三島由紀夫をして、「この人がいなかったら、日本はどんなに淋しい国になるだろう」と言わしめた奇才・澁澤龍彦が早逝してから、30年が過ぎました。
彼の遺作であり、没後、読売文学賞を受けた奇跡の傑作『高丘親王航海記』が活字の大きな新装版で登場!
幼時から父平城帝の寵姫藤原薬子に天竺への夢を吹き込まれ、エクゾティズムの徒と化していた親王は、怪奇と幻想の世界へと旅立ちます。鳥の下半身をした女、犬頭人の国……。著者ならではの幻想に満ちた華麗なる物語が展開します。
あらたなる装画は、新進気鋭の朱華さんによる美しいイラストレーションです。
“生活や社会の中に息づく音楽文化、美術文化と豊かにかかわる資質・能力”をいかに育成していくかーー。子どもたちの未来を豊かなものに導くために、小・中・高・大学教育まで、分野を横断する研究者・教育者が多彩なアプローチで模索する授業づくりの研究と実践。
はじめにーー芸術教科の豊かな表現活動を探って/時得 紀子
芸術教育におけるピアノ指導の役割/平野 俊介
自己理解・自己受容を深めるための美術教育計画モデルの検討 /清田 哲男
芸術表現教育の評価に関する一考察 /永田 智子
K.H.エーレンフォルトによる音楽を聴くことの教育ーー生の地平における対話と合意を促す仲介/小山 英恵
兵庫県小学校音楽教育研究大会の公開授業にみる授業研究の動向/河邊 昭子
大学生と児童・生徒が共に学べる環境での芸術教育/小林 田鶴子
音楽との相互関係を結ぶ力を育てるーーアフォーダンス理論による音楽科教育「転回」の視点と実践の展望/内海 昭彦
中学校美術科における表現と鑑賞を一体化した単元モデルの構築/赤木 里香子/森 弥生
ことば・音・動きによる表現を取り入れた音楽づくりの実践への一考察ーー自己表現力育成を目指して/西沢 久実
芸術表現教育における打楽器の活用と展望/飯村 諭吉
創作学習の有効性ーー声によるふしづくりの実践から/桐山 由香
音楽の知覚と感受を呼び起こす器楽合奏指導の工夫ーーワークシートによる言語活動を手立てとして/島田 郁子
音楽の探究を促す教師の言語活動ーー小学校6年器楽アンサンブルの実践を通して/島田 郁子
郷土の音楽を教材とした音楽学習の展開ーー5年単元「阿波踊りプロジェクトを成功させよう」/島田 郁子
再編教科「表現創造科」の取り組みについての再考ーー上越教育大学附属中学校のミュージカルづくりの実践から/遠藤 好子
アクティブ・ラーニングの学習プロセスによる習得学習/今成 満
中学校音楽科のマネジメントーー「音楽の多様性に触れる」教材開発と「生徒のこれからに生きる」授業づくりを目指して/小町谷 聖
子どもが造形活動の意味や価値に気付く授業づくりーー個のよさを実感できる題材から/高橋 英理子
音楽科における社会に生きて働く思考力・判断力・表現力の育成を目指した授業の創造/上原 祥子
音楽鑑賞教育における音楽の視覚化の活用/小島 千か
「総合的・領域横断的な芸術表現教育」の指導者養成に関する実証的研究 /初田 隆/木下 千代
初等教育における身体表現活動を取り入れた実践の試み ーー上越及び兵庫教育大学附属小学校の事例から/時得 紀子
芸術教育を取り巻く状況と今後の展望/時得 紀子
おわりに/時得 紀子
植民地時代の台湾に生まれた胡太明は、中国文化をルーツに持ちながら、近代的な教育を受けて成長するが、故郷では日本人と同等に扱われず、新天地を求めて渡った日本や中国でも、決して同胞とは見なされない。植民統治下の台湾人が生きた矛盾と苦悩を克明に描き、戦後に日本語で発表された、台湾文学の古典的名作。[解説=山口守]
第一篇
苦棟(せんだん)の花の咲く頃
雲梯書院
古きもの新しきもの
濁流の中へ
久子
思慕たちがたく
故郷の山河
嵐の季節
彭秀才を葬う
愛と告白
青春の慟哭(どうこく )
波濤を越え
第二篇
日本留学
異郷の花
ふたたび故国へ
救いなき人びと
阿玉の悲しみ
昏迷と彷徨(ほうこう)
新生活
流離転々
大陸の呼び声
第三篇
紫金山の見える家
淑春
その後に来るもの
愛情は回帰する
相剋
一夜
風暴の前
囚われの部屋
脱出
さらば大陸
第四篇
暗い故郷
戦いの陰に
強いられた征途
この悲惨
回復期
母の死
虐げられる青春
再会
第五篇
日米開戦
新たな職場
愚かしき銃後
范の操志
虎狼の府
皇民派の悲哀
ある決意
犠牲
狂乱
再刊に際して
解説 近代台湾人の精神史を巡る旅……………山口守
日本銀行本店や東京駅など、近代日本を象徴する建物を矢継ぎ早に設計した、明治を代表する建築家・辰野金吾。
下級武士から身を立てるべく学問に励み、洋行して列強諸国と日本の差に焦り、帰国後はなんと恩師ジョサイア・コンドルを蹴落として日銀の建築を横取りする……!
周囲を振り回しながらも、この維新期ならではの超人・金吾は熱い志で
近代日本の顔を次々を作り上げていく。
日銀の地下にある意外な仕掛け、東京駅の周辺にかつて広がっていた海の蘊蓄など、誰もが見慣れた建築物の向こうに秘められたドラマを知ることもできる。
ベストセラー『家康、江戸を建てる』の著者が
「江戸を壊して東京を建てた」辰野金吾を描く、大きく楽しい一代記!
第一章 六歳児
第二章 江戸、終わる
第三章 二刀流
第四章 スイミング・プール
第五章 東京駅
第六章 八重洲と丸の内のあいだ
第七章 空を拓く
解説 吉田大助
沢村一家の笑えてホロリとする日常を描いたホームコミック第2弾。普通の毎日が続くこと、それが本当の幸せなのかも、と感じる一冊。
スポーツジムに通ったり、レンタルDVDで昔の映画を観たり、自分史を書き始めたりと、定年ライフを満喫中の70歳のお父さん。
行きつけの喫茶店があったり、時には近所のお友達と高級ランチを食べに行ったりもしている、社交的で友だちが多い69歳のお母さん。 未婚で彼氏なし、入社18年目のベテランOL。家事はお母さんにお任せで平和に暮らしてはいるけれど、将来への不安も頭をかすめる40歳の娘ヒトミさん。
そんな平均年令60歳の沢村さん一家の3人の日常を描いたホーム・コミック第2弾。高齢になった親、長年連れ添った夫婦、40代の娘、それぞれの視線で描かれた日常は、「あるある」と共感し、笑いながらも思わずホロリとくるシーンが満載。普通の毎日が続いていくこと、それが本当の幸せなのかも、と感じる一冊です。
描き下ろしマンガ「沢村さん家が4人家族だった頃」も収録。
七ツ岳山麓に住む老人・松岡浩が訪れたのは、
唯一の理解者だったスナックのママ・ひびきの葬儀。
自らが勧めた山での滑落事故死に思い詰める松岡。
何気なく見た現場写真に残された違和感…。
事故死への疑念とその真相が老人を戦地へと誘う…‼
“七ツ岳連峰”
美しき聖域が血で染まるーー
累計250万部突破‼「モンキーピーク」コンビが放つ
前代未聞の山岳殺戮劇、ここに開幕‼
まわり道しなければ、たどり着けない場所があるーー。
若き日の著者の、人生を決めた旅立ちの物語。読んだ人に深い感動と変化をもたらした話題の書が、待望の文庫化。
第七回梅棹忠夫・山と探検文学賞受賞作。
大学4年のある日、オオカミの夢を見た。自然写真家を目指していた著者は、導かれるように1冊のオオカミの写真集と出会う。「ダメもとくらいの挑戦をしないと、人生は面白くない」と語る著者は、その世界的な写真家ジム・ブランデンバーグに弟子入りを直接志願するため、単身アメリカに旅立つ。
ミネソタ州北部に広がる森と湖の世界「ノースウッズ」の入り口へたどり着き、ジムの家がその先にあると突き止めると、カヤックにキャンプ道具を積み込み、水上の旅へ。深い北国の森と無数の湖、様々な野生動物との出会い。8日間の旅の末にたどり着いた場所で、ついにジムとの対面を果たすがーー。
臨場感あふれる自然描写、不安に揺れ動く心情を正直に素直に描く、著者のかざらない姿に、いつしか共感し励まされる。自分の足で歩き、自分の目で見て、人と出会うことの大切さを教えてくれる、人生の羅針盤となりうる一冊。
著者による「文庫版あとがき」追補。
文庫解説:松家仁之(小説家)
★カクヨムラブコメ部門ランキング [日間/週間/月間] 1位獲得!!(2024/7)
大人気ラブコメが書籍化!
「俺、進学科なんだけど……?」
国民的人気俳優の隠し子である蒼井優人は、様々な学科がある私立一葉高校に入学する。
本人は進学科の一般人として、平穏な学生生活を送りたいのに……なぜか芸能科の女子達が彼をほっとかない!?
アイドル志望の幼馴染・堀田あかりとは距離が近すぎて彼氏疑惑をかけられたり、
同い年の人気若手女優・水瀬凪咲とのお隣さん生活が始まったりと、賑やかで注目されがちな日常に!
しかも、若い頃国宝級イケメンと呼ばれていた父親の遺伝は強くーー
その隠れイケメンっぷりと秘めていた演技の才能から、凪咲の芸能科試験のペアを任せられ!?
キュートな才女に見込まれ囲まれる、芸能学園ラブコメ!
旧知の先輩から突然届いた一通のメール。彼のせまる死を前に若き日のボート部の記憶が鮮明に蘇った。東京医科歯科大学ボート部黄金期の立役者のひとりだったコックスにして名軍師KN。自らを生き切ったという人当たり柔和にして苛烈なほどの統率力を誇ったKNと、自らの秘めた劣等感を資質と見極め、KNのなかにもその僅かな匂いがなかったかと心で思いを巡らせた〈私〉の邂逅を描く。
至極のエッセイ45本に加え、文庫版の「おまけ」9本&「あとがき」を収録。あなたの心の中でうごめく「曖昧な感情」に、「曖昧なまま」そっと寄り添ってくれる沢山の言葉たちー最果タヒ初のエッセイ集が待望の文庫化!
【単行本描きおろしおまけ4コマ2P収録!】
「一緒に旅してくれませんか?」
30歳の誕生日を目前に、付き合っていた(はずの)先輩にフラれてしまった派遣OL、月見里涼音。
ヤケクソで傷心旅行に発った涼音は、訪れた高千穂峡で、謎めいた青年・天埜悠臣に出会う。
実は悠臣はスランプ中の小説家で、なぜか目をつけられた涼音は、彼と一緒に旅をすることになってーー!?
「オオカミ王子の言うとおり」「恋しちゃいけない花風くん」など大人気少女漫画の原作者・ももしろと、
講談社、スターツ出版等で活躍中の人気漫画家・三月トモコがタッグを組み贈る、旅ラブコメ第1巻。
倫理もなく、理屈もない。奇妙な出来事が、ただそこにあるーー。
初々しい新婚夫婦。しかしふたりは、たがいに秘密を抱えていた。そして男はなぜ新婚旅行先に忌まわしい思い出が残る旅館を選んだのか。旧い結婚観が招いた悲哀劇(表題作)。
新発見の感染症の手がかりを追う保健所の職員は歪んだ虹色の世界を覗き見る(「蟻の塔」)。
アメリカで妊娠した修道女は、日本で病床にある教主とのあいだにできた御子だと主張するが……。果たして、彼女が語るのは奇蹟か幻想か(「聖女」)。
女の生涯には、常に蟻が這い回っていた(「蟻の声」)。
光に眩み、闇に溺れる。罪を犯して贖いて、果てに待つのはおぞましくも美しき混沌の世界。地獄極楽板一枚。ただひたすらに、酔え、惑え。
文庫初収録三篇を含む、江戸川乱歩賞作家円熟期の短篇集。
いいエッチをしていると、ふだんが「いい表情」になる。幸福な人とすると、幸福になれる。
本書は、教職課程における「教育の基礎的理解に関する科目」の一つに位置付けられている「教育の理念並びに教育に関する歴史及び思想」を学習するためのテキストである。
理想の教育を追求するうえで、その理念が重要であることは言を俟たないが、「理念」について学ぶことは実は難しい。私たちは目の前の教育実践を観察することはできても、その背後にある理念を同じように捉えることはできない。また、私たちは言葉を通して教育の理念について学ぶが、理念をもし単なる言説と見るならば、教育の現実とは無関係なものとなってしまう。教育の理念について学ぶ際に意識すべきことは、それを教育の現実を変える可能性を持つ力として捉えることである。教育の理念と教育の現実との交わりは、過去の教育の「歴史」の中に豊富に見出すことができるため、本書は教育の理念を歴史的展開に位置付けて学習できるよう編集した。
教育の理念は、過去のさまざまな教育思想の中に見出すことができる。教育思想家や実践家たちは、それぞれが生きた時代背景や各自の課題意識の基に、子ども、教師、人間、社会、学校などに対する考察を重ね、理想の教育の在り方を提起してきた。先人たちの思索に学ぶことは、教育に対する読者の視野を広げる手がかりとなるであろう。また、教育の理念と歴史を学んでいくと、理念がその提唱者のみの問題ではなく、それを受容する人々の問題であることにも気づかされるであろう。教育の歴史の中には、ある理念が革新的な教育現実を生み出す一方で、理念がその提唱者の手を離れ失われていくこともあるからである。さらに、過去には教育思想家や実践家が教育の理念を掲げただけでなく、国家が示した教育政策上の理念も存在する。そうした理念が、教育の現実に何をもたらしたのかを学ぶことも、これからの教育の在り方を考える一つの材料となるはずである。
本書は第1部「西洋における教育思想と学校の歴史」、第2部「日本における教育思想と学校の歴史」、第3部「教育の諸課題と学校」から構成されている。第1部と第2部は、西洋と日本における教育思想と学校の歴史を古代から近・現代に至るまでの時系列に沿って取り上げている。第3部は、現代社会の中で近年浮上している教育の諸課題に着目し、テーマ史的に内容を構成した。教職を目指す読者が、自らの教育観を問い直し、教育理念を形成していくための糧として本書を活用していただけたら幸いである。(「まえがき」より)
〈第1部〉西洋における教育思想と学校の歴史
第1章 前近代の教育思想と教育機関
第2章 人間教育の理念形成
第3章 近代公教育の形成
第4章 近代教授法の成立
〈第2部〉日本における教育思想と学校の歴史
第5章 新教育運動の生起と展開
第6章 伝統的社会における教育
第7章 近代学校制度と授業の成立
第8章 大正新教育の展開
第9章 国家主義教育と戦後の教育改革
〈第3部〉教育の諸課題と学校
第10章 変化する社会と学校の関係
第11章 教育における学校と家庭の役割
第12章 グローバル化と持続可能な社会
第13章 「教育の理念と歴史」を学ぶ意味