長女夕香は、留学先でハイスクールの英文学教師・ハロルドと国際結婚し、離婚して帰国し、次女の朝子は、美大時代に恋に落ちたコンセプチュアル・アーチストと同棲し、婚姻届けを出し、離婚届けを出し、3女の雅江は保母で、母を亡くした園児に同情しその父親への同情が愛に変わり、結婚し、出産し、4女の美由起は同棲していた相手と正式に結婚式を挙げ、浮気したり、浮気されたり。…そして、4人姉妹の母親はいつもやきもきしていた。恋の悩みが尽きなければ、愛のかたちは千変万化。臨場感たっぷりの、限りなくリアルな恋愛小説。
わたし、今泉果歩。都内の私立高校2年生。最近、彼ができたばかりの親友の杏ちゃんにノロケられてばかりいる今日この頃。おかげで、2年も前に別れたあいつのことを何かと思い出すようになっちゃった。ああもうッ、こんな自分、みじめったらしくて、すごくイヤ。早く、昔の恋は忘れて、新しい恋がしたいのに…。ねえ、神様。わたしとめぐり逢うはずの運命の人は、どこにいるんですか。
ー恋する者はたえず心の中で走り回っており、新たな奔走を企て、自身に対する策謀をめぐらしつづけてやまない(R・バルト)-“あちらこちらを走り回る”という意を表しもする“ディスクール”本来の「野性的な」実践を通して、“恋愛”をもっともピュアーなかたちで描き出した刺激的快作。
聖武館高校を舞台にした、『聖少年白書』第2弾。男の子同士が恋を始める微妙な感情を描く表題作『運命的恋愛論』。痛くて辛くて、でも優しい「想う力」のファンタスティック・ラヴ『すき』。雑誌掲載時より大幅改稿した二本と、恋をする運命のふたりが、危機をクリアし、愛を続ける表題作の続編『正統的恋愛論』。
静岡の工場へと飛ばされた灰島悟は、日系三世の先輩、竹芝浩二にいろいろ教わりながらも仕事をこなしていた。だが、明るく元気な悟にも苦手な人間が…。それが工場長のマクラウドだった。しかし、ある事件を元に悟はマクラウドの優しさに気づく。そしてふたりは…。
走り幅跳びが、一度も満足に出来なかった。いつも踏切りで失敗する。助走しているうちに、踏切れなくなってしまう。祥子は、恋に対してもそうだった。-友達の恋人と一夜をともにした時、初めて思い切りよく踏切れたと祥子は思った…。友達の恵子に嫉妬していた。恵子のように跳びたかった。その思い悩む心の溝で起きた、一度だけの出来事。たった一度だけのことだから、素敵なのだろうか、それとも…。心が裂かれるほど張りつめた、欲望と傷心の恋の話8編。
ノリミとテニスを楽しんでいた麦倉先生の携帯電話が鳴った。T高古代史研の中山が、校庭の木に縛りつけられているところを発見されたのだという。そこには、イルカのぬいぐるみと『世界残酷童話』という謎の文章が残されていた。ノリミの家に事件の予告電話がかかり、次に被害にあったのは沙耶だった。一連の事件は、古代史研が校庭に作ったストーン・サークルに関係があるらしいが…。
聖武館高校を舞台にした、『聖少年白書』第3弾。テニス部の勇人と智紀の初体験はクリスマス。それから一年、セックスしたい好き進行形だ。そこに、テニス部OBでありハード(にエッチ)な恋愛進行形の東条と桑崎が、絡んできて…。テニス部の事情、東条の思惑、恋人ゆえの甘え。智紀と勇人の恋愛は、どこに辿り着ける。
図像化された愛。ヨーロッパ精神の底流を把握するための鍵。イタリアの奇書世界初の完訳。人は、いたるところで、自分と自分の属する集団を記号化するようだ。本書で語られているイタリアのモットー付き紋章づくりの慣習が、やがてヨーロッパ一円に波及していくのである。
時代は変わった。女と男の恋も変わる。いかに生きぬくかは、いかに恋愛するかを問うことだ。直木賞作家、初の超えた恋愛論三十章。