学をひも解く。
微積分や線形代数の先には、どのような世界がくりひろげられているのだろう。東大数理の執筆陣が、いま数学ではどのようなおもしろい研究がおこなわれているのかを、初学者に向けて生き生きと紹介。好評を博した『数学の現在 i,π,e』の続編。
はじめに(編者)
記号表
第1講 整数論ーー非可換類体論入門(三枝洋一)
第2講 代数幾何ーー射影多様体の群対称性の話題から(小木曽啓示)
第3講 微分幾何ーー退化する多様体を応用する:爆発する曲率(本多正平)
第4講 数学基礎論ーー公理的集合論の紹介:実数の集合を中心に(酒井拓史)
第5講 表現論ーー圏化と表現論(阿部紀行)
第6講 表現論ーー表現の誘導と制限(大島芳樹)
第7講 代数幾何ーー特異点とモジュライ(植田一石)
第8講 数論幾何ーー数論的な微分方程式とその幾何学性(阿部知行)
第9講 代数幾何ーー特異点解消とマッカイ対応(伊藤由佳理)
第10講 代数幾何ーー可換環論における代数幾何的手法(高木俊輔)
第11講 整数論ーー局所ラングランズ対応とその幾何化(今井直毅)
第12講 複素幾何ーー標準束の複素幾何学(高山茂晴)
索引
よこがお
親子間のインタビューにより引き出された様々な人の住経験を通じて、読者に住経験という視点の面白さや可能性を感じてもらう著書。
予測困難な時代を生きる子どもたちに向けて、学校教育で「生きる力」の育成が求められているが、本書では「音楽科でどのように生きる力を育むか」に迫る。これから求められる授業づくりはもちろん、教師のマインドにも触れており、指導に悩む音楽科教諭にとって心強い味方になる一冊。
はじめに
第1章 学校教育で大切にしたいこと
学校に来るってすごいこと
学校について考える
「自分を受け入れてくれる場所」の実現
「会いたい人がいる場所」の実現
「ワクワクする楽しいことがある場所」の実現
学校で育つ多様性
多様性を考えてみよう
子ども一人一人のよさを見つけよう
音楽の授業で多様性を考えてみよう
コラム こんなこともありました!
未来を生きる子どもたちの育成
生きる力って何だろう?
予測困難な未来に向けて
音楽の授業で変化に柔軟な思考力を身に付けよう
第2章 音楽ってどんな教科?
これからの音楽
思考を広げて表現を深める
実践を見つめてみよう
生きていく力を身に付ける音楽教育
音楽科教育とエージェンシー
エージェンシーって何だろう?
エージェンシーが育つ授業づくり
安心できる居場所づくり
結果ではなくプロセスを
エージェンシーが見える瞬間
コラム 担任の先生の存在
コラム 音楽会での記録
音楽科教育で広がるコミュニティー
音楽と創造性
他教科とのつながりを視野において
第3章 教師に必要な心得
自分の心を整えるために
子どもたちのポジティブを探そう
教師が元気=子どもも元気
パートナーシップ(partnership)
失敗に学ぶ
子どもの変化を見つける視点
当たり前ってすごい
一人一人の子どもに合わせて
ネガティブな感情はちょっと我慢
音楽で変化を見つけよう
子どもの変化を促す言葉掛け
第4章 授業デザイン
年間指導計画の大切さ
年間指導計画って必要?
系統的な学びの視点で題材配列を見つめよう
教材研究の進め方
指導案ってどうして必要?
教材で子どもたちを育むために
授業の組み立て方【常時活動の視点から】
学校生活を豊かにしていく言葉掛け
おわりに
郊外の耕作放棄地、都市公園の一角、商業施設の屋上、団地の敷地ーー。まちに点在する未活用空間に、都市住民の手による農園が増えている。空き地の利活用、コミュニティの再生、都市緑化、環境教育や食育といった地域課題解決に貢献する都市型農園について、国内外の先進事例や実践者への取材を交え、最新の知見を整理する。