東洋、特に日本で独自の方向に発達した美意識や芸術観を、西欧近代化の体系的美学の展開を踏まえつつ考究し、芸術美の東西比較類型学的な解明を可能にする道を拓くこと、これが「大西美学」の真髄である。わが国美学史上に刻まわれた博士の大きな足跡の到達点を示す名著-生誕百年を記念して刊行。
エネルギーの喪失、方法論の欠如…。“形骸化した伝統”に息吹きを与える“異端の思想”が今こそ甦る。伝統芸術の根源に迫る「ナンバ論」をめぐる二大鬼才の対談。
技術の飛躍的発達、革命、恐慌そして世界大戦を体験した20世紀は、人間の存在を根底からゆるがした。危機に直面した文学は、起死回生の跳躍を試みる。言語はロゴスのまわりではなく、人間の深層や狂気のまわりを回転し始め、予定調和的世界にかわって不条理の世界が姿を現わした。新しい言語表現の光と影とを見すえる。
古典古代の著名な文学作品、「イリアス」「アエネイス」「プシコマキア」などの写本を飾った興味深い挿絵のかずかずを考察。